学級・進路

【普通級から支援級へ】どんな子が?どんな流れで?よくある4つの事例を紹介

投稿日:2023年10月23日 更新日:

学級選びで悩まれてる方「普通級から支援級に行く子はどんな特徴がある?どんな流れでいくもの?支援級へ移る目安はある?」

このようなお悩みに、お応えします。

本記事の内容



✅普通級から支援級へ移った
 「4つのパターン(事例)」

普通級から
 「支援級へ移る目安

✅支援級を検討してる子が
 「備えたいこと


お子さんの学級は、その学校生活の過ごしやすさ、学びやすさなど、とても大事な環境になります。

そんな大事な学級を、様々な事情で変えざる得ない場合があります。

特に、普通級から支援級へ移る場合は、判断がとても難しいケースが多いです。

「普通級在籍だけど、うちの子に合ってないかも」

「支援級にすべきか、判断が難しい」

こんな不安を抱えてる方が多いのも事実です。

そこで本記事では、どんな子が、どんなキッカケで転籍になったのか、

『普通級から支援級へ移った事例(よくあるパターン)』を紹介したいと思います。

私は、療育・相談支援を10年以上しており、学級選びの相談支援にも携わってきました。

その支援経験を元にまとめています。参考になれば幸いです。

普通級から支援級へ移った「4つのパターン(事例)」

普通級から支援級へ移った「パターン(事例)」を4つ紹介します。

私が、現場でよく見てきたケースになります。



①:小1・小2の子(グレーゾーン)
 ⇨集団に1~2テンポ遅れる

②:小1~小4の子(診断あり・傾向あり)
 ⇨他害・癇癪・離席等が増える

③:親の意向で普通級にチャレンジ
 ⇨参加してるけど、授業理解してない

④:小3・4の子
 ⇨授業の遅れが目立つ


①:小1・小2の子(グレーゾーン)⇨集団に1~2テンポ遅れる

幼少期から、何となく変わった子だなぁと感じていたけど、生活上で困ることはなく、就学まで進んでいたケースになります。

幼稚園や保育園では、自由保育が主体で、先生もお子さんを尊重する方針で、お子さんの様子が目立つことはありませんでした。

ただ就学して、30~40名の大きな集団になり、先生の個別の声掛けがあまりない環境にあると、集団への遅れが目立ってきました。

集団の動きに対して、1~2テンポ遅れる様子が出てきました。

担任の先生との面談で指摘されるパターンが多く、親御さん自身驚かれることもあります。

時期でいうと、GW明けの5~6月頃に目立ってきて、相談に来られる方が多いです。

②:小1~小4の子(診断あり・傾向あり)⇨他害・癇癪・離席等が増える

診断名があったり「ADHD傾向あり」など、特性がある子になります。

カッとなって手を出したり、注意されたことで癇癪を起こしたり、授業中に離席するなどになります。

他の子や授業に大きな影響を与える行動の為、学校側から支援級を進められるパターンも少なくありません。

【関連記事】

【小学校で支援学級を勧められた時】学級選びの3つのポイント

③:親の意向で普通級にチャレンジ⇨参加してるけど、授業理解してない

本来、支援級に行っても良いお子さんですが、親御さんの意向で普通級で様子を見る判断をしたケースになります。

検査結果から、知的障害までつかないですが、ボーダーラインの子で、一見他の子と変わらないように見るタイプの子になります。

学校では、他害や離席など、周囲に大きな影響を与える行動がない為、普通級で過ごすのも問題ないように見えます。

先生によっては「良い子ですよ」と見過ごされることもあります。

ただ、本人は授業に参加はしてるけど、内容を理解が難しく学びになっていない場合があります。

本人が全く気にしないタイプでしたら、過ごすことだけならできますが、次第に授業が苦痛になったり、学習への拒否感に繋がる子も一定数います。

本人や親御さんの気持ちを確認しながら、今の学級が最適なのか、学校や支援先を相談が必要なケースになります。

④:小3・4の子⇨授業の遅れが目立つ

学習の苦手さは、以前から見られていたものの、小1・2では何となく過ごしてきたケースになります。

小学3、4年生になり、文章題が増えたり、計算が複雑になる中で、苦手さが顕著に出ます。

授業だけでは理解が追いつかず、家庭で親御さんが教えても、なかなか定着しづらいケースになります。

学習しても成果が出ず、次第に本人の学習の拒否感が出てきて、学力以前に、学習の取り組みの問題に発展してきます。

客観的に見て支援級の方が合ってる子は多いですが、

本人自身が「自分はバカじゃない」「何で皆と違う所に行かないと行けないの?」

と拒否する場合が少なくありません。

【合わせて読みたい記事】

【支援学級はどんな子が通う?】子どもの2つの特徴・メリット・デメリット

普通級から「支援級へ移る目安

普通級から「支援級へ移る目安は、4つあります。



①:本人が「困ってるか」

②:本人の「気持ち(必要性・納得感)」

③:本人の「過ごしやすさ」が作れるか
 (支援級で)

④:学校側の「考え」


①:本人が「困ってるか」

本人が今の学級(普通級)で困りを感じてるのか、が大切になります。

周りから見て、困ってるように見えても、本人が困りを感じてない(気にしてない)場合もあります。

まずは、本人が日常生活をどう感じてるのか、確認してくことが大切になります。

②:本人の「気持ち(必要性・納得感)」

本人の、支援級に移ることへの「必要性や納得感」になります。

本人が困りを感じていた場合は、その困りを減らす為に学級を変える選択肢を伝えていきます。

例えば、人の声やザワザワした音が気になって疲れる、という子でしたら、

少人数の支援級ですることで、苦手な人の多さ、音を避けることができます。

本人の困りを軽減するために支援級が利用できるなら、それも1つの選択肢になります。

このように本人の困りに繋がるモノがあれば、必要性や納得感が出やすいです。

✅本人が困りを感じてない場合

本人が困りを感じてない場合は、本人の希望(望み)を聞く場合もあります。

例えば「自分に合った勉強がしたい。個別でゆっくり教わりたい」などの気持ちがあれば、支援級が選択肢に入ります。

このように、支援級という環境が本人の希望(望み)に、少しでも形にできる可能性があるなら、転籍の検討ができます。

【関連記事】

【子どもに「特別支援学級」って何?と聞かれたら】説明の仕方・注意点

③:本人の「過ごしやすさ」が作れるか(支援級で)

例えば、環境の変化が苦手で、見通しがないと不安でしょうがない子がいた場合です。

そんな不安を感じやすい子に対して、検討する支援級が、毎年先生が何人も変わっていて、不安定な状況だったら、変化が苦手なお子さんには合っていません。

このように、本人の特性と検討する学級との相性を見ておく必要があります。

④:学校側の「考え」

担任やSC(スクールカウンセラー)がどう考えているのか、聞きます。

支援級に移る必要性があるのか?
(普通級でできることはないのか)

など、学校の先生の見立てを伺ってみます。

学校の先生ですと、支援級の状況なども把握してもらえる為(確認してもらえる)、お子さんの状況と合っているのか、相談もしやすいです。

✅診断名は「考える材料の1つ」として捉える

学校によっては、診断がないと、支援級に移ることができない場合があります。

学校の方針として、手続き上の問題では仕方ないですが、

お子さんと向き合う上で本当に大切なのは、診断名はお子さんの1つの見方」と考えることです。

「その子に必要な配慮や環境は何があるんだろう?」と考える為の材料に過ぎません。

支援級を検討してる子が「備えたいこと

支援級を検討してる子が「備えたいことをお伝えします。

支援級を検討するということは、普通級で何かしらの心配な点や困りごとがあると思います。

そして、支援級を検討する子の多くは、配慮すべき特性があります。

私も支援級を検討(在籍)してる子たちの支援をしてきて感じたのが、早めの学習面のフォロー(失敗体験の予防)の必要性になります。

特性がある子は、学習面で困ることが少なくありません。

丸暗記ができても、内容の本質的な理解に繋がらなかたり、問題が少し変わると対応できなかったり、読み書きの苦手さが元々あったり、…様々な困りが生じやすいです。

学習面に懸念がある子は、早めの学習フォローが必要になります。

理由は、学習面のフォローが遅れることで、失敗体験を重ね、学習以前に勉強の拒否感に繋がる為です。

拒否感があると、どんなに効果的な学習方法も効果は出にくいです。

家庭内での介入はもちろん、支援があったとしても、時間が必要になるケースが多いです。

拒否感がある子にしては、本来必要な学習よりハードルを下げ、まずは小さな成功体験を作り、拒否感を減らす所から、進める必要があり、とても時間がかかります。

『拒否感を0にする学習』と『学力を上げる学習(通常の学習)』とでは、

必要な時間・エネルギー・費用は、変わってきます。

特に失敗体験は、学習以前に生活全般に影響を与える避けるべきリスクになります。

失敗体験が多く重ねていった子は、自己肯定感が下がり、活力が失われ、自分の殻に閉じこもる恐れがあります。

不登校や鬱など、二次障害になる子もいます。

これらの理由から、予防的な対策として、学習の成功体験を積み重ね、自信をつけ、学ぶ意欲を高めてく必要があります。

学習面のフォローは「タブレット学習」

発達障害や診断がつかないグレーゾーンなど、特性ある子の学習法の1つになります。

特性ある子にとって、タブレット学習が良い理由は、大きく5つあります。

・理解できるペースでできる
(在籍校の進度にも合わせられる)

・人に指摘されない
(人に教わるのが嫌な子向け)

・一人ひとりの学習課題の分析
(AIによる課題の自動抽出)

・特性に合った学び方
(ex.アニメーション/音声解説)

・ゲーム要素がある学習
(拒否感がある子向け)

このように、特性に配慮された要素がいくつもあります。

・分からない
・つまらない
・早くて、ついていけない

など、学習のストレスを最小限にしてくれます。

授業の予習・復習など、お子さんの学習の状況によって活用することで、心強いサポートツールになります。

タブレット学習の、その他のメリット・デメリットなど詳細は、下の記事をご覧ください。

“発達障害~診断がつかない子” に共通する内容になっています。

【療育支援員がおすすめ】発達障害の子に良い タブレット学習

「【普通級から支援級へ】どんな子が?どんな流れで?よくある4つの事例」のまとめ

記事のポイントをまとめます。



普通級から支援級へ移った
 「4つのパターン(事例)」

・小1・小2の子(グレーゾーン)
 ⇨集団に1~2テンポ遅れる

・小1~小4の子(診断あり・傾向あり)
 ⇨他害・癇癪・離席等が増える

・親の意向で普通級にチャレンジ
 ⇨参加してるけど、授業理解してない

・小3・4の子
 ⇨授業の遅れが目立つ

普通級から
 「支援級へ移る目安
・本人が困ってるか
・本人の気持ち(必要性・納得感)
・本人の過ごしやすさが作れるか
・学校側の考え

支援級を検討してる子が
 「備えたいこと
・早めの学習フォロー
・本人に合う学習法の把握
・学習の成功体験を重ねる
・タブレット学習


以上になります。

本記事がお役に立てば、幸いです。

【関連記事】

【普通学級or支援学級】内容、選ぶ基準、メリット/デメリット

【現場でよくある事例】支援級を選んで後悔する3つのパターン・対策

-学級・進路

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