

子供の発達と二次障害が心配な方へ「子供の発達が気になる・・二次障害にならないか心配。少し二次障害になりかけてる・・何をすべきか知りたい」
こういった不安、疑問にお答えします。
✓本記事の内容
- 発達障害とは
- 発達障害の子の二次障害とは
- 発達障害の子の二次障害の原因
- 発達障害の子の二次障害の対応法
- 子供の発達/二次障害の相談先
「子供が二次障害にならないか不安・・。」
「子供が、二次障害になりかけてる・・これから何をしてあげるべきか分からない・・」
お子さんの今後について悩まれている方が、今増えてきています。
この記事を執筆している私は、療育セラピストを10年以上しており、これまで1,200人以上の発達障害/二次障害のお子さんと、その親御さんを支援してきました。
その支援経験を元に、本記事では、発達障害と二次障害の関係/原因/種類/対応法/相談先をまとめました。
ADHDや自閉症スペクトラムなどの特性と違い、正しい知識と対応ができれば、二次障害は防ぐことができます。本記事が、お役に立てれば幸いです!
発達障害とは

発達障害とは、生まれつき持っている特徴(気質に近い)になります。
図のように、自閉症スペクトラム(ASD)、ADHD(注意欠陥多動性)、学習障害(LD)があり、そこに知的障害も加わっていきます。

図のように重なっている部分があり、同じ障害名でも、特徴は一人一人様々です。自閉症スペクトラムとADHDの特性があっても、どちらの特性が強いかなど、個人差があります。
あくまで、1つの側面として捉え、お子さんの行動を見て向き合っていくことが大切になります。
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発達障害の子の二次障害とは

発達障害のお子さんの二次障害とは、「発達障害の特性が原因によるネガティブな体験から起こる、新たな困り(二次的な障害)」のことをいいます。
二次障害には、2つのタイプがあります。
- 1:内在タイプ
- 2:外在タイプ
1:内在タイプ

二次障害による問題行動が、内側(自分に対して)に出るタイプです。
自分に苛立ちや不安を感じ、精神的に不安定になりやすいです。
1-1:抑うつ
- 鬱に近づいている状態
- 鬱の一部の症状が持続している
- 気分が落ち込む、憂鬱になりやすい
1-2:引きこもり
- 家に引きこもっている
- 外出はほとんどしない
1-3:極度の不安
- 新しい場所/人への不安が強い
- 新しいことへの拒否感が強い
1-4:依存症
- ゲーム/スマホ/ネット依存が多い
- やめたくてもやめられない状態
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2:外在タイプ

二次障害による問題行動が、外に出るタイプです。
こちらも1つずつ見ていきましょう!
2-1:暴言/暴力
- 家庭内で多い
- 攻撃的な言動
- 反抗挑戦性障害を診断されることあり
2-2:非行/家出
- 反社会的な言動
- 思春期以降に多い
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発達障害の子の二次障害の原因

発達障害の子の二次障害の原因は、主に5つあります。
- その①:家族の障害受容の拒否
- その②:周囲の無理解
- その③:学習の遅れ
- その④:友達関係
- その⑤:親の発達障害
「二次障害」は、必ずしも発達障害がキッカケでなるわけではなく、発達障害でない子でもなりえます。
ただ発達障害の子の方が、二次障害になる確率が高いです。発達障害の特性は、二次障害を引き起こすキッカケになりやすい為です。
二次障害の原因の多くは、周囲の無理解/誤った関わり方/支援不足などです。逆にいうと、ここを変えられれば、二次障害を防ぐことができます。
まずは、5つの原因を把握してましょう!
その①:家族の障害受容の拒否

家族がお子さんの障害(特性)を受け入れない。これにより、専門機関に繋がらない/支援を受けない、更にはお子さんに無理をさせてしまい、辛い経験をさせてしまう状態になります。
家族の理解がないと、必要な支援を受ける(二次障害を防ぐ)ことはできません。まずはご家族の受け入れが、最初の1歩なります。
その②:周囲の無理解

主に担任の先生やクラスメイトの無理解になります。学校/園などの集団生活は、先生の理解が必須になります。
ご家族の理解だけでは、お子さんにとっての社会生活(集団生活)の過ごしやすさに繋げることは難しいです。
その③:学習の遅れ

授業の理解が難しく、学校が辛くなっていく状態です。特に小学校3or4年生のお子さんが多いです。
その④:友達関係

コミュニケーションの難しさから、友達関係を作りづらく、孤立することが多くなります。またルールの理解などの難しさから、一緒に遊ぶことが難しいことも多いです。
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その⑤:親の発達障害

一部の発達障害の親が、一因になる場合があります。特に父親が発達障害(ADHD/アスペルガー傾向)のケースが多いです。
支援者の助言が伝わりきらず、ご家庭での必要な関わりを実践することが、難しい場合があります(支援者側の努力も必要なのですが・・)。
また父親が「自分も小さい頃は同じで、今は生活できているから大丈夫」と思われ、支援に積極的ではないことも多いです。この考え方も二次障害の原因の1つになりえます。
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発達障害の子の二次障害の対応法

発達障害の特性は、生まれ持っているものですので、治すことはできません。その特性を理解し、いかにうまく付き合っていくかが大切になります。
一方で、「二次障害」は周囲の関わり方によって、防ぐことができる障害です。実践できるものから始めてみましょう!
- その①:特性の理解
- その②:特性の活かし方を知る
- その③:ペアレントトレーニング
- その④:「できたこと」を褒める
- その⑤:家庭/学校で統一した関わり
その①:特性の理解

お子さん、ご家族、周囲の方が、特性の理解をすることです。得意なこと/苦手なことを把握することが大切です。
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その②:特性の活かし方を知る

特性を踏まえた上で、具体的にどう行動すればいいのか、を把握することです。これはお子さんも周囲の方もできると良いです。
例えば、口頭だけだと忘れやすいけど、視覚的に残せばできるお子さんの場合、「やることをチェックリストにして、できたら印をつける」をやるなどです。
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その③:ペアレントトレーニング

お子さんに関わる上で、大切な視点/知識/声の掛け方を、学ぶことができる親向けの療育です。
詳細は、こちらをご覧ください!
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その④:「できたこと」を褒める

問題となる部分だけでなく、「できていること、できるようになったこと」を見つけ、褒めてあげましょう。
二次障害のお子さんは、失敗体験が多く、自己肯定感が下がっています。ポジティブな関わりが必ず必要になります。
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その⑤:家庭/学校で統一した関わり

ご家族/学校でお子さんに関わる上で、スタンスをすり合わせしておきましょう。お子さんが頑張る/休んでいい部分、など共通認識を持って関わっていきましょう。
お子さんが混乱しないよう、統一した関わりをしていくことが、大切になります。
子供の発達/二次障害の相談先

発達障害のお子さんの相談先は、下の4つになります。
- 保健センター
- 子育て支援センター
- 児童相談所
- 発達障害者支援センター
お住いの地域の相談窓口になり、お子さんの発達や二次障害など、育児に関わる全般の相談が、電話で無料相談ができます。
ただ、かなり混み合っています・・汗
自治体により、多少の違いはありますが、数ヶ月待ちも珍しくないため、時間がかかるということを前提に、早めに動かれることをオススメします!
各施設の特徴/具体的な相談方法/連絡先は、こちらを参考にしてくださいませ。
自閉症スペクトラムの子供の相談先とは【種類/方法/注意点を解説】
発達障害の子供と二次障害の関係とは【原因/種類/対応法/相談先を説明します】のまとめ

記事のポイントをまとめます 。
- 【発達障害とは】
・生まれつき持っている特徴 - 【発達障害の子の二次障害とは】
・障害特性がキッカケの新たな困り
・内在タイプ(自分に向く)
・外在タイプ(外に向く) - 【内在タイプ】
・抑うつ
・引きこもり
・極度の不安
・依存症 - 【外在タイプ】
・暴言/暴力
・非行/家出 - 【発達障害の子の二次障害の原因】
・家族の障害受容の拒否
・周囲の無理解
・学習の遅れ
・友達関係
・親の発達障害 - 【発達障害の子の二次障害の対応法】
・特性の理解
・特性の活かし方を知る
・ペアレントトレーニング
・「できたこと」を褒める
・家庭/学校で統一した関わり
- 【子供の発達/二次障害の相談先】
・保健センター
・子育て支援センター
・児童相談所
・発達障害者支援センター
以上になります。
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