

子どもの不登校で悩まれてる方「不登校の回復期は、よく寝るものなの?どう関わればいいか分からない」
このようなお悩みに、お応えします。
☑本記事の内容
✅不登校の「回復期」とは
✅回復期の「サイン」
✅回復期の「関わり方」
✅回復期の「注意点」
✅回復期の「心構え」
✅不登校の子が「備えておきたいこと」
不登校のお子さんの状態を表す言葉の1つとして「回復期」があります。
ネットで調べると、回復期の子は「よく寝る」と言いますが、
具体的にどういう意味を指してるのでしょうか?そして、どんな関わりが必要なのでしょうか?
このような悩みをお持ちの方が増えています。
そこで本記事では「不登校の回復期」に関する情報を紹介します。
この記事を執筆している私は、不登校・療育支援を10年以上しています。
その支援経験を通して本記事をまとめています。参考になれば、幸いです。
不登校の「回復期」とは

不登校には段階があり、
「回復期」は、その段階の一部になります。
不登校の全体像としては、以下のような状態(時期)があります。
「開始期→引きこもり期→回復期」
ここでは詳しく触れませんが、要点だけ確認していただければと思います。
①開始期
行きしぶりが出始める時期になります。
・朝起きるのが、遅くなった
・朝の登校の準備が、遅くなった
・行きしぶりの発言がある
このような様子が、出始める時期を指します。
②引きこもり期
学校を本格的に休む状態になります。自室にこもったり、生活リズムが乱れることもあります。
歯磨きや入浴もせず、自分の殻に閉じこもる場合もあります。
ベクトル(矢印の向き)が全て “自分自身(本人)” に向いている状態になります。
③回復期
お子さんの言動が外(自分以外)に向く時期になります。
自分自身に向いていたベクトル(矢印の向き)が、”自分以外” に向き始めます。
具体的には、本を買いたい、人に会いたいなどの発言があったり、身だしなみを整えたり、家の手伝いをする、などです。
不登校の全体像と回復期の位置づけの確認ができましたら、
ここからは回復期について、深く見ていきたいと思います。
不登校の回復期の「サイン」

不登校の回復期の「サイン」は、
3つあります。
①:「自分以外」に関心が出る
②:「外出の頻度」が増える
③:「暇」などのニュアンスの発言が増える
1つずつ、見ていきましょう。
①:「自分以外」に関心が出る

本人の言動が「自分(本人)以外に向く」状態になります。
よくある例としては、以下の言動になります。
・勉強する
・家の手伝い
・買い物
・身だしなみを整える
・将来の話をする
・家族との会話
・必要な物を欲しがる
(ex.勉強に必要な物)
お子さんの発言・行動から、状態が見えてきます。
②:「外出の頻度」が増える

ほとんどの時間を、家や自室で過ごしてた子の場合、外に出る機会が増えます。
また、外出できる時間帯が広がる場合もあります。
不登校の子にとって、外出は、負荷がかかりやすいです。
特に、同級生がいる夕方の時間は、外出を避けたがる子も少なくありません。
外で過ごせる時間が増えることは、お子さんのポジティブな変化の1つになります。
③:「暇」などのニュアンスの発言が増える

「やることがない」
「家にいても、つまんない」
このような発言があると、お子さんの回復期のサインである可能性があります。
家での過ごし方は、以下のものがあります。
・散歩
・読書
・買い物
・家の手伝い
(洗濯・掃除など)
・学習
(ドリル・タブレット学習など)
・習い事
(本人の好きなこと・オンラインなど)
【関連記事】
【不登校の小学生】家での過ごし方は何が大事?4つのポイント・注意点
不登校の回復期の「関わり方」

不登校の回復期の「関わり方」は、
3つあります。
①:本人の意思・関心に「応える」
②:本人の気持ちに「共感」する
③:「ポジティブ」なスタンスを持つ
1つずつ、見ていきましょう。
①:本人の意思・関心に「応える」

本人の意思・関心が出たときには、本人がその情報に触れられる機会を作っていきます。
具体的には、下のような例になります。
・資料を取り寄せる
・ネットで、一緒に調べる
・実際に一緒に行ってみる
・購入し、家で触ってみる
・習い事/フリースクールの見学
“お子さんの気持ち” を聞きながら、選びたい点になります。
②:本人の気持ちに「共感」する

不登校の子は、心に傷を負ってることが多いです。
・学校の辛い経験
・自責の念
・自己肯定感の低下
など、様々なものを抱えています。
「どうせ自分なんて、何もできない」
「皆ができてることは、自分はできない」
「皆に迷惑かけてる自分はダメだ」
このような気持ちを抱えています。
この気持ちに対して「◯◯なんだね」と、寄り添うことが大切になります。
③:「ポジティブ」なスタンスを持つ

不登校の子の中には、何でもネガティブに捉える子がいます。
被害的に捉えたり、攻撃的になったり、自分自身で失敗したと思い込む場合もあります。
そのため、関わる大人の方は「ポジティブな姿勢」を持つことが必要になります。
すぐできる方法の1つは、大人の言葉の表現を肯定的にします。
「走らないで」→「歩こう」
「片付けできてないよ」→「片づけしよう」
「時間過ぎてるよ」→「◯時までにやろう」
このようなイメージで、否定的なニュアンスを避ける伝え方をしていきます。
不登校の回復期の「注意点」

不登校の回復期の「注意点」は、
4つあります。
①:「一喜一憂」しない
②:安易に「学校・将来」の話をしない
③:「失敗」と捉えない
④:「体力の低下」を考慮する
1つずつ、見ていきましょう。
①:「一喜一憂」しない

お子さんの1つずつの言動・変化に、過剰に反応しないことになります。
例えば、下のような言動になります。
・「登校する」と発言した
・学校に1回行けた
・ドリルを1Pできた
不登校の子は、気持ちの波が大きいです。
前日の夜に「明日は学校にいく」と言っても、当日の朝には「やっぱり休む」と言うこともあります。
数日登校できても、その後に反動でしばらく学校に行けなくなることもあります。
大人の過剰な反応は、本人にプレッシャーを与え、無理させてしまいます。
「これ(今の子どもの状態)は、大きな波の1部なんだ」と思うことが、親御さんの気持ちを楽にさせ、
結果として、本人にも良い影響(安心感)を与えます。
②:安易に「学校・将来」の話をしない

親御さんは、焦り・不安から、以下の声掛けをしやすくなります。
「明日は、学校行けそう?」
「今日学校の先生と電話で話したよ」
「明日は学校で、○○やるんだって」
我が子を心配しての声掛けですので、お気持ちは、とても分かります。
ただ親御さんとしては、心配して伝えているつもりでも、
お子さん本人からしたら、”プレッシャー・心の負担” として受け止めます。
本人から話(関心)が出るまで、大人側から積極的に聞くのは、避けた方が良いです。
③:「失敗」と捉えない

不登校の子の気持ちには波があり、チャレンジしても上手く行かないことも多いです。
ここで大事なのは、どんな出来事も大人側が「失敗」と捉えない姿勢を示すことです。
例えば、自宅学習のため、タブレット学習にチャレンジしたけど、結果的に合わなず途中で辞めてしまったとします。
このような時は「タブレット学習は合わないことが分かったね(他の学習方法を探せる)」と声をかけます。
これは、チャレンジしたからこそ「本人には合わない」と分かったということです。
このように、一見失敗に感じられそうなことも、良い側面で捉える(リフレーミング)ことが、
お子さんの心を守る意味で、重要になります。
もちろん、お子さんの捉え方によって変わるため、上記の関わりも合う・合わないがあります。
これまでのお子さんの言動を想像して、何が合うか考えることが必要になります。
④:「体力の低下」を考慮する

不登校期間が長い子は、体力が低下してることが多いです。特に、家で過ごす時間が長い子は該当しやすいです。
大人の想像以上に疲れやすい為、そこを考慮して本人に合うペースで、生活リズムを作ったり、体を動かす機会があると良いです。
もちろん、本人の意思があることが前提になります。
不登校の回復期の「心構え」

不登校の回復期の「心構え」は、
3つあります。
①:大人の想像以上に「時間が必要」
②:「学校に行く」≠ゴール
③:「正解はない」「ダメなこと」はある
1つずつ、見ていきましょう。
①:大人の想像以上に「時間が必要」

不登校の問題は、時間がかかることが多いです。
私が支援してきた中ですと、早くても数ヶ月、中には数年かかる子もいます。
お子さんの状態(不登校期間の長さなど)によりますが、短期間で問題が解決することは少ないです。
大人側が「数ヶ月~数年の時間がかかる可能性がある」という認識を、持つ必要があります。
②:「学校に行く」≠ゴール

お子さんにとって「学校に行く」は、
選択肢の1つに過ぎません。
お子さんの特性・状態によっては、「学校に行く」が最善でない場合もあります。
今は、他の選択肢も増えています。
・自宅学習
・フリースクール
・通信
・転校
「”本人に合う選択肢” を探す」という視点が、大切になります。
③:「正解はない」けど「ダメなこと」はある

不登校支援において「正解」はありません。ただ「避けるべきこと」はあります。
そのため、正解を探すよりも、まずは「避けるべきこと」を確認する方が良いです。
理由は、不登校問題の多くは、
「本人にしてはいけないこと・良くない環境」が多いことで、深刻化している為です。
【関連記事】
【親のストレス】不登校に子にイライラする~3つの対策・5つの大切なこと~
不登校の子が「備えておきたいこと」

ここでは、中長期的な視点で、不登校の子が備えておきたいことをお伝えします。
不登校問題は、中長期的な問題になることが多いです。
そのため、お子さんの状態に合わせて、家庭で無理のない範囲で、今後の準備をすることが、大切になってきます。
不登校の子が抱える問題の1つが、 “学習の遅れ” になります。
不登校の時間が長さに比例して、学習の遅れは大きくなり、進学・将来の選択肢などに影響が出てきます。
ただ不登校問題は、短期的に解決できる問題ではありません。
そこを踏まえた対策の1つとして、自宅学習があります。
不登校の子にとって、
・無理をしない
・安心できる環境
・自分で選べる
これらの要素が大切になります。
学力を上げるだけでなく、学習習慣をつけたり、今までの学習内容を忘れない為の復習も大切になります。
また、生活リズム作りの1部として学習時間を設けたり、復帰・新しい場所に繋がる準備としても活かせます。
学習の遅れは、大きいほど、取り戻すのに時間・エネルギーを消耗し、勉強が嫌になり、自己肯定感の低下にも繋がります。
そうなると、学習だけでなく、生活全般に影響が出てきます。
学習面に心配がある子・学習に迎える状態の子には、早めの学習フォローがあると安心です。
学習に迎える段階ではない場合は、休息が必要ですので、
本人の好きなことで自由に過ごしてもらうことが必要になります(常識の範囲内で)
✍学習の遅れは「タブレット学習」で対策
不登校の子の自宅学習の1つとして、
「タブレット学習」があります。
一人ひとりに合わせた課題の自動抽出やアニメーション解説があり、
「その子に、今必要な内容を、丁寧に解説してくれる学習」になります。
自分で決めて学習するということは、大人が思う以上に、学習以外のポジティブな影響があります。
不登校の子に対しての、
「1日◯分は、勉強するよ」
「学校行かない分、勉強をしなさい」
などの声掛けは、お子さんのストレス値を高め、不登校問題をより長期化させます。そして家族のストレスにもなります。
自分で決めた量のタブレット学習をする形でしたら、家族からの声掛けも減り、お互いのストレスも減らせます。
そして、学習の再スタートとして、取り組みやすい内容になっている為、苦手意識・モチベーションが低い子にも向いています。
メリット・デメリットなど、タブレット学習の詳細は、下の記事にまとめています。
不登校の子の学習フォローの情報収集をされたい方にも、参考になると思います。
発達障害の子向けの記事ですが、不登校の子にも共通する内容になっています。
【療育支援員がおすすめ】発達障害の子に良いタブレット学習とは?4つの条件・理由・注意点
「【よく寝るのは問題?】不登校の回復期のサイン・関わり方・注意点」のまとめ

記事のポイントをまとめます。
✅不登校の「回復期」とは
・不登校の子の回復の兆し
・本人の言動が外(自分以外)に向く時期
✅回復期の「サイン」
・「自分以外」に関心が出る
・「外出の頻度」が増える
・「暇」などのニュアンスの発言が増える
✅回復期の「関わり方」
・本人の意思・関心に「応える」
・本人の気持ちに「共感」する
・「ポジティブ」なスタンスを持つ
✅回復期の「注意点」
・「一喜一憂」しない
・安易に「学校・将来」の話をしない
・「失敗」と捉えない
・「体力の低下」を考慮する
✅回復期の「心構え」
・大人の想像以上に「時間が必要」
・「学校に行く」≠ゴール
・「正解はない」けど「ダメなこと」はある
✅不登校の子が「備えておきたいこと」
・早めの学習フォロー
・タブレット学習
・本人の意思が出たタイミング
以上になります。
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