習い事 家での関わり方/その他

【ADHDの習い事は続かない?】辞める7つの理由・習い事の選び方とは

投稿日:2020年12月11日 更新日:

子供の習い事で悩まれている方「子供が習い事が続かなくて困ってる。何で続かないの?子供に合う習い事の選び方が知りたい」

このような疑問、ご要望にお応えします。

本記事の内容



✅ADHDとは


習い事が続かない理由


習い事の選び方


習い事の注意点


✅オススメの習い事(参考例)


「子供の習い事が続かない・・原因が分からない・・」

「子供に合った習い事を見つけたいけど、どこに気をつければいいか分からない・・」

お子さんの習い事選びって、迷うことも多く難しいですよね。

この記事を執筆している私は、療育セラピストを10年以上しており、これまで1,200人以上の発達障害のお子さんと、その親御さんを支援してきました。

その支援経験を元に、本記事では、ADHD含めた発達障害のお子さんの「習い事が続かない理由/選び方/注意点/習い事の参考例」をまとめました。

お子さんに合った習い事が、見つかるキッカケになれば幸いです。

ADHDとは

ADHDは、多動/衝動/不注意の3つの特性があります。

このいずれかの特性で、日常生活に困りが生じることをいいます。



【多動性タイプ】
常に動いている子


【衝動性タイプ】
後先考えず行動する子


【不注意タイプ】
注意がそれやすい子


※タイプが混在しているお子さんも多くいます。


ADHDの詳しい解説は、【ADHDの子ども】3つの特徴と6つの接し方をご覧ください。

習い事が続かない理由

ADHD含めた発達障害のお子さんが、習い事が続きにくい理由は7つあります。

1つずつ見ていきましょう。



①:楽しめない

②:先生と合わない

③:子供に合わせるスタンスではない

④:環境が合わない

⑤:通うまでの道のりが苦手

⑥:周囲の友達が苦手

⑦:習い事以上にやりたいことがある


①:楽しめない

当たり前なのですが、一番多い理由の1つです。お子さんが楽しめていなければ、通うことは難しくなりますよね。

通っても楽しくなければ、お子さんにとって、通う理由はなくなります。お子さんによっては、行き渋りも出てきてしまいます。

②:先生と合わない

先生と相性が合わず・・という理由も多いです。人間なので完全に防ぐことはできませんが、お子さんと相性の良いタイプを把握するということは、できることになります。

③:子供に合わせるスタンスではない

最も多い理由の1つになります。その習い事教室のスタンスとして、「決まった内容をみんな同じように取り組める」なのか「一人ひとりの子供に合わせて柔軟にする」かによって変わります。

発達障害のお子さんには、基本的に後者の方が合っています。理由は、特性に合わせた配慮が必要になるため、柔軟性のある教室の方が参加でき、楽しめる機会が増えやすいためです。

④:環境が合わない

発達障害のお子さんは、感覚の偏りがある場合が多いです。特に感覚の過敏さです。


例えば・・

  • 教室の外の音
    (ex.大通り沿い/高架下の車の音)
  • 教室や道具のにおい
    (工作/絵画系)
  • 服や手が汚れる
    (スポート/工作系/絵画系)
  • 隣の部屋の音が響きやすく、気になる

このように、音/におい/感触などに過敏な場合は、過ごしづらくなる理由の1つになります。

【合わせて読みたい記事】

【発達障害の子がサッカーするのは迷惑?】親がしてあげたい2つのこと

⑤:通うまでの道のりが苦手

教室までの距離があり、疲れてしまう。また、道のりが暗くて怖いなどの理由です。

距離や時間帯など、お子さんが安心して通える条件を事前に確認することが大切になります。

⑥:周囲の友達が苦手

集団での習い事の場合になります。お子さんが苦手なタイプの子(過干渉の子、活発な子、やや乱暴な子)がいると、それだけで過ごしづらくなってしまいます。

コントロールできない要素ですが、事前にどんなお友達がいるのか確認できると良いでしょう。

⑦:習い事よりやりたいことがある

小学生以上になると、興味の幅、交友関係も広がります。お子さんによっては、習い事より「ゲームがしたい!友達を遊びたい!」など優先したいことが出てくることもあります。

習い事自体に興味が持てるか?が大切になります。

習い事の選び方

お子さんに合った、習い事の選び方を見ていきましょう。

基本的には、先ほどの「続かない理由の逆の要素」を作っていきます。



①:好きorやりたいことか


②:子供の特性に配慮してくれるか


③:成功体験が積めるか


④:体験をする


①:好きorやりたいことか

大前提になりますが、お子さん自身が「好き/やりたいこと」を選びましょう。好奇心/興味は、お子さんの原動力になります。

✍チェックポイント



□子供が興味を示しているか



□子供から「楽しそう!やりたい!」の発言があるか


②:子供の特性に配慮してくれるか

発達障害のお子さんは、周りに合わせたり(集団行動)、参加する前に気持ちの準備が必要な場合があります。

例えば、ADHDの多動傾向があるお子さんの場合、体操で、ある程度自分で動いていい環境ですと、気になるところに自由に動き、指示の聞き逃しが多くなりやすくなります。

逆に先生が事前に見通しを伝えたり、どこでどう待つなど、具体的に伝えることができれば、上手く参加できることもあります。

習い事で求められることと、お子さんの特性に合っているのか、そしてそれが難しかったときに、個別でフォローがあるのか?を確認することが、大切になります。

✍チェックポイント



□子供の気持ちに寄り添った声掛けがあるか



□感情的に怒られる、否定されることはないか



□子供が困ったら、声を掛けてくれるか



□子供の様子に合わせてフォローしてくれるか


③:成功体験が積めるか

自分の取り組んでいることが上手くいかなかったら、習い事へのモチベーションは下がり、自信を失うキッカケになります。

せっかくの習い事なのに・・もったいないですよね・・。成功体験が積めれば、積極的に参加でき、楽しみながら、より多くのことを学べます。

習い事&成功体験はセットになります。

✍チェックポイント



□子供に合った難易度か



□子供に合わせた柔軟な対応か
※難易度調整・ペースなど


④:体験をする

事前に選ぶポイントが押さえられたら、あとは実際に、体験するのが良いでしょう。

最終的には、お子さんが体験し、お子さんがまたやりたい!と思うのか聞いてみましょう。

⚠体験する際の注意点

未就学のお子さんの体験の場合ですが、母子分離があるのかどうか、確認しましょう。

お子さんが楽しめる内容でも、母子分離が上手く行かず、嫌な体験だけして終わることもあります・・。

母子分離が難しいときは、親も同伴でOKなのか、などお子さんが安心できる環境なのか、事前に確認することを、オススメします。

習い事の注意点

ここでは、習い事をする上での3つの注意点を説明していきます。

⚠「得意」だけで選ばない

習い事を選ぶときに、お子さんが得意という理由だけで、選ばないようにしましょう。

得意なことでも、お子さんが好き(やりたい)とは限りません。お子さんが「やってみたい!」と興味のもてるものを、見つけましょう。

⚠「続ける」を目的にしない

習い事を始めてみて、「やっぱり合わなかった・・」ということもあります。「ここでやめさせたら、やめ癖になる・・!」と思われる親御さんが多いのですが、お子さんが嫌々通うのは、避けるべきです。

そんな状態で通っても、お子さんにとっては、学ぶどころか、やらされているストレスが溜まり・・

「やる気がない→上手くいかない→自己肯定感が下がる→やる気が更になくなる」というように、負のサイクルになります。習い事の目的を具体的にすることが、大切になります

⚠叱責される経験になっていないか

習い事の教室のスタンスが、「叱って伸ばす!などの体育会系」に近い場合、注意が必要です。

「叱って伸ばすスタンス」自体が悪いというわけではなく、普段から人に注意される機会が多くなりやすい発達障害のお子さんには、ネガティブな影響が出る可能性が高いということです。

また、習い事に行く行かないで揉めたり、点数が良くなくて怒ることが多い、という場合も、同じになります。

習い事をすることで、お子さんが叱責される経験が増えている場合は、習い事の見直しは必要になります。

【合わせて読みたい記事】

【発達障害を理由に習い事を断られたら?】3つの対処法・2つの注意点

オススメの習い事(参考例)

少しボリュームがあるため、別記事で、私が支援していたお子さんで実際に通われて、上手く言った習い事をまとめています。

興味のある方は、ご覧ください。

【療育支援員が解説】発達障害の子におすすめな習い事。ジャンル別に選び方~注意点

「【ADHDの習い事は続かない?】辞める7つの理由・習い事の選び方」のまとめ

記事のポイントをまとめます。



ADHDとは
・3つのタイプがある
・多動タイプ
・衝動タイプ
・不注意タイプ


習い事が続かない理由
・楽しめない
・先生と合わない
・子供に合わせるスタンスではない
・環境が合わない
・通うまでの道のりが苦手
・周囲の友達が苦手
・習い事以上にやりたいことがある


習い事の選び方
・好きorやりたいことか
・子供の特性に配慮してくれるか
・成功体験が積めるか
・体験をする


習い事の注意点
・「得意」だけで選ばない
・「続ける」を目的にしない
・叱責される経験になっていないか


オススメの習い事(参考例)
・関連記事2つ


以上になります。

ここまで発達障害のお子さんの習い事について、説明させて頂きましたが、お子さんの習い事に絶対はありません。

よく言われる「ADHDだから集団スポーツはダメ」ということはなく、お子さん一人ひとりの気持ちと実際の様子次第です。そこを踏まえて、探していくことが大切になります。

本記事がお子さんに合った習い事が、見つかるキッカケになれば嬉しいです。


【関連記事】

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-習い事, 家での関わり方/その他

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発達障害/グレーゾーン/場面緘黙/不登校のお子さんとご家族の支援を、日々行っております。◇療育指導員◇相談支援員◇発達支援10年◇ブログ【週2回更新】◇twitter【毎日発信】◇長男が療育通所中◇

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