

不登校の子とその兄弟について悩まれている方「不登校の子の影響が、他の子にも出そうで心配。不登校を他の兄弟にどう説明すればいいか困る」
このようなお悩みに、お応えします。
☑本記事の内容
✅不登校による兄弟への「影響」
✅不登校の子/兄弟への「接し方」
✅不登校の子/兄弟への「避けたい接し方」
✅不登校の兄弟が「備えておきたいこと」
不登校のお子さん、その兄弟への影響で悩まれている方が、増えています。
こういった悩みがあると、「親の育て方が悪かったのかな‥」と、落ち込んでしまうことがあるかもしれません。
この記事を執筆している私は、発達・相談支援を11年以上しています。不登校のお子さんの支援も多くしてきました。
その経験を通して、本記事では「不登校による兄弟の影響やその対策、やりがちな逆効果の接し方」をまとめました。
本記事が、参考になれば幸いです。
不登校による兄弟への「影響」

不登校のお子さんの影響が、兄弟に出る場合、主に2つあります。
①:不満/ストレスが溜まる
②:不登校になる
1つ1つ見ていきましょう。
①:不満/ストレスが溜まる

自分は学校に行っているのに、兄弟が学校を休んでいれば「何で学校休んでるの?家で自由にしてるの?」と疑問に思います。
さらに、そこの説明が曖昧だと、不満やストレスに繋がります。
ストレスのサインとしては、
・家族への態度が悪い
・家で常にイライラしている
・「○○ばっかり」「ずるい」の発言がある
などの言動が、日常的にある場合になります。
②:不登校になる

残念なことではありますが、兄弟で不登校になる子は、そんなに少なくありません。
これは私の経験上ですが、特に上の子が不登校になり、その後下の子が不登校になるケースが多いです。
不登校の上の子を見て、「学校に行かない」という選択肢があることを知ったり、
自由にしている子を見て自分もしたい、という思いに繋がるケースが少なくない為になります。
✍不登校には4段階ある
初期
「学校に行きたくない」という気持ちが、芽生え始める時期です。
・朝起きられない
・着替えが遅い
・トイレに何回もいく
・準備に時間をかける
のような行動が、見られることがあります。
お子さんによっては、頭痛や腹痛などの体調不良を訴える場合もあります。
進行期
「学校に行けない」、「行かない」という意思をはっきりを示す言動が見られます。
初期と比べ、目が覚めても起きない、布団から出ない、何度声を掛けても、一向に動かないなど、
初期より行動が強まり、適切な対処がないと、本格的に学校を休み始めます。遅刻が増えるのも、この時期が多いです。
引きこもり期
引きこもり期は、乱暴な言動、引きこもり、無気力化が表面化する時期です。
乱暴な言動、部屋にこもる、生活動作(ex.お風呂、歯磨き等)をしないことが、目立ってきます。
「学校を休む→学校に登校しづらくなる→学校を休む」、のサイクルができ、コントロールが難しくなります。
お子さんによっては、昼夜逆転し、生活リズムが乱れることもあります。ゲームやスマホ依存しやすくなる時期です。
回復期
お子さんが少しずつ自信を取り戻した結果、登校に対して前向きな気持ちが持てるようになる時期です。
・学校の友達に会いたい
・学校で使う物を買いたい
などの言動などになります。
また「家族のために何かをすること」も、回復へ向かっているサインになります。
例えば、洗濯、料理、買い物、掃除などの手伝いです。
ご家族が1つ1つ丁寧に感謝を伝えることで、お子さんの自己肯定感が上がり、登校への後押しになります。
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不登校の子、その兄弟への「接し方」

不登校の子、その兄弟への接し方は、3つあります。
お子さんやご家庭の状況によって様々ですので、
できそうなイメージの湧くものがあれば、参考にしてみて下さい。
①:子どもの話を最後まで聞く
②:家での役割を任せ、感謝を伝える
③:できたことを具体的に伝える
1つずつ、一緒に見ていきましょう。
①:子どもの話を最後まで聞く

「え?そんなこと?」と思われるかもしれませんが、『お子さんの話を遮らず最後まで聴く』ということが難しい方が、多いです。
ここで言う話の内容は、日常生活の中の些細なことで構いません。
興味のあるもの、最近の不満、動画で見たものの話など、何でも大丈夫です。
不登校の子は孤独を感じやすいです。またその兄弟は、不満やストレスを抱え込みやすいです。
身近な人に、話を聞いてもらえることは、お子さんの心の安定に繋がる大事なものになります。
②:家での役割を任せ、感謝を伝える

不登校の子と兄弟で一番多いのが「学校に行かなくてずるい!」です。
そのため、不登校の子には、家での役割を任せることをお勧めします。
役割は、本人ができることで嫌いなことじゃなければ、何でも大丈夫です。
例えば、ゴミ捨て、お風呂掃除、買い物をするなどです。お子さんと話をして、一緒に決めると良いでしょう。
家の中で「誰かの役に立った」「今日は○○ができた」など、自分を肯定的に捉えられるよう機会があると、自己肯定感が高まりやすく、不登校の子にとって良いことです。
また兄弟からの見え方でも、『家で○○の手伝いをしてたんだ』と、家で頑張ってる様子を見てもらうことで、不満が減りやすくなります。
③:できたことを具体的に伝える

お子さんが、できたことを『具体的に』伝えることです。
理由は、不登校の子が「今日は○○できた!」と自己肯定感が上がるためです。
不登校の子は無気力になることもあります。自己肯定感が上がると、自分から「○○やってみよう」と行動に移せるようになります。
例えば、漢字学習なら「漢字20文字、全部書けたね!」、掃除なら「玄関とトイレをきれいにしてくれてありがとう」などです。
不登校のお子さんは、学校に行かなければいけないことを理解しています。その上で行けない自分自身に嫌気が指しています。
そんな状態でも、できていること/人に感謝されることが実感できると、前を向く力になります。
兄弟の子にとっては、『ちゃんと自分も見てもらえている』という実感が持てます。
不登校の子の兄弟は、「自分は見てもらえていない」と感じやすいです。それはそうですよね。
不登校の子の方が過ごす時間も長いですし、親の注意も向きやすいと思います。
そういった背景を考えると、具体的に褒めてもらえることで「自分も見てもらえている、こんな所まで見てくれてるんだ、嬉しい!」と明るい気持ちになれます。
✍兄弟げんかのフォローも大切
兄弟ゲンカがあると、「学校行ってないくせに!」と兄弟からの発言が出ることがあります。悪気がなくても、ついその場の感情で言ってしまうことがあります。
ただ不登校の子にとっては、重い言葉になりますので、フォローが必要になります。
具体的には、
「さっきは、ああ言ってたけど、○○ちゃん、実はとっても心配していて、お兄ちゃん早く元気になったらいいなぁってよく言ってるんだよ。つい、勢いで嫌なことを言っちゃうこともあるかもしれないけど、本心じゃないないんだよね」
などになります。
不登校の子、その兄弟への「避けたい接し方」

ここでは、不登校の子・その兄弟に関わる上で、避けたい接し方を3つ紹介しますね。
簡単そうですが、つい無意識にされている方も多いですので、ご覧ください。
①:不登校を責める
②:兄弟を比べる
③:兄弟の一方だけに関心を向ける
1つずつ見ていきましょう。
①:不登校を責める

言葉の通りですが、「何で学校に行けないの?」「他の子はできてるよ」など、学校に行けないことを責めてしまうことです。
直接的に責めなくても、『学校いつから行ける?』、『学校の先生が明日待ってるよ、って言ってたよ』なども、不登校の子にとっては、プレッシャーになります。
お子さんの反応を見ながら、確認していくことをお勧めします。
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②:兄弟を比べる

兄弟を比べて発言、判断することは避けましょう。
「上の子は小学4年生で○○できていたのに」と考えることは、解決を遠ざけてしまいます。
同じ親、環境で育っても、お子さんが元々持っている特性(気質に近い物)は違います。兄弟でもできることは全然違います。ただ目安程度に考える場合は問題ありません。
親御さんがここの視点を持っているかで、お子さんに与える影響も変わります。
こういった視点やスタンスは、無意識に言動で出ます。そして不登校の子は、そのような言動を敏感に察知します。
③:兄弟の一方だけに関心を向ける

一方の子に偏った関わりをすることは避けることになります。
不登校の子ですと、物理的にどうしても接する時間が増えると思います。
そんなときは、関わりが少ない兄弟の子と、過ごす時間を決めることがお勧めになります。
例えば、「夕食後の30分は、一緒にボードゲームをする」などです。
お子さんに接する時間の偏りを埋めるために、無理のない範囲で事前に過ごす時間を決めてしまうことが有効です。
不登校の兄弟が「備えておきたいこと」

ここでは、不登校の兄弟が「備えておきたいこと」をお伝えします。
兄弟で不登校ですと、今の生活で精一杯になる方がほとんどだと思います。
毎朝の登校するかのやりとり、登校の付き添い、学校との連絡など、親御さんの負担がとにかく大きいです(本人は勿論のこと)。
ただ、不登校の期間が長ければ長いほど、学習の遅れは大きくなってきます。
登校できる状態になっても、学習に大きな遅れがあると、それがキッカケで不登校になったり、学校で過ごしにくくなってしまいます。
また、学習への苦手意識が強まり、拒否感が出てくる子もいます。
そうなると、学力をつける以前に「学習に取り組む(成功体験を積み、習慣化する)」ことに、
時間を割かなければいけなくなります。
これらの理由から、早めの学習フォローが重要になってきます。
もし、学校への登校が不安定でしたら、早めの学習フォローをすることをお勧めします。
ただし、お子さん本人が嫌がってないことが前提になります。
✍学習面のフォローは「タブレット学習」
タブレットが嫌いな子じゃなければ、とても心強い学習法になります。
理由としては、
・家庭内で簡単に始められる(辞められる)
・学習課題の分析/課題抽出
・特性に合わせた学び
(ex.アニメーション/音声解説な等)
など、お子さんのタイプ(理解のしやすさ)に合わせた学習サポートが充実してます。
詳しく知りたい方は、下の記事をご覧ください。
発達障害に関わらず、不登校やグレーゾーンの子に共通する内容になっています。
【療育支援員がおすすめ】発達障害の子に良いタブレット学習とは?4つの条件・理由・注意点
「【不登校】兄弟が受けやすい3つの影響とは。対策、逆効果な接し方」のまとめ

記事のポイントをまとめます。
✅不登校による兄弟への影響
・不満/ストレスが溜まる
・不登校になる
✅不登校の子/兄弟への接し方
・子どもの話を最後まで聞く
・家での役割を任せ、感謝を伝える
・できたことを具体的に伝える
✅不登校の子/兄弟への避けたい接し方
・不登校を責める
・兄弟を比べる
・兄弟の一方だけに関心を向ける
✅不登校の兄弟が「備えておきたいこと」
・早めの学習フォロー
・タブレット学習
以上になります。
本記事が参考になれば、幸いです。
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