

子供の癇癪で困っている方「癇癪が多くて困っている。気に入らないとすぐに大泣きする。どうしたら癇癪はなくなる?癇癪の適切な対処法を知りたい」
こういったお悩みにお答えします!
✓本記事の内容
- 癇癪とは
- 癇癪の原因
- 癇癪の対処法(クールダウンも)
- 癇癪のNGな対応
- 親のイライラ対策
- 癇癪の解決方法
癇癪は、お子さんや親御さんも疲弊して、大変ですよね。家はもちろん、外出先だと、周囲の目も合って余計疲れると思います・・。
この記事の執筆者の私は、療育指導を10年以上しています。支援をする中で、癇癪の相談を頂くことが多く、対処に困っている方が大勢いらっしゃいました。
そこで本記事では、「癇癪の原因/対処法/NGな対処法/親のイライラ対策」を解説したいと思います(主に発達障害のお子さんを想定していますが、内容自体はどのお子さんにも活かせます)
その場だけの対処法ではなく、癇癪の根本解決(癇癪を減らすorなくす)の方法もお伝えします。
誰にでもすぐに実践できる内容になっていますので、安心して読み進めてください!
癇癪とは

癇癪とは・・
- 1:床にひっくり返って泣く
- 2:周りの人を叩く/蹴る/噛む
- 3:物を投げる、壊す
- 4:自分を傷つける
※頭をたたく、壁に頭突きなど
このような行動になります。どう接すればいいか、困ってしまう行動ですよね。
ただ、癇癪を含めた全ての行動には、必ずその子なりのメッセージ(意味)があります。
この意味を把握し、接することが大切になります。癇癪とは、大きく2つの意味があります。
- 1:自己表現
- 2:コミュニケーション手段
1つずつ解説していきます!
1:自己表現

自分を傷つけるレベルの癇癪が出るお子さんは、言葉の発達がゆっくりな場合が多いです。本来なら、自分の気持ちを言葉で伝えられる所が、言葉の未発達が原因で、「癇癪」という表現になることがあります。
お子さんの発達段階に合った、適切な自己表現を身につけることが、必要になります。
【関連記事】
自閉症スペクトラムの子供の症状とは?【4つの特徴と7つの接し方】
2:コミュニケーションの手段

相手に要求/拒否などを伝える「コミュニケーションの手段」として、癇癪を起こしている場合があります。癇癪の中で最も多いパターンです。
お子さんは、癇癪を起こせば、要求が通る/親が動いてくれると誤学習(間違った学び)をしていることが多いです。
癇癪への適切な対応/癇癪以外の行動(代替行動)を教えていく必要があります。
【関連記事】
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癇癪の原因

癇癪の原因は3つあります。それぞれの原因を見ていきましょう!
- その①:ほしい/やりたい欲求
- その②:やりたくない/拒絶
- その③:注目を得たい
その①:ほしい/やりたい欲求

- 癇癪で最も多い原因
- 欲しい物/したいことを得るための要求
- 大人の一貫した対応が求められる
- 要求を通すことで、癇癪が悪化しているケースが多い※
※ex.欲しいお菓子がもらえない→癇癪→お菓子をあげる
その②:やりたくない/拒絶

- 苦手/興味のないことを避ける行動
- 課題が難しい、興味ない時が多い
- 見通しがない為、できないことも多い
- 無理強いすると一層、癇癪が強くなる
その③:注目を得たい

- 周囲の人の注意を引くための行動
- 周囲の人の反応を楽しむ
- 適切な注目の引き方を知らない
- 行動後に、周りの人の反応を確認する
(注目を得られているか)
※ex.親が自分以外と会話中に、大声を出す/物を投げるなど
癇癪の対処法(クールダウンも)

癇癪に関わらずですが、癇癪などの困った行動には、原因へのアプローチが必要です。まず原因を絞り、対応していきます。
原因にアプローチできれば、癇癪自体が減り、癇癪を起こしたとしても、クールダウンしやすくなります。ここでは、原因の絞り方を解説します!
まず行動が起きるときは、3つの要素に分けられます。「お菓子を食べる」という行動で見ていきましょう!

もう1つ例をみていきましょう。

このように行動とは「きっかけ→行動→結果」のサイクルで繰り返されます。
行動は、「行動後に、行動した人のメリットがあれば、その行動は増える」。
逆に「メリットがなければ、その行動は減る」、という特徴があります。
ここは、言葉だけではイメージしづらいので、具体例で、さらに理解を深めていきましょう。料理を作る母親の例になります。

料理を作った結果、家族が喜んでくれれば(母親のメリット)、「また作ろう!」と料理をしようと思います(行動が増える)。
逆に家族の反応が悪ければ(母親のデメリット)、料理を作ろうとは思わないですよね(行動が減る)
この行動のサイクルを理解し、関わることで、癇癪の根本解決へグッと近づきます。
次は原因の種類/絞り方を見ていきます!同じ行動でも、原因によって対処法が分かれます。
ここでは「癇癪を起こす」という行動を、原因別で解説していきます。
その①:ほしい/やりたい欲求


- 癇癪による要求には応えない
- 適切な要求(表現)のみ応える
- 要求に応えられない場合は、事前に要求がでない環境を作る
要求に応えられないことが事前にわかっている場合は、なるべく要求がでづらい環境を作りましょう。
例えば、
- オモチャを買ってほしくて癇癪が出る子:買い物のときに、オモチャコーナーの前は通らない
- エレベーターに乗りたくて癇癪を起こす子:エレベーターの近くは通らない
のイメージになります。なるべく癇癪の原因になるものが、視界/耳に入らないようにすることが、大切になります。
子供の要求がでそうだけど、要求に応えられない・・・ですと、適切な要求ができても、メリットを感じづらくなります(言葉での要求が減ります)。
癇癪以外で要求すれば、嬉しいことがある(要求が通る!)と理解し、経験を積んでいくことが大切になります。
その②:やりたくない/拒絶


- 無理やりさせない
- 子供ができるレベルに調整する
- 子供が「やりたい」と思う促しをする
- できたときに褒める
発達障害のお子さんは、興味が限定されていたり、「やりたくないこと」への拒否感が強く出やすいことが多いです。特に、興味が限定されていると、「やりたい!」と思えるものが、限られてきます。
誰だって興味がないことは、他人に強要されたくないですよね?そこでお子さんが興味の持てる要素を課題に入れて、促すことがポイントになります。
まずは楽しく、続けられることが必要です。例えば、片付けを促す場面でしたら、何個片付けられるか親と競争をする、などです。
1個入れたら1ポイントカウントして、片付けが終わったら何ポイント貯まったか発表するなど、ゲーム性を取り入れたりすることです。
大切なのは、「どうやらせるか」ではなく、「どうやりたい!と思ってもらえるか」です。お子さんの好きな要素を、どう入れるか考えてみましょう!
その③:注目を得たい


- 不適切な行動には無反応
(注目を与えない) - 適切に注目が引けたときは応える
(注目を与える)
癇癪では、誰も反応してくれない(注目得られない)けど、言葉で呼べたら(適切な注目引き)、ちゃんと聞いてくれた(注目得られた)という、経験をしてもらうことが大切です。
頭突きなど、怪我の恐れがある癇癪は、お子さんの頭にそっと手を添えて安全確保し、クールダウンするまで見守りましょう(反応は最小限にしつつ)。
このように、同じ癇癪でも、原因によって、対処法は変わってきます。ここは、発達障害に関わらず、どのお子さんの困った行動にも活用することができます。
1回で理解がむずかしい場合は、ぜひ何回でも読んでみましょう!このアプローチは、療育の現場では多用されている、非常に効果的な手法になります!
✍注意点
お子さんのコンディションが良くないとき(眠い、空腹、風邪気味など)は、まずコンディションを整えましょう。普段できることも、できづらくなります。生理的な原因は、意思での解決は難しいです!
癇癪のNGな対応

よくあるNGな対応を3つ解説します。困っている方ほど、これから解説するNGな対応をしています・・!
- 1:物を与えて解決
- 2:怒る/無理やりさせる
- 3:動揺する
1つずつ解説していきます!
1:物を与えて解決

「癇癪が起きる→要求に応える」は、必ず避けましょう。癇癪を通して物がもらえたら、癇癪はさらに増えます。物を与えるのは、その場しのぎになり、長期的に悪化していきます。
ただ、本記事の対処法の通り、要求に応えないことをすると、一時的に癇癪が増える可能性が高いです。お子さんからしたら「今までOKだったのに、何でダメなんだよ!」と怒るでしょう。
実はここが、踏ん張りどころなのです。
お子さんが・・
- 「癇癪しても意味がないな」
- 「○○(言葉で要求など)の方が、要求が通るな」
と思ってもらえるまでは、お子さんとの根比べです。癇癪の解決には、避けて通れないところになります!
✍困った行動には傾向がある
お子さんの困った行動には、傾向があります。癇癪に対して適切な対応(要求を通さない)をすると、癇癪が一時的に増えます。
図をご覧ください。

お子さんが「癇癪を起こしても意味がないと実感した瞬間」に、癇癪が減ります。ピークを超えるまでが勝負です!
逆にこのピークの前に「癇癪がひどくなったから、やっぱり物をあげよう」とすると、
お子さんとしては「粘れば良いこと(メリット)がある」と誤った学習し、より癇癪が強まります。
見通しがあると、少し安心できますよね。このピークを超えることを目指して、関わっていきましょう!
2:怒る/無理やりさせる

怒ることは解決にはなりません。お子さんがどの行動をすればいいのか、伝えられないためです。また無理やりさせるのも同じです。
「自分はダメなんだ・・」「もうやりたくない!」とネガティブな感情/ストレスが溜まり、良い方向にはいきません。
時間を掛けて正しい関わり方で、癇癪の根本解決を目指していきましょう!
3:動揺する

毅然とした対応が必要です。癇癪を起こしても「何も変わらない」ことを知ってもらうことが大切です。
癇癪を起こすことで、親御さんが動揺したら、「動いてくれるかも?良いことあるかも?」とお子さんの期待が膨らみます。そして期待が高まれば、癇癪を起こす動機になります。
✍注意点
原因を確認せず、感覚で対処するのは避けましょう。仮に上手くいったとしても、次上手くいくとは限りません・・。
原因と対処法がズレると、癇癪が悪化する可能性が高いくなるためです。
例えば、授業中に離席する子に対して、先生が「椅子に座るよ」と声を掛けるケースです。
この離席の原因が、注目引きだった場合、お子さんとしては「席から離れれば先生が見てくれる、またやろう」とメリットを感じ、離席は増えます。
このように対応してるはずなのに、行動が変わらないor悪化する場合は、原因と対処法がズレている可能性が高いです。
親のイライラ対策

癇癪って親もストレスが溜まりますよね・・。頭で分かっていても「しまった!怒っちゃった!」と後から反省する方も少なくないです。
親のストレスを溜めないことは、とても大切です。育児で悩まれている方は、ご自身のことを疎かにされやすいです。
親の状態が良くないと、お子さんに必ず影響が出ます。お子さんのためにも、まだされていない方は、ぜひ試してみてください!
- その①:人に話を聞いてもらう
- その②:子どもと離れる時間を作る
- その③:成長を振り返る
- その④:睡眠をとる
その①:人に話を聞いてもらう

家族でも友人でも、「話を聞いてくれる人がいる」ことが大切です。解決できなくても、話を聞いてもらえるだけで、気持ちを軽くなる方が多いです。
理想は近い境遇の方とお話ができることです。同じ悩みを抱えている方とお話できることで、自分だけじゃない!と前向きな気持ちになれることもあります。
その②:子どもと離れる時間を作る

子どもと離れる時間を作り、一呼吸おくことのも効果的です。
例えば、ご家族や親族に預けて30分だけ外出をする、子どもの習い事の間離れる、保育園の一時預かりを利用する、などがあります。
お子さんに罪悪感を感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、親が無理をしてイライラした状態で接するより、お子さんにとってもずっと良いと思います。
もし「近くに頼れる人なんていないよ!」という方は、お子さんの安全を確保した上で、別の部屋に行って、深呼吸をしたり、好きな音楽を聴く、コーヒーを一杯飲むなどして、心を落ち着かせるのもいいでしょう。
その③:成長を振り返る

過去のお子さんと比べて、振り返ることです。例えば「1ヶ月前は、自分の意思を表現することなかったけど、今は主張するようになった!」などです。
一緒に生活していると気付きにくいですが、振り返ると発見があったりします。
その④:睡眠をとる

これは当たり前の話になりますが、睡眠不足は心身のコンディションを乱す原因にもなります。ある程度意識して睡眠時間を確保されることをオススメします。
正しい知識があっても、体調が優れず実践できなければ、意味がなくなってしまいますので・・。
癇癪の解決方法

親だけで解決がむずかしい場合、解決する方法は、主に3つあります。
- 1:療育
- 2:ペアレントトレーニング
- 3:独学(本/ネット)
1つずつ解説していきます!
1:療育

療育とは、子供と親の訓練になります。主に子供の訓練がメインになります。詳細は、こちらをご覧ください!
【関連記事】
【徹底解説】療育って何?自閉症スペクトラムの子供が受けられる支援とは
2:ペアレントトレーニング

親が専門家の指導を受け、子供の関わりを学ぶ講座のことです。区では、安い費用で受講ができ、内容としては基礎的な知識になります。
具体的に解決したい問題がある場合は、民間の個別のペアレントトレーニングをオススメします。詳しくは、こちらをご覧下さい!
【関連記事】
【ADHDの子供の親向け】ペアレントトレーニングとは【種類/費用/内容など概要を説明します】※ADHD以外の発達障害の子にも共通する内容になります。
3:独学(本/ネット)

本で学ぶ方法もあります。学ぶことに意欲があり、継続できる方には、オススメです!
【関連記事】
【ADHDの子供の親向け】おすすめのADHDの本【厳選5冊】
「【癇癪が減った!】今日からできるクールダウンと3つの対処法!」のまとめ

記事のポイントをまとめます。
- 【癇癪とは】
・自己表現
・コミュニケーション手段 - 【癇癪の原因】
・目的を通そうとしたい
・嫌なことから逃げたい
・注目を引きたい - 【癇癪の対処法】
・適切な表現で要求に応える
・できる/興味のあるものを促す
・適切に注目が引けたら、応える - 【癇癪のNGな対応】
・物を与えて解決
・怒る/無理やりさせる
・動揺する - 【癇癪の解決方法】
・療育
・ペアレントトレーニング
・独学(本/ネット)
以上になります。
本記事が参考になれば幸いです!
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