

子供に障害をどう伝えるか悩まれている方「障害について本人に伝えるべきか。いつ、誰が、どのように伝えたほうが良いのか知りたい。注意もあれば教えてほしい」
このようなお困りにお答えします。
✓本記事の内容
- ADHDの本人に伝えるポイント
(障害告知) - ADHDの本人に伝えるときの注意点
発達障害を本人(子供)にどう伝えるべきか、そもそも伝えるべきか?
発達障害の子供の親であれば、誰でも悩まれると思います。
この記事の執筆者の私は、療育指導員を10年以上している2児の父親です。
私自身にも、言語発達遅滞/運動協調性障害の息子がいて、同じ悩みを持っている親でもあります。
私の支援経験をふまえ、障害告知のポイントと注意点をまとめました。
ADHDに限らず、自閉症スペクトラムやその他の発達障害の子供にも活かせる内容になります。
本記事が少しでもお役に立てれば、幸いです。
ADHDの詳細は、
【療育セラピストが解説】ADHDの子供の3つの特徴と7つの対応法
をご覧ください。
ADHDの本人に伝えるポイント(障害告知)

ADHDの子供(本人)に伝えるポイントは、5つあります。
- その①:「具体的」に伝える
- その②:「できるようになること」を伝える
- その③:「前向きな気持ちのとき」に伝える
- その④:「長所」も伝える
- その⑤:「対処法も一緒」に伝える
その①:「具体的」に伝える

障害名ではなく、具体的な行動や場面で伝えましょう。
例えば、
「机に気になるものがあると、授業に集中しづらいタイプ」
「人が話をしている途中でも、言いたいことが思いつくと、自分の話をするところがある」
などです。
子供が具体的にイメージできる伝え方が大切になります。
その②:「できるようになること」を伝える

工夫してできるようになる(していく)ことを伝えます。
たまに、「僕はADHDだからできないんだ。しょうがないよね」
とやらない理由にする子供がいます。
ネガティブな方向にいかないよう、丁寧に伝えていきましょう。
その③:「前向きな気持ちのとき」に伝える

子供が前向きな気持ちのときに、伝えましょう。
成功体験を積んだときなどポジティブな気持ちのときほど、受け入れやすくなります。
その④:「長所」も伝える

障害のことを、本人に伝えることはネガティブになりがちです。
そのため、子供の長所や得意なところも合わせて伝えましょう。
人より、頑張っていること、得意なこと、好きなこと。
どんな子供にも必ずあります。
一緒に伝えていきましょう。
その⑤:「対処法も一緒」に伝える

ここは、できる方だけで大丈夫です。
療育指導員の立場からすると、ここまで言えると理想的です。
その①で具体的な行動を伝えるときに、合わせて、
「○○すれば大丈夫」と対処法もセットで伝えられると良いです。
先程のその①の例で見ていきましょう。
- 工夫前:「机に気になるものがあると、授業に集中しづらいタイプだよね」
- 工夫後:「机に気になるものがあると、授業に集中しづらいタイプだよね。でも授業前に使う物以外は、机の中にしまっておけば大丈夫だから、続けていこうね」
もう1つ見ていきましょう。
- 工夫前:「人が話をしている途中でも、言いたいことが思いつくと、自分の話を急にするところがあるよね」
- 工夫後:「人が話をしている途中でも、言いたいことが思いつくと、自分の話をするところがあるよね。でも自分の話をする前に、一言相手に話をしていい?って聞ければ大丈夫だから、続けていこうね」
事前に対処法が分かっていることが前提になるので、ハードルが上がりますが、
ここまで伝えられると、ネガティブで不安になるどころか
「○○すれば大丈夫!」と再確認でき、ポジティブに向き合うことができます。
もし対処法を知りたい方は、関連情報をいくつか載せておきますので、ご覧ください。
【ADHDの子供の忘れ物の対処法】
【記憶が苦手なADHDの子供の対処法】
【療育セラピストが解説】記憶が苦手なADHDの子供の3つの工夫
【感情コントロールが苦手なADHDの子供の対処法】
ADHDの本人に伝えるときの注意点

ADHDの本人に伝えるときの注意点は3つあります。
- その①:障害名だけで伝えない
- その②:落ち込んでいるときは、伝えない
- その③:家族間/先生と話し合いをしておく
その①:障害名だけで伝えない

ADHDや自閉症スペクトラムなど、障害名だけ伝えるのは避けましょう。
理由は、不安だけ残り、自己肯定感が下がるためです。
障害名の響きだけ先行して、肝心な具体的な内容を伝えないと、子供にとってはネガティブです。
また子供の年齢によっては、ネットで調べたりと、ネガティブに捉えて、状況が悪化する場合もあります。
その②:落ち込んでいるときは、伝えない

これは、イメージされやすいと思います。
同じことを言うなら、前向きな気持ちの状態の方が、受け入れやすいです。
子供のコンディションが良いときに、伝えましょう。
その③:家族間/先生と話し合いをしておく

本人以外の、ご家族、そして先生と認識を合わせておきましょう。
家族はもちろんですが、先生にも事前に伝えておきましょう。
伝えた後の本人の些細な変化など、先生が注意深くみることもできるためです。
またタイミングについて、先生からアドバイスがもらえるかもしれません。
例えば、今は学校で上手くいってないから、伝えるタイミングをずらす、などです。
どう本人に伝えるべき?ADHDの子供への障害告知【注意点3つあります】のまとめ

記事のポイントをまとめます。
- ADHDの本人に伝えるポイント
【①具体に伝える ②できるようになることを伝える ③前向きな気持ちのときに伝える ④長所も伝える ⑤対処法も一緒に伝える】 - ADHDの本人に伝えるときの注意点
【①障害名だけで伝えない ②落ち込んでいるときは、伝えない ③家族間/先生と話し合いをしておく】
以上になります。
本記事が少しでもお役に立たれば幸いです!
最後に関連する情報を載せておきます。
興味のある方は参考にご覧ください。
【ADHDの子供の接し方を本を学ばれたい方】
【ADHDの子供の親向け】おすすめのADHDの本【厳選5冊】
【ADHDの子供の接し方を漫画で学ばれたい方】
【ADHDの子供の親向け】親が読むべきADHDの漫画【厳選3冊】
【親の接し方を学ばれたい方】