自閉症スペクトラム

自閉症スペクトラムの子供の遊び方とは【成長に繋げる4つの遊び方を解説!】

投稿日:2020年6月1日 更新日:

自閉症スペクトラムの子供に必要な遊び方を知りたい方「物を並べたり、動くものをじっと見続けたり、こだわりの強い遊びや一人遊びが多い・・。もっと成長に繋がる子供に合った遊ばせ方/関わり方を知りたい」

こういったお困りにお答えします。

✓本記事の内容

  • 自閉症スペクトラムとは
    【4つの特徴】


  • 一般的な遊びの発達段階
    【4つ】



  • 自閉症スペクトラムの子供の遊び方の特徴
    【原因4つ】


  • 自閉症スペクトラムの子供の成長に繋げる遊び方
    【4つ】

「物を並べる」

「オモチャの電車の動くタイヤを見続ける」

なぜ自閉症スペクトラムの子供は、このような遊び方をするのでしょうか?

この記事を執筆している私は、療育セラピスト歴10年程で、発達障害の子供とその親の支援をしてきました。

支援をしていく中で、子供の変わった遊びを止めたほうがいいのか、正しい遊び方を促したほうがいいのか、などご相談を頂くことが多くありました。

子供の気になる遊びについて、「今すぐ専門機関に行くほどじゃないけど、心配」という方は多くいる思います。

そういった方たち向けに、私が実際に支援してきた経験を、自閉症スペクトラムの子供の遊びに関する記事でまとめてみました。

本記事では、親の関わりの工夫を、ABA(行動分析)を元に、体系化しています。

誰にでも、そのまま実践できる内容にまとめています。

参考になれば幸いです。

では「自閉症スペクトラムの子供の遊び方とは【成長に繋げる4つの遊び方を解説!】」について見ていきましょう。

自閉症スペクトラムとは【4つの特徴】

自閉症スペクトラムは、主に4つの特徴があります。

  • その①:言葉の遅れ

  • その②:コミュニケーションの困難さ

  • その③:こだわりの強さ/興味の狭さ

  • その④:感覚の偏り/不器用さ

詳しい特徴は、

自閉症スペクトラムの子供の症状とは?【4つの特徴と7つの接し方】

をご覧ください。

詳しくは後述しますが、これらの特徴が原因で、「他の子と違う遊び方」になります。

一般的な遊びの発達段階【4つ】

自閉症スペクトラムの子の遊び方の解説の前に、一般的な子供(定型発達)の遊びの発達段階を解説します。


小学校入学前の子供の遊びの発達段階です。


ここでは、全体的なイメージが把握できれば大丈夫です。

  • ①:感覚遊び(~2才)

  • ②:構成遊び(2才~)

  • ③:見立て遊び(2才半~)

  • ④:ごっこ遊び(3才~)


    ※年齢や順番などは個人差があります

簡単に1つ1つの遊びの発達段階も解説しますね。

感覚遊び

5感(視覚・聴覚など)を使って遊ぶものです。

例えば、

光ったり、音が出たりするオモチャ、さわり心地が楽しめるスライム、高い高いなど体の感覚そのものを楽しむ遊びです。

生後1ヶ月~2才頃の子に多い遊びになります。

構成遊び

「何かを作りだす遊び」です。

例えば、

ブロック遊びや積み木、お絵描きなどです。

物を使ったり、「組み合わせることで、別の何かを作り出す」遊びです。

見立て遊び

「物を何かに見立てて遊ぶ」ことです。

例えば、

ブロックで作った物を車に見立てたり、赤い粘土をトマトに見立てるなどです。

「目の前の物を、頭の中で想像しているイメージと結びつける」ことで遊ぶことです。

ごっこ遊び

「役になりきって遊ぶ」ことです。ママゴトが典型的な例ですね。

「ママ」や「お店の人」になりきって、「その役」を楽しむことです。

3才頃~多くなり、特に女の子に多いです。

では、自閉症スペクトラムの子の遊びは、どの遊びに分類されるのでしょうか?

結論、①の感覚遊びが一番多く、次に構成遊びです。

見立て遊び、ごっこ遊びは、ほとんど見られないケースが多いです。

自閉症スペクトラムの子供の遊び方の特徴【原因4つ】

まず、自閉症スペクトラムの子の遊び方の具体的にみていきましょう。

  • 手をヒラヒラさせたり、グルグル回る
  • 人<物、に興味が強い
  • 3歳過ぎても、一人遊びが多い
  • 関心ないことには全く興味を示さない
  • 光る、動く物をじっと見続ける
  • 特定のオモチャ、遊び方にこだわる
  • 並べるなど、本来の遊び方をしない

特徴的な遊び方になるのは、4つの原因があります。

  • その①:感覚遊びが好き

  • その②:興味の幅がせまい

  • その③:想像を伴う遊びが楽しめない

  • その④:規則性のない遊びが苦手

1つずつ解説していきますね。

その①:感覚遊びが好き

自閉症スペクトラムの子は、発達の段階から、感覚遊びを好む子が多いです。

光る、音が出る、さわる感触、体が揺れる感覚など、感覚そのものを楽しむ遊びが好きです。

これは遊びの発達段階がゆっくりなため、年齢に対して、遊びが幼くなります。

一般的には、2才頃で卒業する子が多い感覚遊びでも、自閉症スペクトラムの子は、3・4才になっても好む場合が多いです。

その②:興味の幅がせまい

自閉症スペクトラムの子は、興味の幅がせまいため、興味がないものには、全く関心を示しません。

そのため、同じ物、遊び方を繰り返したり、1つの分野において、深い知識を持つ子もいます。

例えば、

電車の路線図を全部覚えていたり、電車の音で、種類が当たられたり、数字への執着が強かったりします。

その③: 想像を伴う遊びが楽しめない

自閉症スペクトラムの子は、「想像する」が苦手です。

目に見えないものを理解することがむずかしいため、「見立て遊び、ごっこ遊び」など想像を伴う遊びに楽しみを見いだせません。

その④:ルールのない遊びが苦手

自閉症スペクトラムの子は、規則性のある遊びを好みます。

そのため、ルールがなかったり、途中で予想できない展開があることが苦手です。

ルールや流れが明確にある(見通しがある)と、安心して遊ぶことができます。

遊び方の対応方法(4つ)

対応方法を4つ解説します。

  • その①:発達段階に合った遊びを尊重

  • その②:遊ぶ物に一工夫いれる

  • その③:興味のない遊びは、目に触れる機会だけ作る

  • その④:遊びの中に小さな変化をいれる

1つずつみていきましょう。

その①:発達段階に合った遊びを尊重

自閉症スペクトラムの子は、発達の成長がゆっくりなため、年齢が2才以上になっても、感覚遊びを好む子が多いです。


3才だから、見立て遊びをさせる、ではなく、子供の発達に合わせて、遊びを尊重していくことが大切です。


オモチャの遊び方をみて、「光、音、揺れ、体に触れる感触」を楽しんでいる様子があれば、感覚遊びをたくさんさせてあげましょう。

発達に合ったペースで、子供が楽しみながら、成長することができます。

その②:遊ぶ物に一工夫いれる

遊びの中には、危なかったり周りに迷惑をかけてしまうものもあります。

例えば、

何でも物を投げたがる、どこでも走ったりピョンピョン跳ねるなどです。


こういった遊びは、その子の発達の段階上、必要な遊びになります。でも危なかったり、周りの目も気になりますよね・・。


そういうときに「物に一工夫いれる」ことが効果的です。

具体例で解説しますね。

【例1:何でも投げたがる場合】
    
1:投げる物をボールに変える
    ↓
2:ボールを投げる先に積み木を作り、的あてにする
    ↓
2❜:ボールを投げる先に箱を置いて、ボール入れにする

もう1つ見てみましょう。

【例2:どこでもピョンピョン跳ねたがる場合】
    
1:跳ぶ場所を決める
(トランポリン用意するorベッドのある部屋)
    ↓
2:跳びたがったら、その場所で遊ぶよう促す
    ↓
3:特定の場所と物だけで遊ぶよう、繰り返し関わる
 ※特定の場所以外では、させないよう促す必要あり

このように、子供の行動を同じでも、物を工夫することで、遊びに発展させることができます。

子供も遊びを知れたり、楽しいと感じれば自分から遊びの幅を広げるかもしれません。

強要はNGですが、今の子供の遊び方や行動を活す遊びを考えることが重要になります。

その③:興味のない遊びは、目に触れる機会だけ作る

子供が興味がないものを、遊ばせても続きません。そんなときは、子供の近くで周囲の人が遊んでみましょう。


近所の子どもたちが遊んでいる場に行く、TVを見るのでも良いです。

遊ばなくても目に触れているだけで、遊びのキッカケになることがあります。


先々、遊ぶことになったときに、「全く知らない遊び」と「見たことがある遊び」では、自閉症スペクトラムの子にとっては、意味が大きく違ってきます。


いつか遊びをするチャンスがきたときの準備として、目に触れ存在を知ってもらい、慣れておきましょう。

その④:遊びの中に小さな変化をいれる

自閉症スペクトラムの子は、規則性のある遊びを好みますが、社会は変化の連続です。

子供の社会生活を考えたときに、ストレスにならない程度に、変化に慣れておくことも大切です。

例えば、

いつも遊ぶオモチャの中に1つ新しいオモチャを入れる、遊ぶ順番を1つだけ入れ替える、遊ぶときの位置を変えるなどです。


子供が変化(ストレス)を感じない程度、もしくは許容できる範囲で、小さい変化を入れていきましょう。

まとめ

記事のポイントをまとめます。

  • 自閉症スペクトラムとは
    【①言葉の遅れ ②コミュニケーションが苦手 ③こだわりの強さ/興味の狭さ】


  • 一般的な遊びの発達段階
    【①感覚遊び ②構成遊び ③見立て遊び ④ごっこ遊び】


  • 自閉症スペクトラムの子供の遊び方の特徴
    【①感覚遊びが好き ②遊びの幅がせまい ③想像力を伴う遊びは苦手 ④規則性のある遊びが好き】



  • 遊び方の対応方法
    【①発達段階に合った遊びを尊重 ②:遊ぶ物に一工夫いれる ③:興味のない遊びは、目に触れる機会だけ作る ④:遊びの中に小さな変化をいれる】

以上になります。

子供によって、あてはまる部分とそうでない部分があったかと思います。

実際の子供の様子に合わせて、関わりの工夫をしていきましょう。


もし「子供に合った関わりをする自信がない」「専門の人に相談したい」という方は、専門家に相談するのも1つです。


相談されたい方は、

ADHDの子供の検査とは【種類/受診方法/相談窓口まで徹底解説】

検査の受診方法【3箇所のいずれかに連絡】をご覧ください。

ADHDに関わらず、自閉症スペクトラム、その他の発達障害、発達が気になるの子の相談ができる窓口の情報になります。

少しでもお役に立てれば幸いです。

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  1. […] 自閉症(スペクトラム)の子供の遊びとは?原因と適切な5つの遊び方 […]

  2. […] 自閉症スペクトラムの子供の遊び方とは【成長に繋げる4つの遊び方を解説!】 […]

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