

字が汚いADHDの子供の対処法を知りたい方へ 「字が汚くて読めない、テストのケアレスミスが多い、字が綺麗になる方法を知りたい」
こういったお困りにお答えします。
✓本記事の内容
- 字が汚いADHDの子供の原因
- 字が汚いADHDの子供の対処法
- 字が汚いADHDの子の避けたい対処法
お子さんが小学生になると、「連絡帳の字が読めない」「字の汚さから、テストのケアレスミスがある!」のような経験がある方も少なくないと思います。
丁寧に書けば、本当はもっと上手なのに・・!など親として歯痒い気持ち、あると思います。
本記事では、ADHDや発達が気になる子の親御さんに向けた、「字が乱雑になる子どもへの対処法」をまとめています。
この記事を執筆している私は、療育指導員を10年程しています。今ままでの支援経験から、効果的だった対処法をお伝えできればと思います。
参考になれば幸いです!
字が汚いADHDの子供の原因

字が汚いADHDの子どもの原因は、ADHDの3つの特徴からきます。
3つの特徴については、こちらをご覧ください!
【療育セラピストが解説】ADHDの子供の3つの特徴と7つの対応法
ここを踏まえて、具体的に何が苦手で、字が汚くなってしますのか、見ていきましょう!
その①:字を早く書き終えたい

ADHDの子は、待つことが苦手です。
字を書くのが特別好きでない限り、早く書き終えたいと思い、急いで書こうとします。
本来ゆっくり書けば、もっとキレイに書けるのに、荒く書いてしまうのは字を書いている時間(待つ時間)が苦手な為です。
【関連記事】
【宿題をしないために嘘をつく?】ADHDの子供の嘘の3つの対処法
その②:同時作業が苦手

2つ以上のことを同時にすることが苦手です。
例えば、授業中に字を書く場合、同時にしなければいけないことが、いくつもあります。先生の話を聞く、黒板を見る、覚える、ノートに書くなどです。
注意をコントロールすることが苦手なADHDの子にとっては、字が汚くなってしまう原因の1つになります。
その③:注意の分散が苦手

字を書くとは、「マスの中に書く、きれいに書く、正しい箇所に書く」など複数のことを意識しないといけません。
私たちにとっては当たり前のことでも、ADHDの子にとっては、大変な作業です。
1つずつならできることも、同時に求められてしまうと、1つ1つを正確に行動に移すことが難しくなりやすいです。
字が汚いADHDの子供の対処法

対応方法は4つあります。
- 1:「ゆっくり書く」を褒める
- 2:字が読めればOKにする
- 3:ポジティブな関わりをする
- 4:好きなことを字でまとめてもらう
1:「ゆっくり書く」を褒める

「ゆっくり書けてるから、字がきれいだね」と褒めてみましょう。
「ゆっくり書けている」から字もきれいだし、褒められる!ということを、お子さんに実感してもらえると、ゆっくり字を書くことが増えていきます。
2:字が読めればOKにする

お子さんに求めるレベルを下げましょう。書き順や細かいハネなどは、一旦触れずにいきましょう。
まずは、第3者の方でも字が読める程度に書ければOKです。細かい部分を求めすぎると、字を書くこと自体が嫌になり、逆効果になってしまいます・・。
3:ポジティブな関わりをする

ポジティブな声掛けをしましょう。否定・注意などのネガティブな関わりは禁物です!
理由は、字を書いた結果、否定・注意を受けたら、次からは字を書きたくなくなります。
まずは字が書いた結果、褒められる経験をすることで、「褒められた・認めてもらえた」を思ってもらいましょう。
「字を書くの頑張るぞ!」とお子さんのやる気に火をつけることが大切になります。
【関連記事】
ADHDの子供の5つの褒め方【療育指導員の接し方を解説します!】
4:好きなことを字でまとめてもらう

字を書くのが嫌いな子は、お子さんの「好きなこと」を活かして、字を書く練習することがオススメです!
例えば、ポケモンが好きな子の場合は、好きなポケモンの図鑑を手作りしてもらい、ポケモンの特徴や必殺技を字で書いてもらうなどです。
またポケモンの絵を書いてもらい、その下に字を書く、などお子さんの好きなことをする過程に「字を書く」があると、お子さんも取り組みやすくなります。
絵を描く、ポケモンを調べる、字を書くなどいくつかの工程があれば、字を書く拒否感が和らぎます。
「字を書く」だけを訓練のように求めてしまうと続かないため、効果は出にくくなってしまいます・・。
学習への効果的な具体的な促し方は、こちらをご覧ください!
【ADHDのお子さんへの学習の促し方】
【療育指導員が解説】宿題ができないADHDの子供の3つの接し方
字が汚いADHDの子の避けたい対処法

ここまでお読みいただいて、ポイントは掴めたかと思います!
ここではよくある避けたい接し方を、理由と合わせて解説します。
1:怒る、否定する

字を書かない、書けたけど字が汚い!などの理由で怒ることです。子供にとっては、字を書いたことで怒られたり、否定されれば、書きたくなくなります。
例えば、明らかに字が汚く修正が必要な時は・・
「字が汚いよ!やりなおし!」
↓
「頑張って書いてくれたんだね。ゆっくり書くともっと上手になりそうだね。一緒にやってみようか?」
のような声掛けのイメージになります。
否定語は避け、肯定語にすることがコツになります!
また怒られる恐怖心で字を書いても、それは形だけで意味がありません。その瞬間だけはやってくれるかもしれませんが、継続しません・・。
できたとしても、お子さんの自己肯定感が下がっていたり、「やらされている感」が募り、逆効果になります。
怒るのは、親にとって楽な手段ですが、お子さんのために、自分からできるよう自立を見据えて、ポジティブな関わりをすることが大切です。
2:無理矢理やらせる

お子さんがちょっと頑張ったらできるレベル・量に調整しましょう。
お子さんに合うレベルは、過去にやったレベル/量と同じか、1つステップを上げれば大丈夫です!
例えば、昨日より漢字1文字増やすなどです。ここはお子さんによって違いますので、これまでの取り組みから判断していきましょう!
【関連記事】
つい怒ってしまう・・【ADHDの子供への怒らない7つの接し方】
ADHDの子供の字が汚い!字が改善できる4つの対処法【NG例も解説】のまとめ

記事のポイントをまとめます 。
- 【字が汚いADHDの子供の原因】
・字を早く書き終えたい
・マルチタスクが苦手
・注意の分散が苦手 - 【字が汚いADHDの子供の対処法】
・「ゆっくり書く」を褒める
・字が読めればOKにする
・ポジティブな関わりをする
・好きなことを字でまとめてもらう - 【避けたい対処法】
・怒る
・否定する
・無理矢理やらせる
以上になります。
本記事が少しでも役に立てば嬉しいです!
家庭だけで、介入が難しい場合は、専門家への相談や支援も検討されるのも1つです。
必要な方は、関連記事をご覧ください!
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