

グレーゾーンの子の手帳/支援について知りたい方「子供が使える手帳の種類って何があるの?支援内容や申請方法、メリット/デメリットが知りたい。注意点もあれば教えてほしい」
こういった疑問、ご要望にお答えします。
✓本記事の内容
- グレーゾーンとは
- グレーゾーンの子が使える手帳(支援)とは
- 障害者手帳とは
- 障害福祉サービス受給者証とは
- グレーゾーンの子が最も使う手帳と支援
- 手帳の申請の流れ
- 手帳を申請するときの注意点
- オススメの申請方法
「グレーゾーンの子が受けられる支援ってあるの?受給者証って使えるの?」
「支援や制度って種類が色々あって、よく分からない・・うちの子が使えるものが知りたい・・!」
この記事を執筆している私は、10年以上の療育指導を通して、グレーゾーンを含めた発達障害のお子さん、その親御さんの支援をしてきました。
支援をする中で、支援内容や受給者証について疑問を持たれる方が多かった為、本記事にまとめてみました。
この記事を見れば、支援内容/対象者/申請方法/判定基準/メリット・デメリット/注意点など、概要が全部把握できます!
色んな機関に、予約をして時間を掛けていかなくても、要点だけ事前に把握したい!という方は、ぜひご覧くださいませ。
グレーゾーンとは

グレーゾーンとは「発達の凸凹はあるけど、日常生活に大きな支障がない(対処できる範囲)」ことをいいます。正式な診断名ではありません。
グレーゾーンは、周囲の理解、適切なサポートがあれば、社会に適応する可能性が高いです。生まれつきの「発達の凸凹の活かし方」を学ぶことが大切になります。
【関連記事】
グレーゾーンの子供の6つの接し方【困り/特徴/サポートを説明します!】
グレーゾーンの子が使える手帳(支援)とは

結論からいいますと、グレーゾーンのお子さんが使える可能性がある手帳(支援)は、原則、障害福祉サービス受給者証の1つだけになります。
手帳(支援)自体は、3種類あります。簡単にまとめましたので、興味のある方はご覧ください!
- 療育手帳
- 精神障害者保健福祉手帳
- 障害福祉サービス受給者証
発達支援に関する手帳の全体像は、こちらの図のとおりになります。

障害福祉サービス受給者証とは

「障害福祉サービス受給者証」とは、障害福祉サービスを受けるために必要になる手帳のことです(言葉のままですが・・)。
つまり、国の助成金の補助を受けて、障害福祉サービスが受けることが可能になります。
ただ助成金を受けるということは、事前にお子さんが対象になるのか、医師の問診や検査などの事前の審査のようなものがあります。
利用者は1割負担の利用ができるというメリットがある分、利用される方も非常に多いため、かなり混み合っています・・。
私がこれまでに支援してきた方ですと、数ヶ月~数年待ちの方が一番多いです。
利用できずに対象の年齢を超えてしまう方もいらっしゃるため、1つの選択肢として考えていくことをオススメします。
内容については、関連記事も載せて、この後詳しく説明します!
障害者手帳とは

障害者手帳の説明もしておきますね。「グレーゾーンに関係ある部分だけ知りたい!」という方は、読み飛ばしてください!
障害者手帳は「療育手帳」と「精神障害者保健福祉手帳」の2種類でしたね。
図で一緒にみていきましょう!
項目 | 療育手帳 | 精神障害者保健福祉手帳 |
対象者 | IQ:70~75以下。日常生活に特別な援助が必要な方 | 精神障害や発達障害が理由で、日常生活/社会生活へ支障が出る人 |
申請方法 | ①自治体の窓口(障害福祉課の窓口)へ申請 ②医師による判定(児童相談所) | ①障害福祉課の窓口or福祉事務所で申請書をもらう ②医師の診断受け、診断書をもらう ③申請書/診断書/写真を担当窓口へ提出 |
判定時期 | 原則2年ごと 18才未満:3・6・12才に再判定 18才以上:18才で更新判定 | 原則2年ごと |
区分 等級 | 自治体により違いあり 例1)2区分 ①IQが概ね35以下の人orIQが概ね50以下+肢体不自由などの身体障害を重複 ②IQが概ね35~50の人。 例2)4区分 ①最重度の知的障害(IQ19以下) ②重度の知的障害(IQ20~34) ③中度の知的障害(IQ35~49) ④軽度の知的障害 (IQ50~75) | 1~3級までの等級がある 1級:自立しての生活が困難な方。他の人の手を借りながらでなければ日常生活が送れない方。 2級: 常に人の手を借りなければならないほどではないが、日常生活が困難な状態の方。 3級: 障害は軽度だが、日常生活や社会生活で何らかの制限を受けている方。 |
サービス | ・税金の優遇措置 ・医療費の助成 ・公共料金・電話料金などの割引 ・公共の交通機関/施設・各施設の無料化・割引 ・生活保護の障害者加算 | 基本的に療育手帳と同じだが、サービス自体は療育手帳の方が手厚い |
メリット | 特別支援学校高等部に進む場合は療育手帳の取得が条件になる場合あり 将来、障害者雇用枠での就職もできる。(一般枠でも可) | 将来、障害者雇用枠での就職もできる。(一般枠でも可) |
デメリット | ①家族、周囲の理解が得られない場合がある ②ご本人、家族のストレスが高まる/自己肯定感が下がる可能性がある ③障害者雇用の場合、昇進や待遇面で一般のルートから外れる可能性がある | 療育手帳と同じ |
自治体により、異なる部分もあるため、詳細はお住まいの障害福祉課の窓口へ聞いてみましょう。
障害者手帳があっても障害基礎年金はもらえない
障害基礎年金は20才以上の方が対象になるため、障害者手帳があっても受給できません。手帳と年金は別物になります。
詳しく知りたい方は、社会保険労務士に相談することをお勧めします。
グレーゾーンの子が最も使う手帳と支援

ここからは、グレーゾーンの子が利用できる可能性のある障害福祉サービスについて、説明します。
もし、「他の福祉サービスも知りたい!」という方はは、こちらをご覧ください!
厚生労働省:障害福祉サービス
グレーゾーンのお子さんが利用できる障害福祉サービスは、2つあります。
- 1:児童発達支援
- 2:放課後デイサービス
いわゆる療育といわれるものです。児童発達支援/放課後デイサービスの大きな違いは対象年齢になります。
児童発達支援は、小学校入学前まで、放課後デイサービスは小学1年~高校3年生までとなります。
✍児童発達支援
- 対象:未就学の児童(2才頃~年長)
- 形態:個別/集団指導あり
- 内容:SST/就学準備など
- 費用:0円~37,200円程度(所得により変動あり)
✍放課後デイサービス
- 対象:就学以上の児童(小学1年~高校3年)
- 形態:個別/集団指導あり
- 内容:SST/学習など
- 費用:0円~37,200円程度/月(所得により変動あり)
お子さんが受けられる支援は、受給者証を使った区の療育以外にもあります。少しでも早く支援を受けられたい方は、【療育】種類/費用/通所受給者証のメリット・デメリットについてをご覧ください!
手帳の申請の流れ

手帳の申請の流れは、大きく5つのステップになります。

最初はお住まいの区の障害福祉課へ連絡し、通所受給者証(手帳)の手続きしたいことを伝えれば、ご案内があります。
手帳を申請するときの注意点

手帳を申請するときの注意点は、3つあります。
- その①:障害福祉サービスが受けられない場合もある
- その②:事業所が決定後→受給者証の申請
- その③:障害者手帳がなくても、受給者証はとれる場合もある
その①:障害福祉サービスが受けられない場合もある

申請をしたとしても、障害福祉サービスが受けられるとは限りません。
お子さんの様子から、継続的な支援が必要と判断されると、医師からの診断書や意見が出され、それを元に申請が通ります。
私の療育の経験からいうと、ここは自治体と医師によって様々です。
親が希望すれば簡単に通るところもあれば、グレーゾーンだと「様子を見ましょう」と申請が通らないケースもあります。
通らないケースの方が少ないですが、0ではありませんので、頭の片隅に入れておいて頂けると、万が一のときにも焦らずに済むと思います。
その②:事業所が決定後→受給者証の申請

事業所が決まったあとでないと、受給者証の申請ができません。利用する事業所や日時など具体的に決まっていないと、手帳の申請ができません。よく混乱される方がいらっしゃるので、お気をつけ下さい!
その③:障害者手帳がなくても、受給者証はとれる場合もある

障害者手帳と受給者証は全く別物になるため、それぞれ申請しても問題ありません。
オススメの申請方法

手帳(通所受給者証)は、利用ができるとは限りません。
申請が降りるのか?希望している事業所に空きが出るのか?通所の日時が合うのか?など、利用ができない可能性もあります。
そこでオススメの申請の進め方があります。
それが、「障害福祉サービスの申請をしながら、民間の療育を受ける(探す)」ことです。
数ヶ月~数年待つこともあるのを、ただじーっと待っていても、お子さんの成長は待ってくれません。
明らかに日常生活に困っている、もしくはこれから困る可能性が高い、という場合は、平行して進めましょう。
逆にそこまで困っていないという場合は、情報収集をするだけでも十分だと思います。
「就学時健診で指摘されて困った」「小学校に入ってから登校拒否が出た」など、焦られる方を大勢見てきました。
本記事を読まれているみなさんには、そうなってほしくないので、今一度、状況を整理のお勧めします。
「【グレーゾーンの子も使える?】受給者証や支援について説明します」のまとめ

記事のポイントをまとめます。
- 【グレーゾーン】
・発達の凸凹はあるけど、日常生活に大きな支障がない - 【自閉症スペクトラムの子供が使える手帳とは】
・障害者手帳
(療育手帳/精神障害者保健福祉手帳)
・障害福祉サービス受給者証
(通所受給者証) - 【障害者手帳とは】
・療育手帳
・精神障害者保健福祉手帳 - 【障害福祉サービス受給者証とは】
・障害福祉サービスを受けるために必要な手帳 - 【発達障害の子供が最も使う手帳とサービス】
・障害福祉サービス受給者証
(通所受給者証)
・児童発達支援
・放課後デイサービス - 【手帳の申請の流れ】
・区の窓口へ連絡
・利用開始の内定をもらう
・書類準備→事業所名伝える
・医師や調査員からヒアリング
・受給者証の提示/契約 - 【手帳を申請するときの注意点】
・申請が通らない場合もある
・事業所が決定後→手帳の申請をする
・障害者手帳がなくても、受給者証がとれることもある - 【オススメの申請方法】
・障害福祉サービスの申請をしながら、民間の療育を受ける
以上になります。
手帳の申請をされたい、子供の発達の相談をしたい、という方は、自閉症スペクトラムの子供の相談先とは【種類/方法/注意点を解説】から相談先を探してみてください!
相談先も種類があるので、違いがありますので、事前に把握されて相談されることをお勧めします!
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