子どもの癇癪で困っている方「癇癪が多くて困っている。気に入らないと、すぐに癇癪を起こす。適切な癇癪の対処法が知りたい」
このようなお悩みに、お応えします。
☑本記事の内容
✅癇癪とは
✅癇癪の原因
✅癇癪の対処法
(クールダウンも)
✅癇癪のNGな対応
※本記事はプロモーションを含みます
癇癪は、お子さんや親御さんも疲弊して、大変ですよね。家はもちろん、外出先だと、周囲の目もあり、余計疲れると思います…。
この記事の執筆者の私は、療育指導を15年以上しています。
支援をする中で、癇癪の相談を頂くことが多く、どう接していいか困っている方が、大勢いらっしゃいました。
その経験を元に、本記事をまとめています。
その場だけの対処法ではなく、癇癪の根本解決(癇癪を減らすorなくす)の方法も、お伝えします。
参考になれば幸いです。
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癇癪とは
癇癪とは…
①:床にひっくり返って泣く
②:周りの人を叩く/蹴る/噛む
③:物を投げる、壊す
④:自分を傷つける
※頭をたたく、壁に頭突きなど
このような行動になります。どう接すればいいか、困ってしまう行動ですよね…。
ただ、癇癪を含めた全ての行動には、必ずその子なりの、メッセージ(意味)があります。
この意味を理解し、接することが大切になります。
癇癪とは、大きく2つの意味があります。
①:自己表現
②:要求の手段
①:自己表現
自分を傷つけるレベルの癇癪が出る子には、言葉の発達がゆっくりな場合が、多いです。
本来なら、自分の気持ちを言葉で伝えられる所が、言葉の未発達/未学習が原因で、「癇癪」という表現に、なることがあります。
そのため、『その子の発達段階に合う適切な自己表現』を身につけることが、必要になってきます。
②:要求の手段
相手に要求/拒否などを伝える「要求の手段」として、癇癪を起こしている場合があります。癇癪の中で最も多いパターンです。
お子さんは、「癇癪を起こせば、要求が通る/親が動いてくれる」と、誤学習(間違った学び)をしていることが多いです。
「癇癪以外の適切な行動(代替行動)」を教えていく必要があります。
癇癪の原因
癇癪の原因は、3つあります。
①:ほしい/やりたい欲求
②:やりたくない/拒絶
③:注目を得たい
①:ほしい/やりたい欲求
- 癇癪で最も多い原因
- 欲しい物/したいことを得るための要求
- 大人の一貫した対応が求められる
- 要求を通すことで、癇癪が悪化しているケースが多い※
※ex.欲しいお菓子がもらえない→癇癪→お菓子をあげる
②:やりたくない/拒絶
- 苦手/興味のないことを避ける行動
- 課題が難しい、興味ない時が多い
- 見通しがない為、できないことも多い
- 無理強いすると一層、癇癪が強くなる
③:注目を得たい
- 周囲の人の注意を引くための行動
- 周囲の人の反応を楽しむ
- 適切な注目の引き方を知らない
- 行動後に、周りの人の反応を確認する
(自分に注目しているか)
※ex.親が自分以外と会話中に、大声を出す/物を投げるなど
癇癪の対処法(クールダウンも)
癇癪に関わらずですが、癇癪などの困った行動には、原因へのアプローチが必要になります。まず原因を絞り、対応していきます。
原因にアプローチできれば、癇癪自体が減り、癇癪を起こしたとしても、クールダウンしやすくなります。ここでは、原因の絞り方を、解説していきます。
まず行動が起きるときは、3つの要素に分けられます。「お菓子を食べる」という行動で、見ていきましょう。
もう1つ、例を見ていきます。
このように行動とは「きっかけ→行動→結果」のサイクルで、繰り返されます。
行動には、『行動した結果、行動した人のメリットがあれば、その行動は増える』。
逆に『メリットがなければ、その行動は減る』、という特徴があります。
ここは、言葉だけではイメージしづらいので、具体例でさらに、理解を深めていきましょう。
料理を作る、母親の例になります。
料理を作った結果、家族が喜んでくれれば(母親のメリット)、「また作ろう!」と料理をしようと思います(行動が増える)。
逆に家族の反応が悪ければ(母親のデメリット)、料理を作ろうとは、思わないですよね(行動が減る)
この行動のサイクルを理解し、関わることで、癇癪の根本解決へ、グッと近づきます。
次は、原因の種類・絞り方を、見ていきます。同じ行動でも、原因によって、対処法が分かれます。
ここでは「癇癪を起こす」という行動を、原因別で解説していきます。
※厳密にいうと「癇癪を起こす」は行動ではありませんが、どなたにでも伝わりやすいよう、ここではあえて、使いたいと思います。
①:ほしい/やりたい欲求
- 癇癪による要求には応えない
- 適切な要求(表現)のみ応える
- 要求に応えられない場合は、事前に要求がでない環境を作る
要求に応えられないことが、事前にわかっている場合は、なるべく要求がでづらい環境を、作っていきましょう。
例えば、
・オモチャを買ってほしくて癇癪が出る子⇨買い物のときに、オモチャコーナーの前は、通らない
・エレベーターに乗りたくて癇癪を起こす子⇨エレベーターの近くは、通らない
のような、イメージになります。
なるべく癇癪の原因になるものが、視界/耳に入らないようにすることが、大切になります。
子どもの要求が出そうだけど、要求に応えられない…ですと、
適切な要求ができても、メリットを感じづらくなります(言葉での要求が減ります)。
お子さんが、癇癪以外で要求すれば、嬉しいことがある(要求が通る!)と理解し、経験を積んでいくことが、大切になります。
②:やりたくない/拒絶
- 無理やりさせない
- 子供ができるレベルに調整する
- 子供が「やりたい」と思う促しをする
- できたときに褒める
お子さんによっては、興味が限定されていたり、「やりたくないこと」への拒否感が、強く出やすいことが、あります。
特に、興味が限定されていると、「やりたい!」と思えるものが、限られてきます。
誰だって興味がないことは、他人に強要されたくないですよね?そのため、お子さんが興味の持てる要素を課題に入れて、促すことがポイントになります。
まずは楽しく、続けられることが、必要です。例えば、片付けを促す場面でしたら、何個片付けられるか、親と競争する、などです。
1個入れたら、1ポイントカウントして、片付けが終わったら、何ポイント貯まったか発表するなど、ゲーム性を取り入れる方法になります。
大切なのは、「どうやらせるか」よりも、『どう、やりたい!と思ってもらえるか』です。
お子さんの好きな要素を、どう入れるか考えると、上手くいきやすいです。
③:注目を得たい
- 不適切な行動には無反応
(注目を与えない) - 適切に注目が引けたときは応える
(注目を与える)
癇癪では、誰も反応してくれない(注目得られない)けど、言葉で呼べたら(適切な注目引き)、
ちゃんと聞いてくれた(注目得られた)という、経験をしてもらうことが、大切になります。
『頭突きなど、怪我の恐れがある癇癪』は、お子さんの頭にそっと手を添えて安全確保し、クールダウンするまで見守りましょう(反応は最小限にしつつ)。
このように、同じ癇癪でも、原因によって、対処法は変わってきます。
1回で理解が難しい場合は、何回でも読んでみましょう。
このアプローチは、療育の現場では多用されている、非常に効果的な手法になります。
✅お子さんの「コンディションが悪い時」
眠い、空腹、風邪気味など、お子さんが本調子でないときは、まずコンディションを整えましょう。
私たちも、体調が悪いときは仕事を休んだり、早退したり、早めに寝るようにすると思います。
コンディションが悪いときに、普段できることを求めることは、お子さんにとって辛くなりやすいですので…。
癇癪のNGな対応
よくあるNGな対応を3つお伝えします。
①:物を与えて解決
②:怒る/無理やりさせる
③:動揺する
①:物を与えて解決
『癇癪が起きる→親が要求に応える』は、必ず避けましょう。
癇癪を通して物がもらえたら、癇癪はさらに増えます。物を与えるのは、その場しのぎになり、長期的に悪化していきます。
ただ、要求に応えないと、一時的に癇癪が増える可能性が、高いです。
お子さんからしたら「今までOKだったのに、何でダメなんだよ!」と怒るでしょう。
実はここが、踏ん張りどころなのです。
お子さんが、
・「癇癪しても意味がないな」
・「○○(言葉で要求など)の方が、要求が通るな」
と思ってもらえるまでは、お子さんとの根比べです。
癇癪の解決には、避けて通れないところになります。
✅困った行動には「傾向」がある
お子さんの困った行動には、傾向があります。
癇癪に対して適切な対応(要求を通さない)をすると、癇癪が一時的に増えます。
図をご覧ください。
お子さんが『癇癪を起こしても意味がないと実感した瞬間』に、癇癪が減ります。
ピークを超えるまでが勝負です。
逆に、このピークの前に「癇癪がひどくなったから、やっぱり物をあげよう」とすると、
お子さんとしては「粘れば良いこと(メリット)がある」と誤った学習し、より癇癪が強まります。
見通しがあると、少し安心できますよね。このピークを超えることを目指して、関わっていきましょう。
②:怒る/無理やりさせる
怒ることは解決にはなりません。
お子さんがどの行動をすればいいのか、理解できないためです。また無理やりさせるのも、同じです。
「自分はダメなんだ…」、「もうやりたくない!」とネガティブな感情・ストレスが溜まり、良い方向にはいきません。
時間を掛けて正しい関わり方で、癇癪の根本解決を、目指していきましょう。
③:動揺する
毅然とした対応を、していきましょう。
癇癪を起こしても「何も変わらない」ことを、理解してもらうことが、大切になります。
癇癪を起こすことで、親御さんが動揺したら、「動いてくれるかも?良いことあるかも?」と、お子さんの期待が膨らみます。
そして期待が高まれば、癇癪を起こす動機になります。
✅「感覚で対処する」は避けたい
原因を確認せず、感覚で対処するのは避けましょう。
仮に上手くいったとしても、次上手くいくとは限りません…。
原因と対処法がズレると、癇癪が悪化する可能性が、高くなるためです。
例えば、授業中に離席する子に対して、先生が「椅子に座るよ」と声を掛ける場面です。
この離席の原因が、注目引きだった場合、お子さんとしては「席から離れれば、先生が声掛けてくれる、またやろう」と、メリットを感じ、離席は増えます。
このように、ちゃんと対応してるはずなのに、「困った行動が変わらない・悪化する場合」は、原因と対処法が、ズレている可能性が高いです。
「【子どもの癇癪】3つの原因から考える!クールダウンの方法~自閉症の子にも有効~」のまとめ
記事のポイントになります。
✅癇癪とは
・自己表現
・要求の手段
✅癇癪の原因
・目的を通そうとしたい
・嫌なことから逃げたい
・注目を引きたい
✅癇癪の対処法
・適切な表現で要求に応える
・できる/興味のあるものを促す
・適切に注目が引けたら、応える
✅癇癪のNGな対応
・物を与えて解決
・怒る/無理やりさせる
・動揺する
以上になります。
本記事が参考になれば幸いです。
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