自閉症スペクトラム

【家庭でできる!】自閉症スペクトラムの子供ができる9つの勉強法

投稿日:2020年7月13日 更新日:

子供が勉強しなくて困っている方「子供が勉強しないor勉強するまでに時間がかかる。自閉症スペクトラムの子供に合った勉強方法が知りたい」

このようなお困りにお答えします。

✓本記事の内容

  • 自閉症スペクトラムとは


  • 自閉症スペクトラムの子供の勉強の困り


  • 自閉症スペクトラムの子供の9つの勉強法

「何回言っても子供が勉強をしない!怒らないと宿題をやらない!」

「勉強しなくて、授業についていけなくなりそうで心配・・」

親であれば、誰でも一度はこういったご経験があるのではないでしょうか?

この記事の執筆者の私は、療育指導に10年以上携わり、これまで1,000名以上の発達障害のお子さんとその親御さんの支援をしてきました。

支援をする中で、小学生の子の親御様から、子供の勉強(宿題)について相談を受けることが多くありました。

そこで本記事では、「今日から、誰でも、家庭でできる」勉強方法を自閉症スペクトラムのお子さん向けにまとめました。

自閉症スペクトラムの診断を受けていなくても、「似た特徴がある/発達が気になる子供」にも活用できる内容が多くあります。

お子さんの勉強にお悩みの方は、参考にして頂ければ幸いです!

自閉症スペクトラムとは

自閉症スペクトラムとは、主に4つの特性を指します。

家庭や学校生活で、本人/家族/周囲の人が困っている状態が続いていることをいいます。

  • その①:言葉の遅れ

  • その②:コミュニケーションの難しさ

  • その③:こだわりの強さ/興味の狭さ

  • その④:感覚の偏り/不器用さ
       (手先or全身)

自閉症スペクトラムの特徴の詳しい説明は、こちらをご覧ください!

自閉症スペクトラムの子供の症状とは?【4つの特徴と7つの接し方】

ここが事前に把握できると、このあと解説する勉強法も、お子さんに合わせて効果的に実践されやすくなります。

自閉症スペクトラムの子供の勉強の困り

ここでは実際、お子さんのどんな困りに繋がるのか、みていきましょう。

自閉症スペクトラムのそれぞれの特徴ごとに、みていきます。

その①:言葉の遅れ

  • 問題文そのものが理解できない
  • 問題文の意図と違う解答を書く

その②:コミュニケーションの困難さ

  • 先生の説明を聞いていない
  • 何度説明しても理解が難しい
    (特に文章題/応用問題)

その③:こだわりの強さ/興味の狭さ

  • 集中力が切れやすい
  • 譲れない自分ルールがある
  • 完璧主義
    (少しのつまづきで怒る)
  • 勉強そのものに興味が一切ない
    (頑張らなきゃという気持ちが弱い)

その④:感覚の偏り/不器用さ

  • 板書/が苦手
  • 姿勢がすぐに崩れる
  • 注意が散り、時間がかかる
  • 運筆が苦手
    (拒否感がある)
  • 問題文の読み飛ばしが多い
    (読む力はあるのに)

自閉症スペクトラムの子供の9つの勉強法

自閉症スペクトラムのお子さんが何に困るのか、把握できたと思います。ここでは、困りへの対処法として、具体的な勉強法を9つ解説します。

数は多いですが、どれも簡単に誰でも実践でき、効果が実感しやすいので、最後まで一緒に頑張りましょう!

  • その①:触れる情報をへらす

  • その②:視覚的に説明する

  • その③:問題はできるレベルを!

  • その④:ポジティブに関わる

  • その⑤:事前にメリットを伝える

  • その⑥:具体的に説明する

  • その⑦:環境を整える

  • その⑧:選んでもらう

  • その⑨:楽しめる要素を入れる

では、1つずつ見ていきましょう!

その①:触れる情報をへらす

自閉症スペクトラムのお子さんは、情報の取捨選択が苦手な子が多いです。混乱を避けるため、目に触れる情報を事前に調整しましょう。

例えば、漢字プリントの宿題でしたら、1列しか見えないようプリントを折り、1列目ができたら、2列目だけ掛けるよう、折り直すイメージです。

問題文をよむときも、1文ずつ読めるよう、読む行以外は、手や紙で塞ぎ、読むべき問題文だけ、目に触れるようにしましょう。

その②:視覚的に説明する

図やイラストを使って説明をしましょう。自閉症スペクトラムのお子さんは、想像/推測することが苦手です。

文字や口頭の説明だけでは、数をこなしても、えられないorすぐに忘れてしまう(定着しない)可能性が高いです。

視覚的な情報のイメージの例は、「視覚教材 写真」で検索すると、たくさん出てきます。

その③:問題はできるレベルを!

自閉症スペクトラムの子は、ちょっとした躓きで「もうやらない!」など勉強をやめてしまうことがあります。

勉強した結果、「できた!」「分かる!」など達成感(勉強をしたメリット)を感じることで、「次もやってみよう!」と次の勉強に繋がります。

必ず、お子さんがちょっと頑張ったらできるレベルの問題を選択をしましょう!どうしても難しい問題を入れたい方は、5問に1問だけ入れるなど、調整しましょう。

その④:ポジティブに関わる

お子さんができたことに対して、1つずつ褒めましょう。

お子さんによりますが、椅子に座ったこと、宿題の用意をしたこと、問題を1問解けたこと、宿題プリント1枚終わったことなど、

今のお子さんが「ちょっと背伸びしたらできる!」というポイントを褒めましょう。

ここの関わりは、勉強に関わらず生活全般に必要ですので、別記事で解説しています。

自閉症スペクトラムの子供への叱り方とは【8つの接し方を解説】

具体的な文言や例など、深く理解されたい方は、ご覧ください!

その⑤:事前にメリットを伝える

勉強や宿題が終わった後の見通し(メリット)を事前に伝えましょう。

勉強自体に、お子さんの拒否感が出ている場合は、見通しとセットで、メリット(勉強が終わったあとのご褒美)を伝えましょう。

私達も楽しみがあるから、普段の仕事や育児が頑張れていると思います。例えば、休日、自分の趣味の時間、家族旅行、外食などです。

お子さんの時間感覚は、大人より長いので、その分楽しみ(メリット)を短いスパンで、丁寧に伝えましょう。

その⑥:具体的に説明する

抽象的な表現ではなく、具体的な表現を使いましょう。

自閉症スペクトラムの子は、想像することが苦手なので、すぐに行動できる情報を伝える必要があります。



例えば・・

「宿題終わったら教えて」
   
   

「宿題の10問全部解けたら教えて」

のようなイメージです。

その⑦:環境を整える

集中しやすい環境を作りましょう。自閉症スペクトラムの子は、感覚の偏り(過敏/鈍さ)があります。

特に過敏な子は、勉強に支障が出やすいです。私達も集中するときは、カフェや図書館に行く、部屋に籠もる、コーヒーを飲む、など自然に工夫をしています。

ただ自閉症スペクトラムの子は、この工夫をより丁寧にしていく必要があります。

「気になる物が視界に入ると目で追ってしまう」、「気になる音を無意識に拾ってしまう」など、お子さんの努力の範囲では、特性上どうしても難しい部分です。


例えば・・

  • 気になる物を片付けておく

  • 音が響きづらい部屋にする

  • 周囲の人が音を立てないようにする

  • 勉強以外の時間で満たしておく
    (ストレス発散/好きなことができる)

  • ツールを使う

などが、代表的な対処法になります。この中で2つほど、説明が必要な内容があるので、詳しくみていきますね。

🙆勉強以外の時間で満たしておく🙆

勉強しない子に対して、多くの親は「勉強をする場面」にのみ、目が行きがちです。

ただ、勉強以外の時間の過ごし方も、勉強には影響してきます。

多くの子にとって、勉強は積極的にやりたいことではないでしょう。少なくとも、この記事を読まれている方のお子様はそうではないでしょうか?

勉強をすることは、お子さんに負荷がかかることです。当然その負荷をどこかで調整(ストレス発散)しないと、継続は難しいです。

勉強以外の時間は、「ストレス発散/好きなこと」を可能な範囲で存分に楽しんでもらってください。ここを意図的にすることがポイントです。

勉強に関わらずですが、心身の健康はとても大切です。

🙆ツールを使う🙆

お子さんの感覚は、子ども自身ではコントロールできません。ただ生活では困ると思います。

そこでツールを活用しましょう。ツールは、お子さんの感覚と環境に折り合いをつけ、その子の過ごしやすさに繋げるための物です。

良く相談頂く「聴覚過敏」「姿勢の崩れ」に対処できるツールを紹介しますので、参考にご覧ください。


聴覚過敏のお子様

※音に過敏で集中しづらい/特定の音がストレスになるお子さん

☑姿勢が崩れやすいお子様

※体幹が弱い/体を揺らしてしまうお子さん

その⑧:選んでもらう

「○○と○○どっちがいい?」と声を掛け、お子さんに選んでもらいましょう。

自分で選んだほうが、納得感があり、やる気が高まります。

私達も誰かに、「○○やって」と言われるより、「○○と○○どっちがいい?」を聞かれたほうが、やる気になると思います。これと同じ考え方になります!

その⑨:楽しめる要素を入れる

勉強そのものに、お子さんが楽しめる要素を入れるようにしましょう。少し前に、小島よしおさんの動画が、話題になっていましたね。

まさにあれこそが、お子さんが楽しめる要素を入れるということです。


例えば・・

  • ポイント制にして、1週間のスコアを表にする

  • 制限時間を設けて、終わった時間(正解数でもOK)に合わせてご褒美を出す

  • 親も一緒に解いて、正解数を競う

などです。

お子さんが勉強そのものを、少しでもポジティブに捉えられる工夫が大切になります!

自閉症スペクトラムの子供ができる9つの勉強法【家庭でできる!】のまとめ

記事のポイントをまとめます。

  • 【自閉症スペクトラムの特徴】
    ・言葉の遅れ
    ・コミュニケーションの難しさ
    ・こだわりの強さ/興味の狭さ
    ・感覚の偏り/不器用さ


  • 【自閉症スペクトラムの勉強の困り】
    ・言葉/説明の理解が難しい
    ・こだわりが譲れない
    ・失敗への抵抗感が強い
    ・感覚の偏りから集中力が散りやすい


  • 【自閉症スペクトラムの子の9つの勉強法】
    ・触れる情報をへらす
    ・視覚的に説明する
    ・問題はできるレベルを!
    ・ポジティブに関わる
    ・事前にメリットを伝える
    ・具体的に説明する
    ・環境を整える
    ・選んでもらう
    ・楽しめる要素を入れる

以上になります。

勉強がお子さん、ご家族の過度な負担にならないよう、本記事の勉強法を活用して頂ければ幸いです!


最後に関連記事を貼っておきます。

お子さんが宿題をしない、時間がかかるなどのお困りがある方には、参考になる情報だと思います!


【お子さんの宿題で困っている方】

【療育指導員が解説】宿題ができないADHDの子供の3つの接し方
※ADHD以外の発達障害のお子さんにも活用できる内容になります。

-自閉症スペクトラム

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発達障害/グレーゾーン/場面緘黙/不登校のお子さんとご家族の支援を、日々行っております。◇療育指導員◇相談支援員◇発達支援10年◇ブログ【週3回更新】◇twitter【毎日発信】◇長男が療育通所中◇

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