

子供がいじめに合いそうで不安、既にいじめられて困っている方「子供がいじめられそうで心配。いじめに近いことをされているようで、不登校などにならないか不安。親ができるいじめの対策、相談先を知りたい」
こういった不安、お悩みにお答えします。
✓本記事の内容
- ADHDの子供のいじめられるパターン
- ADHDの子供がいじめられる原因
- ADHDの子供のいじめの対策
- ADHDの子供の「いじめ」に気づいたときにすべきこと
- ADHDの子供のいじめの相談先
「うちの子が、これからいじめに合わないか心配・・」
「今いじめに近いことをされているかも(本人は遊んでるだけだと思ってるけど)・・・・」
ADHDやその他の発達障害を抱えたお子さんの親であれば、誰でも心配になりますよね。
この記事を執筆している私は、療育指導員を10年以上しています。
これまでADHD(注意欠陥多動性障害)や自閉症スペクトラム(ASD)、学習障害(LD))など、1才~18才までの発達障害の子供の支援をしてきました。
本記事では、発達障害の子供に関するいじめの情報をまとめています。
いじめられないための事前の対策、既にいじめられている時の対策、それぞれ解説しています。
対策と相談先の部分は、ADHDに関わらず、他の発達障害にも活用できますので、ご覧くださいませ。
本記事が、お子さんの過ごしやすさのお役に立てれば幸いです!
ADHDの子供のいじめられるパターン

まず「いじめ」の全体像を確認しましょう。
いじめは、被害者と加害者だけで成立するわけではありません。

傍観者自体(見ないふりをしている子)に、暗黙の支持の力が働くため、いじめが助長されやすくなります。
一方で傍観者には、仲裁者(いじめを注意する子)もいるため、いじめの抑制作用も働きます。
では、実際にどのような「いじめ」が起こっているのでしょうか?
具体的な「いじめ」の内容を見ていきましょう。
「いじめ」の種類



ADHDの子供がいじめられる原因

ADHDの子供がいじめられる原因は3つあります。
主にADHDの特性に対するものです。
- その①:周囲がADHDの特性を知らない
- その②:周囲がADHDの特性の未理解
- その③:クラスメイトの問題
その①:周囲がADHDの特性を知らない

- 「少し変わった子」と思われている
- 担任がADHDの特徴へ配慮できていない
その②:周囲がADHDの特性の未理解

- 担任が「本人の努力不足、やる気がない」と思っている
- 周囲が「ワガママ」と思っている
その③:クラスメイトの問題

- クラスメイト個人に問題がある
ADHDの子供のいじめの対策

ADHDの子供のいじめ対策は3つあります。
- その①:担任・園/学校側に子供の特性を伝える
- その②:校長、スクールカウンセラー、教育委員会に相談する
- その③:いじめチェックリストを使う
(いじめの察知)
1つずつ見ていきましょう。
その①:担任・園/学校側に子供の特性を伝える

担任の先生に、子供の特徴を知って、正しく理解してもらいましょう。
「どう説明しよう・・」という方は、こちらの記事を参考にしてみてください!
症状、困り、対応方法を、そのまま説明していただけると、伝わりやすいと思います!
【ADHDの特徴と配慮について】
【療育セラピストが解説】ADHDの子供の3つの症状と7つの対応法
その②:校長、スクールカウンセラー、教育委員会に相談する

一番相談すべきは、担任の先生ですが、担任の理解が期待できない場合は、校長、教頭、スクールカウンセラーに相談しましょう。
学校側として、理解がない場合は、教育委員会に相談も1つです。
よく「学校側に要望を言ってもいいんですか?」と聞かれるのですが、問題ありません。
大切なことは、子供の生活のしやすさです。
そのためには、周囲の方の理解が必要不可欠です。
子供の特性/配慮など、必要な方に必要な情報は伝えていきましょう。
園/学校側として、配慮の仕方など知れれば、子供にも関わりやすいです。
たまに、理解や協力を全く示さない園/学校がありますが、その場合は転園/転校を考えることも1つかもしれません。
社会的に発達障害の認知は広がっていますが、残念なことに、まだ理解がない先生や園/学校があるのは事実です。
私が支援をしていて、最もむずかしさを感じるときの、理由の1つがこれです。
ご家族でしっかり相談して決めていきましょう。
その③:いじめチェックリストを使う(いじめの察知)

「いじめ」は気づきにくいです。
「いじめ」が大きくなる前に、親が子供のサインを拾うことも大切です。
心配な方は、リストを活用してみてください。
【いじめられている子供のサイン(変化)】
- □朝起きてこない、遅刻が増える
- □登校渋りがある
- □元気がない、食欲がない、眠れない、ため息が多い
- □外に出たがらない
- □学習意欲が下がる
- □「部活動やめたい」「転校したい」などの発言が増える
- □イライラしたり、おどおどしやすい
- □急に甘えたり、はしゃいだりする
- □友達からの呼出/外出が頻繁になる
- □持ち物への落書き、破損がある
- □お金の持ち出し、要求が増える
- □見た覚えのない物を持っている
- □大切にしていた物がなくなる
- □「どうせできない」「死にたい」などの発言がある
- □携帯に頻繁に連絡があるが出ない
- □携帯に入る連絡に過剰に反応し、不安な表情をする
- □服が破れている/汚れている
(理由は言いたがらない) - □痣や傷がある
(理由は言いたがらない)
【関連記事】
【いじめている子供のサイン(変化)】
- □暴力的な言動が目立つ
- □金銭の使い方が派手になる
- □時間にルーズになる
- □見た覚えのない物を持っている
- □他人を中傷する言動が目立つ
「いじめ」は当事者以外でも、普段の会話から発見できることもあります。
「あれ?おかしいな・・」と思ったら、まず学校に相談してみましょう。
ADHDの子供の「いじめ」に気づいたときにすべきこと

ここでは、「いじめられている」「いじめている」「いじめを見ている」に分けて、一覧で説明していきます。
本記事を読まれている方は、「いじめられている」場合の情報を知りたい方が大半だと思いますが、知っているだけでも参考程度になるため、まとめてみました。
【いじめられている子供への接し方】
- □子供の話を聞く
※いきなり励ましたり、否定しない - □子供の味方という姿勢を伝える
- □解決方法を一緒に考える
- □些細なことも学校に伝える
- □犯罪性がある場合は、警察に相談
- □子供の困りを具体的に聞く
(いつ・誰に・何を・どのように)
【いじめている子供への接し方】
- □毅然とした態度で接する
- □本人の気持ち/理由を聞く
- □相手の気持ちを代弁しましょう
- □学校に伝え、連携する
【いじめを知っている子供】
- □勇気をもって話してくれたことに感謝として伝える
- □いじめを受けている子の気持ちを代弁する
- □「面白がる」ことも「いじめ」であることを伝える
- □学校に伝える
【関連記事】
ADHDの子供の二次障害とは【原因/時期/種類/対応方法を解説】
ADHDの子供のいじめの相談先

「いじめ」の相談先は、主に4つあります。
- その①:学校内の相談室
- その②:いじめ110番
- その③:いのちの電話
- その④:児童相談所
学校内の相談室とは、スクールカウンセラーなどがいる相談室のことです(学校によって呼び方が異なります)。
他の相談窓口は、「○○市 いじめ110番」などで検索し、最寄りの相談窓口を探してみましょう。
ADHDの子供がいじめられたら?【3つの対策と4つの相談先を紹介!】のまとめ

記事のポイントをまとめます。
- 【ADHDの子供のいじめの種類】
・暴言、暴力、無視、仲間はずれ
・物を隠す、捨てる、破損させる
・金銭/物などの要求
・嫌なことの強要
・ネット上の誹謗中傷 - 【ADHDの子供のいじめられる原因】
・周囲がADHDの特性を知らない
・周囲のADHDへの未理解
・クラスメイトの問題 - 【ADHDの子供のいじめの対策】
・担任・園/学校に子供の特性を伝える
・校長、スクールカウンセラー、教育委員会に相談する
・いじめのチェックリストを使う - 【ADHDの子供の「いじめ」に気づいたときにすべきこと】
・「いじめられている子」への6つの接し方をする
・「いじめている子」への4つの接し方をする
・「いじめを知っている子」への4つの接し方をする - 【ADHDの子供のいじめの相談先】
・学校内の相談室
・いのち110番
・いのちの電話
・児童相談所
以上になります。
少しでも不安が減るキッカケになれば嬉しいです!
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