子どもの不登校で悩まれてる方「別室登校はいつでもするもの?別室登校してる子の今後はどうなるの?どんな進路に進むのか事例も知りたい」
このようなお悩みに、お応えします。
☑本記事の内容
✅別室登校の
「3つのパターン」
✅別室登校で
「3つの大事なこと」~本人にとって~
✅親がしてあげたい
「4つのこと」
✅別室登校後の
「3つの事例」
✅不登校の子に
「必要なもの」
別室登校をしてるお子さんがいると、
「いつまで別室登校すればいいんだろう…」
「学校に行けるようになるのかな…」
「進路はどうなるんだろう…」
など、お子さんはもちろん、親御さんも不安な気持ちで、いっぱいになりますよね。
そこで今回は、別室登校で大切なこと・別室登校の子で多い事例をお伝えしていきたいと思います。
この記事を執筆している私は、療育・相談支援を10年以上しています。不登校(完全不登校/別室登校)のお子さんの支援も数多くしてきました。
その支援経験を通して、本記事をまとめています。
参考になれば、幸いです。
別室登校の「3つのパターン」
別室登校とは、教室以外の場所に通うことです。
お子さんにとっては、教室以外で “安心できる場所の確保” という意味合いになります。
別室登校には個人差があり、様々なパターンがあります。
ここでは、よくある3つのパターンを紹介します。
①:「保健室(教室以外の部屋)」に登校
②:「放課後に」教室に登校
③:「課題を取りに」担任に会いにいく
お子さんによって、複数重なっていることもあります。
①:「保健室(教室以外の場所)」に登校
“教室以外の場所”に登校するパターンになります。
1番多いのは保健室ですが、他にも校長室や会議室の場合もあります。
ここは、学校・校長先生の意向によって、大きく変わる部分になります。
②:「放課後に」教室に登校
クラスメイトがいない放課後に、登校するパターンになります。
お子さん本人が「同級生に会いたくないけど、学校には行きたい」という場合が多いです。
教室で担任と話をするなどして、時間を過ごします(親御さんが付きそう形もあり)。
こちらは、担任の先生に相談し、協力を得る必要があります。
丁寧な先生は協力してくれますが、中には協力を得るのが難しい先生も少なくありません。
③:「課題を取りに」登校する
宿題や課題を取りに、登校するパターンになります。
放課後が1番多いですが、中には課題を受け取って、すぐ早退する子もいます。
「学校で過ごすことは難しいけど、学習が遅れないよう頑張りたい子」 に多いです。
別室登校で「3つの大事なこと」~本人にとって~
お子さん本人にとって、別室登校で「大事な3つのこと」をお伝えします。
①:「本人のポジティブな経験」を目的にする
②:「本人のペース」に合わせる
③:「安心できる繋がり」を作る
①:「本人のポジティブな経験」を目的にする
不登校問題でよくあるのが「学校に行く」が目的になってしまうこと。
登校したその先に「本人が何を感じるのか」の視点がないと、
・数日登校できたけど、すぐ行けなくなった
・登校できたけど、本人が嫌な思いをした
(余計学校に行きたくなくなった)
など、ネガティブなことに繋がります。
大切なのは、学校で過ごす時間の中で本人が、
「○○が楽しかった」
「○○ができた」
「意外と、○○嫌じゃなかった」
とポジティブな気持ちを実感できることです。
この実感が、学校や他の場所に行くステップ(土台)となります。
(外と繋がりが持てる様になる)
②:「本人のペース」に合わせる
不登校の子は、気持ちの波が大きい子が多いです。
前日までは「学校に行く!」と言っていても、当日の朝になったら「学校行かない…」となったり、
数日or数週間学校に行けていて、このまま続くと思ったけど、次第に学校を休むようになったり…。
「昨日は、学校行くって言ってたのに」と思いたくなりますよね。
ただここで、本人のペース(コンディション)に合わせることで、
「行きたくなかったのに、やりたくなかったのに」という、本人の負の経験を減らすことに繋げられます。
負の経験は「あの時、嫌な思いをしたから、もうやらない」という、子ども本人の行動にブレーキをかけます。
負の経験を増やさない為にも、本人のペースに合わせることが大切になります。
③:「安心できる繋がり」を作る
本人の “安心できる繋がり” を作ることが、大切になります。
例えば、
・家族と話す
・好きなことをする
・友達に会う
・好きな習い事に通う
など、本人が安心感を感じられる・心が満たされる繋がりを持つことです。
この繋がりが心を満たし、次第に本人の気持ちと行動が外へ向いていきます。
例えば、学校で過ごす時間が増えたり、家族以外の人と話す時間が増えたりなどの変化です。
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親がしてあげたい「4つのこと」~別室登校の子へ~
親がしてあげたい「4つのこと」をお伝えします。
①:「本人の意思」を尊重する
②:「本人のコンディション」を確認する
③:家庭と学校で「共通認識」をもつ
④:「学習フォロー」の機会を作る
①:「本人の意思」を尊重する
本人に選んでもらったり、意思を確認する機会を作っていきます。
本人に決めてもらうのが1番、本人の負の経験を増やしづらいためです。
本人が決めることが難しい時は、選択肢を伝えて、選んでもらう形でも大丈夫です。
②:「本人のコンディション」を確認する
不登校の子は、無理をしたり、自分の体の状態に気付いていない場合が少なくありません。
登校をして、帰ってきたら疲れ切っている・些細なことで苛つく・翌日からしばらく学校を休む、など反動が出ることが多いです。
また明らかに負担が大きいことでも「大丈夫」と言うこともあります(家族に心配を掛けない為の本人の気遣いの場合もあります)。
そのため、本人に具体的な指標で、コンディションを教えてもらうことが大切になります。
例えば、10段階(10が1番調子が良い)で伝えてもらう方法になります。
「今日は2(調子が悪い)」「今日は8(調子が良い)」など、コンディションの把握ができれば、表現は自由です。
他にも、天気(晴れ・曇・雨など)で教えてもらう方法もあります。
本人も家族も把握しやすい指標があると、お互いコンディションが把握しやすくなり、
本人の調子に合った適切な判断ができるようになります。
③:家庭と学校で「共通認識」をもつ
家庭と学校で、本人にどう向き合うかの共通認識のすり合わせをします。
例えば、家庭では本人のペースに合わせる考えでも、
学校側が「とりあえず学校に来ましょう」という考えであると、本人が混乱したり、プレッシャーになってしまいます。
「本人が登校したいときに保健室登校する」「周りから学校に行くことを求めない」など、
“本人に向き合う上での軸” を固めていきます。
この軸があると、本人も安心し、負担も軽くなっていきます。
④:「学習フォロー」の機会を作る
不登校の子の困り事の1つとして、学習の遅れがあります。
別室登校をする子の中には「勉強も頑張りたい」という子は少なくありません。
ただ授業が十分に受けられないと厳しい状況ではあります。
そこで、家庭でできる学習フォローが必要になってきます。
私がお勧めしているのは、タブレット学習です。
本人のペースで進められ、学校の進度にも合わせてくれるので、心強いツールになります。
詳しくは、こちらの記事をご覧ください。
発達障害の有無に関わらず、困りを抱えた子の参考になる内容になります。
別室登校後の「3つの事例」
ここでは、別室登校後の「3つの事例」をお伝えします。
事例①:別室登校⇨登校
別室登校が安定してできるようになり、登校に繋がるパターンになります。
登校するのが、完全に安定するケースは多くないですが、
一定期間を別室登校することで、完全不登校を避けながら学校に繋がれる事例は、そこまで珍しくありません。
事例②:別室登校⇨そのまま卒業
別室登校しながら、そのまま卒業されるケースになります。
ただ学習面や進路など、事前に準備をしている(する必要がある)ケースが多いです。
自宅学習が上手くいったケースは、子ども本人が望む進路に、そのまま進める事例もあります。
自宅学習の詳しい内容は、こちらの記事をご覧ください。
事例③:別室登校⇨フリースクール(or通信)
フリースクールに繋がるケースも増えています。
フリースクールは数が少なく、現実的に通える子は限られているのですが、
最近では、オンラインで繋がれる学校も増えていて、選択肢が広がっています。
ここでは、参考程度に2つのフリースクールを紹介しますね。
①SOZOWスクール
②クラスジャパン小中学園
(公式ホームページ⇩)
お子さんが興味を持つようでしたら、一緒にHPを見たり、資料を取り寄せることをお勧めします。
不登校の子に「必要なもの」
ここでは、不登校の子に「必要なもの」をお伝えしたいと思います。
別室登校といっても、学校で過ごす時間、内容、通うペースなど、お子さんによって様々になると思います。
別室登校で進展してる感覚がある親御さんもいれば、なかなか思うように進まないこともあると思います。
家族、学校で協力しながら試行錯誤しても、状況の進展があまり見られない場合は、こちらの4つの必要性が高くなります。
・家族以外との社会的繋がり
・家/学校以外の居場所
・本人の特性/対処法の把握
・不登校の相談先
(家の過ごし方/学校の通い方)
土台になるのは、本人の安心感になります。
リラックスして話せたり、自分の思ってること、好きなもの、不満など、日頃感じてる心の内を話せる人の存在が大切になります。
そんな”信頼できる人との繋がり” ができたら、
・本人自身が抱えてること
(困り事の相談)
・今後したいこと
(興味があること/希望/進路)
・自分の特性/対処法を知る
(自己認知/対処法)
などに、向き合う機会が必要になります。
自分の話を否定せず聞いてくれて、同じ目線で考えてくれる大人の存在になります。
そして、この大人の存在は、家族以外の第三者でないと難しいことが多いです。
(親子間だと感情が入り、深い話まで進みにくい為)
不登校問題は、本人の安心感をベースに、本人の気持ちを引き出しながら、1つ1つ気持ち(意思や不安)に寄り添いながら、対話を重ねて、時間をかけて進めてることが大切になります。
その為にも、本人が信頼できる “人との繋がり” が必要不可欠になります。
最初の入口は、話をすることで、本人に “安心・楽しい” を感じてもらう所で十分ですが、
問題の根本的な解決を見据えると、本人の特性を理解し、本人が過ごしやすくなる為の『視点/考え方/対処法』を示してくれる様な、専門スキルがある先生が必要になります。
例えば「学校で不安を感じると、周囲に言えず限界まで我慢する子(体調を崩すまで)」の場合、
授業中に辛くなったら、机に置いてるヘルプカード(裏面に「保健室に行きたいです」と記載されてる)をひっくり返し、先生が確認したら、保健室に行くようにします。
本人の精神的な負荷を考え、言葉で伝える方法は避け、カードをめくる意思表示に変えることで、本人の発信しやすさに繋げる意図があります。
「辛くなっても、カードをめくれば保健室に行ける」という本人の安心感が、結果的に学校で過ごせる時間の長さに比例します。
このように、本人の特性を踏まえて、具体的な対処法を示してくれる相談先が必要になります。
学校の先生に心を開いて話せていたら、とても喜ばしいことですが、状況に進展が見られない場合は、本人に必要なものが、まだ足りていないということになります。
その場合は、具体的な対処法を示してくれる専門の先生が必要になります。
✅不登校の相談は「リタリコジュニア」
リタリコジュニア とは、療育/不登校支援の教室になります。
お子さんの年齢/特性/困り事によっても、変わりますが、
・コミュニケーション
(会話のキャッチボール)
・学習
(特性に合う学習法/学習計画)
・自己管理
(家の過ごし方/体調/時間/物)
・困り事の相談
・学校の通い方
(ex.別室登校/学級/フリースクール)
など、本人に必要なサポートをしてもらえます。
小学校中学年以下の子でしたら、好きな遊び(ex.ボードゲーム、カードゲーム、工作)などを中心に、
小学校高学年以降(思春期)の子は、本人の好きな話など、対話をベースに進めることが多いです。
リタリコジュニアが良い理由は、大きく5つあります。
・療育の最大手
(実績と信頼)
・自己肯定感を高める指導
(安心感/楽しさ/居場所作り)
・学校/学級の相談
(学校の通い方)
(学校以外の進路相談)
・家での関わりサポート
(具体的な親の関わり方)
(ペアレントトレーニング)
・応用行動分析
(エビデンスに基づく指導)
不登校支援は、家族の関わり、学校との向き合い方が、最も大切になります。
特に、本人と、”家/学校の過ごし方” が合っていないことで、心配な状況が続いているご家庭が多い為、「本人の自己肯定感の回復/家族の関わり/学校の通い方サポート」は欠かせません。
試しに先生と話をしてみて(指導)、本人が気に入れば通うこともできますし、気持ちが乗らなければ、そのまま終えることもできます。
本人の特性、対処法、家族の関わり、家/学校の過ごし方、進路など、専門の先生から助言をもらうことを目的に、1回限りの指導で教えてもらうこともできます。
その他、メリット・デメリットなど詳しい情報は、こちらの記事をご覧ください。
思春期のお子さんですと、気持ちが乗らないことも多いと思いますが、本人への誘い方、伝え方から教室に相談することができます。
お子さんの気持ち/様子、家庭の状況に合わせて目的を決めて、活用いただければ幸いです。
「【別室登校は、いつまでするもの?】大切な7つのポイント」のまとめ
記事のポイントになります。
✅別室登校の
「3つのパターン」
・保健室(教室以外の場所)に登校
・放課後に教室に登校
・課題を取りに登校
✅別室登校で
「3つの大事なこと」~本人にとって~
・本人のポジティブな経験
・本人のペースに合わせる
・安心できる繋がりを作る
✅親がしてあげたい
「4つのこと」
・本人の意思を尊重する
・本人のコンディションを確認する
・家庭と学校で共通認識をもつ
・学習フォローの機会を作る
✅別室登校後の
「3つの事例」
・別室登校⇨登校
・別室登校⇨そのまま卒業
・別室登校⇨フリースクールor療育
✅不登校の子に
「必要なもの」
・家族以外との繋がり
・学校以外の居場所
・本人の特性/対処法の把握
・不登校の相談先
(家族の関わり/学校の向き合い方)
以上になります。
本記事が、参考になれば幸いです。
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