自閉症スペクトラム

自閉症スペクトラムの子供への叱り方とは【8つの接し方を解説】

投稿日:2020年6月11日 更新日:

自閉症スペクトラムの子供への叱り方で悩まれている方へ「ダメだと思っても、つい怒ってしまう。今の叱り方が合っているか不安。怒っても子供が同じことを繰り返してしまう。子供に合った接し方を知りたい」

こういったお困りにお答えします。

✓本記事の内容

  • 自閉症スペクトラムの子供に怒るのがNGな理由
    【自信喪失につながる】


  • 自閉症スペクトラムの子供への接し方
    【8つ】


  • 今日から使える接し方の文言
    【4つ】


  • 自閉症スペクトラムの子供のサポート方法
    【3つ】

この記事を執筆している私は、療育指導を通して、1,000名以上の子供とその親を支援してきました。

支援してきた中で、「怒っても子供が変わらない」「つい怒ってしまう」「他の接し方が分からない・・」など、

接し方に悩まれている方が非常に多くいらっしゃいました。

何度言っても子供が同じことを繰り返せば、それはストレスが溜まりますよね・・。

私も親なので身にしみる程よく分かります・・。

そういった接し方で悩まれている方の負担を少しでも軽くするために、私が実際に支援し、効果が出た「視点/接し方」をまとめてみました。

正しい視点と接し方があれば、必ず今より子供は話を聞いてくれます。

そして親子のストレスも減らせます。

そのためには、まず親の接し方変える必要があります。

本記事は、ABA(行動分析)を元に、体系化されていますので、「できるか自信がない・・」という方にもオススメです。

実際にこの「視点/接し方」を実践してくださった方は、以前よりストレスが減り、生活がしやすくなりました。

ぜひ参考になれば幸いです。

では「自閉症スペクトラムの子供への叱り方とは【8つの接し方を解説】」について見ていきましょう。

自閉症スペクトラムの詳細は、

自閉症スペクトラムの子供の症状とは?【4つの特徴と7つの接し方】

をご覧ください。

自閉症スペクトラムの子供に怒るのがNGな理由【自信喪失につながる】

タイトル通りですが・・自閉症スペクトラムの子供に怒ることはNGです。

自閉症スペクトラムに関わらず、発達障害の子供には避けるべきです。

理由は「自信をなくす」ためです。

よく「自己肯定感」ともいわれますね。

具体的には、下の流れで負のサイクルに陥ります。

怒られる→自信をなくす→自分から行動しなくなる→学ぶ機会損失→周りとの差が開く→自信をなくす・・・繰り返し

このサイクルに陥り、時間が経過すればするほど、介入が難しくなります。

私達も同じですよね。怒られて、自信がなくなったことは、なるべく避けたいですし、避け続ければ苦手意識はずっとあります。

ましてや周りがドンドンできるようになれば、自信がなくなっていく一方ですよね。

「怒ること=何となく悪いこと」ではなく、

怒ることで、子供の具体的にどんな困りに繋がるのかを理解することが、

自閉症スペクトラムの子供への適切な接し方を身につける最初の1歩

になります。

これを知っていれば、「怒る」という選択肢を選ぶことは、だいぶ減ると思います。

自閉症スペクトラムの子供への接し方
【8つ】

「怒ること」が子供にとって良くないことは理解して頂けたかと思います。

次は、怒る以外でどう接すればいいのか?こちらの解説をしたいと思います。

8つあります。

  • 1:「目を合わせて」から伝える

  • 2:「簡潔」に伝える

  • 3:「視覚的」に伝える

  • 4:「具体的」に伝える

  • 5:「ポジティブな表現」を使う

  • 6:「事前に見通し」を示す

  • 7:「求めるレベル」を下げる

  • 8:「できたこと」を褒める

1つずつ解説していきますね。

1:「目を合わせて」から伝える

伝える前に、必ず「目が合っているか」を確認しましょう。

自閉症スペクトラムの子供は、注意がそれて、そもそも「聞いていない」ことがよくあります。

適切な伝え方ができても、聞いていなければ、伝わりません・・。

必ず目が合っているのを確認してから、伝えましょう。

2:「簡潔」に伝える

「短く、ゆっくり、はっきり」伝えましょう。

自閉症スペクトラムの子供は、聞いて理解することが苦手です。

スピードや量、タイミングを調整してないと、最後まで聞き取ることがむずかしいです。

そして子供によって、調整の幅が変わります。

例えば、「短く」でいえば、単語、短文ごとに区切ることが多いです。

子供に合わせて、

  • 言葉の量(短く)
  • スピード(ゆっくり)
  • 聞き取りやすさ(はっきり)

を調節することが大切になります。

3:「視覚的」に伝える

目で理解できるよう、絵カードや写真などを使いましょう。

自閉症スペクトラムの特性上、目に見えないものを理解することが苦手なため、視覚的に伝る方が良いです。

逆にいうと、目で理解することが得意ということですので、子供の得意を活かした関わりができるということです。

4:「具体的」に伝える

必ず、何をすべきか「具体的な行動」で伝えましょう。

自閉症(スペクトラム)の子供は、察したり、自分で想像して行動することが苦手です。

子供が不適切な行動をしてしまったときも、注意をするだけでは、

「じゃあ具体的にどうすればいいのか」までが伝わりづらいです。

例えば、

子供が友達のオモチャを勝手にとってしまったときは、

「友達が使ってるオモチャ勝手にとっちゃダメでしょ!」
       ↓
「○○かして、って言おうね」

このように不適切な行動がでたときは、

必ず「適切な行動を具体的に」伝えましょう。

5:「ポジティブな表現」を使う

子供への声掛けは、ポジティブな表現を使いましょう。

理由は、ポジティブな表現の方が、やる気に繋げ、次の適切な行動につなげることができるためです。

例えば、

子供が店内で走ってしまったとき、

「走らないで!」
  ↓
「歩いて」

他の例も見ていきましょう。

子供がテストで間違いがあったとき、

「○○間違ってるじゃない!」
       ↓
「○○と○○よくできたね」

このように同じ出来事でも、声の掛け方1つで、子供が受ける印象は違います。

受け取る印象が良ければ、「次やってみよう!」となります。(正しい行動を伝えた上で)

私達も指摘や否定より、肯定的言われる方が「そっか・・確かにそうかも。次はそうしよう」考えると思います。

6:「事前に見通し」を示す

事前に何をするのか、どこに行くのか、見通しを伝えましょう。

特性上、想像することが苦手なため、見通しがないことで、不安が高まりパニックになることがあります。

特にパターンで安心ができている子には、丁寧に伝えることが必要です。

いつもと違う人/場所に行くときは、事前に伝え、不安の芽を摘んでおきましょう。

写真/画像/イラストなど、目で理解できるものを使ってみましょう。

7:「求めるレベル」を下げる

接し方を工夫しても、どうしてもできない場合は、子供に求めているレベルが高すぎる可能性があります。

私が支援してきたママ/パパも、大半の方は、子供の発達/特性を超えたレベルを求めている方でした。

ただそれは当然だと思います。

子供の発達と特性に合わせて、調整するのは専門性が必要になりますので・・。

ではどうすればママ/パパにもできるのでしょうか?

答えは、「判断基準」に沿って調整することです。

イメージは、子供が少し背伸びをしてできるレベルです。

判断基準を具体的にいうと、

親がフォローをして、子供が6割程度できる行動です。

親がフォローを入れて10回しても6回以下なら、子供には合っていないため、求めるレベルを下げる必要があります。

ぜひ振り返ってみてください。

8:「できたこと」を褒める

「適切な行動」ができたら、必ず褒めましょう。

理由は、子供が適切な行動をした結果、褒められれば嬉しいので、またその「適切な行動」をしたくなります。

例えば、

新しいレシピで料理を作ったママが、家族に「これ美味しい!」と言ってもらえたら、ママとしては、「嬉しい!また作ろう!」という気持ちになると思います。

そして実際にまた料理をすると思います。

図にすると下のようになります。

このように、子供が適切な行動ができたら必ず、子供が喜ぶよう、褒めましょう。

子供に「○○してよかった!また○○しよう!」と思ってもらえれば(子供のメリット)

また次も適切な行動をしてくれる可能性がぐんと上がります。

よく育児には「褒めることがいい」といわれますが、こういった理由からいわれます。

褒められれば、自信がつくので、自分から行動するようになり、成長速度も上がります。

ぜひ今日から実践してみてください!

今日から使える接し方の文言【4つ】

ここまでで視点と接するポイントを掴んで頂いたかと思います。

と言っても、「急に言われてもできるか不安・・」という方もいるかと思います。

そこで、ここでは今日からすぐに使える具体的な文言を紹介します。

私が今まで相談を受けてきた、「典型的な怒り文句」を「ポジティブな表現」に変えています。

最初は真似しながら、そのまま使ってみましょう。

「どうして○○できないの?」
       ↓
「○○と○○だったらどっちができそう?」

「何回言ったらわかるの?」
       ↓
「どうしたらできそう?一緒に考えてみようか」

「○○間違ってるよ!」
     ↓
「○○の方がもっといいね!」

「早くやりなさい!」
       ↓
「何時からできそう?」

「この伝え方は、うちの子に合いそう!」などあれば、ぜひ活用ください。

自閉症スペクトラムの子供のサポート方法【3つ】

親だけで、解決がむずかしい場合、解決方法は、大きく3つあります。

  • 1:療育

  • 2:ペアレントトレーニング

  • 3:独学(本・ネット)

1つずつ解説していきますね。

1:療育

療育とは、子供がスキル獲得するための訓練になります。

主に子供の訓練がメインですが、親が指導後に、指導員からアドバイスをもらうこともでき、親のスキルアップもできます。

詳しくは、

ADHDの子供の療育とは【種類・費用・通所受給者証のメリット/デメリットを解説】

をご覧ください。

ADHDと記載ありますが、内容は自閉症スペクトラムの子供にも共通しています。

安心して読み進めてください。

2:ペアレントトレーニング

親がメインの療育です。

療育の専門家の指導を受け、子供の関わり方を学ぶ講座になります。

生活に支障が出る困りが出ていない方は、区での安い費用で実施されている集団のペアレントトレーニングで良いと思います。

広く浅い知識になるため、万人に共通する子育ての知識/視点が学べます。

生活に支障が出ているほどの困りがある場合は、民間の個別のペアレントトレーニングをオススメします。

費用は高めですが、個人の困りに合わせてアドバイスがもらえるため、区の集団のペアレントトレーニングより、即効性があることが多いです。

詳細は、

【ADHDの子供の親向け】ペアレントトレーニングとは【種類/費用/内容など概要を説明します】

をご覧ください。

3:独学(本・ネット)

本やネット(サイト)で学び、子供への関わりを工夫していくことです。

学ぶことに意欲があり、空き時間を活用しながら継続できる方には、オススメです。

本で学ばれたい方

【ADHDの子供の親向け】おすすめのADHDの本【厳選5冊】

をご覧ください。

私が実際に読んで厳選したオススメの本になります。

ネットで学ばれたい方

通勤中や家事の合間でなど、空き時間で読めるよう、1記事3分で読める内容になっています。

子供と関わる上で、本当に必要な情報だけに厳選しています。

効率良く、知識/接し方を把握することができます。

具体的な関わり方、困りの解決方法を知りたい方にもオススメです。

目的にあった情報サイトを活用してみましょう。

自閉症スペクトラムの子供への叱り方とは【8つの接し方を解説】のまとめ

記事のポイントをまとめます。

  • 自閉症スペクトラムの子供に怒るのがNGな理由
    【自信喪失につながる】


  • 自閉症スペクトラムの子供への接し方
    【怒る<導く&褒める】


  • 今日から使える接し方の文言
    【指摘/否定→ポジティブな表現】


  • 自閉症(スペクトラム)の子供の癇癪の解決方法
    【①療育 ②ペアレントトレーニング ③独学(本/ネット)】

以上になります。

子供に合っているか確認しながら、実際に接し方を工夫してみて頂ければと思います。

本記事がお役に立てれば幸いです。

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