

感情のコントロールがむずかしいADHDの子供の対応方法を知りたい方へ 「子供がすぐに癇癪を起こして困っている、原因はADHDなのか性格なのか分からない、家庭でできる関わり方を知りたい」
癇癪の対応は体力使いますし、親子でストレスが溜まり、本当に疲弊しますよね。。
こういったお困りを解消するノウハウをお伝えします。
✓本記事の内容
- 感情コントロールができない原因
【2つ】 - ADHDの子供の感情コントロール方法
【3つ】
この記事を執筆している私は、療育セラピスト歴10年程になります。
子供が感情のコントロールができず、頻繁に癇癪があったり、親子の衝突があったり・・様々な困りを抱えている子供とその親を支援してきました。
そんな困りを抱えている方の負担を軽くするため、「家でもできる感情コントロールの方法」を記事にまとめました。
「療育に通っているが、イマイチ変化がないと感じている方」、「事情があって療育に通えず、子供の癇癪で困っている方」
なども参考になると思います。
ABA(行動分析)を元にし、体系化されていますので、今日から実践ができる内容になっています。
私が支援してきたママ/パパが、実際に成功した例だけ厳選しています。
参考になれば幸いです。
今回は「家でもできる!ADHDの子供の感情コントロールの3つの方法」について見ていきましょう。
ADHDについては、
【療育セラピストが解説】ADHDの子供の3つの特徴と7つの対応法
をご覧ください。
感情コントロールできない原因【2つ】

感情のコントロールができない原因は、ADHDの2つの特徴からきています。
ADHDには、本来3つのタイプがありますが、感情のコントロールがむずかしいADHDのタイプは、その中の2つです。
- 多動タイプ
- 衝動タイプ
ADHDのタイプについては、
【療育セラピストが解説】ADHDの子供の3つの特徴と7つの対応法
をご覧ください。
タイプが混在している子供もいますが、上の2つのいずれからのタイプに当てはまる場合は、本記事での方法が参考になります。
多動も衝動タイプもその特性上、人や周りに合わせることが苦手な傾向になります。つまりその分、人よりストレスを感じやすいです。
例えば、「授業中50分座る」の場合、周りの子供が3割の力でできるとしたら、ADHDの子供は8~9割の力を使っているようなイメージです。(子供によっては10を超えて授業に参加できない子もいます)
私たちも同じで、例えば「初対面の人と話をする」が楽しめてしまう方もいれば、人見知りでストレスを強く感じる方もいます。
大人と違って、子供は上手く立ち回る術が少ないため、一層ストレスに繋がりやすいです。
こういった背景から、ストレスが溜まりやすく、些細なキッカケで感情が爆発しやすいです。
これは決して、子供の努力不足ではないです。子供に「ストレスを感じやすい特性との付き合い方」を学んでもらうことが大切です。
この「付き合い方」を、本記事で解説していきます。
ADHDの子供の感情コントロール方法【3つ】

ここから「感情のコントロール」の解説をしていきます。といっても、具体的に何をするのか、イメージがわきづらいですよね。
まずは「感情のコントロール」を3つの段階で解説していきます。子供が今、どの段階にいるのか確認しながら、見ていきましょう。
感情のコントロールの3つの段階は、こちらです。
- 1:自分の気持ちを言葉でいえる(把握できてる)
- 2:自分の気持ちを落ちつかせる方法が言える
- 3:自分の気持ちを落ちつかせる方法が実践できる
1つ1つの具体的な方法を解説します。
1:自分の気持ちを言葉で言える(把握できる)

少し固い表現でいうと、「認知できる」です。子ども自身が、今の気持ちを正しく把握できる。これが感情コントロールの最初の一歩です。
どのように言葉で、子供に表現してもらえれば良いのか?こちらについては後述します。
1-1:子供が「理解している概念」での表現を促す

例えば、色や数字です。
色でいうと「青(平常心)→黄色(イライラ)→赤(爆発!)」です。療育の現場ですと「気持ちの温度計」とって表現をすることが多いです。数字は「1(平常心)→2(イライラ)→3(爆発!)」などです。
もし色も数字もむずかしい場合は、子供の好きなキャラクターなどでも良いと思います。 子供が理解し、表現しやすいものを選んで、子供自身の気持ちを表現できれば大丈夫です。
親が決めるのか、子供と一緒に決めるのかは、ご家庭に合わせて選ぶ形で大丈夫です。
1-2:気持ちの「マッチング」をする

子供にあった気持ちの表現が決まっても、子供自身がそれを使えなければ意味がありません。
色の例でいうと「黄色=イライラ」だから、黄色の気持ちになったらまず家族に言える!ことを目指していきます。
そのためには、親からみて「今イライラしてるな」と感じたら「今イライラしてるんだね。黄色の気持ちだね」と、イライラする気持ちと黄色を紐付ける(マッチング)必要があります。日々の場面で声掛けし、子供が理解ができるまで続ける必要があります。
子供から「今黄色の気持ち(イライラ)」といえることができれば、このステップはクリアです。親から「今何色の気持ち?」と聞いて答えられるのでも良いです。
(質問攻めはNGです)
2:自分の気持ちを落ちつかせる方法が言える

自分が落ちつける方法を理解していなければ、自分でコントロールして落ちつくことはできません。理解ができていることは「説明ができるか」を親が確認、判断し、次の実践のステップにいきましょう。
また説明できるということは、学校の先生や友達など、周りの理解を深めることにも繋がります。
2-1:子供が落ちつける方法を一緒にきめる

子供自身が落ちつける方法を、親子で一緒にきめます。
例えば「目をつぶって深呼吸を5回する」「水を1杯飲む」「伏せて10数える」「クッションを20回叩く」などです。子供がこれなら落ちつける、という方法をきめることが大切です。
たまに「水を1杯飲むって、できる場所限定されちゃいますよね?」と言われる方がいますが、問題ありません。
最初は子供がとにかく落ちつける(成功できる)方法をきめます。その方法で、自分で落ちつくことができるようになってから、次の方法(自分だけで落ちつける方法)にステップアップすれば良いのです。
最初に失敗してしまうと、いくら親が促しても子供が嫌がるようになります。最初に子供にとってのメリット(実践すれば落ちつける)を作ることが大切です。焦らず1つ1つ丁寧に進めていくことが大切です。
2-2:落ちつける方法を子供自身の言葉で説明してもらう

落ちつける方法がきまったら、子供に説明してもらいましょう。
例えば「イライラしたらどうする?」と聞いてみましょう。「黄色の気持ち(イライラ)になったら、好きなポケモンのキャラクターを5個言う!」など、事前にきめている方法を、子供が自分の言葉で言えれば大丈夫です。
3:自分の気持ちを落ちつかせる方法を実践する

いよいよ最後のステップです。子供自身が落ちつける方法を理解し、説明ができていれば、あとは実践あるのみです。
ではみていきましょう。
3-1:イライラしたときに方法を実践の促しをする

「黄色の気持ちになった=落ちつく方法が実践できる」この状態を作っていきます。
子供が「今黄色の気持ちだ」と発言があったら、「黄色の気持ちになったらどうするんだっけ?」と実践することを促しましょう。
この流れでストレス発散ができれば、あとは同じパターンを繰り返すだけで、次第に声を掛けなくても、子供が自分でできるようになっていきます。
3-2:実践して落ちつけたら褒める

方法を実践し、落ちつけたら必ず褒めましょう。落ちつけた結果、子供にとっての喜び(メリット)が実感できなければ、次の行動には繋がりません。
ここの促しは
【療育セラピストが解説】ADHDの子供の癇癪を減らす3つの方法
の後半をご覧ください。
もし褒めることがあまり喜ばなそう・・という場合は、「○○して落ちつけたからまだ遊べる時間があるね」「○○して落ち着けたから○○見れたね!」など声を掛けましょう。
落ちつけたことにより、子供にどういったメリットがあるのか?を「親が言葉にして伝える」ことも有効です。
まとめ:感情コントロールがむずかしいADHDの子供の対応で大切なこと

記事のポイントをまとめます 。
- 感情コントロールがむずかしい原因
【ADHDの特徴の ①多動 ②衝動】 - 感情のコントロールの3ステップ
【①気持ちを言える ②落ちつく方法を説明する ③落ちつく方法を実践】 - 気持ちが言える
【①子供が理解してる概念で表現を促す ②気持ちのマッチングをする】 - 落ちつく方法
【①落ちつける方法を一緒にきめる ②落ちつく方法を説明してもらう】 - 落ちつく方法の実践
【①イライラしたときに実践を促す ②落ちつけたら褒める 】 - 落ち着けたことによるメリット
【親が言葉にして伝える」も効果的】 - いきなり完璧は目指さない
以上になります。 継続することで、今よりも感情が爆発することが減っていきます。
もし1ヶ月以上継続して変化がない場合は、こちらをご覧ください。
【療育セラピストが解説】ADHDの子供の癇癪を減らす3つの方法
原因が違う可能性があります。
原因の見極め方、対処法を参考にご覧ください。
[…] 今日からできる!ADHDの子供の感情コントロールの3つの方法 […]
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