

子供の学級選びに悩まれている方「グレーゾーンの子供が、どの学級が合うのか悩んでいる。学級の選び方やそれぞれの学級の特徴が知りたい」
こういったお悩み、ご要望にお答えします。
☑本記事の内容
- グレーゾーンとは
- グレーゾーンの子供の学級の選択肢
- グレーゾーンの子供が受けられる支援
- 普通学級or特別支援学級で迷ったら
「子供がグレーゾーンと言われた・・。診断はつかないけど、子供の発達や小学校の生活が心配・・。」
「グレーゾーンの子供に合う学級が知りたい。」
就学前の学級の選択、実際の小学校生活・・親として不安や心配が尽きない方も多くいらっしゃると思います。
この記事を執筆している私は、療育セラピストを10年以上しており、これまで1,200人以上の発達障害のお子さんと、その親御さんを支援してきました。
その支援経験を元に、本記事では、グレーゾーンの特徴/学級の選択肢/支援/注意点をまとめました。
本記事が、参考になれば幸いです!
グレーゾーンとは

グレーゾーンとは「発達の凸凹はあるけど、日常生活に大きな支障がない(対処できる範囲)」ことをいいます。
グレーゾーンは、周囲の理解、適切なサポートがあれば、社会に適応する可能性が高いです。生まれつきの「発達の凸凹の活かし方」を学ぶことが大切になります。
✍発達障害とは
本来発達の凸凹は誰にでもありますが、この凸凹が大きいと、「発達障害」の特性があることになります。
図のように、発達障害には、自閉症スペクトラム(ASD)、ADHD(注意欠陥多動性)、学習障害(LD)があり、そこに知的障害も加わってきます。

それぞれの特徴も、載せておきます!
✍ADHD(注意欠陥多動性)
- 多動/衝動/不注意の性質
- 混在することが多い
- 多動/衝動性:男の子に多い
- 不注意:女の子に多い
【関連記事】
【療育セラピストが解説】ADHDの子供の3つの症状と7つの対応法
✍自閉症スペクトラム(ASD)
- 言葉の遅れ、会話の難しさ
- 興味の幅の狭さ/こだわりの強さ
- 感覚の偏り/不器用
【関連記事】
自閉症スペクトラムの子供の症状とは?【4つの特徴と7つの接し方】
✍学習障害(LD)
- 読み/書き/計算の特定の分野が難しい
- 話す/聞くの特定の分野が難しい
- 知的な遅れなし
✍知的障害
- 知能指数(IQ)×適応能力で判断
- 軽度~最重度まで4段階ある
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【自閉症スペクトラム/知的障害を伴う子供】特徴/サポート方法とは
グレーゾーンの子供の学級の選択肢

グレーゾーンの子供の学級の選択肢は4つあります。
就学前でも、就学して途中から移ることもできます。(学校により、基準/空き状況は異なります)
- 1:普通学級(通常学級)
- 2:通級指導教室(通級)
- 3:特別支援学級(支援級)
- 4:特別支援学校
私の経験上、グレーゾーンの子供の多くは、1or2が最も多く、たまに3の子もいらっしゃいます。4は、いないですね。
もちろん、子供の特性によりますので、絶対はありません。では、1つずつみていきましょう!
1:普通学級(通常学級)

一般的なクラスのことで、1クラス40名以下で構成されています。学校によっては、補助の先生がいるなど、体制に違いがあります。
2:通級指導教室(通級)

普通学級に在籍している状態で、週1~2回程度(1~2h)、通級指導教室に通って、個別で授業を受けることができます。
取り出し学習とも言われるもので、子供の苦手な科目などを中心に、個別で授業を受けることができます。学校にとってはSST(ソーシャルスキルトレーニング)の内容を取り入れる所もあります。
学校により、学校内に設置されている場合(自校通級)と、近隣の学校に設置されている場合(他校通級)があります。
平成5年に、通級指導教室の設置が全国で制度化されたため、学校内で通級指導教室がある学校は増加傾向にあります。
3:特別支援学級(支援級)

籍が特別支援学級となり、別の教室(クラス)で授業を受け過ごします。
原則8名以下のクラスで、子供一人一人に合った課題を受けることができます。
「情緒」と「知的/身体障害」のクラスに分かれ、子供の特性に応じて変わります。
✍情緒クラス
知的/身体的な遅れはなく、多動/衝動性が高かったり、気持ちのコントロールのむずかしさから、奇声や癇癪などの行動を起こす子供が対象になります。
✍知的/身体障害クラス
知的、身体的な遅れがある子供が対象になります。医師の診断書/検査の数値など明確な特性が出ている場合になります。ちなみに設置している小学校の割合は76.6%、中学校は73.7%になります。
【関連記事】
軽度知的障害とは【自閉症スペクトラムを伴う子供の特徴/向き合い方】
4:特別支援学校

知的/視覚/聴覚障害・肢体不自由・病弱のある子供が通う学校です。
以前は、養護学校、ろう学校、盲学校に分かれていましたが、2007年の法の改正により、「特別支援学校」に統一されました。
支援内容としては、普通学級と同じ教科を、子供の特性に合わせた支援で提供されます。
また子どもの自立に向けた授業(身辺自立、物/お金の管理などのライフスキル)もあります。
学校数が少ないため、近隣にない場合は、遠方へ通学されている方も多いです。
グレーゾーンの子供が受けられる支援

次は、グレーゾーンのお子さんが受けられる3つの支援について、説明していきます。
①③は専門機関、②は学校で出来ることです。
- その①:療育
- その②:合理的配慮
- その③:ペアレントトレーニング
その①:療育

障害者手帳がなくても、受けることができる支援になります。区が運営している福祉サービスと、民間が運営しているものがあります。
それぞれメリット/デメリットがありますので、詳しくは、関連記事をご覧下さい!
【関連記事】
【どんな支援が受けられる?】自閉症スペクトラムの子供向けの施設とは
その②:合理的配慮

お子さんの特性に合わせて、学校内の配慮(工夫)をすることです。
例えば、いろんな物や音が、視界や耳に入ると集中力が散ってしまうお子さんでしたら、席は窓際/廊下は避け、先生の目の前の席にするなどです。窓は外の音が気になりますし、廊下は人が通る場合もあります。
一番前の席ですと、そういった気になるものも最小限にでき、先生の説明に集中しやすくなります。
また、学習障害で板書が困難な子には、タブレットで写真をとり、配慮するなどの方法もあります。
その③:ペアレントトレーニング

親向けの療育になります。お子さんに関わる上で、大切な視点/知識/声の掛け方を、学ぶことができます。
興味のある方は、こちらをご覧ください!
【関連記事】
【ADHDの子供の親向け】ペアレントトレーニングとは【種類/費用/内容など概要を説明します】※ADHD以外のお子さんも参考になります。
✍家庭でできること
お子さんの特性について、理解を深めることです。家族や担任の先生がお子さんの特性、接し方を学ぶことが大切になります。
お子さんが小学校高学年以上でしたら、お子さん自身にも理解/対処の仕方を学んでもらう必要があります。
家庭内でしたら、本を1冊読むことをオススメします。今は分かりやすく、内容も充実しているので、良書が豊富にあります。
【関連記事】
【ADHDの子供の親向け】おすすめのADHDの本【厳選5冊】
自閉症スペクトラムの子供の親が読むべき本【プロが選ぶ厳選5冊】
普通学級or特別支援学級で迷ったら

学級で迷ったら、「お子さんの意思を尊重」しましょう。
実際に見学してもらい、お子さんが「行きたい」と思えるか判断できる機会を作ってあげましょう。
就学については、関連記事をご覧ください。就学に必要な準備/注意点/就学先のメリット・デメリットをまとめています。
【関連記事】
ADHDの子供に必要な4つの小学校の選択肢とは【メリット~注意点まで解説します!】※ADHD以外のお子さんにも活用頂ける内容になります。
⚠注意点
お子さんが合わない環境で過ごすことは、叱責/失敗体験の連続になり、自己肯定感が下がります。
その状態が続くと、二次障害になる場合があります。親御さんの希望より、お子さんに合った環境を優先にしていきましょう。
【関連記事】
発達障害の子供と二次障害の関係とは【原因/種類/対応法/相談先を説明します】
「【グレーゾーンの子供は普通学級にいくべき?】学級の選び方とは」のまとめ

記事のポイントをまとめます 。
- 【グレーゾーン】
・発達の凸凹はあるけど、日常生活に大きな支障がない
- 【学級の選択肢】
・普通学級
・通級指導教室
・特別支援学級
・特別支援学校 - 【受けられる支援】
・療育
・合理的配慮
・ペアレントトレーニング - 【家庭でできること】
・周囲の子供への理解を深める
・本を1冊読む - 【普通学級or支援学級で迷ったら】
・子供の意思を尊重
・子供と見学にいく
以上になります。
関連記事も載せておきますので、必要な方はご覧ください!
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