

療育を検討されてる方「療育に通う基準が知りたい。療育を始める人はどの時期に始めることが多いの?」
このようなお悩みに、お応えします。
☑本記事の内容
✅療育に通う
「3つの基準」
✅療育を始める方が多い
「5つの時期」
✅療育を検討する上で
「知っておきたいこと」
✅運動面の発達が気になる子が
「経験を積んでおきたいこと」
✅療育を検討する子が
「備えておきたいこと」
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以前に比べ、 “療育” という言葉を知る方は増えました。
保育園の先生から勧められたり、保健師から発達の指摘を受けたり、学校の担任から検査を勧められたり..
今、様々な場面で「療育」という言葉を知り、検討されてる方が増えています。
一方で、
「療育に通う基準って具体的にあるの?」
「療育を利用すべきか分からない」
と悩まれてる方も多いと思います。
そこで本記事では、
「療育に通う基準」「療育に通う子が多い時期(タイミング)」に関する情報をまとめました。
本記事の執筆者の私は療育・発達支援を10年以上しており、発達障害やグレーゾーンなど、多くのお子さんの療育に携わってきました。
その支援経験を元に本記事をまとめています。参考になれば幸いです。
療育に通う「3つの基準」

療育を受ける明確な基準はありません。
ただ、現場で支援する中で私が感じてきた、大切な3つの点(基準)をお伝えしたいと思います。
①:子ども本人が「困ってるか」
②:「客観的に見て」困ってるか
③:「機会損失」になってないか
(コミュニケーション・集団参加・学習)
①:子ども本人が「困ってるか」

お子さん本人が困りを感じているか、になります。
・友達と上手く関われない
・自分の気持ちを言葉で伝えられない
・勉強が分からない
・イライラすると癇癪を起こしちゃう
など、その子が日常生活で困っているのか、どんな困りを感じているのか、が大切になります。
②:「客観的に見て」困ってるか

ご家族や先生など、身近な大人の方から見て「客観的に見て困っているか」も大切な視点になります。
明らかに困るであろう状況でも、お子さん本人が気にしていなくて「困ってないよ」という場合も、少なくありません。
例えば、
・興味のない集団活動には参加しない
・提出物を出せない
・授業についていけてない
など、今後本人が困る(将来に影響が出る)可能性が高い場合も、療育の必要性は高くなります。
お子さん本人は、先の生活を想像するのが難しい為、本人が困っていない場合も少なくありません。
客観的に見て、本人の困りに繋がる可能性あるなら、療育の必要性は高くなります。
また、ご家族が困っている場合も、療育の必要性はあります。
例えば、家だけで癇癪が出る場合は、外では良い子なので、本人も家族も考え方によっては、我慢して乗り切ろうとする場合もあります。
ただ、本人はもちろん、一緒に過ごす家族が疲弊したりストレスになるのは、良いことだとは言えません。
本人や家族などの過ごしやすさを作る為、療育は大切な支援になります。
③:「機会損失」になってないか(コミュニケーション・集団参加・学習)

本人は困っていないし、家族もそこまで困っていない場合になります。
ただ生活の様子を見ていると、本人自身が機会損失をしてることがあります。
例えば、
・友達とコミュニケーションが発展しない
(交友関係が広がらない)
・授業や人の話の理解が不十分
(学びや興味を持つ機会が減ってる)
など、困ってはいないものの、本人の捉え方やスキルによっては、もっと楽しめたり学べることが沢山あります。
困りがない場合でも、日常生活をより充実させる為に、療育を受けるケースもあります。
【関連記事】
【療育の後悔】受けないと、子どもの将来はどんな可能性が?事例を元に解説
療育を始める方が多い「5つの時期」

療育を始める方が多い時期は、5つあります。
私が支援してきた中で、特に多かった時期になります。
①:3歳児健診
②:就学時健診
③:小学校入学後
(1~2年以内)
④:不登校になった時
(小学校低~中学年)
⑤:授業についていけなくなった時
(小学3~4年)
①:3歳児健診

未就学のお子さんで、一番多いタイミングになります。
3歳児健診で先生から指摘を受け、療育を検討されるケースになります。
「1歳半健診で様子を見ましょうと言われた」
「何となく言葉がゆっくりだと思ったけど、そこまで気にしてなかった」
など、様子を見ていた方が、3歳児健診をキッカケに、療育を探し始めるパターンが多いです。
また、父親はそこまで心配していないことも多く、
「子どもなんて、そんなもんじゃない?」
「俺も昔は似た感じだったよ」
など、家族間で温度差が出やすい時期でもあります。
【関連記事】
【保育園に療育を勧められたら】やるべきこと・注意点・事例を元に解説
②:就学時健診

就学時健診(小学校入学前)で指摘され、療育を検討するケースになります。
具体的には、学級に関する個別相談を勧められる等です。
席に座って待つこと、質問への受け答え、指示を行動に移すのが難しいなどの様子から、指摘されることが多いです。
③:小学校入学後(1~2年以内)

小学校入学してから、お子さんの困る行動が出るケースになります。
・離席する
・癇癪を起こす
・他害、暴言
・書字、板書が苦手
・提出物が出せない
・集団参加を嫌がる
(興味がない内容)
など、お子さんによって様々な困りが出ます。
幼稚園や保育園が自由保育で、本人の行動もそこまで目立つことなく、先生にも尊重してもらっていた為、大きな問題にならなかった子も多いです。
小学校に入って、より大きな集団で、より長い時間集団に合わせることが求められる様になり、問題が表面化するケースになります。
④:不登校になった時(小学校低~中学年)

小学校低学年~中学年で、学校の行きしぶりが始まり、不登校になったタイミングになります。
・1ヶ月以上学校を休んでる
・五月雨式でしか登校できない
など、学校生活に大きな支障が出始めたタイミングで、療育を検討される方が多いです。
⑤:授業についていけなくなった時(小学3~4年)

小学3~4年生が最も多いのですが、授業についていけなくなり、学習面の困りが大きくなるタイミングになります。
文章題が増えたり、計算が複雑になったり、問題が難しくなってることも、この時期で療育を検討される方が多い理由になります。
【関連記事】
【発達支援員が解説】週何回?療育の頻度と期間~目的と通い方で変わる~
療育を検討する上で「知っておきたいこと」

療育を検討する上で「知っておきたいこと」をお伝えします。
まず療育には、福祉サービス、民間の療育の2種類があります。
✅福祉サービス
国の助成金が受られる(1割負担)反面、混み合っており、利用までに時間がかかります。
✅民間療育
すぐに始めやすい分、完全実費負担になります。
お子さん、ご家族の状況によって、必要な選択肢は変わってきます。
①:困りが強い場合
⇨民間+福祉サービスの併用
(民間ですぐ始め、福祉サービスは併行で探す)
②:急ぎでない場合
⇨福祉サービスを探す+ペアレントトレーニング
①:困りが強い場合⇨民間+福祉サービスの併用(民間ですぐ始め、福祉サービスは併行で探す)

今の生活に支障が出ていたり、すぐに支援を受けたい場合は、民間療育を始めつつ、併行して福祉サービスを探されるのが良いです。
福祉サービスは混み合っている為、待機登録という形で、空き待ちになる場合が多いです。
すぐに始められる民間療育に繋がりつつ、長期的に通いやすい福祉サービスに繋がるのが、多くの方が利用されてる形になります。
②:急ぎでない場合⇨福祉サービスを探す+ペアレントトレーニング

緊急性がなかったり、先々必要性あれば利用したい、という方は、福祉サービスで待機登録され、併行してペアレントトレーニングを受けるのをお勧めします。
ペアレントトレーニングとは、家庭でお子さんと関わる際に必要な知識、ノウハウなどを親御さん向けに伝える講座になります。
療育を受けるまでの間、家で一緒に過ごす時間を少しでもお子さんの成長に繋げる為に、ペアレントトレーニングは、早い段階で受けられる方のが良いです。
福祉サービスを利用するには、通所受給者症という手帳を使います。
詳しく把握されたい方は、こちらの記事をご覧ください。
【関連記事】
【通所受給者証のデメリット】3つの注意点・メリット・申請方法
運動面の発達が気になる子が「経験を積んでおきたいこと」

ここでは、運動面の発達が気になる子が、
「経験しておきたいこと」をお伝えします。
まず、運動面の発達が気になるというのは、
・運筆が苦手
・縄跳びが苦手
・体の動かし方がぎこちない
・手足を同時に動かすのが苦手
・ボール投げ、キャッチが苦手
・手先が不器用
(ex.はさみ・お箸)
など、生活場面の中で様々な形であります。
極端に運動(体の使い方)の苦手さがあり、
・自信を失う
・運動への苦手意識がつく
などに繋がる子もいる為、自信がなくなったり、苦手意識に繋がりそうな子には、必要な経験を積ませてあげたい所です。
必要な経験とは、2つあります。
・体を動かす楽しさ
・体の動かし方を学ぶ
できることが増えて、周りの家族や先生にほめられることで、自信に繋がり自己肯定感が上がります。
運動の苦手さは、お子さんによって、困りに繋がる子とそうでない子がいます。周囲の様子に敏感だったり、本当は運動が好きなのに、できないことで運動を避けるようになり、辛い思いをする子がいます。
ネガティブな経験に繋がる前に、早い段階で「その子の発達に合った運動を楽しむ」ことが大切になります。
また「運動」というと、走る、跳ぶ、などの全身運動のイメージが浮かぶ方が多いかもしれませんが、書字、道具の操作(はさみ、お箸、ファスナー)など、手先の運動も含まれます。
運動は、大きい運動(全身を使う粗大運動)⇨小さい運動(ex.細かい動きの微細運動)になるにつれて、難しくなります。
特に小学校以降は、集団の動きが優先される為、遅れが目立ちやすいです。お子さんが困る場面も出やすい為、早めのサポートがあると安心です。
✅運動面のフォローは「へやすぽ」
運動面の発達が気になる子には、療育も選択肢になりますが、通所受給者証が必要だったり、利用までに数ヶ月~数年掛かることもあります。
「療育まではいかないけど、家でできることはやってあげたい」という方も少なくありません。
そういった背景も考えると、自宅で始めやすいオンラインの運動サポートが選択肢の1つになります。
・安心できる環境
(自宅でオンライン:緊張しやすい子向き)
・個々の発達に合わせたプログラム
(その子の発達段階をアセスメント)
・畳2畳分で実施可能
(どこでも出来る)
・楽しめる演出
(遊び感覚で楽しめる)
運動面の発達が気になる子だけでなく、グレーゾーン、発達障害のお子さんにとっても、安心して楽しく学べる要素が沢山含まれています。
詳しいサポート内容は、公式サイトをご覧ください。
療育を検討する子が「備えておきたいこと」

様々な事情で、療育に通うことが難しかったり、そこまで急いでないかな…という方に向けた内容になります。
健診や先生に指摘されたり、親御さんから見て、お子さんの発達が気になると時は、お子さん自身、特性を持っていることが少なくありません。
個人差があるものですので、生活で困らない程度の特性もあります。
ただ、学習面の困りが出る子が、一定数います。
学習面は、離席や他害と違って緊急性の高い問題に発展しづらいですが、
その分見過ごされやすく、お子さんが失敗体験に繋がりやすい注意すべき点になります。
失敗体験が続くと、自己肯定感が下がり、物事へチャレンジする意欲が失われたり、自分が嫌になり、殻に閉じこもる可能性が高まります。
そして、失敗体験が増えれば「どうせ自分にはできない」「どうせ分からない」と学習への拒否感が出てきます。
その為、早い段階で学習のフォローをしつつ、本人に合った学習方法を見つけた上で、成功体験を積み、自己肯定感を上げる機会を沢山作ることが大切になります。
学習の場合は、遅れが出れば出るほど、取り返すまでに時間と労力が必要になります。
そうなる前に、お子さんに合う学習方法を把握していきたいです。
小学3~4年生頃から、学習面で困りが表面化する子が多い為、学習で躓く前の段階で、フォローができると理想的です。
未就学の子は、小学校入学前までに「学習(ひらがな・数字・読み・書き)は嫌なものじゃない」と思えてる状態だと安心です。
小1・2は、学習姿勢の定着が大切ですので、苦手さがあったり、既に苦手意識がある場合は、成功体験が積める学習機会が確保できると良いです。
✅学習フォローには「タブレット学習」
お子さんに特性があり、取り組み・学び方に工夫が必要な場合は、心強い学習方法の1つになります。
・集中力が途切れにくいテンポ
(早すぎず、遅すぎない)
・アニメーション/音声解説
(文字やドリルでは学びにくい子向け)
・AIによる学習課題の自動抽出
(どこから勉強すべきか分からない子向け)
・ゲーム性があり、飽きない演出
(苦手意識がある子向け)
発達障害・グレーゾーンの子にとって、学習に必要な機能が豊富になります。
タブレット学習のメリット、デメリットなど、詳細を知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
“発達障害・グレーゾーン・発達ゆっくりな子” に、参考になる内容になっています。
「【療育に通う基準】3つのポイント~療育を始める方が多い4つの時期~」のまとめ

記事のポイントをまとめます 。
✅療育に通う
「3つの基準」
・子ども本人が「困ってるか」
・「客観的に見て」困ってるか
・「機会損失」になってないか
(コミュニケーション・集団参加・学習)
✅療育を始める方が多い
「5つの時期」
・3歳児健診
・就学時健診
・小学校入学後
・不登校になった時
・授業についていけなくなった時
(小学3~4年)
✅療育を検討する上で
「知っておきたいこと」
・福祉サービスと民間療育がある
・福祉サービス:料金安い、混み合ってる
・民間療育:料金高め、すぐ利用しやすい
・困りが強い方:民間と福祉サービスの併用
・急ぎ出ない方:福祉サービスとペアレントトレーニング
✅運動面の発達が気になる子が
「経験を積んでおきたいこと」
・体を動かす楽しさ
・体の動かし方を学ぶ
・本人の発達に合う運動サポート
・へやすぽ
✅療育を検討する子が
「備えておきたいこと」
・早めの学習フォロー
・学習姿勢の定着
・本人に合う学習方法の把握
・学習の失敗体験の予防
・タブレット学習
以上になります。
本記事が参考になれば幸いです。
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