

子供のおねしょが心配な方「子供の年齢が上がってもおねしょがある。もしかして病気なの?夜尿症について詳しく知りたい。」
こういった疑問、お困りにお答えします。
✓本記事の内容
- 夜尿症とは
- 夜尿症の原因とタイプ
- 夜尿症の対処法
- 夜尿症の子供への向き合い方
- 夜尿症の治療法~治療までの流れ
「5才を過ぎても、おねしょをする・・」
「子供も気にしてきたので、どうにかしてあげたい・・」
「育て方が悪いのかな・・具体的にどうすればいいのか知りたい」
子供のおねしょについて、悩まれたことがある方も少なくないのではないでしょうか??
この記事を執筆している私は、10年以上療育指導を通して、過去に1,000名以上の発達障害の子供とその親を支援をしてきました。
その中には、ADHDで5才になってもおねしょをするお子さんのことで、悩まれている親御さんが多くいらっしゃいました。
本記事では、そういった親御さんのために、
夜尿症の原因、症状、対処法、向き合い方、治療法、治療までの流れを1つにまとめました。
参考になれば幸いです。では早速みていきましょう!
夜尿症とは

夜尿症とは、「5才以降の子供のおねしょ」のことをいいます。
📈有病率📈

5才児で5~10%、10才児で3~5%程度になります。
割合を見ていくと、決して珍しい症状ではありません。
小学校入学までに、夜尿の頻度が週1~2日程度であれば、自然になくなっていく可能性が高いといわれています。
夜尿症の原因とタイプ

原因とタイプをセットで考えると、大きく4つあります。
- その①:抗利尿ホルモンの不足
(多尿型) - その②:膀胱が小さい
(膀胱型) - その③:急激なストレス
(ストレス型) - その④:ADHDの特性
(ADHD型)
1つずつみていきましょう。
その①:抗利尿ホルモンの不足(多尿型)

夜間の抗利尿ホルモンの分泌不足が1つの原因です。一般的には、昼間より夜間に抗利尿ホルモンが多く分泌されるため、夜間の尿量は昼間より少なくなります。分泌リズムは成長とともに、安定していきます。
その②:膀胱が硬い(膀胱型)

膀胱が硬いことで大きく膨らまないため(膀胱自体が小さいわけではなく)、尿を溜められる量が限られ、夜尿につながります。膀胱の容量は成長とともに発達していきます。
その③:急激なストレス(ストレス型)

急な環境の変化による、ストレスで一時的に夜尿症に近い症状が出る場合があります。例えば、家庭環境の変化/引越し/園・学校の過度な緊張/友人関係の悪化などです。
その④:ADHDの特性(ADHD型)

ADHDの特性上(多動・衝動・不注意)、夜間の水分制限や排泄習慣を守りにくさ、下着が濡れている感覚の鈍さなどのことから、夜尿症の治りにくさにつながっています。
【関連情報】
【療育セラピストが解説】ADHDの子供の3つの症状と7つの対応法
📊ADHDの子供の夜尿症の割合📊
ADHDの子供のうち、約3割が夜尿症を合併しています。
参考:夜尿症診断ガイドライン2016 公益財団法人日本医療機能表機構
夜尿症の対処法

夜尿症の対処法は4つあります。
- その①:就寝前の水分調整
- その②:体を冷やさない
- その③:就寝前はゆっくり過ごす
- その④:起こさない
その①:就寝前の水分調整

- 就寝2時間前は、飲む量を調節する
- 喉が渇きやすい食べ物は避ける
- 尿量を増やす飲み物も控える
(ex.牛乳) - 利尿効果の高い飲み物は控える
(ex.オレンジジュース、緑茶)
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その②:体を冷やさない(膀胱型)

- 就寝前に入浴し、体を温める
- 体を温め、膀胱を硬くなるのを避ける
その③:就寝前はゆっくり過ごす

- 就寝前は、なるべく興奮したり体を使って過ごすことは控える
- 就寝前は、ゆっくり過ごすことを習慣化していく
※喉が乾き、就寝前の水分調整が難しくなります。
【関連情報】
ADHDの子供が切り替え上手になる4つの接し方【家庭でできます!】
その④:起こさない

- 夜尿対策として、夜中に子供を起こすことは避ける
※睡眠中の抗利尿ホルモンの分泌を妨げ、尿量が増え、夜尿につながりやすくなります。
【関連情報】
睡眠障害とは?自閉症スペクトラムの子供 半数が悩みあり【家庭での対処法を解説します】
夜尿症の子供への向き合い方

夜尿症のADHDの子供への向き合い方は、3つあります。
- その①:怒らない
- その②:意識させる声掛けはしない
- その③:夜尿がなかったときに褒める
夜尿は、子供の自己肯定感を下げる1つの原因になります。
外泊行事やお友達の家で泊まる時、兄弟と自分を比べて自信をなくす・・など少なくありません。
ここの向き合い方をぜひ活用頂き、お子さんの自信につなげちゃいましょう!
その①:怒らない

夜尿は、子供自身の意思に関わらず生じる症状です。
怒ることは避けましょう。
怒ることで過度に意識し、寝付きが悪くなり、より夜尿の症状が悪化することもあります。
【関連情報】
つい怒ってしまう・・【ADHDの子供への怒らない7つの接し方】
その②:意識させる声掛けはしない

「怒らない」理由と同じですね。
子供の意思に関わらず症状として出るので、気をつけるような意識掛けの声掛けは逆効果です。
なるべくリラックスできるよう、必要な生活習慣の定着に集中しましょう。
その③:夜尿がなかったときに褒める

夜尿がなかったときは、全力で褒めてあげましょう。
お子さん自身に「できた!できるんだ!」と思ってもらい、自信につなげる機会を作っていきましょう。
【関連情報】
ADHDの子供の5つの褒め方【療育指導員の接し方を解説します!】
夜尿症の子供の治療法~治療までの流れ

大きく3段階あります。
- ステップ①:生活習慣の改善
- ステップ②:夜尿症の治療
(アラーム療法/薬物療法) - ステップ③:専門医を紹介
最初に尿検査と問診があります。「臓器に異常がないか」「薬物療法に適応できるか」の確認をされます。
お子さんによっては、この段階で専門医を紹介される場合があります。
ステップ①:生活習慣の改善

「夜尿症の対処法」の内容になります。
医師のアドバイスを受けながら、子供の状況に合わせて進めていきます。
1ヶ月ほど経ち、改善が見られれば、治療自体は終わります。
逆に改善が見られなければ、「ステップ②の治療」に進みます。
ステップ②:夜尿症の治療(アラーム治療/薬物療法)

主に2つの治療法があります。
⏳アラーム治療⏳
下着や体に装着した装置を使って、夜尿の症状が出たら、アラームが鳴り子供を起こす治療法です。
ここの目的は1人でトイレに行けるようにすることではなく、
子ども自身に自覚してもらい、夜間の膀胱容量を増やし、夜尿の頻度を減らすことです。
夜間にアラームが鳴るため、特に家族の理解が必要になる治療法です。
💊薬物療法💊
点鼻薬や内服薬で治療をします。1~3ヶ月ほどの期間になり、小児への使用の安全性が完全には確立されていないため、医師の慎重な判断が必要になります。
【関連情報】
ADHDの子供の薬とは【種類/メリット/デメリットまで解説】
ステップ③:専門医へ

「ステップ②の治療法」まで効果が見られなかった場合は、専門医を紹介されます。
治療の方法は、お子さんによって変わるため、実際に相談に行かれて聞くことが一番になります。
夜尿症とは【ADHDの子供との関係は?原因、対処法、治療法を紹介します】のまとめ

記事のポイントをまとめます。
- 【夜尿症とは】
・5歳以降のお漏らし - 【夜尿症の原因】
・抗利尿ホルモンの不足
・膀胱が硬い
・急激なストレス
・ADHDの特性 - 【夜尿症のタイプ】
・多尿型
・膀胱型
・ストレス型
・ADHD型 - 【夜尿症の対処法】
・就寝前の水分調整
・体を冷やさない
・就寝前はゆっくり過ごす
・夜中に起こさない - 【夜尿症の子供への向き合い方】
・怒らない
・意識させない
・できたときに褒める - 【夜尿症の治療法~治療までの流れ】
・尿検査と問診
・生活習慣の改善
・アラーム治療
・薬物療法
・専門医の紹介
以上になります。
夜尿症は、年齢が上がるとともに、自然に治ることが多いといわれていますが、
本記事で紹介させていただいた対処法を実践し、1ヶ月経っても変化がみられないorお子さんの自信喪失など不安があれば、
近くの医療機関(小児科/泌尿器科)に相談されることをオススメします。
【夜尿の相談先】
本記事がお役に立てれば幸いです!
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