自閉症スペクトラム

【家庭でできる】自閉症スペクトラムの子供のパニック!8つの対応法

投稿日:2020年10月14日 更新日:

子供のパニックで悩まれている方「子供のパニックに困ってる。パニックは無くせるの?対応方法が知りたい」

こういったお悩みにお答えします。

✓本記事の内容

  • 自閉症スペクトラムの子のパニックとは


  • パニックの原因


  • パニックの対応法


  • 自閉症スペクトラムの子のサポート法

「子供のパニックがひどくて・・子供も家族も疲弊している・・」

「いつパニックがなるか分からないから、外出先が限られて、辛い・・家でできるパニックの対応方法が知りたい」

お子さんのパニックは、お子さんもご家族にもつらいことですよね。

この記事を執筆している私は、療育セラピストとして、今まで1,200人以上の発達障害のお子さんと、その親御さんを支援してきました。

その経験を通して、本記事では、自閉症スペクトラムのお子さんのパニックの原因/対応法/支援先をまとめました。

ADHDなど、他の発達障害にも活かせる内容になりますので、一人でも多くの方の参考になれば、幸いです!

自閉症スペクトラムの子供のパニックとは

自閉症スペクトラムのお子さんのパニックとは、感情のコントロールがうまくいかず、主に下のような行動を起こすことをいいます。

  • 暴れる


  • 自傷/他害


  • 床にひっくり返る


  • 大声で奇声をあげる

自傷とは、「壁や床に頭を打ちつける、頭を手でたたく、手を噛む」など自分を傷つける行動です。

他害とは、「周囲の人をたたく、噛み付く、ける」など他人を傷つける行動になります。他にもありますが、ここでは代表的な行動を上げさせて頂きました。

自閉症スペクトラム自体の詳しい説明は、こちらをご覧ください!


【関連記事】

自閉症スペクトラムの子供の症状とは?【4つの特徴と7つの接し方】

自閉症スペクトラムの子のパニックの原因

自閉症スペクトラムのお子さんのパニックの原因は、大きく3つあります。

  • その①:要求が通らない時


  • その②:強い不安/ストレスを感じた時


  • その③:嫌なことを回避したい時

1つずつ説明していきます!

その①:要求が通らない時

自分の思い通りにいかないとき、要求を通すための手段をとして、パニックが出る場合です。最もパニックを引き起こしやすい原因の1つになります。

その②:強い不安/ストレスを感じた時

お子さんにとって、耐え難いストレスがかかった時、パニックになります。具体的には、急な予定の変更/帰り道が変わった/使う物が違うなどです。

私達からしたら些細な変化でも、自閉症スペクトラムのお子さんにとっては、大きな変化になります。

その③:嫌なことを回避したい時

苦手なこと/嫌なことを避ける時に、パニックが出ます。家/学校/園など、場所問わず、避けたいことを求められると、パニックが出やすくなります。

【関連記事】

【療育指導員も実践!】自閉症スペクトラムの子供の癇癪の3つの対処法

自閉症スペクトラムの子のパニックの対応法

自閉症スペクトラムのお子さんの、パニックの対応法を説明していきます。

ここでは、パニックを起こさない事前の対応法と、それでも起こってしまった時の事後の対応法に分けていきます。

それぞれ原因別でまとめていますので、お子さんに該当する原因を参考にして頂くのが、良いと思います!

まずは、事前の対応法を見ていきましょう!

  • その①:要求が出る場面を作らない
    (対応:事前 原因:要求)


  • その②:見通しを伝える
    (対応:事前 原因:ストレス)


  • その③:苦手な刺激は避ける
    (対応:事前 原因:ストレス)


  • その④:できる/楽しめる内容にする
    (対応:事前 原因:回避)

1つずつ説明していきます!

その①:要求が出る場面を作らない(対応:事前 原因:要求)

「要求が出そう+その要求に応えられない場面」を避けることです。

例えば、買い物の時の、お店のゲームコーナーです。買い物にいくときに、ゲームコーナーの前を通って、お子さんが「ゲーム買って!」と言い、パニックになる場合です。

ここで言いたいのは、要求を一切出させちゃいけない!ということではありません。

要求が出そう・・でも要求には応えられない(パニックになる)という場合は、避けましょう、という意味です!

またどうしても、避けて通れない場合は、なるべくお子さんの視界に入らないよう、大人の体でブロックする/違う話題の話をして注意をそらす、などの方法もあります。

根本的な解決方法ではありませんが、これをするだけでもお子さんもご家族の負担も軽くすることができます。


【関連記事】

自閉症スペクトラムの子供への叱り方とは【8つの接し方を解説】

その②:見通しを伝える(対応:事前 原因:ストレス)

その日の予定、やることなどを「事前に、視覚的」に伝えてあげましょう。

事前に予定が分かっていれば、お子さんの安心に繋がり、更に視覚的に伝えることで、より正確に伝えられることができます。

例えば、写真やイラストカードなど、視覚的に分かる物で伝えていきましょう。

その③:苦手な刺激は避ける(対応:事前 原因:ストレス)

自閉症スペクトラムのお子さんは、感覚が過敏でストレスを感じやすいです。

過敏さは、お子さんの意思に関係ないため、苦手な刺激を減らしていく方法しかありません。

例えば、音が苦手な場合は、遮音性の高いイヤーマフを使ったり、手のベタつきが苦手なら、手が汚れないホチキスやスティックのりを使うなどです。

参考程度に、私が実際に支援で使っているイヤーマフを載せておきます。

☑イヤーマフ

その④:その④:できる/楽しめる内容にする(対応:事前 原因:回避)

お子さんが「できそう、やってもいいかも」と思えるような難易度の調整、楽しめる工夫を入れることです。

明らかに難しそう、つまらなさそう・・というものは、お子さんからしたら「やらされている感」だけ感じ、パニックを引き起こす原因に繋がります。

次は、お子さんがパニックになってしまったときの対処法になります。事前工夫をしたけど、それでもパニックになってしまった・・という時に、必要な対処法になります!

  • 1:安全確保
    (対応:事後 原因:全て)


  • 2:安心できる声掛け/物を渡す
    (対応:事後 原因:全て)


  • 3:落ち着くまで見守る
    (対応:事後 原因:全て)


  • 4:落ち着いたことを褒める
    (対応:事前 原因:回避)

1つずつ説明していきます!

1:安全確保(対応:事後 原因:全て)

まずはお子さん、周囲の人の安全を確保しましょう。

怪我や物の破損になることは避けるようにすることが大切になります。

1-1:場所をかえる

パニックになった場所から離れることで、落ち着きやすくなります。もしお子さんに動いてもらうことが難しい場合は、周囲の人に移動してもらうことも1つです。

パニックのときは、なるべく刺激(人の動き/声)は減らすことが、望ましいです。

1-2:力づくで抑える=NG

力づくで抑え込んだり、恐怖心で止めようとすることは、避けましょう。より強い反動がその場か、違う場所で必ず出ます。

抑えられたストレスがなくなることはなく、必ずお子さんのどこかに抱えられます。それが、違う所で新たに出る可能性が高まることになります。

1-3:自傷がある場合、物を代用

自傷とは、自分を傷つける行為でしたね。やり場のない気持ちをぶつける対象を、自分の体から物にシフトさせましょう。

自分の手を噛むなら、ストレス発散用の物を噛んでもらう、頭を叩くならクッションを殴ってもらうなど、行動そのものを止めるのではなく、今よりもネガティブな影響の少ない表現方法に変えていくことが大切です。

参考程度にストレス発散アイテムを1つ紹介します!

☑ストレス発散アイテム



2:安心できる声掛けをする(対応:事後 原因:全て)

「○○が嫌だったんだね」「もう大丈夫だよ」など、お子さんが落ち着く声掛けをしましょう。

もし、声を掛けることで、より興奮する場合は、声を掛けることは避けましょう。ここは個人差があるので、お子さんに様子を見て判断してましょう。

3:落ち着くまで見守る(対応:事後 原因:全て)

この方法が、最も多く使うパニックの対処法になります。声は掛けず、危険がないように見守ることです。

え?それだけ?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、これが意外と難しい方が多いのです・・。見守るときは、お子さんが気にならないよう普段どおりにしていることが大切です。

お子さんによっては、見られていることも興奮するキッカケになる場合があります。よくあるのは、解決しようと提案をしたり、落ち着くよう何度も声を掛けたり、質問を繰り返したり、パニックになったキッカケを振り返ろうとしたり・・・です。

上の関わりはせず、ただ「見守る」。これがお子さんが一番早く落ち着く、最善の方法になります。

4:落ち着いたことを褒める(対応:事前 原因:回避)

落ち着けたことを褒めてあげましょう。落ち着くこと自体も、頑張っていることで凄いこと!と親御さんが思い、接することが大切になります。

もし、褒められることを嫌がるお子さんの場合は、無理に褒めなくて大丈夫です。その場合は、お子さんが嫌がることがなければ、状況の振り返り、今後同じ状況だったらどうすべきか一緒に考えて上げましょう。

自閉症スペクトラムの子供のサポート法

もし、本記事の対処法を1ヶ月続けても、ポジティブな変化が見られない場合は、専門家の力を借りることも1つです。

参考程度に、どんな選択肢があるのか紹介します!詳しい説明は、関連記事をご覧ください!

  • その①:療育


  • その②:ペアレントトレーニング


  • その③:窓口へ相談

その①:療育

お子さんのスキル獲得を目的とした指導になります。目的によって、個別や集団指導など、形態が分かれます。


【関連記事】

【徹底解説】療育って何?自閉症スペクトラムの子供が受けられる支援とは

その②:ペアレントトレーニング

親御さんを対象としたトレーニングになります。専門家の講義や相談をすることができ、お子さんに関わる上で必要な、基礎的な視点/知識/具体的な褒め方などを学ぶことができます。


個人的には、パニックの解決が目的でしたら個別のペアレントトレーニングをオススメします(お子さん一人ひとりにとって対処法が異なるため)。


【関連記事】

【ADHDの子供の親向け】ペアレントトレーニングとは【種類/費用/内容など概要を説明します】

その③:窓口へ相談

まずは相談したい・・という方は、無料でできる相談窓口へ連絡しましょう。自治体により違いはありますが、支援が受けられる機関などを紹介してもらえます。


【関連記事】

自閉症スペクトラムの子供の相談先とは【種類/方法/注意点を解説】

「【家庭でできる】自閉症スペクトラムの子供のパニック!8つの対応法」のまとめ

記事のポイントをまとめます 。

  • 自閉症スペクトラムの子のパニック】
    ・奇声
    ・暴れる
    ・自傷
    ・他害など


  • パニックの原因】
    ・要求が通らない時
    ・強い不安/ストレスを感じた時
    ・嫌なことを回避したい時


  • パニックの対応法】※事前
    ・要求が出そうな場面を作らない
    ・見通しを伝える
    ・苦手な刺激は避ける
    ・できる/楽しめる内容にする

  • パニックの対応法】※事後
    ・安全確保
    ・安心できる声掛け/物を渡す
    ・落ち着くまで見守る
    ・落ち着いたことを褒める


  • 支援方法
    ・療育
    ・ペアレントトレーニング
    ・窓口へ相談

以上になります。

本記事が、お子さん・ご家族の過ごしやすさに繋がるキッカケになれば、幸いです!


【関連記事】

【どんな支援が受けられる?】自閉症スペクトラムの子供向けの施設とは


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-自閉症スペクトラム

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発達障害/グレーゾーン/場面緘黙/不登校のお子さんとご家族の支援を、日々行っております。◇療育指導員◇相談支援員◇発達支援10年◇ブログ【週3回更新】◇twitter【毎日発信】◇長男が療育通所中◇

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