学級・進路

【発達障害の子と担任が合わない時】3つの大切なポイント・対処法とは

投稿日:2023年3月23日 更新日:

担任の先生で悩まれてる方「担任の先生が発達障害への理解がない。子どもと担任が合わなくて困ってる」

このようなお悩みに、お応えします。

本記事の内容



発達障害の子と
「担任が合わない原因」

担任と合わない時に
「大切なこと」

担任と合わない時の
「対処法」

担任の理解が得られない時に
 「備えておきたいこと」


お子さんにとって担任の先生は、学校の過ごしやすさを左右する大きな存在です。

特に、発達障害の特性を持つ子でしたら、理解と配慮が必要になる為、より影響は大きいものです。

ただ現実には、発達障害への理解がなかったり、先生自身のやり方を崩さず、お子さんが辛い思いをしてるケースは少なくありません。

そこで本記事では「発達障害(グレーゾーン含む)の子と担任の先生が合わない時に大切なこと・対処法」を紹介したいと思います。

私は、療育支援を10年以上しており、発達障害の子と親御さんの支援に携わってきました。その中では、担任に関するご相談も多く受けてきました。

その支援経験を元に、どのお子さんにも共通する大切な点をまとめています。

本記事が参考になれば、幸いです。

発達障害の子と「担任が合わない原因」

発達障害の子と「担任が合わない原因」は、主に2つになります。



①:子どもの「特性への理解」がない

②:「先生自身のやり方」を押し通す


1つずつ見ていきましょう。

①:子どもの「特性への理解」がない

個人的には、この理由が最も多いと感じています。

「発達障害」「特性」という概念があまりなく、

「努力不足です」「本人の甘えです」「一人だけ特別扱いはできません」と発言される先生になります。

「みんな同じ」「公平」という考えが強く、精神論でお子さんに関わるので、本人が辛い思いをしてしまいます。

②:「先生自身のやり方」を押し通す

特に、ベテランの先生に多いです。

先生自身が経験もあり、自身のスタイルが固まっている分、柔軟に対応を変えることが難しいことがあります。

発達障害や特性など、多少の知識があっても、自身の指導が正しいという気持ちが強く、結果として配慮が得られないことが多いです。

担任と合わない時に「大切なこと」

担任と合わない時に「大切なこと」は、3つになります。



①:担任との「関係性の悪化」は避ける

②:担任の「考え」を聞く

③:お願いより「相談」する


1つずつ見ていきましょう。

①:担任との「関係性の悪化」は避ける

担任の先生との対立を避けることが大切になります。

お子さんに理解のない関わりをすることは、親として許しがたいことです。

ただ、担任との関係性が悪くなれば、クラスで過ごす本人が、より辛い思いをする可能性が高まります。

その点を考えると、少なくとも関係性の悪化は避けたいところです。

関係性が悪くなれば、クラスの環境を今より良くすることは、かなり厳しくなります。

②:担任の「考え」を聞く

担任の先生も感情ある人間です。一方的に話をされるより、まず話を聞いてもらう方が、協力が得やすくなります。

担任の先生の考えや何を感じてるのかなど、最初に聞いておけると、その後の話の方向性が定まってきます。

ここは、担任の先生がお子さんの様子をどう捉えているのかによって、変わってきます。

主に下の3パターンになります。

「問題ない」
(問題の共通認識をもつ段階)

「問題はあるけど、対処法が分からない」

(方法を伝えれば、変わる可能性あり)

「問題があるから、クラスでは見れない」
(協力を得るのが難しい)

③:お願いより「相談」する

親御さんのスタンスは、「相談」ベースであることが大切になります。

お願いしたい気持ちはとても分かります。我が子が困っているのですから。

ただ、一方的に要望を言うことで、受け入れてもらえない可能性が高まります。

関係性ができていて、理解ある先生でしたら、要望から話しても大丈夫です。そうでない限りは、相談して一緒に決めていくことが大切になります。

先生の心情としても、相談される方が、力になりたい気持ちが湧きやすくなります。

具体的には、

「○○のことで相談したいのですが、いかがでしょうか」

「○○があると、子どもが参加しやすいと思うのですが、クラスでは可能でしょうか」

このように、最初に相談したい意思を伝えることで、その後のお話が円滑になりやすいです。

担任と合わない時の「対処法」

担任と合わない時の「対処法」は、大きく3つになります。



①:「子どもを知ってもらう機会」を作る
 (原因①:特性理解がない)

②:「具体的な関わり方」を伝える
 (原因②:関わりが合ってない)

③:管理職orスクールカウンセラーに相談
 (原因③:配慮するスタンスがない)


①:「子どもを知ってもらう機会」を作る(原因①:特性理解がない)

先生と個別でお話する時間を作り、お子さんの特性について伝えます。

口頭で説明したり、書面(ex.検査結果や療育の支援計画)を渡すのも1つになります。

書面は、説得力も増すため、先生の意識を変えるキッカケになりやすいです(学校によっては、配慮するには、検査結果が必要という場合もあります)

書面を渡す時の注意点は、情報量です。

情報量が多いと、熱心な先生でない限り、全てに目を通すのは難しいかもしれません。読めたとしても、内容が頭に入る先生は限られています。

そのため、押さえておきたいポイントだけ、マーカーで色をつけたり、要点だけ付箋で貼っておく方法がおすすめです。

まずは、お子さんの特性について、知ってもらう所から始めていきます。

②:子どもに合う「具体的な関わり方」を伝える(原因①:特性理解がない)

お子さんに必要な関わり(配慮)は、具体的に伝えられると、先生も実践しやすくなります。


例えば、下のようなイメージになります。

「丁寧に指示を出して下さい」
「○○を引き出しにしまって。教科書○ページ開いて(1つずつ指示を出す)」

「集中して」
⇨「○○の問題を見て(先生が見てほしい問題を実際に指差す)」

先生が行動しやすいように、具体的な表現にすることがポイントになります。

✍「担任のメリット」で伝える

新たな関わり(配慮)をすることは、先生によっては、前向きじゃない場合もあります。

「わざわざやる意味あるのかな」「手間がかかるな」と思う先生も少なくありません。

このような先生の気持ちを考えると、“先生のメリット” で伝えられると、協力が得られる可能性が高まります。

具体的には、

「先生の目の前に席を移動して頂けると、指示が通りやすくなって、先生も個別で声掛けの頻度が減ると思います。先生も授業が進めやすくなるので、クラス全体にとっても良いのではと思いました」

のようなイメージになります。

簡単ではありませんが、先生のタイプに合わせて伝えることで、協力が得やすくなります。

③:管理職orスクールカウンセラーに相談する(原因②:「先生自身のやり方」を押し通す)

親御さんがどんなに工夫をしても、担任の先生とのやりとりが、難しい場合もあります。

そんな時は、スクールカウンセラー(SC)や学校の管理職(ex.校長、副校長、教頭)に、繋がることをお勧めします。

スクールカウンセラーは、学校と親御さんの間に立つ先生(中立に近い)になります。

学校に非常勤として週数日配置されていることが多いです。面談を申し込み、個別でお話することができます。

担任の先生に話が通らないことは、管理職の先生を通すのも1つです。個別で面談の相談をし、担任の先生との難しさをそのまま相談するのが良いと思います。

ご両親で参加が可能な場合は、ご両親の方が良い場合もあります。学校側にも本気度が伝わりやすくなります(勿論、対立はNGですが…)

担任の理解が得られない時に「備えておきたいこと」

本記事で紹介させていただいた対処法を実践しても、どうしても担任の理解が得られない時はあります。

学校を変えるか、年度終わりで先生が変わるまで、耐えざる得ない場合も多いです。

ただその間も、お子さんが困る場面はいくつもあります。その代表的な困りの1つが学習面になります。

授業中、席には座っているけど、ボーっとしていたり、内容の理解はしていなかったりと、時間が立つほど、学習の遅れが大きくなってきます。

担任に理解がないことで、学習以前に授業参加や取り組む段階でつまづく子は、沢山います。

担任自身に変化が期待できない場合は、“環境が変わる(担任の変更)までにできる準備” をしておくことが大切になります。

学習が、一度大きく遅れてしまうと、取り戻すのに時間がかかったり、勉強が嫌になり自己肯定感が下がりやすくなります。

そうなると、学習の遅れを取り戻すのは、かなり大変になります。

そんな学習の困りが出始めている(出そう)という子には、早めの学習フォローが必要になります。

✍学習の遅れは「タブレット学習」で対策

学習の対策の1つとして「タブレット学習」があります。

家庭内で自分のタイミングで取り組め、課題の自動抽出・アニメーション解説など、発達障害の特性を前提にした機能が、豊富です。

メリット・デメリットなど、タブレット学習の詳しい内容は、下の記事にまとめています。

お子さんの学習フォローの選択肢として、情報を集めたい方にも参考になると思います。

【療育支援員がおすすめ】発達障害の子に良いタブレット学習とは?4つの条件・理由・注意点

「【発達障害の子と担任が合わない時】3つの大切なポイント・対処法」のまとめ

記事のポイントをまとめます。



✅発達障害の子と
「担任が合わない原因」

・子どもの特性への理解がない
・先生自身のやり方を押し通す

担任と合わない時に
「大切なこと」

・担任との関係性の悪化は避ける
・担任の考えを聞く
・お願いより相談する

担任と合わない時の
「対処法」
・子どもを知ってもらう機会を作る
・具体的な関わり方で伝える
・先生のメリットで伝える
・管理職orスクールカウンセラーに相談
・理解しない先生は一定数いる

担任の理解が得られない時に
 「備えておきたいこと」

・早めの学習フォロー
・タブレット学習


以上になります。

本記事が、お役に立てば幸いです。

【関連記事】

【通級は恥ずかしい?】通級のメリット・デメリット・通う基準

-学級・進路

執筆者:


  1. […] 【発達障害の子と担任が合わない時】3つの大切なポイント・対処法 […]

comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

関連記事

【特別支援学級の担任】専門性がない人もいるって本当?実情を徹底解説!

特別支援学級の担任について知りたい方「特別支援級の担任ってどんな人?今、普通学級か支援学級に行くべきかで迷ってる。通っている支援学級の担任とのやりとりで不安を感じてる」 このようなお悩みにお応えします …

【子どもに「特別支援学級」って何?と聞かれたら】説明の仕方と注意点を紹介します

特別支援学級の子どもへの説明の仕方について知りたい方「特別支援学級について、子どもにどう説明すればいい?良い伝え方が知りたい」 このようなお悩みに、お応えします。 ☑本記事の内容 &#x …

【ADHD/グレーゾーンの子供】幼稚園選びの4つのポイント※注意点あり

発達が気になる子の幼稚園選びで、悩まれている方「うちの子に合う幼稚園ってあるの?どう選べばいいの?子どもに合う幼稚園の選び方が知りたい」 このような疑問にお答えします。 ☑本記事の内容 …

【通級は恥ずかしい?】通級のメリット・デメリット・通う基準について

子どもの学級で悩まれてる方「通級に通うのは、恥ずかしいこと?通わせるべきか迷ってる。通う基準・実際に通った子の事例を教えてほしい」 このようなお悩みに、お応えします。 ☑本記事の内容 & …

【どんな基準で判定される?】通級を徹底解説!通う時の3つの目安・注意点とは

通級(判定など)について知りたい方「通級ってどんな基準で判定されるの?うちの子が判定されるのか知りたい。通級が必要な目安、注意点も知りたい」 このようなお悩みにお応えします。 ☑本記事の …

サイト作成者プロフィール

Image

発達障害/グレーゾーン/場面緘黙/不登校のお子さんとご家族の支援を、日々行っております。◇療育指導員◇相談支援員◇発達支援10年◇ブログ【週2回更新】◇twitter【毎日発信】◇長男が療育通所中◇

2023/05/20

【発達障害の子向け】ビーズクッション4選!使用時の5つのポイントも紹介

2023/05/16

【療育支援員が紹介】ADHDの子におすすめクッション5選!効果的な使い方も解説

2023/05/11

【療育支援員が紹介】不登校の子にオススメな習い事。4つの選ぶポイント・注意点とは

2023/03/23

【発達障害の子と担任が合わない時】3つの大切なポイント・対処法とは

2023/03/06

【小学校で支援学級を勧められた時】学級選びの3つのポイント・事例紹介

2023/02/22

【通級は恥ずかしい?】通級のメリット・デメリット・通う基準について

2023/02/16

【不登校の中学生】一日のスケジュールとは?時間管理で大切な4つのポイント

2023/01/30

【別室登校は、いつまでするもの?】大切な7つのポイントを解説します

2023/01/26

【支援員が解説】不登校の中学生の4つの自宅学習・始め方の4つのポイント

2022/10/18

【自閉症の子におすすめ】感覚刺激グッズ13選!療育支援員が紹介します

2022/10/12

【発達障害の子向け】噛み癖に役立つグッズ5選!支援員が使う時のポイントを解説

2022/06/16

【療育支援員が紹介】自閉症の子が落ち着くグッズ20選!落ち着かせるポイントも解説

2022/04/12

【発達支援員が解説】週何回?療育の頻度と期間とは。目的と通い方で変わる

2022/04/06

【宿題でいつも癇癪…】発達障害の子がスムーズにできる6つの対処法

2022/03/16

【療育支援員が解説】発達障害の子におすすめな習い事。ジャンル別に選び方~注意点まで

2022/01/27

【不登校の子は勉強追いつくの?】学習支援でも実践してる6つの勉強法

2022/01/12

【2023年 支援員がおすすめ】発達障害の子向けタブレット学習とは?4つの条件・理由・注意点

2021/12/16

【療育支援員が解説】すららの発達障害の子の評判は?オススメな子の特徴・理由・注意点

2021/10/22

【療育で追いついた?】療育で成果が出るポイント、成功・失敗事例を紹介

2021/10/21

【支援級勧められたけど普通級に行った!】学級選びで大切な3つのポイント

2021/10/18

【支援学級に偏見はある?】教育・療育の現場から見られる”実態”とは

2021/10/15

【支援学級にいじめはある?】100名以上の子から見える”現状”とは

2021/10/12

【特別支援学級から普通学級】デメリットはある?判断する基準を説明します

2021/07/27

【不安が強い子供】今日から始められる!2つの原因と8つの対処法とは

2021/07/16

【支援学級】担任と合わない時はどうする?2つの対策と注意点について

2021/06/30

【保育園に療育を勧められたら】やるべきこと・注意点・事例を元に解説

2021/06/23

【物の管理】子供が物をなくすのにイライラ!3つの原因と対処法について

2021/06/18

【療育支援員が紹介】発達障害の子におすすめな椅子5選!補助グッズも解説

2021/06/16

【療育の後悔】受けないと、子どもの将来にどんな可能性が?事例を元に解説

2021/06/09

【子供の心理】しつこい原因は何?「3つの原因」の対処法を説明します

2021/05/11

【障害児の学級選び】普通学級は親のエゴ?子どもに合った学級選びとは

2021/05/10

【不登校】元気なのに学校に行かない?3つの理由と接し方を説明します

2021/04/13

【発達障害】幼稚園から指摘された時、親はどうするべき?2つの考え方とやるべきこと

2021/03/19

【普通学級か支援学級か】内容、選ぶ基準、メリット/デメリットを説明します

2021/03/11

【通級は効果がない?】通級指導教室を徹底解説!内容から判定基準まで

2021/03/03

【どんな子が判定される?】特別支援学級を徹底解説!指導内容~卒業後の進路まで

2021/02/24

【子どもに「特別支援学級」って何?と聞かれたら】説明の仕方と注意点を紹介します

2021/02/14

【通級って何?】通級指導教室の支援内容・メリット・デメリット・選ぶ基準とは

2021/01/15

【療育辞めてよかった!】辞めるタイミングは4つ!事例・注意点も解説します

2021/01/12

【療育のやめどきは、いつ?】4つのタイミングとは。事例/注意点あり

2020/12/07

【場面緘黙の子供】なんで挨拶が苦手なの?3つの理由・5つの接し方とは

2020/11/25

【発達障害の子の家庭学習】天神がおすすめ!内容・料金・効果・口コミ・退会について

2020/11/20

【リベルタサッカースクール】入会~退会/料金/内容について解説します!

2020/07/27

【発達障害】逆さバイバイはいつまであるの?原因と接し方について解説します

2020/07/02

【落ちた人も多い?】特別児童扶養手当とは。金額/条件/申込方法を解説

2020/06/24

【自閉スペクトラム症】いつから?くるくる回る原因と対応方法を説明します

2020/06/17

【発達障害】クレーン現象はいつから?定型発達の子にもある?原因、接し方、相談先を解説します

2020/06/15

【健常児にもある?】子どものオウム返しとは。言葉を増やす2つの関わりを説明します

2020/06/03

【療育支援員がおすすめ】自閉症の子が遊べるおもちゃ【厳選26選】

2020/05/21

【子どもの癇癪】3つの原因から考える!クールダウンの方法とは

2020/05/01

【発達相談員がおすすめ】発達障害の子が楽しめる絵本~厳選10冊の紹介~

2020/04/06

【ADHD/グレーゾーンの子供】幼稚園選びの4つのポイント※注意点あり

2020/03/31

【療育支援員がおすすめ】ADHDの子の子育てに役立つ本を紹介~厳選5冊~

2020/03/27

【通所受給者証のデメリット】3つの注意点・メリット・申請方法を解説

2022/06/10

【発達相談員が紹介】言葉が遅い子におすすめ!おもちゃ7選!遊び方の4つのコツ

2022/06/02

【療育支援員が紹介】発語を促すおもちゃ12選!遊び方の4つのコツも解説

2023/05/25

【発達障害の子にプレゼント】おすすめ28選!支援員が紹介する自閉症・ADHDの子が好きなオモチャ

2022/11/14

【自閉症の子向け】人と楽しめる!おすすめゲーム7選!療育指導員が紹介

2022/11/16

【発達障害の子におすすめ】遊び9選!楽しい!成長する!~療育支援員が紹介~