不登校の子の勉強で悩まれている方「不登校の子は、勉強追いつける様になるの?追いつく為には、何をすればいいの?」
このようなお悩みに、お応えします。
☑本記事の内容
✅不登校の子が勉強で追いつく為に
「大事なこと」
✅不登校の子に必要な
「勉強法①~自宅~」
✅不登校の子に必要な
「勉強法②~塾~」
✅不登校の子の勉強で
「やってはいけないこと」
✅それでも学習が進まない時
「必要なこと」
不登校の子の親御さんは、勉強の遅れや将来の心配など、不安が尽きないものです。
「うちの子は、この先どうなっちゃうの?」という気持ちに、押しつぶされそうになりますよね。
そこで本記事では、
不登校の子が、勉強をする上での
・大切なこと
・家庭での勉強法のメリット/デメリット
・家庭外での勉強法のメリット/デメリット
をまとめました。
この記事を執筆している私は、療育・相談支援を10年以上しています。不登校の子の支援に多く携わってきました。
その経験を通して、上手くいったケースの共通点をまとめています。
本記事が、参考になれば幸いです。
不登校の子が勉強で追いつく為に「大事なこと」
不登校の子が勉強で追いつく為に「大事なこと」は、6つあります。
①:子どもの気持ちを「尊重する」
②:「生活リズム」を整える
③:「体力」をつける
④:「勉強しやすい環境」を作る
⑤:子どもからの「行動を待つ」
⑥:学習の「内容を絞る」
(本人のやりたい・取り組みやすい科目)
1つずつ、一緒に見ていきましょう。
①:子どもの気持ちを「尊重する」
言葉では簡単に聞こえますが、これが一番難しく、もっとも大切なポイントになります。
不登校には、大きく分けて3つの段階があります。
①充電する期間
(意識が自分だけに向いてる)
②外に意識が向く期間
(周囲に関心がある発言をする)
③外と繋がりをもつ期間
(習い事など)
特に、不登校になって最初の期間(①)は、お子さん自身の好きなことをやって、充電する期間が必要になります。
自分の中でエネルギーを貯めないと、社会生活に出ることは難しいです。
そのためには、本人の意思を尊重することが大切になります。
「意思の尊重」とは、本人のやりたいこと・好きなように過ごしてもらうことです。
その時間を過ごすことで、エネルギーが貯まり、外に関心が向いていきます。(ex.家で好きに過ごす⇨買い物にいくなど、外に出始める⇨学校以外の場所に通う)
注意点は、食事を一切とらなくて、体重が激減してる・自傷行為があるなど、命に影響がある行動は、医療機関に繋げる必要があります。
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②:「生活リズム」を整える
これは、昼夜逆転している子の場合になります。
勉強をする為には、ある程度、整った生活リズムが必要になります。
とは言っても、どうすればいいのか分からないですよね。
具体的な方法は、『毎日決まった起床時間に起きる』です。
寝る時間がどんなに遅くても、起きる時間だけを合わせる様にします。よく「寝る時間を早くする」方法がありますが、これはなかなか難しいです。
というのも、夜(夜中)は静かで、誰の邪魔も入りません。ゲームや動画など、誘惑がたくさんあります。
少なくとも、私の今までの経験上では、上手くいった子は、ほとんどいません。
そのため、起きる時間を合わせる方が、成功する確率が高いです。
最初は日中が眠いこともあると思います。個人差がありますが、一定期間乗り切ることで、少しずつリズムができてきます。
強制ではなく、本人の意思が必要になりますが、効果が出やすい方法になります。
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③:「体力」をつける
不登校の子は、体力が落ちていることがあります。
それは、そうですよね。家庭で過ごす時間が長ければ、誰でも体力は落ちてきます。
勉強も体力が必要になります。そのため、散歩や買い物など、少しずつ体を動かす機会があると良いです。
④:「勉強しやすい環境」を作る
勉強するには、「勉強しやすい環境」が大切になります。
具体的には、下記のようなイメージです。
・机が “きれいな状態”
・気になるモノが “視界に入らない状態”
・勉強に必要な物が “すぐ取り出せる状態”
『勉強がすぐ始められる』、『勉強の障害になるものがない(ex.ゲームや漫画)』状態を作ることが、大切になります。
⑤:子どもからの「行動を待つ」
これは、多くの親御さんが難しく感じる部分になると思います。
つい大人は「○○してみたら?」「○○だけやってみない?」と、求めたくなります(お気持ちは分かります…)。
ただ、これは不登校の子には、逆効果になる場合が多いです。
不登校の子は、自分の状況が分かっていることが多いです。
「登校しなきゃいけないのは分かってるのに、行けない自分が嫌」「周りに迷惑をかけている」と、自分を責めていることがあります。
こう思っている子に対して、大人から求める言葉は、辛い言葉になってしまいます。
あくまで、お子さんから「○○やってみようかな」といった発言・実際に行動に移すのを待つことが、大切になります。
といっても「ずっと待つのは、不安でしょうがない…」と思われる方も、多いと思います。
そこで、すぐできる1つの方法として、“本人が興味を持ちそうなもの” を日常生活に入れることです。
例えば、
・家族間の会話で出す
・近くでTVや動画を見てる
・テーブルにチラシを置いとく
などです。
“本人に直接求める”ではなく、”本人に知ってもらう” を、目的にすることがポイントになります。
エネルギーが充電され、外に目が向けられるようになった時に、「この前家族が話してた○○やってみようかな」と、キッカケになる可能性があります。
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⑥:学習の「内容を絞る」(本人のやりたい・取り組みやすい科目)
勉強の始めたては、本人の意欲を高めることが重要です。
「勉強したけど、意味なかった。もうやりたくない」と思われたら、勉強するハードルは上がってしまいます。
本人が『できた!これならできそう』と思える機会を作ることが、大切です。
そのために、下記が必要になります。
・本人のやりたい科目
・取り組みやすい科目
・やってもいい科目
お子さんに聞いてみましょう。
不登校の子に必要な「勉強法①~自宅~」
不登校の子に必要な「勉強法①~自宅~」は、6ステップあります。
ここの方法は、勉強しない・モチベーションが低いお子さんを想定した内容になります。
お子さんによって、必要なステップは変わりますので、該当するステップをご覧ください。
①:「目的」を決める
②:「目的に関わる科目」を選ぶ
③:「1日の目標」を決める
④:「定期試験/入試によく出る範囲」を対策
⑤:「細かく・具体的」にほめる
⑥:成果を「視覚化」する
1つずつ、一緒に見ていきましょう。
①:「目的」を決める
勉強を始める前に、お子さんにとっての『勉強する目的』を確認しましょう。
「え?目的って?」と、思われた方もいるかもしれませんね。
実は、不登校で勉強にモチベーションがないお子さんの場合は、これが重要になります。
お子さんの「将来やりたいこと・興味あるもの」から、今できることを結びつける方法(動機づけ)になります。
例えば、「有名なYouTuberになりたい!」というお子さんの場合、
①YouTuberになる為には、何ができないといけない?→②要点をまとめるスキル→③今やっていることの何に繋がる?→④国語の要約の文章題を解く。
「YouTuberになる為には、伝えたいこと(情報)を要約する必要があるから、国語の文章題を要約する問題が解けると、 YouTuber の動画編集で役に立つね!」
の様に、伝えるイメージです。
今の勉強が、『自分のなりたいもの・やりたいこと』に、どう繋がっているのか?を、具体的に一緒に確認できると、上手くいきやすいです。
お子さんの勉強する納得感・必要性が上がり、勉強に取り組め、少しずつ習慣化されてきます。
②:「目的に関わる科目」を選ぶ
お子さんと勉強する目的が確認できたら、”その目的に関わる科目” を選びましょう(お子さんに選んでもらう)。
先ほどの例ですと、要約する為には国語が必要、ということで、国語を選んでもらうイメージになります。
③:「1日の目標」を決める
目的・勉強する科目が決まったら、1日の目標を決めます。
ここで注意点は、よくある「時間を決める」です。勉強は成果(課題数など)を目標にした方が良いです。
時間ですと、「時間の経過まで適当に過ごす(勉強せずに)」になりがちで、本末転倒になる場合が多いです。
そのため、「○問解く」「○までの単元を覚える」の様な、具体的な目標や数字で判断ができる目標がお勧めになります。
④:「定期試験/入試によく出る範囲」を対策
当たり前ですが、学習するなら、なるべく試験に出る問題が良いですよね。
勉強する科目の中で、特に試験に出やすい問題から始めるのが効果的になります。
点数という見て分かる成果になれば、勉強のモチベーションにも繋がりやすい為です。
【合わせて読みたい記事】
【不登校の中学生】定期テストは受けるべき?高校受験への影響と対策
⑤:「細かく・具体的」にほめる
お子さんが勉強したことに対して、『細かく・具体的に』ほめます。
勉強することで、ほめてもらえたり、認めてもらうことは、モチベーションになります。
ほめる時は、勉強が終わった結果だけでなく「○問解けた」の様に、過程を細かくほめる方が効果的です。
勉強のモチベーションが低い子ほど、細かくほめるのが良いです。
また、ほめ方ですが、「勉強頑張ったね」よりも、
『○問まで解けたね、すごい!』『○時までに、プリント3枚終わったね』など、具体的にほめた方が、お子さんは嬉しいです。
例えば、「ご飯美味しかったよ」と言われるより、「お味噌汁の具、味が染み込んでて、美味しかった」の方が、嬉しいですよね。
これと、同じイメージになります。
✍「ほめられるのが好きじゃない子」の場合
ほめられることがあまり好きじゃない子、思春期の子の場合ですと、ほめることが逆効果になることが多いです。
そのときは、大人が「見たまま・感じたコトをそのまま言葉にして伝える」方法があります。
例えば、「○問まで自分で解けたんだね。この問題難しかったのに」「○時までに勉強終わったね」の様なイメージです。
声掛け自体を嫌がる子には、無理に伝えなくても大丈夫です。
⑥:成果を「視覚化」する
お子さんが解いてきた問題数・進んだ単元・点数などを、可視化する方法になります。
結果を可視化した方が、自己効力感(できてる実感)がわきます。つまり、次の勉強のモチベーションに繋げる効果があります。
例えば、ダイエットする時に「体重がどれだけ減ったか」を成果として、計っていきますよね。
逆に、体重を測らないままダイエットするのは、ほとんどの方には、モチベーションにはならないと思います。
このように、日々の成果を記録で残し、あとから振り返った時に、
「1ヶ月前はこんな問題をやってたんだなぁ」と自己成長を実感できたり、今の自分の頑張りをほめられたり、自信に繋がりやすくなります。
個人的にも、オススメの方法になります。
不登校の子に必要な「勉強法②~塾~」
不登校の子に必要な「勉強法②~塾~」は、4つあります。
それぞれのメリット・デメリットを、見ていきたいと思います。
①:個別の学習塾
②:集団の学習塾
③:家庭教師
④:タブレット学習
1つずつ、一緒に見ていきましょう。
①:個別の学習塾
メリット
お子さんのペースに、比較的合わせて指導が受けられます。また集団の塾と違って、お子さんが教われる時間が、長く確保できます。
質問できるタイミングも多いので、疑問点も比較的すぐに解消できて、効率的に進めることができます。
デメリット
先生との相性・スキルによって、だいぶ変わる点です。良い先生が見つかれば良いですが、なかなか見つからず、苦労される方も少なくありません。
また、見つかったとしても、先生が異動・退職となれば、途中で変わってしまうことがあります。
集団指導と違って、費用面が高い点もデメリットになります。
おすすめな子のタイプ
・授業についてくのが難しい子
・集団への抵抗感がある子
②:集団の学習塾
メリット
他の子と一緒に勉強することで、危機意識や自分事として、頑張りやすい点があります。
また友達と繋がることで、競い合ったり、教え合ったり、モチベーションになることがあります。
個別塾と違い、費用が抑えられる点があります。
デメリット
集団指導は、カリキュラムが決まっています。
カリキュラムがお子さんに合っていないと、理解が追いつかない場合があります。
私が支援している子の親御さんの中にも、途中で合わないと感じて、個別に切り替えられる方が、多くいらっしゃいます。
おすすめな子のタイプ
・友達がいた方が、頑張れる子
・集団授業でも、理解できる子
③:家庭教師
メリット
お子さんに合わせた指導ができる先生なら、一番成果が出やすいです。お子さんと相性が良く、丁寧に教えてくれる先生なら一番です。
また最近は、発達障害の子にも指導できる家庭教師も増えていますので、色んなタイプの子への指導ができる先生がいます。
デメリット
条件の合う先生が見つかりづらい点があります。先生のスキル、お子さんとの相性よっても、だいぶ変わる為になります。
個別の塾と同じですが、先生が退職となり途中で変わる可能性があります。また個別の塾よりも、費用が高い点もあります。
おすすめな子のタイプ
・相性の善し悪しがハッキリしてる子
・個別塾が合わなかった子
(2箇所以上試した上で)
④:タブレット学習
メリット
完全不登校の子でも、一人で自宅で勉強できます。また、親御さんが日中、仕事に出ることもできます。
また、学習の内容・データ管理など、お子さんに必要な学習が効率的にできます。
デメリット
参考書やドリルでの学習より、費用がかかる点と、
本人や家族間で、勉強のモチベーションを作っていく必要がある点になります。
発達障害・グレーゾーン・不登校など、配慮が必要な子向けに、タブレット学習について、下記にまとめています。
興味のある方は、下の記事をご覧ください。
おすすめな子のタイプ
・人と関わることを嫌がる子
・方法が分かれば、自立して学習ができる子
不登校の子の勉強で「やってはいけないこと」
不登校の子の勉強で「やってはいけないこと」は、3つあります。
①:不登校を「責める」
(登校を求める)
②:大人が「勝手に決める」
③:「学習が作業」になる
①:不登校を「責める」(登校を求める)
「みんな今の時間は、学校で勉強してるよ」
「このままだと授業に追いつけなくなるよ」
このような、不登校であることを責めるような言動は、避ける必要があります。
不登校の子は、「頭では分かってるけど出来ない、自分は何をやってもダメなんだ」と、自分を責めていることが多いです。
そこに、追い打ちをかけるような言葉は、逆効果になります。勉強どころか、自分の殻に閉じこもる様になります。
②:大人が「勝手に決める」
「○○をやっておきなさい」
「○○でいいよね?」
など、子どもを意思を軽く扱う言葉にも、注意が必要になります。
本人の意思がなければ、継続はできないので、良い結果には繋がりません。
むしろ「勝手に決められた」「本当は嫌なのに」と不満がたまり、のちに不満が爆発することになりかねません。
親としての「少しでもできることを」「少しでも早く」という気持ちは、私も親なので、とても分かります。
ただ、本人の意思を確認しないまま決めていくことで、上手くいったケースを、今まで私は見たことがありません。
それほど影響力のある、大切なことだと思います。
③:「学習が作業」になる
・適当に解いた
・時間だけ過ごした
・とりあえず形だけやった
など、学習が作業になっている場合は、注意が必要になります。
解けるようになった問題が増えているのか?テストの点数が上がっているのか?など、
数字を見て、学習の効果を見ていく必要があります。
成果が数字で出ていれば、形だけの作業になっていないことが、確認できます。
「【不登校の子は勉強追いつくの?】学習支援でも実践してる6つの勉強法」のまとめ
記事のポイントになります。
✅勉強で追いつく為に大事なこと
・子どもの気持ちを尊重する
・生活リズムを整える
・体力をつける
・勉強しやすい環境を作る
・子どもからの行動を待つ
・学習の内容を絞る
(本人のやりたい・取り組みやすい科目)
✅勉強法①~自宅~
・目的を決める
・目的に関わる科目を選ぶ
・1日の目標/学習時間を決める
・定期試験/入試によく出る範囲を対策
・細かく・具体的にほめる
・成果を「視覚化する
✅勉強法②~塾~
・個別の学習塾
・集団の学習塾
・家庭教師
・タブレット学習
以上になります。
本記事が参考になれば、幸いです。
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