

不登校のADHDの子供の対応方法を知りたい方「不登校で困っている、この先不登校になりそうで不安、不登校になったときの親の対応方法を知りたい」
こういったお悩みにお答えします。
✓本記事の内容
- 不登校とは【定義・推移・段階】
- 不登校の2つの原因
- 不登校のADHDの子の12の対応方法
- 子どもの不登校に関する3つの相談先
学校は、子供にとって社会生活の場となります。
人との関わり、集団生活、学習など、多くのことを学び、経験する場です。
そんな大切な場所が、子供にとって辛い場所になったり、行きたくない所になるのは、親として辛いですよね。
何より、子供の将来が心配になると思います。
そんな親の力になれたらと、今回の記事を執筆しました。
この記事を執筆している私は、療育セラピスト10年程をしており、1000人以上の発達障害の子供と、その親を支援してきました。
不登校の子供の支援は、本当に時間が必要で、丁寧な関わりを継続していくことが大切です。
熱心な親ほど、子供を追い詰めてしまい、状況が悪化することもあります。
この記事では、親の正しい接し方を解説し、今日から子供に必要な接し方が、誰でも実践できるよう、情報をまとめています。
参考になれば幸いです。
では、「不登校のADHDの子供に必要な12の接し方【相談先も解説】」について見ていきましょう。
ADHDの詳細は、
【療育セラピストが解説】ADHDの子供の3つの特徴と7つの対応法
をご覧ください。
不登校とは【定義・推移・段階】

文部科学省による定義
一般的に不登校とは、子どもが病気やケガ、経済的事情ではない理由で、長期間学校を休み続ける状態のことを呼びます。
不登校について、文部科学省は以下のように定義しています。
連続又は断続して年間30日以上欠席し、「何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因・背景により、児童生徒が登校しないあるいはしたくともできない状況である(ただし、病気や経済的な理由によるものを除く)
引用:不登校児童生徒への支援に関する中間報告|文部科学省
出典:https://www.mext.go.jp/component/b_menu/shingi/toushin/__icsFiles/afield…
不登校生徒数の推移

平成27年度時点、不登校の子どもの数と割合
小学生:2万7581 人(0.42%、228人に1人)
中学校:9万8428 人(2.83%、35人に1人)
高校生:4万9591 人(1.49%、67人に1人)
中でも割合の高い中学生に関しては、40人のクラスに約1人以上の不登校児がいる計算となっています。
不登校の4つの段階
不登校といっても、段階があり、それによって関わり方が変わっていきます。4つの段階があります。1つ1つ見ていきましょう。
1:初期

学校に行くべきか、葛藤する時期です。学校に行きたくない言動が見られたり、頭痛や腹痛、吐き気などの体調不良を訴えます。
朝起きられない、制服を着ない、トイレに何回もいく、ゆっくり準備をする、といった行動が見られることもあります。
この時期は、真剣に本人の話に耳を傾けることが大切です。
2:進行期

進行期には「学校に行けない」「行かない」という意思を明らかにする言動が見られます。身体状態は初期とほとんど同じですが、子どもによっては症状が変化することもあります。
初期と比べ、目が覚めても起きない、布団から出ない、何度声を掛けても、一向に動かないなど、初期より行動が強まり、適切な対応がないと、本格的に学校を休み始めます。
3:引きこもり期

引きこもり期は、乱暴な言動、引きこもり、無気力化が表面化する時期です。乱暴な言動、部屋から出ない、お風呂に入らない、着替えない行動が目立ってきます。
学校を休む→学校に登校しづらくなる→学校を休む、のサイクルができ、自制がむずかしくなります。
この時期にいくと、家庭だけで解決はむずかしい場合が多いです。専門家に相談し、家庭での関わりなど包括的なサポートを受けた方が良いでしょう。適切な対応がない、誤った対応が続くと、長期化へとつながる可能性があります。
4:回復期

回復期は、子どもが少しずつ自信を取り戻した結果、登校に対して前向きな気持ちを持てるようになる時期です。
学校の友達に会いたい、学校で使う物を買いたい、新しい洋服が欲しいと言い出したりした場合、それは回復期に入ったサインであることが多いです。
家族のために何かをすることも、回復へ向かっているサインです。
例えば、洗濯、料理、買い物、掃除などの手伝いなども状況が回復へと向かっていることのサインです。親が1つ1つ丁寧に感謝を伝えることで、子どもの自己肯定感が上がっていきます。
不登校の2つの原因

不登校の原因は、大きく2つあります。
- 授業についていけない
- 良い人間関係が作れない
不登校の7~8割は発達障害という説があるぐらい、障害を持った子どもの不登校は多いです。表面上は、学習、人間関係ですが、ADHDの特性が引き起こしています。1つ1つ見ていきましょう。
授業についていけない

小学校中学年になると、学習が難しくなります。ADHDは注意が散りやすい、待つことが苦手な特性があるため、長い過程の計算問題、文章を最後まで読んで問題を解くなどのが難しくなります。
文章題・応用問題も増え、パターン化した学習から、自分で考え、応用する問題が多くなります。
今まで何とか取り組めていた子も、本人の努力や家族のサポートだけでは、限界になります。授業が分からない→注意・叱責される→自信を失う→学校が嫌になる→苦手なことを避ける→不登校、になります。
良い人間関係が作れない

ADHDの子どもは、多動・衝動性が高いため、一方的に話す、ルールを守れない(衝動的に自分がしたい行動をする)、好きなことを自由にする(自制が苦手)ことで、良好な人間関係を作ることが難しいです。
場合によっては、仲間外れにされたり、心無い言葉をいわれ、問題児扱いされることもあります。
不登校のADHDの子の12の対応方法

不登校のADHDの子どもの12の対応方法を解説します。大きく3種類に分類し、1つ1つ解説していきますね。
- 1:スタンス
- 2:コミュニケーション
- 3:環境
ここから種類ごとに解説をしていきます。
1:スタンス
1-1:無理強いしない

- 強要しない
- 子供自身が決めたことをサポート
1-2:否定しない

- 頭ごなしに否定しない
- 間違っている場合は、「○○と○○があるけど、どうする?」など選択肢を提示する
1-3:共感する

- 「そうだよね、むずかしいよね」と第一声で共感する
- 共感がどうしても難しい場合は「宿題ができないと思ったんだね」と気持ちの代言をする
1-4:最後まで話をきく

- 子供の話を遮らない
- 最後まで聞き、一度共感し、話をする
1-5:質問攻めにしない

- 質問を繰り返さない
- 正論だけをいわない
2:コミュニケーション
2-1:子供に決めてもらう

- 子供に考えてもらう
- 考えることが、難しい場合は選択肢を提示して、選んでもらう
- 子供の選択をサポートする
2-2:「将来やりたい」と紐付ける

- 将来やりたいこと、興味のあることと、今やるべきことが、どう繋がっているか話をする
例えば、子供が将来作家になりたい場合、作家になるためには、①語彙力 ②文章構成力、という要素が必要です、これを一緒に抜き出して、今やるべきことと、どう繋がっているのか確認をします。
「作家になるためには、言葉を知らないといけないから、漢字の読み・書きをできるようになろう」など子供の納得感・必要性を作ることが大切です。
2-3:目標をきめる

- 子供ができることにする
- 子供に決めてもらう
- 子供が決められない場合、選択肢から選んでもらうor一緒に決める
- できたら褒める
- 1日の目標を決める
ex.決まった時間に起床する、制服に着替える、家庭学習に取り組むなど
2-4:役割をもってもらう

- 家事など家族内で担当を任せる
- 1つできるごとに感謝を伝える
- 子供ができることを任せる
ex.ゴミを出す、洗濯物を畳む、買い物をする
3:環境
3-1:フリースクール

不登校の子供の居場所として、学校のかわりとなる場所です。フリースクールの一覧を載せておきます。FSNNPO法人フリースクール全国ネットワーク
3-2:通信制の学校

通信制については「通信制高校」とはどんな学校?世界一わかりやすく解説!をご覧ください。
中学と高校の一覧はこちらです。
3-3:転校

最後の手段の1つです。よほど、子供に合う学校があり、引っ越しができる場合は、方法としてあります。
私が支援している親御様では、約1~2%の方が、実際に引っ越しされて、環境を変えた方がいます。前の学校の理解がなく、解決手段がなかったためです。引っ越された方は、以前と比べ、小さい問題はあるものの、学校にもいけるようになりました。
子どもの不登校に関する3つの相談先

在籍校
まずは、在籍校と連絡をとり、今の環境でできる最大限をことを話し合いましょう。
教育委員会が運営する相談窓口
教育センター、教育相談所、教育支援センター(適応指導教室)があります。通所指導(カウンセリング・教科指導)を行っている場合もあります。
お住まいの地域で「○○県○○区 教育相談窓口」と検索すれば、相談窓口がみつかります。
厚生労働省によって運営されている施設
厚生労働省が運営する「児童相談所」「保健所」「保健福祉センター」でも相談ができます。
ただし、地域によって名称が異なるので、詳しくはお住まいの都道府県・市区町村に「子供の教育相談をしたいです」と問い合わせるとよいでしょう。
不登校のADHDの子供に必要な12の接し方【相談先も解説】のまとめ

記事のポイントをまとめます 。
- 不登校の推移
【増加傾向】 - 不登校の段階
【①初期 ②進行期 ③引きこもり期 ④回復期】 - 不登校の原因
【①授業が分からない ②人間関係の悪化】 - 子どもの不登校に関する相談先
【お住まいの教育相談窓口】 - 不登校のADHDの子どもの対応方法
【①スタンス ②コミュニケーション ③環境調整】
以上になります。
不登校の問題解決の形は、様々です。大切なことは、通っていた学校へ登校できるようになる、転校して生活を送る、フリースクールや通信制の学校に行くなど、子供自身が望み、その子に合った学び・生活の場を見つけることです。
子どもの自己肯定感を高め、その子供の選択のサポートをしていきましょう。親が一方的に決め、強引に進めても必ずうまく行きません。むしろ子供失敗体験になって、更に悪化します。時間をかけて、丁寧に関わっていきましょう。
ADHDの子供は不登校以外にも、困ることがあると思います。該当する部分がありましたら、他の記事も参考にして頂ければ幸いです。
【ADHDの子供の癇癪でお悩みの方へ】
【療育セラピストが解説】ADHDの子供の癇癪を減らす3つの方法
【ADHDの子供が言うことを聞かなくて困っている方へ】
[…] 不登校のADHDの子供に必要な12の接し方【相談先も解説】 […]
[…] 不登校のADHDの子供に必要な12の接し方【相談先も解説】 […]
[…] 不登校のADHDの子供に必要な12の接し方【相談先も解説】 […]