自閉症スペクトラム

【不登校の自閉症スペクトラムの子供】必要な6つのサポートとは

投稿日:2020年10月5日 更新日:

不登校の子供で悩まれている方「不登校の子供へ何をしてあげればいいか分からない。この先、不登校になりそうで不安。不登校になったときの親の接し方を知りたい」

こういったお悩みにお答えします。

✓本記事の内容

  • 不登校の傾向・割合・段階


  • 自閉症スペクトラムの子供の不登校の原因


  • 不登校の自閉症スペクトラムの子のサポート法


  • 不登校の自閉症スペクトラムの子供の選択肢


  • 不登校の自閉症スペクトラムの子供の相談先

「子供が学校にいけない・・これからどうすればいい?」

「子供が学校を休むことが増えてきた・・不登校になるか心配・・」

お子さんが不登校、不登校になりそう・・といったお悩みを抱えている方も、少なくないのはないでしょうか?

この記事を執筆している私は、療育セラピストとして、今まで1,000人以上の発達障害のお子さんと、その親御さんを支援してきました。

その経験を通して、本記事では、不登校のお子さんの親として、必要な視点/接し方/必要な相談先をまとめました。

本記事が、参考になれば幸いです!

不登校の傾向・割合・段階

こちらは、不登校のお子さんの傾向になります。

 ✍不登校生徒数の推移

不登校の原因・きっかけは?解決に向けた子どもとの向き合い方、進級・進学や支援機関について解説しますの画像

図表出典:平成28年版 子供・若者白書 第2節 困難な状況ごとの取組|内閣府https://www8.cao.go.jp/youth/whitepaper/h28honpen/pdf/b1_03_02_02.pdf

平成27年度時点、不登校の子どもの数と割合
小学生:2万7581 人(0.42%、228人に1人)
中学校:9万8428 人(2.83%、35人に1人)
高校生:4万9591 人(1.49%、67人に1人)

中でも割合の高い中学生に関しては、40人のクラスに、約1人以上の不登校児がいる計算になっています。

✍不登校児童の発達障害児の割合

不登校のお子さんの20%が、発達障害(知的遅れなし)のお子さんになります。

私の知っているクリニックは、不登校の相談に来所される70~80%が発達障害のお子さんだそうです。発達障害のお子さんの不登校が、どれだけ増えているのかが分かります。

✍不登校の4つの段階

不登校には4つの段階があり、接し方が変わっていきます。1つ1つ見ていきましょう!

1:初期

学校に行かなきゃ・・でも行きたくない・・と葛藤する時期です。学校の行き渋りが見られたり、頭痛/腹痛/吐き気などの体調不良を訴えます。

朝起きられない、着替えない、トイレに何回もいく、ゆっくり準備をする、といった行動が見られることもあります。

2:進行期

進行期には「学校に行かない」という意思を明らかにする言動が見られます。身体状態は初期とほとんど同じですが、子どもによっては症状が変化することもあります。

初期と比べ、目が覚めても起きない、布団から出ない、何度声を掛けても、一向に動かないなど、適切な接し方/サポートがないと、本格的に学校を休み始めます。

3日~1週間お休みが続くと、再登校することが厳しくなると言われています。

3:引きこもり期

引きこもり期は、家族への乱暴な言動、引きこもり、無気力化が目立ち始める時期になります。

自分の部屋から出ない、お風呂に入らない、着替えないなど、日常生活に支障が出る行動も目立ってきます。

この時期にいくと、家庭内での解決はむずかしい場合が多いです。専門家に相談し、家庭・学校との連携など、包括的なサポートを受けた方が良いでしょう。

4:回復期

回復期は、子どもが少しずつ自信を取り戻した結果、登校に対して前向きな気持ちを持てるようになる時期です。

学校の友達に会いたい、学校で使う物を買いたい、どこかへ外出したいなどの発言があった場合、それは回復期に入ったサインであることが多いです。

家族のために何かをすることも、回復へ向かっているサインです。

例えば、洗濯、料理、買い物、掃除などの手伝いなども状況が回復へと向かっていることのサインになります。

自閉症スペクトラムの子供の不登校の原因

自閉症スペクトラムのお子さんの不登校の原因は、大きく3つあります。

  • その①:過度な疲労
       (感覚過敏)


  • その②:友達関係
       (会話の難しさ)


  • その③:学校での叱責/失敗体験
       (特性の無理解)

()は、本質的な原因になります。1つ1つ説明していきます!

その①:過度な疲労(感覚過敏)

自閉症スペクトラムのお子さんは、感覚の偏り(過敏さ/鈍さ)があります。不登校においては、特に過敏さが1つの原因になりやすいです。

目/耳から入ってくる情報を受け取りやすいです。具体的には、人の動き/板書・プリントの情報/人の話し声/外の音などです。

本人の意思とは関係なく、情報を拾ってしまうため、過度な疲労に繋がり負担になることが多いです。

このような特徴のお子さんは、帰宅したら、ぐったりしていたり、すぐに就寝してしまうこともあります。

その②:友達関係(コミュニケーションの難しさ)

人の気持ちを察する、状況を読むことが苦手なため、友達関係を築くようなコミュニケーションをとることが難しいです。

いわゆる「空気を読む」が苦手なため、孤立しやすいです。友達ができづらい結果、学校での過ごしにくさに繋がることも少なくありません。

【関連記事】

ADHDの子供の二次障害とは【原因/時期/種類/対応方法を解説】
※ADHDと記載ありますが、二次障害自体の情報は同じですので、ご安心ください。

その③:学校での叱責、失敗体験(特性の無理解)

周りの自閉症スペクトラムの特性の理解が、不十分なため叱責されることが多くなります。

「やる気がない、回数をこなして努力すればいい」など、特性に配慮されないことを求められ、失敗体験にもなります。

自己肯定感が下がり、お子さんの中では、「学校=怒られる、できないことをやらされる」になります。


【関連記事】

自閉症スペクトラムの子供の症状とは?【4つの特徴と7つの接し方】

✍イジメは全体の2%

不登校の原因の2%がイジメになります。意外に思われる方も多いかもしれませんが、不登校の原因は、イジメより発達障害の方が多いのが分かります。

不登校の自閉症スペクトラムの子のサポート法

不登校の自閉症スペクトラムのお子さんへのサポート法を説明します。

具体的な接し方、サポート機関の情報をまとめています。

  • その①:無理強いしない


  • その②:生活リズムを整える


  • その③:感謝を伝える


  • その④:家での役割をお願いする


  • その⑤:家族の時間を作る

種類ごとに解説していきます!

その①:無理強いしない

無理やり学校に行かせることは、避けましょう。

行けたとしても「無理やり行かされた」となり、大人への警戒心を強めたり、学校での自己肯定感が下がり、ますます深刻な状態になります。

お子さん自身に決めてもらうことが、大切になります。もし返答がないなどであれば、明確な意思を示すまでは、学校へ行かせることは避けたほうが良いでしょう。

理由は、返答がないということは、お子さんの中で何かしらのネックがある為です。

その②:生活リズムを整える

学校に行く日と同じ生活リスムで過ごせるようにしましょう(起床/着替え/食事/課題など)

学校に行くことが困難で、生活リズムが崩れている場合は、「学校に行く」というのは、触れず「家庭で学校と同じリズムで過ごせる」ことに重点を置かれた方が良いです。

不登校のお子さんの場合、学校が最も厳しい環境なため、家庭でできないことは、学校でできないのは、当たり前のことだからです。

まずは、家庭でできることを増やし、安定してきたら、学校を視野に入れる方が長期的に上手くいきます。

その③:感謝を伝える

お子さんが、できたこと/手伝ってくれたことに感謝の言葉を伝えましょう。

「片付けしてくれてありがとう」など簡単な一言で大丈夫です。

不登校のお子さんは、学校に行かなければいけないことを理解しています。その上で行けない自分自身に嫌気が指したり、自信を失っています。

そんな状態でも、できていること/人に感謝されることが実感できると、前を向くエネルギーになります。

その④:家での役割をお願いする

不登校のお子さんは、安心できる場所、自己肯定感が保てるような機会が少ないたです。

まずはご家族がお子さんと過ごす時間を作り、「学校に行くために」ではなく「子供と楽しく過ごそう!」と、深く考えずにいることが大切です。

不登校のお子さんは敏感な子が多いです。大人の意図や何か考えていることも、感じてしまうため、言葉にしなくても傷ついたり、ネガティブに捉えることは多いにありますので、丁寧な関わりが必要になります。

その⑤:家族の時間を作る

買い物、お風呂場の掃除など、家での役割を任せてみましょう。

お子さんが「今日は○○をした」など自己肯定感が下がりづらい状態を作れます。

さらに、褒めることで、自信に繋がり次第に自分からやってくれることもあります。

不登校の自閉症スペクトラムの子供の選択肢

今の学校に登校することが、どうしても難しい場合は他の選択肢を考えていくことも必要になります。

  • その①:フリースクール


  • その②:通信制の学校


  • その③:転校

あくまで1つの選択肢として、把握して頂ければ幸いです!

その①:フリースクール

不登校のお子さんの居場所として、学校の代わりとなる場所になります。下記のリンクから、フリースクールを探すことができます!

フリースクール一覧:FSNNPO法人フリースクール全国ネットワーク

その②:通信制の学校

通信制の学校も、代表的な1つの選択肢です。詳しくは、「通信制高校」とはどんな学校?世界一わかりやすく解説!をご覧ください。


中学と高校の情報は、こちらになります!

その③:転校

最後の手段の1つです。引っ越しができる場合の方法に限りますが・・・。

私が支援させて頂いている親御様では、約1~2%の方が、実際に引っ越しをされ、環境を変えています。

前の学校の理解がなく、解決手段がなかったためは、1つ検討されるのも良いと思います。

ちなみに引っ越された方は、小さい問題はあるものの、以前に比べ、学校にもいけるようになり、生活自体はできている子が、比較的多いです。

不登校の自閉症スペクトラムの子供の相談先

 ✍在籍校

在籍校と連絡をとり、今の環境でできる最大限をことを話し合いましょう。まずは担任の先生に相談するのが良いでしょう。

 ✍教育委員会が運営する相談窓口

お住まいの地域で「○○県○○区 教育相談窓口」と検索すれば、相談窓口がみつけられます。

種類は、教育センター/教育相談所/教育支援センター(適応指導教室)などがあります。通所指導(カウンセリング・教科指導)を行っている場合もあります。

 ✍厚生労働省によって運営されている施設

「児童相談所」「保健所」「保健福祉センター」でも相談ができます。

ただし、地域によって名称が異なるので、詳しくはお住まいの都道府県・市区町村に「子供の教育相談をしたいです」と問い合わせるとよいでしょう。

「【不登校の自閉症スペクトラムの子供】必要な6つのサポートとは」のまとめ

記事のポイントをまとめます 。

  • 不登校の傾向/割合/段階】
    ・増加傾向あり
    ・20%は発達障害の子供
    ・4つの段階がある


  • 【不登校の原因】
    ・過度な疲労
    ・友達関係
    ・叱責/失敗体験


  • 【不登校のサポート法】
    ・無理強いしない
    ・家での役割を任せる
    ・感謝を伝える
    ・家族の時間を作る
    ・生活リズムを整える



    不登校の子供の選択肢
    ・フリースクール
    ・通信制の学校
    ・転校


  • 【不登校の相談先
    ・在籍校
    ・教育センター
    ・教育相談所
    ・教育支援センター
    ・児童相談所
    ・保健所
    ・保健福祉センター

以上になります。

本記事が、お役に立てれば幸いです!


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