

ADHDの子供の暴言の対応法を知りたい方へ「些細なことで、子どもの暴言がでる、外で暴言がひどくなり、周りの人に迷惑を掛けてしまう、どう関わっていいか分からない」
こういったお困りごとの解消方法を解説します。
✓本記事の内容
- ADHDの子供の暴言の2つ原因
- ADHDの子供の暴言の6つの対応法
この記事を執筆している私は、療育セラピスト歴10年程になります。
ABA(行動分析)をベースに1000人以上の子供に実際に支援し、効果的だったノウハウをまとめています。
今回は、ADHDの子供の暴言【2つの原因と3つの対応法】について見ていきましょう。
ADHDについては、【療育セラピストが解説】ADHDの子供の3つの症状と7つの対応法をご覧ください。
※記事は3分くらいで読み終わります。深掘りした解説は、関連記事を貼っておきました。
ADHDの子供の暴言の2つ原因

対応方法を考える上で、原因を確認することが重要です。まず原因から見ていきましょう。
子供の行動の原因は4つにわかれます。ADHDに関わらず、自閉症やアスペルガーの子供も全てです。
ただ、今回の「イライラするADHDの子供の原因」に関しては、『回避と目的要求』の主に2つになります。
「回避や目的要求」の意味がわからない方は、【療育セラピストが解説】ADHDの子供の癇癪を減らす3つの方法を確認の上、次の内容に進みましょう。
本記事の理解がより深まります。
ADHDの子供の暴言の6つの対応法

ADHDの子供の暴言の原因は、2つでしたね。
- 回避
- 目的要求
2つの基本的な対応は、
【プロが解説】言うことを聞かないADHDの子供の2つの対応法【もう習い事の迷惑になりません!】
をご覧ください。
対応の基礎は、把握できたと思いますので、ここからは、原因を深堀りし、具体的な対応方法を解説します。子供の「暴言」のきっかけは、主に2つです。
- 1:生理現象
- 2:できごと(子供にとって嫌な)
1つ1つ見ていきましょう。
1:生理現象

- お腹が空く
- 眠い
- 体がかゆい
1-1:「不快のもと」を取り除く

一言でいうと、生理現象は子供の力ではどうにもなりません。可能な範囲で周りの大人が働きかけて、取り除くことが必要です。
暴言を極力減らせるよう、事前にコンディションを整えていくことが大切です。特に低年齢なほど、影響が大きいため、どうしてもむずかしい場合は無理せず、その日は休むなど、切り替えることも大切です。
1-2:「ゴール」を決めて頑張ってもらう

本体調じゃないから、自由に辞めてもいい、だと今後怠けることを覚えてしまうのでは・・そういった心配もあると思います。
そんな時は子供と一緒に「ゴール」を決めて取り組んでもらうことが良いです。終わりは視覚的に分かる形にして、子供の理解・納得を確認した上で進めましょう。
約束の仕方は、
【プロが解説】言うことを聞かないADHDの子供の2つの対応法【もう習い事の迷惑になりません!】
の「目的要求」の項目を参考にご覧ください。
両方できると理想的です。ADHDの子供は些細なことでも、暴言に繋がる可能性があります。ストレスの芽は、なるべく事前に減らしていきましょう。
2:できごと(子供にとっての嫌な)

- 指摘、否定された
- 要求が通らなかった
- ゲームや勝負で負けた
2-1:肯定的に伝える

ADHDの子供は否定的な言葉に敏感な子が多いです。理由はその特性上、普段から否定的な言葉を言われることが多く、自信がない子が多いためです。
そのため、家族にとって普通のコミュニケーションでも「やっぱりぼくは何もできないんだ」「わたしはどうせバカだし」と捉え、その積み重ねがストレスになり、そして癇癪・暴言などに繋がります。そのため、声掛けは肯定的な表現をすることが必要です。
具体例で見ていきましょう。
~スーパーで走る子への声掛け~
「走らないで!」
→「歩いて!」
~宿題が終わった子への声掛け~
「ここ違うよ!やり直して!」
→「ここまでできたんだね。凄い!ここはどう?」
同じことを伝えるにも、肯定的な表現に変えるだけで印象は違います。親としても同じことを言うなら、伝わって子供が行動できた方が嬉しいですし、お互いストレスが減るので過ごしやすいですよね。
1日1ずつでも構いません。今日から工夫して実践していきましょう。
2-2:共感する

ADHDの子供は他の子より理解される機会が少ないです。その分、親が子供の気持ちを理解し「共感」することが大切になります。
具体例で一緒に見ていきましょう。
~宿題できず暴言がでる子に声掛け~
「宿題なんてできない!なんでこんなにあるんだよ。ふざけんなよ!」
→「宿題ができなくてイライラしてるんだね。確かに難しそうだね」
もう1つ見ていきましょう。
~勝負で負けイラつく子に声掛け~
「あー!負けた!くそっ!みんな死ね!」
→「勝負で負けるとイライラするよね。悔しいよね。」
ときどき「共感するだけでは、宿題はやってくれないですよね?」とお話される親がいます。確かに「共感をする」だけでは、子供の行動が劇的に変わることは、多くはありません。
ただ、根本解決をしていくためには、日々の共感を交えた関わりの積み重ねが、ストレスを減らし、癇癪や暴言などの頻度を減らしていきます。
共感しても宿題はやってくれない」という、目先の結果をすぐに求めるより、「子供の日々のストレスを減らしていく」という、根本的な解決を目指すことが、長期的な親子の過ごしやすさに繋がっていきます。
2-3:ストレス発散の時間を作る

日常生活だけではストレスの発散が難しい場合は、意図的にストレス発散の時間を作ることが有効です。
例えば、週末は公園でサッカーをする、習い事で好きな先生と全力で遊ぶ、などです。習慣化されていると、ストレスのバランスもとりやすく、子供の気持ちも安定しやすいです。
2-4:自分でできるストレス発散方法を覚える

子供の年齢が上がってくると、親が介入できる頻度は減っていきます。そんなときは、子供自身にストレス発散方法を覚えてもらいましょう。
例えば、イライラしたときは、ストレス解消グッズを使うです。家であれば大きいクッションで力いっぱい叩くのも良いですし、外であれば持ち運びができるサイズもあるので、場所に応じて種類を選べるので、実践しやすいです。
私が支援している子供が、実際に使っているストレス解消グッズはこちらになります。お手頃な値段の物もたくさんあるので、お試しでやってみるのも、1つです。
イライラして人や物に当たるのを防ぎ、子供と周りの人を守るための、有効な手段になります。 事前に子供と約束をし「イライラしたときは、○○を握る」など、発散する行動を決めておきましょう。
もし、子供1人で実践することがむずかしい場合は、親がフォローしましょう。イライラしてきたな、と感じたらグッズを渡したり、グッズがいるか声掛けするなど、積極的に親が関わっていきましょう。
ADHDの子供の暴言は止められる?【2つの原因と3つの対応法】のまとめ

記事のポイントをまとめます。
- ADHDの子供の暴言の原因
【①生理現象 ②できごと】 - 生理現象の対応
【①不快のもとを取り除く ②ゴールを決めて促す】 - できごとの対応
【①肯定的に伝える ②共感する ③ストレス発散の時間を作る ④ストレス発散方法を実践する】 - 自力で解決がむずかしい場合
【①療育 ②ペアレントトレーニング ③独学(ネット・本)】
以上になります。
ADHDの子供の暴言の対応で大切なことは、極力ストレスを溜めない工夫をし、それでもイライラして爆発しそうなときは、爆発する前にストレスを発散するになります。
対応方法を紹介しましたが、どうしても解決できない場合は専門家の指導を受けることをオススメします。
本記事の冒頭でも紹介した、【療育セラピストが解説】ADHDの子供の癇癪を減らす3つの方法の暴れる行動の解決方法【3つ】をご覧ください。
参考になれば幸いです。
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