

宿題をしないADHDの子供の対応方法を知りたい方へ 「子供が宿題をしなくて困ってる、宿題に時間がかかる、宿題が原因で親子で疲弊している、家庭でできる宿題の促し方を知りたい」
こういったお悩み/疑問にお答えします。
✓本記事の内容
- 宿題をしないADHDの子供の原因
【3つ】 - 宿題をしないADHDの子供の対応方法
【3つ】
この記事の執筆者の私は、療育セラピスト歴10年程になります。
これまで、ADHD含む発達障害児のSST/生活/学習支援をしてきました。
今回は学習支援の中でも、ご相談の数が圧倒的に多かった「子供が宿題をしない問題」について、原因から具体的な関わり方まで記事にまとめました。
宿題をしない子供、促し続けて疲弊される親、双方にとって良い方向にいけるよう、対応方法も原因別に分けています。
宿題が親子のストレスにならないよう、子供の自信を失うきっかけにならないよう、本記事がお役に立てれば幸いです。
宿題は、完璧にできなければ、いけないわけではありません。ただ宿題が原因で、子供が自信を失ったり、親子関係が悪化するケースが非常に多いです。
今回は、「【療育セラピストが解説】ADHDの子供の宿題ができる3つの方法」について見ていきましょう。
ADHDの詳しい解説は、
【療育セラピストが解説】ADHDの子供の3つの特徴と7つの対応法
をご覧ください。
宿題をしないADHDの子供の原因【3つ】

ADHDの子どもが宿題をしない原因は、3つあります。
- その①:やらない(意志)
- その②:やれない(スキル)
- その③:認識してない(特性)
その①:やらない(意志)

宿題をやらなければいけないことは、分かっているけど、「やらない」という選択をしているケースです。本人にとって、難易度が高いか、やるメリットが感じられていない、やったことによるデメリット(間違いを怒られる、指摘されるなど)がある場合、この原因に繋がりやすいです。
その②:やれない(スキル)

宿題をやる意志もあり、取り掛かっているけど、理解がむずかしいケースです。子供は頑張っているのに、できない状況が変わらないという、結果に繋がりづらい状態です。
その③:認識してない(特性)

宿題の存在を知らない、もしくは、忘れているケースです。これはADHDの特性からくるもので、子供に悪気はありません。
ADHDの特性については、
【療育セラピストが解説】ADHDの子供の3つの特徴と7つの対応法
をご覧ください。
宿題をしないADHDの子供の対応方法【3つ】

対応方法の解説の前に、1つ理解すべきことがあります。それは子供の適切な行動の増やし方です。今回は、子供に「宿題をする」という行動をしてもらえればいいですよね。
そのためには、そもそも行動は、どうやって増えるのか?という構造を理解しておく必要があります。
こちらを参考にご覧ください。
【療育セラピストが解説】ADHDの子供の癇癪を減らす3つの方法
行動が増える構造は理解できたかと思います。
ではその構造を活かして、3つの原因の対応方法については解説していきます。宿題をしない原因は3つでしたね。
- 1:やらない(意志)
- 2:やれない(スキル)
- 3:認識してない(特性)
次は対応方法です。数字ごとに、原因と対策をセットにしています。
- 1:メリットの実感を促す(意志)
- 2:親も一緒にやる(スキル)
- 3:家族・先生が配慮する(特性)
1:メリットの実感を促す(意志)

宿題をすることで、どんなメリットがあるのか?を、知ってもらう、実感してもらうことが大切です。子供にメリットを実感してもらうための、関わり方を解説していきます。
1-1:事前に「メリット」を伝える

宿題が終わったあとに、「宿題がおわったら○○をしていいよ!」など、約束をしましょう。事前に「漢字プリント1枚全問正解したら、ゲームが15分できる」など、具体的な内容で約束をしましょう。紙に残しておけると、子供が忘れる心配もありません。
1-2:できたあとに「メリット実感」の声掛け

宿題をしたことによるメリットを、より実感してもらうために、声掛けをしましょう。「宿題が30分で終わったから、ゲームも30分できるね!」「帰って宿題すぐにやったから、あとは自由に遊べるね」など、子供が「宿題やってよかった!」と思えるような声掛けをしていきましょう。
1-3:宿題そのものに「楽しみ」を作る

宿題をしている最中の、子供にとってのメリットを作りましょう。少しでも宿題することが楽しい、とって思ってもらえる工夫です。
例えば、宿題の正答数に合わせてボーナスを作る、などです。「全問正解なら、ゲーム+15分、○問正解なら、好きなお菓子1個食べれる」などです。正答率に合わせて、楽しみが変わることも、子供にとってはメリットになります。
2:親も一緒にやる(スキル)

スキル的にむずかしい場合は、子供にいくら宿題を促したところで状況は変わりません。むしろ自信をなくす、ストレスが溜まるなど、状況は悪化します。子供の努力を活かすための関わり方を、解説します。
2-1:調整する(量・時間・順番)

大切なのは、子供が「成功体験を積める、継続できる」です。そのための調整をしていきましょう。
例えば、宿題の時間(問題数)を細かく区切ることで、小さいゴールが近づくので、集中力が高まります。マラソンの給水所のイメージです。給水所のないマラソンは辛いですよね。休憩をこまめに、はさみながら進めましょう。
問題を解く順番も重要です。ここは子供によって、変わっていきます。
例えば、得意な問題で、最初に気分を乗せるか、最初に苦手なものを解いてから一気に終わらせるか、子供が取り組みやすいよう調整しましょう。子供に決めてもらう、もしくは一緒に決める形で大丈夫です。
2-2:1人でむずかしい宿題は、一緒に取り組む

1人で解けない、何時間もかかる場合は、親が手伝いましょう。解ける問題だけ、1人で解いてもらい、最後に一緒に解く形で大丈夫です。解けない問題に向き合って疲弊するぐらいなら、ちょっと頑張ってできることに、力を注いでもらった方が、自信に繋がり、結果、子供のできることが増えていきます。
2-3:怒らない
怒る、強く指摘すると、子供としては「宿題をする=怒られる(デメリット)」に繋がります。デメリットになれば、宿題は一層しなくなります。イライラする気持ちはわかりますが、ポジティブな関わりをすることが大切です。「ここ間違ってるよ→ここもう1回考えてみよっか」など、表現を工夫しましょう。
3:家族・先生が配慮する(特性)

特性とは、本人が元々もっている気質のようなものです。そのため、子供自身ではコントロールが困難です。短気な人に、イライラしないことを求めるのと同じです。家族や先生が理解し、必要な配慮をすることが大切です。配慮の仕方を解説していきます。
3-1:先生に声掛けしてもらう

「帰りのホームルーム前に、宿題を伝える」など、具体的な場面と行動をきめて、先生に声掛けしてもらいましょう。連絡帳に書き忘れた、先生の話を聞いてなかった、など、そもそも宿題があることに、子供自身が気付いていないと、どうしようもありません。
ADHDの特性から、本人の努力だけでは、むずかしいことも多いです。先生の協力を仰ぎましょう。
3-2:帰宅後のスケジュールをきめる

視覚的にわかるよう、リビングに、スケジュールを貼っておきましょう。「宿題の時間」も決めておき、習慣化するまでは、一緒に確認しましょう。
宿題ができたあとのメリット(ご褒美)も入れておくて、更に効果です。「16時~16時30:宿題 16時30~17時:ゲーム」など、明確にしましょう。
3-3:子供と一緒にきめる

いつ宿題をするのか、何の宿題からするのか、子供に決めてもらうことも大切です。子供は自分で選ぶだけで、モチベーションが上がりやすく、最後まで取り組む確率も上がります。これは私たち大人も同じですよね。
もし1人で決められない、現実離れしたことを言いそう・・などの場合は、親が選択肢をいくつか決めておき、そこから選んでもらいましょう。
3-4:先生に相談する

どうしてもスキル的にむずかしい場合は、先生に相談することも1つの方法です。物理的に、親が一緒に宿題をみれない、親が一緒でもむずかしい場合は、先生に宿題の量を減らしてもらう、解ける問題だけにしてもらう、など調整できるか、相談しましょう。
宿題を「形だけやる」では意味がありません。むしろ子供としては、やらされている不満・ストレスが溜まって、言動が乱暴になる、自信がなくなる、など違う問題にも発展していきます。
まとめ:宿題をしないADHDの子供の対応で大切なこと

記事のポイントをまとめます 。
- 宿題をしないADHDの子供の原因
【①やらない(意志) ②やれない(スキル) ③認識してない(特性)】 - 対応方法
【①メリットの実感を促す(意志) ②親と一緒にやる(スキル) ③家族・先生が配慮する(特性) 】
- 無理矢理やらせない
- 宿題がどうしてもできない場合
【先生に宿題を減らす相談をする 】 - 家族・先生の工夫で解決できない場合
【専門家に相談 】
以上になります。
本日解説した内容を、1ヶ月継続してみましょう。できそうなイメージの持てるものからで大丈夫です。
宿題は「分かる、解ける、進む」が実感できると楽しめます。宿題以外で、その楽しさを実感するための手段があると、宿題が取り組める確率が上がります。
本日解説した親の関わりに加えて、「子供が楽しみながら学べるツール」があれば、宿題の困りも解消されていきます。参考になれば幸いです。
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