

子供の発達が心配な方「自閉症スペクトラムの子が受けられる療育ってどんな内容?他にも支援はあるの?それぞれのメリット、デメリット、子供に合った支援が知りたい」
こういった疑問/ご要望にお答えします。
✓本記事の内容
- 自閉症スペクトラムとは
- 療育とは
- オススメの療育
- 子供の発達の相談窓口
「自閉症スペクトラムの子供が受けられる療育って、どんな種類があるの?」
「子供に合った支援が知りたいけど、何が合っているのか分からない・・」
お子さんに支援が必要と分かっていても、どんな支援があり、何を選べば分からない方も、少なくないのではないでしょうか?
この記事の執筆者の私は、10年以上の療育指導を通して、1,000名以上の発達障害のお子さんとその親御さんの支援をしてきました。
その経験から本記事をまとめてみました。本記事では、「自閉症スペクトラム(ASD)の特徴/療育/特別支援/合理的配慮/療育手帳/相談先」の情報をまとめています。
療育以外の支援は、関連記事を貼っておきますので、必要な方は参考にして頂ければ幸いです。
自閉症スペクトラムとは

自閉症スペクトラムとは、主に4つの特徴が原因で、社会生活に支障が出る状態をいいます。
- その①:言葉の遅れ
- その②:コミュニケーションの難しさ
- その③:興味の狭さ/こだわりの強さ
- その④:不器用さ/感覚の偏り
自閉症スペクトラムの詳細は、こちらをご覧ください!
【関連記事】
自閉症スペクトラムの子供の症状とは?【4つの特徴と7つの接し方】
✍自閉症スペクトラムの位置づけ
発達障害の1つが、自閉症スペクトラムになります。

図のとおり、自閉症スペクトラムといっても、様々な特性と重なっている場合もあります。
診断名はあくまで、お子さんの1つの側面として捉えていきましょう。
【関連記事】
自閉症スペクトラムの子供の割合ってどれくらい?【男子は5倍多い】
療育とは

療育(治療教育)とは、子供や親を対象として、お子さんの特性の活か方を学び、生活のしやすさに繋げるためのものになります。
療育は受ける対象者によって、大きく2種類あります。お子さんor親御さん受けるかで分かれます。
- 1:子供の療育【直接支援】
- 2:親の療育【間接支援】
一般的な療育というと、お子さんが受けるイメージですが、親御さんを対象とした療育も増えています。こちらについては、後述します!
それぞれの療育について、1つずつ解説していきます。
1:子供の療育
子供の療育は、大きく4種類あります。
- 1: 区の療育
- 2: 民間療育
- 3: 通信療育
- 4: 訪問療育
種類ごとに解説をしていきます!
1-1:区の療育(通所受給者証)

- 区の窓口で申請手続きが必要
- 通所受給者証が必要
- 国の助成金で、1割負担で利用可能
- 個別/集団指導もある
- 療育施設の指導員は資格が必須
✍メリット
- 費用が安い(1日0円~1,100円程度)※
- アットホームな教室が多い
- 区の療育同士で連携してくれる
(併用している場合) - 療育手帳(障害者手帳)が申請できない子供も対象になることある
※所得により変動あり
✍デメリット
- 制約が多い
(通塾日数/指導形態) - 通所受給者証の申請手続きが必要
- 軽い症状の子だと、通所受給者証が出ないことがある
- 混み合っている
(数ヶ月~数年待つことが多い) - 融通がきかない
(法律にそって運営しているため)
【関連記事】
自閉症スペクトラムの子供の手帳とは【障害者手帳/受給者証の違いを解説します!】
1-2:民間療育

- オーダーメイドに近い指導が多い
- 通い方/頻度/内容など選択肢が多め
- ここ数年で増えている
- 料金はバラつきがある
(月謝:1,5万~8万程度)
✍:メリット
- オーダーメイドの指導プラン
- 要望に、柔軟に応えてもらいやすい
- 個別指導/親の勉強/ライフプランなど、内容が幅広い
✍:デメリット
- 金額が高額
(月謝:3~ 8万程度) - 母体の運営状況で、体制が変わる可能性がある
1-3:通信療育

- 教材が充実している
- 親の労力/時間/スキルが多少必要
- 数自体が少なめ
(大手or個人)
✍:メリット
- 家庭内で療育が受けられる
- 親の送迎の負担が減る
- 不登校/新しい環境が苦手な子は、始めやすい
✍:デメリット
- サービスそのものの実績が少ない
(比較的新しめのサービスのため) - 専門家とのコミュニケーション機会が少ない(電話/メール/ノートが多い)
- 親の意識/スキルによって成果が左右されやすい
1-4:訪問療育

- 完全コミットの質の高い指導
- 金額が高額
- 家庭支援も含まれている
✍:メリット
- 成果がでやすい
- 家庭全体への包括的なサポート
- 外出困難な子供への支援に最適
- 親の送迎の負担が減る
✍:デメリット
- 費用が高額(月10万以上)
- 数が多くない
2:親の療育
親の療育は、3種類あります。
- 1:区のペアレントトレーニング
- 2:民間のペアレントトレーニング
- 3:親の会
2-1:区のペアレントトレーニング

- 区の窓口で申し込みできる
- 全5~15回のセットが多い
- 子供への基礎的な関わり方
- 3名~15名のグループ指導が多い
✍メリット
- 費用が安い
(もしくは無料) - 子供に関わる基礎知識が得られる
- 似た境遇の親と繋がれる可能性がある
✍デメリット
- 成果は親のスキルに委ねられる
- 実践しづらい
(子供に合わせて応用する必要があり) - 頻度と期間があくため、時間がかかる(数ヶ月)
- 質問しづらい
(集団講義のため)
2-2:民間のペアレントトレーニング

- 自由度が高い
(家庭に合わせてくれる) - 複数の種類がある
- 疑問点が、その場で解消できる
✍メリット
- 個別でできる
- 子供、家庭に合わせた内容
- 実践までサポートしてくれる
(知識だけでない) - 短期間でできる
(最短1~2回)
✍デメリット
- 料金がかかる
(1回60分:1万~1,5万程度) - 親の教育方針が合わないと、効果がでづらい
2-3:親の会

- 同じ境遇の親のコニュニティ
- 情報共有の場
- 小規模~大規模まである
✍メリット
- 親の繋がりを広げられる
- 親の精神的負担をへらせる
- 有意義な情報を得られる
✍デメリット
- 人付き合いが苦手な人には不向き
- 役割や多くの業務がある
(運営母体が大きい場合)
ペアレントトレーニングの詳細は、こちらをご覧下さい!
【関連記事】
【ADHDの子供の親向け】ペアレントトレーニングとは【種類/費用/内容など概要を説明します】
オススメの療育

療育の全体像、それぞれの特徴が把握できたと思います。
ここからは特徴を踏まえ、どんな方にどの療育がおすすめか、解説していきます!
一刻も早く、困りを解消されたい方

- 訪問療育(子供が外出困難な場合)
- 民間の療育+民間のペアレントトレーニング
費用がかけられる場合は、訪問療育、もしくは民間の療育をおすすめします。理由は「すぐに/子供に合った/質の高い」療育が受けられるからです。
合わせて区の療育の申請も並行して進め、療育の選択肢を広げて置けると良いでしょう。
多少制約があっても、費用を抑えたい方

- 区の療育
- 民間の療育
- 区のペアレントトレーニング
- 独学(本・ネット)
まず区の療育の手続きを進めましょう。利用ができるまで時間がかかるため、その間に、民間の療育で予算に見合う教室を探し、ペアレントトレーニングを受けられると良いです。
単発なので、費用的な負担も、そこまで重くはないです!
まずは情報収集したい方

- 民間療育の資料請求
- 発達障害関係の本
- 親の会
(繋がりを作りたい方)
民間の療育の資料請求をしましょう。世の中にどんなアプローチや施設があるのか把握しましょう。
施設によってスタンスやノウハウが違います。具体的な関わりは、網羅的に学べる、本もおすすめです。
【関連記事】
【ADHDの子供の親向け】おすすめのADHDの本【厳選5冊】
まず子供の状態を知りたい方

- 区の窓口へ相談
- 発達検査を受ける
相談窓口や検査については、下の関連記事をご覧ください!
【相談窓口について】
自閉症スペクトラムの子供の相談先とは【種類/方法/注意点を解説】
【検査について】
ADHDの子供の検査とは【種類/受診方法/相談窓口まで徹底解説】
※検査の種類/場所/予約方法など、必要な情報を載せています
これからどうしていいか、わからない方

- 区の相談窓口へ相談
まずは相談することをオススメします。窓口はちょっと・・という方は、担任の先生に相談するのも1つです。
【相談先】
自閉症スペクトラムの子供の相談先とは【種類/方法/注意点を解説】
子供の発達の相談窓口

自閉症スペクトラムやその他の発達障害のお子さんの相談先は、下の4つになります。
- 保健センター
- 子育て支援センター
- 児童相談所
- 発達障害者支援センター
全てお住いの地域の相談窓口になり、無料で電話相談ができます。
ただし、かなり混み合っています・・汗
自治体により、違いはありますが、数ヶ月待ちも珍しくないため、時間がかかるということを前提に早めに動かれることをオススメします!
各施設の特徴、具体的な相談方法、連絡先はこちらを参考にしてくださいませ。
自閉症スペクトラムの子供の相談先とは【種類/方法/注意点を解説】
「【徹底解説】療育って何?自閉症スペクトラムの子供が受けられる支援とは」のまとめ

記事のポイントをまとめます。
- 【自閉症スペクトラムとは】
・言葉の遅れ
・コミュニケーションの難しさ
・興味・関心の狭さ/こだわりの強さ
・感覚の偏り - 【療育とは】
・子供/親のスキルアップの支援
・子供の特性の活かし方を学ぶ場 - 【オススメな療育】
・予算がある:訪問/民間療育
・予算がない:区の療育+ペアトレ
・情報収集したい:療育の資料請求/本
・子供の状態を知りたい:検査受診
・判断に迷う:相談窓口or担任に相談 - 【子供の発達の相談窓口】
・保健センター
・子育てセンター
・児童相談所
・発達障害者支援センター
以上になります。
関連する記事も参考になれば、幸いです!
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