

子供の切り替えの難しさに悩まれている方「子供が切り替えができなくて困っている。切り替えに時間がかかる。ADHDの子供に合った切り替えがスムーズになる接し方を知りたい」
このようなお困りにお答えします。
✓本記事の内容
- ADHDの子供が切り替えが「苦手な原因」
- ADHDの子供が切り替え上手になる「接し方」
- ADHDの子供の「発達の相談先」
「子供の切り替えが時間がかかる・・」
「子供が切り替えができなくて、接し方に困ってる・・・」
子供の切り替えの難しさで、お悩みの方も多いのではないのでしょうか。
この記事の執筆者の私は、療育指導員を10年以上している2児の父親です。
これまで1,000名以上のADHDや自閉症スペクトラムなどの発達障害の子供とその親の支援をしてきました。
支援をする中で、「切り替え」のご相談が非常に多かったため、本記事で原因や対処法をまとめました。
療育や専門機関に相談はしていないけど、子供の切り替えの悩みを解決されたい方向けになります。
本記事を読み終える頃には、切り替え上手にするための知識と接し方が分かっている状態になります!
療育指導員が普段実践しているノウハウですが、本記事では、どなたでも実践できる易しい内容になっています。
安心して読み進めて頂ければと思います。
ADHDについては、
【療育セラピストが解説】ADHDの子供の3つの症状と7つの対応法
をご覧ください。
ADHDの子供が切り替えが「苦手な原因」

切り替えが難しいと、
「何で何回言ってもわからないの!」
「本当にワガママなんだから!」
と、イラッとしてしまうこと、ありますよね・・。
ただそんな子供の行動にも、必ず意味(子供からのメッセージ)があります。
切り替えには、2つの意味があります。
この意味に沿って、2つの原因を解説していきたいと思います。
- その①:今していることを続けたい
(やめたくない) - その②:次やることをしたくない
その①:今していることを続けたい(やめたくない)

当たり前すぎる原因ですね・・。
一般的な切り替えが難しいのは、このケースがほとんどです。
例えば、ゲームやTVがやめられないのが典型的なケースになります。
本記事を読まれている方の多くは、恐らくこちらのケースに該当するかと思います。
本記事でも、こちらの接し方を中心に説明していきたいと思います。
その②:次やることをしたくない

今していることはやめられるけど、次にやることをしたくない(面倒くさい)ケースです。
例えば、お風呂に入る、宿題をするなどです。
このケースの接し方は、別記事でまとめています。こちらをご覧ください。
【プロが解説】言うことを聞かないADHDの子供の2つの対応法【もう習い事の迷惑になりません!】
ADHDの子供が切り替え上手になる「接し方」

ADHDの子供を切り替え上手にするための接し方は、4つあります。
先ほど説明をした原因ごとに、接し方を説明していきます。
その①:事前に約束する

- 事前に「○○になったら終わり」と約束する
- 子供が理解/納得してることを確認する
子供の理解が曖昧な場合は、約束の内容を子供に、一度口に出して言ってもらいましょう。
ここでの注意点は、親が一方的に約束の内容を伝えてしまうことです。
「伝えた」ではなく、「伝わった」のを確認し、子供の理解/納得感を作っていきましょう。
その②:「終わり」は視覚的に示す

- 「○時/砂時計がなくなったら終わり」と「終わり」を明確にする
- 「誰がいつ見ても、終わりが確認できる状態」にする
- 口頭だけの約束は避ける
たとえその場で、子供が理解/納得しても、ADHDの特性上、約束の時間などを忘れてしまうことがあります。
これは、子供自身に悪気があるわけではありません。
そのため、あとから見ても子供が思い出せるよう、「終わり」を視覚的に残しましょう。
参考程度に、私が療育の現場で、実際に使っている物を載せておきますね。
ご家庭にあれば、それをそのまま使って頂いて大丈夫です。
- 1:砂時計
- 2:キッチンタイマー
- 3:アナログキッチンタイマー
- 4:実際の時計(大きくて、立てかけるタイプ)
- 5:シール
砂時計は、「砂が全部なくなったら終わり」
キッチンタイマーは「タイマーがなったら終わり(時間が0秒になったら)」
など、事前に終わった状態を確認します。
実際の時計は、数字と長針にシールを貼り、「シールが重なったら終わり」などもオススメです。
ADHDで忘れやすい子供も、思い出しやすくなり、回数を重ねると、自分で確認できるようになります。
私が今まで支援して効果的だったのは、キッチンタイマーと時計にシールを貼る方法です。
簡単にできて、効果も高いので、個人的にオススメな方法です。
シールは、百均で売っているシンプルなものでも大丈夫です。
子供のモチベーションが上がるようでしたら、好きなシールを選んでもらうのも良いでしょう。
実際にやってみて、子供に合う方法を見つけてみましょう。
その③:終わりまでに数回声掛けする

- 終わりまでに、残りの時間を伝えてあげる(事前の約束だけでなく)
- 子供の切り替えの心の準備の時間を作る
事前の約束だけで難しい場合は、終わりまでに数回に分けて声掛けすることが必要です。
例えば、30分ゲームをするとしたら、
最後の15分は、5分ごとに「あと○分で終わりだよー」など、終わりの時間を思い出させるような声掛けです。
少しずつ、声掛けの時間の間隔をあけていき、親の介入を減らしつつ、子供の自立に近づけていきましょう。
子供のプレッシャー、ストレスにならないよう、柔らかい口調で伝えるのが、うまくいくコツです!
その④:一緒に終わりを決める

- その③までの接し方をしても、切り替えが困難な場合
- 過去に子供が好きなことをしていた経緯があり、切り替えがかなり難しい場合
- 思春期の子供の場合
こちらの方法は、これまで切り替えが難しく、子供が自由にやりたいことをしてきた場合に限ります(該当しない場合は、読み飛ばして大丈夫です!)。
切り替えが困難な子供ですと、数ヶ月や数年、子供が自由にやりたいことをしている場合もあります。
その場合ですと、その③までやっても、上手くいかないことも少なくありません。
理由は、子供としては、今まで自由にできていたのに、急に約束とか言われても、ヤダ!と拒否感が強く出るためです。
主に小学校高学年以上の子供に多いですが、この拒否感が強く出る場合は、まず「終わりの時間」を、子供と一緒に決めることが大切です。
場合によっては、家族で話し合う時間をとってもいいでしょう。
もし、それも難しい状態の場合は、専門家への相談をオススメします。
相談窓口や相談方法など、詳細をまとめていますので、必要な方はご覧ください。
自閉症スペクトラムの子供の相談先とは【種類/方法/注意点を解説】
ADHD/学習障害/その他の発達障害/グレーゾーンの方にも、活用頂ける内容になっています。
NGな関わり

切り替えができなかったときに、怒ることは避けましょう。
理由は、その場限りの効果で、子供の身にならないためです。
怒って、一時的にできるようになっても、それは恐怖心が原動力です。
恐怖心がないとできない子供になってしまうので、子供が一人でしなければいけない環境のときに、必ず壁にぶつかります。
大切なことは、環境が変わっても、子供が一人でもできる状態(自立)を見据えることです。
ADHDの子供の「発達の相談先」

ここまでの内容を2週間実践されても、ポジティブな変化がみられない場合は、相談窓口へ連絡が良いでしょう。
相談窓口にも、いくつか種類がありますので、事前に全体像を把握されてからの連絡をオススメします。
こちらの記事から参考にご覧ください。
自閉症スペクトラムの子供の相談先とは【種類/方法/注意点を解説】
※ADHD/グレーゾーン/診断名ないけど傾向ある子供も対象になります。
まとめ:ADHDの子供の切り替えで大切なこと

記事のポイントをまとめます。
- ADHDの子供が切り替えが苦手な原因
【①今していることをやめたくない ②次することがやりたくない】 - ADHDの子供が切り替え上手になる接し方
【①事前に約束する ②視覚的に終わりを示す ③終わりまでに数回声掛けする ④一緒に終わりを決める】 - ADHDの子供の発達の相談先
【①保健センター ②子育て支援センター ③児童相談所 ④発達障害支援センター】
以上になります。
子供に切り替え上手になってもらい、不要なストレスはなくしましょう!
最後に関連する情報を載せておきますね。
興味のある方はご覧くださいませ。
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