

自閉症スペクトラムの子供の言葉の遅れで悩まれている方「宇宙語って何?どう関われば発語になる?子供が将来困らないために、必要なサポートを知りたい」
こういった疑問、お困りにお答えします。
✓本記事の内容
- 宇宙語とは
【発語の準備期間】 - 宇宙語の原因
【自閉症スペクトラムの3つの特徴】 - 自閉症スペクトラムの子供の発語の促しかた
【5ステップ】 - 自閉症スペクトラムの子どものサポート方法
【3つ】
子供の言葉が増えたり、上手に伝えられるようになるのは、親にとって、かけがえのない幸せです。
ただ子供の年齢が上がるにつれて、言葉の遅れで悩まれる方が増えているのも事実です。
この記事を執筆している私は、療育セラピスト歴が10年程になります。
これまで1,000名以上の発達障害の子供とその親を支援してきました。
支援をする中で、特に未就学の子供に関して、相談が一番多いのが、「言葉の発達」になります。
「宇宙語はいつになったら、意味のある言葉になるのでしょうか?」
「子供の発語のために、何をすればいいですか?」
と相談される方が多くいらっしゃいます。
そこで、本記事では、子供の発語、宇宙語で悩まれている方の不安をへらすため、ノウハウをまとめました。
行動分析(ABA)を元に、体系化し、私の指導経験を、誰にでも実践しやすい内容にまとめています。
今よりも少しでも、お子さんの成長に繋がれば嬉しいです。
では「自閉症スペクトラムの子供の宇宙語って?【発語までの5ステップを解説】」について見ていきましょう。
自閉症スペクトラムの子どもの宇宙語とは【発語の準備期間】

宇宙語は、発語の準備期間です。
自閉症スペクトラムの子供の宇宙語とは、「不明瞭な発声」のことです。
親からみると、「ゴニョゴニョって・・・たくさん喋ってるんだけど、何を言っているのか分からない・・」といった状態になります。
でも子供からしたら、一生懸命話してくれていて、楽しそうであったりします。
宇宙語は、個人差があります。ない子もいれば、1年以上続く子もいます。
「何を言ってるかわからない・・」ではなく、「今は発語までの途中のステップ!」という気持ちで、子供に合った関わりをしていくことが大切です。
宇宙語の原因【自閉症スペクトラムの3つの特徴】

宇宙語の原因は、自閉症スペクトラムの3つの特徴が原因です。
- その①:言葉の遅れ
- その②:コミュニケーションの困難さ
- その③:こだわりの強さ/興味の狭さ
詳しい特徴は、
自閉症スペクトラムの子供の症状とは?【4つの特徴と7つの接し方】
をご覧ください。
宇宙語そのものは、悪いことではないのですが、その期間が長いことで、発語がないと、困りに繋がります。
通常は1歳半までに単語、2歳半までに2語文、3才以上に3語文が出るイメージです。
この通常の発達から、明らかに半年以上遅れている場合は、関わり方の工夫やサポートが必要になる可能性があります。
自閉症スペクトラムの子供の発語の促しかた【5ステップ】

発語までは、大きく5ステップあります。
「え?そんなに!?」と思われるかもしれませんが、これは事実です・・。
言葉が遅れている=発語の練習、ではなく、子供によってはその前のステップを練習する必要があります。
自閉症スペクトラムの子は、特に発語の前段階の練習が必要な子が多いです。
本来、子供によってステップ数は変わりますが、ここでは代表的なステップを解説します。
下の①~⑤は、要求時に促すお子様の行動になります。
すでにできているステップは、飛ばして大丈夫です!「頑張ったらできるかな」というステップを選びましょう!
- ①:アイコンタクト
- ②:アイコンタクト+発声
- ③:アイコンタクト+発声
(口の形。名詞の頭文字) - ④:アイコンタクト+発声
(単音~複数音~単語) - ⑤:アイコンタクト+発語
(2~3語文)
※アイコンタクト=目を合わせる
下は、実際に促しをする流れになります。
子供の要求が出たら、①~⑤のいずれかを促し、できたら要求に応える流れになります。
詳細は別記事で解説していますが
子供が適切に要求する→子供にとってのメリット(要求が叶う)
のサイクルを作ることが重要です。
子供に「要求したらいいことがある!」と理解してもらうことが大切です。
詳細は、
【療育指導員も実践】自閉症スペクトラムの子供の癇癪の3つの対処法
をご覧ください。
ADHDと記載ありますが、自閉症スペクトラム含む、発達障害の子に共通する内容ですので、安心して読み進めてください。
図で解説していますので、初心者の方にも分かりやすい内容になります。
子:要求が出る
↓
親:①~⑤のどれかを促す
↓
子:①~⑤のどれかをする
↓
親:要求に応える
では、1つずつのステップを解説していきますね。
①:アイコンタクト

発語とは、人に対して言葉を発することです。
そのためには、言葉を発する前に、人に注意を向ける必要があります。
具体的には、相手の目を見ること(アイコンタクト)です。
相手の目を見ないで話す人はいないですよね?
自閉症スペクトラムの子は、このアイコンタクト(相手の目を見る)をとることがむずかしい子が多いです。
そして「言葉が遅れているから、言葉を教えなきゃ!」と言葉の促しばかりされ、機械的に言葉を覚えてしまい、コミュニケーションの手段として使えない子が多いです。
発語の目的は、「人とコニュニケーションをとる」ことです。
パターン化して、覚えることは、自閉症スペクトラムの子には有効ですが、順番があります。
まずはアイコンタクトが最優先になります。
②:アイコンタクト+発声

アイコンタクトがとれるようになったら、次は発声も促しましょう。
ちょっとでも音が出ればOKです。不明瞭でも、構いません。
ここのステップでは、音を発する=メリット(要求が叶う)がある、ということを理解してもらうことが目的になります。
注意点は、発声だけあるパータンです。これは要求に応えないようにしましょう。
子供がだんだん慣れてくると、アイコンタクトを飛ばして、発声だけするパターンがあります。
必ず、アイコンタクトと同時に発声ができていることを確認して、要求に応えていきましょう。
③: アイコンタクト+発声(口の形or名詞の頭文字)

アイコンタクト+発声が定着してきましたら、次は、口の形、できそうな子は名詞の頭文字の発声を促しましょう。
定着の目安は8割です。10回チャレンジして、8回以上できれば定着と判断して問題ありません。
最近の療育の現場でも、8割の基準を設けている所が増えています。
口の形は、子供が真似しやすい形で大丈夫です。
「どれがいいか分からない・・」という方は、「あー(大きな口を開ける)」でやってみましょう。
一番真似しやすく、私が見てきたケースで、上手くいった事例が一番多いです。
音の真似まで、できそうな子は、名詞(要求する物)の頭文字1音だけ促してみましょう。
名詞によっては、むずかしい音もあると思います。
必ず子供が発する見込みのある頭文字の名詞を選びましょう。
一般的には下のようになります。
- 発音しやすい:あ行、ま行
- 発音むずかしい:か行、さ行、ら行
例えば、アンパンマン・アイス・うどんは、発音しやすく、
からあげ、ぐみ、ジュースなどは、発音しにくくなります。
具体例が、食べ物ばかりになってしまいましたが・・・
オモチャなど、子供の要求が出るものであれば、何でも大丈夫です!
あくまで一般的な発達段階のお話です。
子供が普段発している音に近い音を選びましょう。
④:アイコンタクト+発声(単音~複数音~単語)

③のステップの、発する音の数を増やしていくイメージです。
最初は1音1音は、ゆっくりで大丈夫です。
1音1音が発することが定着しましたら、1音1音の間隔を狭め、複数音にしていきましょう。
複数音ができてきたら、単語が言えるのと同じになります。
ここまでくると、要求の場面での意思疎通できることも増えていきますね。
⑤:アイコンタクト+発語(2~3語文)

ステップ④を単語にしたイメージです。
最初は、2~3音の単語に絞り、定着したら、4音以上の単語も促してみましょう。
自閉症スペクトラムの子どものサポート方法【3つ】

発語のお困りを解消するためには、継続的なサポートが必要です。
発語に関する子供へのサポート方法は、2つあります。
- 1:療育
- 2:家庭で練習
詳しくは、
自閉症スペクトラムの子供の症状とは?【4つの特徴と7つの接し方】
の自閉症スペクトラムの子供のサポート方法【3つ】をご覧ください。
2つ目の「服薬」の項目は、無視していただいて大丈夫です!
発語に関しては、服薬は直結する内容ではありませんので・・。
まとめ

記事のポイントをまとめます。
- 自閉症スペクトラムの子どもの宇宙語とは
【発語の準備期間】 - 宇宙語の原因
【自閉症スペクトラムの3つの特徴】 - 自閉症スペクトラムの子供の発語の促しかた
【①アイコンタクト ②アイコンタクト+発声 ③アイコンタクト+発語】 - 自閉症スペクトラムの子どものサポート方法
【①療育 ②独学】
以上になります。
子どもに合った発語へのステップの練習をし、言葉での意思疎通増やしていきましょう。
今回解説した内容は、普段の生活で+αでするものではなく、普段の関わりの中で一工夫入れていただくだけで大丈夫です。
継続して効果が出ますので、家族の方が無理なく進めていくことが大切です。
普段生活の中で出る要求の場面のときに、促しをしてみてください。
そして、できたら、たくさん褒めてあげてください!
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