

子どもの学校生活が心配な方「発達障害の子は、普通学級だと、いじめに遭いやすいの?できる対策や事例が知りたい」
このようなお悩みに、お応えします。
☑本記事の内容
✅発達障害の子が普通学級で
「いじめに遭うケース」
✅発達障害の子の為の
「いじめの対策」
✅普通学級に通う発達障害の子が
「備えておきたいこと」
発達障害がある子は、特性故に他の子と違いが目立ちやすいです。その違いゆえに、学校生活でいじめに遭うケースが一定数あります。
いじめではなくても、結果的にお子さん本人が辛い思いをすることも多いです。
特に普通学級ですと、周囲の理解がなかったり、一緒になる担任やクラスメイト次第で、いじめに遭う確率が上がります。
そこで本記事では『発達障害の子が普通学級でいじめに遭った事例(よくある4ケース)』を紹介したいと思います。
私は、療育・相談支援を10年以上しており、その経験から、比較的よく見られるケースをまとめてみました。
あくまで私の支援経験に基づくものですが、参考になれば幸いです。
発達障害の子が普通学級で「いじめに遭うケース」

発達障害の子が普通学級で、
「いじめに遭うケース」を4つ紹介します。
ここで紹介するのは、お子さん本人からしたら、いじめを受けてる様な辛い経験も含れています。
中には、いじめではないケースもありますが、お子さん本人からしたら、いじめと同等に辛い経験になるので、あえて紹介したいと思います。
①:周囲に距離を置かれる
(友達が嫌がる行動を繰り返す)
②:周囲の「輪に入れてもらえない」
(コミュニケーションエラー)
③:特定の子から「嫌がらせ」を受ける
(相手の子に問題があるケースが多い)
④:担任から「問題児扱い」される
(担任や学校のスタンスに問題あり)
①:周囲に距離を置かれる(友達が嫌がる行動を繰り返す)

友達が嫌がる行動を繰り返してしまい、周囲から距離を置かれることです。
繰り返してしまう理由の1つとして、”友達との関わり方が分からない” があります。
本人としては友達と遊びたいのに、どう誘って良いのか、どう関わって良いのか分からずちょっかいを出したり、距離感が近く、しつこく声を掛け続けるなどです。
また、相手の表情や気持ちの読み取りが苦手で、相手が嫌がってることに気付いてない場合もあります。
本人としては悪気なくやっているのですが、周囲との温度差は開く一方で、本人は孤立していきます。
②:周囲の「輪に入れてもらえない」(コミュニケーションエラー)

一見、一緒にいるように見えますが、周囲の輪に入れてもらえてない状態になります。
クラスメイトの会話のテンポについていけなかったり、一方的に自分の好きなことを話したり、自分の好きなことをやりたい気持ちが強く、周囲に合わせられなかったり..
様々な理由から、周囲とのコミュニケーションに難しさが生じています。
③:特定の子から「嫌がらせ」を受ける(相手の子に問題があるケースが多い)

特性の子から、日常的に嫌がらせを受けてるケースになります。
このような場合、嫌がらせをする特定の子が問題を抱えてるケースが多い為、他の子にも手を出し問題になっているなど、先生や他の保護者も把握している場合が少なくありません。
私が知っている事例では、席を離してもらったり、年度の変わり目でクラスを分けてもらったりと、
接触する機会を減らす工夫が効果的でした(先生が介入しても、大きな改善が見られるケースが少なかった)。
④:担任から「問題児扱い」される(担任や学校のスタンスに問題あり)

担任の理解がなく、問題児として扱われるケースになります。
「◯◯ができていません」
「また宿題をやってきてません」
など、指摘と叱責ばかりで、本人にとっても担任の存在が怖くて、嫌なものになっています。
「みんな同じ。公平に扱います」という担任のスタンスで、お子さん本人を苦しめてるケースが多いです。
【関連記事】
【発達障害の子と担任が合わない時】3つの大切なポイント・対処法
発達障害の子の為の「いじめの対策」

発達障害の子の為の「いじめの対策」は、
2つあります。
①:担任に「話を通しておく」
(担任⇨管理職の先生)
②:担任の先生に「配慮してもらう」
(具体的な対策の実行)
①:担任に「話を通しておく」(担任⇨管理職の先生)

担任に状況を把握してもらうことが大切になります。
この時のポイントは、事実だけを伝えることです。親御さんの主観や推測が入ると、担任の先生も話半分で聞いていたり、何を元に判断していいか分からなくなります。
なるべく事実ベースでお話されるのが、1つのポイントになります。
また担任に話しても、どうにもならないこともあります。担任の理解が得られなかったり、そもそも担任の余裕がなくて対応ができなかったり。そんな時は、管理職の先生に話を通すのが良いです。
管理職とは、校長や教頭先生などになります。管理職の先生の立場としては、学校としての対応となりますので、動いてもらえる可能性があります。
個別面談をお願いして、お話をするだけでも良いと思います(管理職の先生に把握してもらうことが大切)
話を通しておくことで、次年度以降のクラス編成など、検討してくれる可能性があります。
実際に私が支援している方で、翌年度はクラス変更になったケースがありました。実際に面談の効果がどこまで合ったか分かりませんが、
結果的に要望(嫌がらせをする特定の子と離れる)が叶った形になったので、考慮してもらえた可能性は十分に考えられます。
学校側としても、「教室運営上の問題(保護者の困り・相談)が減る」というメリットがあるので、学校側のメリットを押し出す形で伝えると、動いてもらえる可能性が上がります。
②:担任の先生に「配慮してもらう」

担任が協力してくれる場合は、具体的な配慮の相談をします。
・理解あるクラスメイトの席を近くにする
・教室のルールとして、全体周知する
(いじめの予防)
・助けてくれるクラスメイトに、担任から、何かあったら教えてもらう様に伝えておく
担任やクラスの状況として、現実的にできることを相談し、少しでもいじめが起こりづらい環境を作っていきます。
✅最終手段は「教育委員会に相談」
学校に相談しても、話が進まない場合は、最終手段として教育委員会に相談があります。
私が支援していた方も、学校が向き合ってくれず、教育委員会に相談し、半年後ぐらいに学校側に動いてもらえたケースがありました。
学校側としては、教育委員会に相談されるのは、避けたい所ですが、学校側が明らかに無理解で対応してくれない場合は、解決手段の1つになります。
【関連記事】
【発達障害だけど普通学級で貫き通します】事例の紹介~学級選びのポイント~
普通学級に通う発達障害の子が「備えておきたいこと」

普通学級に通う発達障害の子が
「備えておきたいこと」をお伝えします。
普通学級に通うことで、1つの困りとして “学習の遅れ” があります。
学習が問題ない子でしたら良いですが、
・特性上、授業についていくことが難しい
・個別で学習フォローがないと、理解が追いつかない
などの子は、早い段階での学習面のフォロー(失敗体験の予防)が必要になります。
発達障害など、特性がある子に中には、記憶自体が苦手だったり、問題が少し変わると解けなくなったり、時間が経つと忘れていたり…通常の学習だけでは、様々な難しさが出やすいです。
そして、学習の遅れもそうですが、それ以上に、失敗体験の積み重ね(勉強の拒否感に繋がる)を避けることが重要です。
失敗体験が増えすぎると、自己肯定感が下がり、学習拒否が始まり、家庭内での介入が難しくなります(学習以外の問題に発展する場合も)。
親御さんが関わり上手であったとしても、かなりの労力と時間が必要になります(ハードルを下げて、学習の小さな成功体験を作り、拒否感を減らす段階から始める必要がある為)。
『拒否感がある状態での学習』と『通常の個別学習』とでは、
必要な労力・エネルギーは、まるで違います。
同じ学習時間なら、効果が高い方が良いです。学習フォローを始める効果的なタイミングは、失敗体験を積む前になります。
失敗体験を避け、学習の成功体験を1つ1つ自信に変えながら、学ぶ意欲を高めることが大切になります。
✍学習面のフォローは「タブレット学習」
発達障害や学習の困難さを抱える子の1つの学習法になります。
特性ある子の学習にとって、タブレット学習が良い理由は、大きく5つあります。
・自分のペースで進められる
(在籍校の進度に合わせられる)
・人に指摘されない
(教わるのが嫌な子向け)
・特性に合わせた学び方
(ex.アニメーション/音声解説)
・ゲーム要素がある学習
(拒否感がある子向け)
・一人ひとりの学習課題の分析
(AIで課題を自動抽出)
学習が継続でき、成果が出しやすい要素がいくつもあります。
授業の予習・復習など、お子さんの学習状況によって使い分けられると、頼もしい学習ツールになってくれます。
タブレット学習の、その他のメリット・デメリットなど詳しい情報は、下の記事をご覧ください。
“診断がつかない子(グレーゾーン)” にも、参考になる内容になっています。
「【普通学級に通う時】発達障害の子がいじめに遭う3つのパターン・対策」のまとめ

記事のポイントをまとめます。
✅発達障害の子が普通学級で
「いじめに遭うケース」
・周囲に距離を置かれる
(友達が嫌がる行動を繰り返す)
・周囲の「輪に入れてもらえない」
(コミュニケーションエラー)
・特定の子から「嫌がらせ」を受ける
(相手の子に問題があるケースが多い)
✅発達障害の子の為の
「いじめの対策」
・担任に「話を通しておく」
(担任⇨管理職の先生)
・担任の先生に「配慮してもらう」
✅普通学級に通う発達障害の子が
「備えておきたいこと」
・授業以外の学習フォロー
・本人に合う学習法の把握
・失敗体験の予防
・タブレット学習
以上になります。
本記事がお役に立てば、幸いです。
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