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【ADHDの子供の小学校選び】4つの選択肢とは?メリット~注意点まで解説します!

投稿日:2020年8月28日 更新日:

子供の就学について不安がある方「ADHDの子供に合った小学校ってあるの?どんな選択肢があって、それぞれのメリット/デメリットを教えてほしい。就学に向けて準備した方が良いこと、注意点も知りたい」

こういった疑問、お悩みにお答えします。

✓本記事の内容

  • ADHDの子供の小学校の4つの選択肢


  • ADHDの子供の小学校の4つの選択肢のメリット/デメリット


  • ADHDの子供の小学校で大切な4つの点


  • ADHDの子供の小学校の注意点


  • 小学校に向けて必要な5つの準備

「うちの子、小学校で生活で周りのみんなについていけるかな・・」

「ADHDの傾向がある子供に合った小学校の選択肢ってあるのかな・・」

就学を控えたお子さんの親であれば、誰でも心配になりますよね。

この記事を執筆している私は、療育指導員を10年以上しています。

これまでADHD(注意欠陥多動性障害)や自閉症スペクトラム(ASD)、学習障害(LD))など発達障害の子供の就学支援をしてきました。

本記事では、就学に不安がある方向けに、就学に向けた選択肢、それぞれのメリット/デメリット、準備すること、注意点などをまとめています。

療育指導員として、「これだけは押さえておきたい!」という内容に厳選しています。

本記事が参考になれば幸いです!

ADHDの子供の小学校の4つの選択肢

ADHDの子供の小学校の選択肢は4つあります。

  • 1:普通学級(通常学級)

  • 2:通級指導教室(通級)

  • 3:特別支援学級(支援級)

  • 4:特別支援学校

私の経験上、ADHDの子供の就学においては、1,2が一番多く、次に3になります。4は、ほとんどいないです。

もちろん、子供の特性によってですでの、絶対はありません。

それでは、1つずつみていきましょう。

1:普通学級(通常学級)

一般的なクラスのことで、1クラス40名以下で構成されています。

学校によっては、補助の先生がいるなど、体制に違いがあります。

2:通級指導教室(通級)

普通学級に在籍している状態で、週1~2回程度(1~2h)、通級指導教室に通って、個別で授業を受けることができます。

取り出し学習とも言われるもので、子供の苦手な科目などを中心に、個別で授業を受けることができます。

学校によって、学校内に設置されている場合(自校通級)と、近隣の学校に設置されている場合(他校通級)があります。

平成5年に、通級指導教室の設置が全国で制度化されたため、学校内で通級指導教室がある学校は増えている傾向にあります。

3:特別支援学級(支援級)

普通学級に在籍ではなく、籍も完全に、特別支援学級となり、別の教室(クラス)で授業を受け過ごします。

原則8名以下のクラスで、子供一人一人に合った課題を受けることができます。

情緒クラスと知的/身体障害のクラスに分かれていて、子供の特性に応じてクラスが変わります。

3-1:情緒クラス

知的/身体的な遅れはなく、多動/衝動性が高かったり、気持ちのコントロールのむずかしさから、奇声や癇癪などの行動を起こす子供が対象になります。

3-2:知的/身体障害クラス

知的、身体的な遅れがある子供が対象になります。医師の診断書、検査の数値など明確な特性が出ている場合になります。ちなみに設置している小学校の割合は76.6%、中学校は73.7%になります。

4:特別支援学校

知的/視覚/聴覚障害・肢体不自由・病弱のある子供が通う学校です。

以前は、養護学校、ろう学校、盲学校に分かれていましたが、2007年の法の改正により、「特別支援学校」に統一されました。

支援内容としては、通常学級と同様の教科を、子供の特性に合わせた支援で提供されます。

また子どもの自立に向けた授業(身辺自立、物/お金の管理などのライフスキル)もあります。

学校数が少ないため、近隣にない場合は、遠方への通学になる場合があります。

小学校が決まる時期

子供がさきほどの4つの選択肢のどれに進むかで変わっていきます。

小学校入学前に就学時健診(子供の健康と発達の検査)があります。

11月末までに受診が必要で、結果は翌年1月末に家庭に通知されます。

就学時健診の結果によって、就学相談の案内を受けます。

個別の配慮を必要とする特別支援が必要かどうか、親の意向の確認など、個別に時間をとります。

ADHDの子供の小学校の4つの選択肢のメリット/デメリット

ADHDの子供の4つの選択肢のメリット/デメリットを見ていきましょう。

1:通級指導教室(通級)

メリット

  • 普通級の子との交流が多い
  • 普通級の学習がメインで受けられる
  • 苦手な部分だけ、普通級から離れて、個人のペース合わせて学ぶことができる。

デメリット

  • 在籍基準があいまい
  • 学校によっては、学校内になく、遠方まで通わないといけない
  • 必ずしも専門性の高い先生が配置されているわけではない
  • 高校には、現状ない
    (2018年~文部科学省が準備を進めている段階)

2:特別支援学級(支援級)

メリット

  • 給食や昼休みなどが普通級と交流がある
    (学校により変わる)
  • その子の学びやすさ、理解力に合わせた授業内容
  • 普通級と行き来することができる場合がある
    (学校との相談により)

デメリット

  • 在籍基準があいまい
  • 学校によっては、学校内に設置されていなく、遠方まで通わないといけない
  • 高校にはない

3:特別支援学校

メリット

  • 専門性のある先生の指導が受けられる
  • 個人の特性にきめ細かく対応した教材・授業内容・カリキュラム
  • 高等部では、職業教育(訓練)が受けられる

デメリット

  • 普通級の子との交流が少ない
  • 障害の程度によって、入学できるかが判断される
  • 高等部を卒業しても高卒認定資格得られない
    (大学入学資格は得られる)

ADHDの子供の小学校で大切な4つの点

ADHDに関わらずですが、自閉症スペクトラムや学習障害など、なにかしたらの特性を持った子供の就学で大切なことは4つあります。

  • その①:子供が「学べる・楽しめる」場所を選ぶ


  • その②:「子供に合わせて環境を変える」という選択肢をもつ


  • その③:子供の気持ちを聞く


  • その④:第3者の意見も聞く

1つずつ見ていきましょう。


その①:子供が「楽しめる・学べる」場所を選ぶ

子供を主語にして、「この小学校の環境で、うちの子は楽しめるかな?学べるかな?」と確認することが大切です。

その②:「子供に合わせて環境を変える」という選択肢をもつ

入学した選択肢が全てではありません。

子供は成長しますし、環境も変わっていきます。

「絶対これが正しい!」という正解はありません。

その場その場の子供と環境の様子によっては、「環境を変える」ということも選択肢として持っておくことが大切です。

「環境を変える」というのは、具体的には、普通級→支援級にいくなど、入学時と違った環境に変えることです。

例えば、「今は普通級で落ち着いているけど、環境が合わなくて子供がどうしても辛そうなときは、通級や支援級など違う選択肢も考えておこう」と頭の片隅に入れておくことが大切です。

いざ行動するときのスピードが変わってきます。

ここの選択肢を持っていないと、困りが出てきたときに「どうしよう・・」と後手後手になり、子供の辛い経験が増えていく一方です。

事前に「選択肢を認識しておくこと」が大切になります。

その③:子供の気持ちを聞く

どの選択肢を選ぶべきか、迷われる場合は、子供の気持ちを聞きましょう。

親や先生から見て、明らかに「その環境は厳しい!」でなければ、子供の気持ちも、検討材料にし、一緒に決めていきましょう。

もちろん最終的な判断をするのは、お母さん、お父さんになりますが・・!

その④:第3者の意見も聞く

先生などの子供をよく知っている第3者の意見を聞きましょう。

また就学時健診の先生や医師(かかりつけのクリニックなどある場合)の意見も参考にしましょう。

ご家族だけでの判断はせず、客観的な意見もたくさんもらうことをオススメします。

ADHDの子供の小学校の注意点

注意点は1点だけです!

それは・・

子供の状態、気持ちを置いてけぼりで、判断をしないことです。

私が支援している方でも、悪気はないのですが、「支援級は、何となく避けたいから、普通級がいい!」と、明確な理由もなく、選択肢を狭めてしまう方が少なくありません。

そうなると、子供に合わない環境を押し付けることになり、子供が一番辛くなり、失敗体験を重ね、自己肯定感が下がる一方です。

ただご安心ください!本日紹介した「4つの大切なこと」を押さえてさえいれば、こういった状態にはなりませんので(^^)

事例も含めて紹介したかったので、説明だけしました!

小学校に向けて必要な5つの準備

小学校入学に向けて、必要な準備は5つあります。

私が普段支援している中で、就学に関するご相談が圧倒的に多い内容になります。それだけ困りやすいポイントということですね。

小学校1年生に必要な子供のスキルになりますので、心配な方は、これから紹介する接し方で、準備を進めてみましょう。

  • その①:ヘルプ要求


  • その②:学習面
    (ひらがな/数字/時間)


  • その③:指示理解
    (複数指示)


  • その④:運筆


  • その⑤:時間に合わせて行動する

1つずつ見ていきましょう。

その①:その①:ヘルプ要求

困ったときに、先生や周囲の人に助けを求めることです。

分からないことがあったら、手を上げて質問をするなど、困ったときに周囲に言葉で伝えられることが大切になります。

普段から、困ったら何が分からないのか、言葉で言うよう促してみましょう。

その②:学習面(ひらがな/数字/時間)

ひらがな

ひらがなは、個人的に自分の名前が分かれば良いと思います。

というのも、学校によって、求められるレベルが変わるためです。

名前さえわかっていれば、自分の物、場所なども分かるので、生活に支障が出ることはないです!

数えられるという意味では、10までの理解はあると良いでしょう。

ここができれば生活で大きな困りになることはありません。

ちなみに数唱は、明確な基準はないですが、20ぐらいまで言える子が多いです。

時間

「今は○時」まで言えれば十分です。

家庭での過ごし方や、通っていた園の方針にもよるので、苦もなく子供ができる場合は「○時」まで言えると良いです。

その③:指示理解(複数指示)

2~3つの指示を聞いて行動できることです。

学校の例でいきますと、

「筆記用具と教科書出して、5Pを開いてください」などです。

このように1つの指示で複数の行動が含まれることが多いです。

普段の子供への声掛けの中に取り入れ、できたら褒めて伸ばし、習慣化させていきましょう。

関連記事

ADHDの子供の5つの褒め方【療育指導員の接し方を解説します!】

その④:運筆

ここも学校によって様々ですが・・自分の名前が書ければ大丈夫です。

書き順や大きさ、枠の中に書けているか・・などは求めず、第3者が見ても読める字であれば、問題ありません。

「読める字で名前書けるかな・・」と心配な方は、お子さんが嫌がなければ、一緒に書く機会を作ってみましょう。

その⑤:時間に合わせて行動する

時間を見て、行動できる習慣をつけましょう。

小学校では、自分でチャイムを聞いたり、時計を見て動きます。

もちろん周りの子供の真似をして、できることもありますが、時間に合わせて行動する習慣がないと、小学校で苦労します。

「○時になったら片付けよう!」など、時間を意識して行動する声掛けをしてみましょう。

ADHDの子供に必要な4つの小学校の選択肢とは【メリット~注意点まで解説します!】のまとめ

記事のポイントをまとめます。

  • 【ADHDの子供の小学校の選択肢】
    ・普通学級
    ・通級
    ・特別支援級
    ・特別支援学校


  • 【小学校の選択肢のメリット】
    ・子供に合わせた授業が受けやすい


  • 【小学校の選択肢のデメリット】
    ・普通学級の子との交流に差がある
    ・場所が遠い場合がある
    ・学校により違いがある


  • 【ADHDの子供の小学校で大切な点】
    ・子供が学べて楽しめる場所を選ぶ
    ・環境を変える、という選択肢をもつ
    ・子供の気持ちを聞く
    ・第3者の意見も聞く


  • 【ADHDの子供の小学校の注意点】
    ・親の要望を最優先にしない


  • 【小学校に向けて必要な5つの準備】
    ・ヘルプ要求
    ・学習面
    ・指示理解
    ・運筆
    ・時間に合わせて行動する

    の5つを習慣づける関わりをする

以上になります。

他の情報もほしい!という方は、

本サイト(発達マップ)も活用くださいませ!

発達障害の子供に関する情報を、週に2~3回ほど発信しています。

知りたい情報がありましたら、参考にどうぞ!

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