療育

【保育園に療育を勧められたら】やるべきこと・注意点・事例を元に解説

投稿日:2021年6月30日 更新日:

園に療育を勧められ悩まれてる方「保育園に療育を勧められたけど、受けるべき?うちの子は早生まれなだけだと思うけど、専門機関に相談した方がいい?やるべきことが知りたい」

このようなお悩みに、お応えします。

☑本記事の内容



療育が勧められる
 「パターン」

療育を勧められた時に
 「やるべきこと」

療育を勧められた
 「事例」

療育を勧められた子に
 「必要なもの」



通っている保育・幼稚園の先生に、療育を勧められると、正直受け入れたくない気持ちと、

一方でプロの先生から見て、我が子は、他の子と違って見えてるんだ…とショックを受ける方も、いらっしゃると思います。

私自身の息子も、保育園の先生に何度も検査を勧められ(すぐ検査を受けようとは思わなかったので…)、

結果的に療育に通ったのですが、それまで色んな出来事を通して、何度も傷ついてきました。

この記事の執筆者の私は、療育指導を10年以上していて、発達障害・グレーゾーンのお子さん・親御さんの支援をしてきました。

私自身の育児・支援経験を元に、「園に療育を勧められた時にやるべきこと・注意点・事例」をまとめました。

お子さんに療育を受けさせるべきか、迷われている方の参考になると思います。

※本記事は、健診(3歳児/就学)で療育を勧められた方にも、参考になる内容になります

療育が勧められる「パターン」

保育・幼稚園に、療育を勧められる「パターン」は、大きく2つあります。



①:子どもの「発達がゆっくり」なとき

②:園の集団生活に「支障が出ている」とき


①:子どもの「発達がゆっくり」なとき

お子さんの発達が他の子と比べて、明らかにゆっくりなときです。

一番多いのは「言葉の遅れ」。

例えば、2歳過ぎる頃には、2語文が出るのが一般的な発達ですが、同じ年齢になっても喃語しか出ない場合などです。

言葉は…

・発達が把握しやすい
・生活に影響が出やすい


という点から、療育を勧められる “キッカケ” になりやすいです。

私自身も、息子の「言葉の発達」がキッカケで、先生に療育を勧められました。

「もう少し様子を見ていたい」
「すぐに相談した方がいいかも」


と、葛藤してる時期は、本当に辛かったです。

【合わせて読みたい記事】

【発達相談員がおすすめ】発語を促す絵本・読み聞かせの3つのコツ

②:園の集団生活に「支障が出ている」とき

よくある “集団生活に支障が出る行動” とは…

・離席する
・他害(手を出す)

・きりかえが難しい
・部屋からの飛び出し
・癇癪(先生が1人必要なレベル)


このような行動は、園としても集団生活をする上で困る為、

『療育を勧められるキッカケ』に、なりやすいです。

園によっては、「早く専門の人に見てもらって下さい」と、冷たく言われてしまう場合もあります。

✅「伝えない方針」の園もある

明らかに発達がゆっくりでも、園によっては発達に関することは一切伝えない場合があります。

大きな理由は、2つあります。

・「責任」がとれない
・保護者との「トラブル回避」



ここは園長や経営者の考え方によって、大きく変わる部分になります。

私の保育士の知人が働いてる園でも、実際に「発達に関することは伝えない」方針でした。

ここで伝えたいことは、『園に言われないから大丈夫とは限らない』ということです。

もしお子さんの発達が気になる場合は、親御さんから聞いてみるのも、1つだと思います。

先生によっては、個人的に気になる部分を、教えてもらえる場合があります。

療育を勧められた時に「やるべきこと」

療育を勧められるときに、「やるべきこと」は、2つあります。



①:「子どもの言動」を具体的に聞く

②:「相談窓口」に連絡する


①:「子どもの言動」を具体的に聞く

園の先生が気になったのは、

子どもの “どの言動か”

ここを具体的に聞くことが、大切になります。

というのも、相談窓口にいったときに、必ず聞かれますし、

支援の必要性は、お子さんの具体的に困る言動によって、判断されることが多いです。

親御さんも具体的な場面で聞かないと、本当にそうなのか、納得しづらいと思います。

そういう意味でも、「具体的な言動で聞く」は、とても大切になります。

と言っても、イメージが湧きづらい方も、いらっしゃると思いますので、ここで具体例を2つ見ていきたいと思います。

・工作の時間に
『離席して活動の参加が難しい』

・自由遊びの時間に
『友達のオモチャが欲しくて噛みつく

このようなイメージになります。

可能でしたら、「1日3回はある」などの頻度も把握できると、

『生活への影響度』が分かるので、更に良いと思います(頻度が多い程、困り度は高いです)。

②:「相談窓口」に連絡する

具体的な情報が聞けたら、その情報を元に、窓口に相談をしてみるのが良いでしょう。

相談先は『お住まいの障害福祉課』になります。

「○○市 障害福祉課」で検索すると、窓口がわかりますので、電話で予約がとれます。

ただし、かなり混み合っているので、数ヶ月待ちも珍しくありません。時間がかかることを念頭に、進めていきましょう。

【合わせて読みたい記事】

【通所受給者証のデメリット】3つの注意点・メリット・申請方法

✅療育の必要性は、『発達障害の有無』ではない

療育の目的は、「定型発達の子に追いつく」為ではなく『その子が自分らしく、過ごしやすくなる為』です。

お子さんが
“今の生活で困っていたり” 、

客観的に見て、
“今後困る可能性がある” 場合は、

療育の必要性が出てきます。

とは言っても、”困り” は、なかなかイメージしづらいですよね。

具体的にどんな”困り” があるのか、

私が支援してきて特に多かった典型的な事例を、下の記事にまとめています。

事例が把握できると、今後の見通し・準備に備えることができると思います。

【関連記事】

【療育の後悔】受けないと、子どもの将来にどんな可能性が?事例を元に解説

✅親の「新しい働き方」が必要になる場合も

療育は空き状況によっては、平日の午前・日中などしか、利用ができない場合もあります。

状況によっては、親御さんが毎月仕事の調整をしたり、雇用形態をパートに切り替えないと、通えない場合もあります。

療育を勧められた「事例」

私が支援してきた中で実際に、療育を勧められた「事例」を紹介したいと思います。

特に、”共通点が多かった事例” を中心にまとめています。

療育を「勧められた」事例

“喃語だけ出る” 2歳児さん👦


入園したのは1歳のとき。当初は親も気にしていませんでした。

母親が言葉の言葉1歳半児健診では、言葉の遅れがあったものの、

「これから成長するのでしばらく様子を見ましょう」ということで、過ごされてきました


ただ2歳を過ぎても、単語が出ることもなく、喃語が中心でした。

周りの子は2語文で話し出す子も出てきて、他の子との言葉の発達の違いが、はっきりしてきました。


ある日の保育園の先生との面談で、「言葉の発達について一度、専門の方に見てもらえると、良いと思います」と勧められました。

母親はすぐに、福祉課へ相談しにいきました。幸い、療育機関での診察を受けることは出来たのですが、

「3歳児健診まで様子を見ましょう」と、支援には繋がりませんでした。


そこで民間の療育の利用し、初めて療育を勧められて3ヶ月後には、言葉の療育に繋がることができました。


“きりかえが苦手” な3歳児さん👧


好奇心旺盛で、興味のあるものだったら1時間でも遊べてしまう3歳の女の子。


ただ保育園では、園庭遊びから室内に移動するタイミングで、

遊具での遊びがやめられず、切り替えが難しいことが、毎日ありました。

安全面から、園の先生が一人付きっきりになる必要もあった為、集団生活にも影響が出ていました。


帰園時のお子さんの受け渡しのときに、切り替えの練習ができるような教室に通うことを、園の先生に勧められました。

ただ親御さんはすぐには療育は受けず、様子を見ることにしました。

結局年中になり、新しい環境でも切り替えが難しく、親御さんも支援の必要性を感じ、集団療育を始めることになりました。

支援に繋がる1年ほどは、園の補助の先生が安全面に配慮しながら、個別で関わっていました。


“手が出る” 年少さん👦


知的や言葉の遅れがない、年少の男の子。


ただ自由遊びのときに、自分が使いたいオモチャをお友達が使っていると、

突き飛ばしてオモチャをとろうとする行動が、頻発していました。


1日に何回もあり、同年代・年下の子中心に他害があり、危ない場面も見られました。


ある日お友達で、痣ができてしまった子がいて、先生から「専門家ではないので、どうしたらいいのか分かりません。

一度専門の機関に相談に行っていただけますか?方法が分かれば、

園でもできる範囲でやりたいので教えてください」と、お話がありました。

療育を進めるために窓口へ相談し、週1回の個別指導+ペアレントトレーニングを受けることが、決まりました。


他害を止める方法より、他害以外の伝える手段を身につける為のお子さんへの指導と、

親御さんへのペアレントトレーニングで、一時期より、他害が減ることができました。

園が協力的だったため、「他害が出づららくなる事前の声掛け」と「他害が出たときの落ち着く接し方」を実践して下さり、

親御さん、園、療育先で連携をすることで、療育を勧められて8ヶ月ほどで、落ち着くことができました。


【関連記事】

【療育のデメリット】3つの注意点・メリット・心構え・療育の選び方

“集団参加が苦手” な年中さん👧


集団活動で興味のない内容だと、離席をしたり、自分の好きなことをしようとする年中の女の子。

何かを作ることが大好きで、すごい集中力を発揮する反面、“大好きな工作以外” の活動の時間は、参加をすることが難しい状態でした


他害はなかった為、園の部屋で本人の好きなことをして過ごせていました。

ただ園側が、就学にあたっての不安を感じたため、親御さんに就学に向けたサポートが必要かもしれないことを伝えました。


親御さんは、学年が変われば意識も変わると思い、様子を見ることにしました。

ただ年長になって、先生やクラスが変わっても変化は見られず、最終的には区の相談窓口へ相談に行かれました。

ただ区の療育(福祉サービス)は、年長さんからでは入れず、就学準備の民間療育を、受けることになりました。


“説明が苦手” な年長さん👦


一見、何の変わりもない年長の男の子。


ただ、説明が苦手で、家族に園の出来事を話したり、友達と共通の話題を話したり、

トラブルがあったときに、先生に説明をすることが難しい場面が、多々ありました。


家族は丁寧に1つずつ質問をすることで、何となく言いたいことを察せるのですが、

園の先生・友達は難しく、自分の伝えたいことが伝わらないことがありました。

園の先生から「コミュニケーションがもう少し取れると、本人が過ごしやすいかもしれません」

とお話があり、療育を勧められました。

結果、親御さんは今の生活で困っていないので大丈夫と判断し、療育は受けませんでした。就学時健診も指摘なく、就学をしました。

ただ、小学生になり、最初は通えていたのですが、GW明けから行き渋りが出てきて、学校を不定期で、休むようになりました。

そこから親御さんが療育の必要性を感じ、窓口へ相談のため、支援に繋がることになりました。


【合わせて読みたい記事】

【療育で追いついた?】療育で成果が出るポイント、成功・失敗事例

「【保育園に療育を勧められたら】やるべきこと・注意点・事例を元に解説」のまとめ

記事のポイントをまとめます。



療育が勧められる「パターン」
・子どもの「発達がゆっくり」なとき
・園の集団生活に「支障が出ている」とき

療育を勧められた時「やるべきこと」
・「子どもの言動」を具体的に聞く
・相談窓口に連絡する

✅療育を勧められた「事例」
・”喃語だけ出る” 2歳児さん
・”きりかえが苦手” な3歳児さん
・”他害で出る” 年少さん
・”集団参加が苦手” な年中さん
・”説明が苦手” な年長さん


以上になります。

本記事が、参考になれば幸いです。

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