学級・進路

【発達障害だけど普通学級で貫き通します】事例の紹介~学級選びのポイント~

投稿日:2023年9月12日 更新日:

学級選びで悩まれてる方「発達障害の子は、普通学級でも平気?通級や支援級じゃないとダメ?他の人がどうしてるのか、事例が知りたい」

発達障害がある子の「学級選び」は、とても大事であり、とても難しい判断になります。

その子の過ごしやすさ、交友関係、学力、進路など、様々な影響を及ぼす大切な選択になります。

そこで本記事では『発達障害の子が普通学級に通った事例(よくある3ケース)』をお伝えしたいと思います。

私は、療育・相談支援を15年以上しており、学級選びの相談支援にも携わってきました。

その支援経験を元にまとめてます。参考になれば幸いです。

発達障害の子「普通学級で貫き通した事例」

「普通学級で貫き通した事例」を3つお伝えします。

私が支援する中で多かった、発達障害の子の事例になります。



①:「周囲の理解」があり
 ⇨乗り越えられた

②:「本人が気にしてない」
 ⇨困りにならなかった

③:本人の「自己肯定感」が下がる
 ⇨二次障害


周囲の理解があり⇨乗り越えられた

担任の先生やクラスメイトなど、周囲に恵まれ、楽しく過ごせてるケースになります。

「◯◯君って、面白いね」
「◯◯ちゃんの手伝いを、皆でしよう」

など、本人の特性を認めてくれたり、サポートしてくれることが多いです。

私が知る範囲では、本人が愛されるキャラクターだったり、

細かいことを気にしない性格だったり、コミュニケーションが上手な子が多いです。

本人が気にしてない⇨困りにならなかった

客観的に見たら、困りそうなことでも、本人としては、気にしてないケースになります。

例えば、忘れ物が多かったり、勉強が苦手だとしても、全然気にしない子がいます。

先生や親御さんからしたら「ホントに困らないの??」と疑問に感じるぐらいのこともあります。

本人の自己肯定感が下がる⇨二次障害

周囲との違いを感じて、自信を失ってしまうケースになります。

「皆できてるのに、自分にはできない」
「どうせ自分はバカだから」


と、自己肯定感が下がっていて、新しいことにチャレンジする意欲が失われています。

繊細な子や失敗体験が多い子に、多い傾向があります。

【関連記事】

【発達障害の子の二次障害】原因/対処法

学級選び「大切なポイント

発達障害の子の学級選びで「大切なポイントは、3つあります。



①:本人の「気持ち(必要性/納得感)」

②:客観的な本人の「過ごしやすさ」

③:学校側(担任・SC)の「考え」
 ※SC=スクールカウンセラー


子ども本人の気持ち

子ども本人の気持ちが、一番大切になります。

今の学校生活に困りがあるか、もしくは希望(願い)があるかです。

例えば、本人の困りとして「集団の中だと、音や人の動きが気になって集中できない」があれば、通級や支援学級など、サポートの選択肢を考えても良いと思います。

もしくは、困りがなくても、本人の希望(願い)として「友達と遊びたいけど、うまくコミュニケーションがとれない。上手くいく方法が知りたい」があれば、通級などの選択肢も考えられます。

このように、本人の困りや希望(願い)を確認しつつ、

本人としても、通級や支援学級などの選択肢の必要性(納得感)が感じられるなら、検討して良いと思います。

学級についての “本人への具体的な伝え方” は、こちらの記事をご覧ください。

学級選び(通級・支援級)、合理的配慮など、本人に説明が必要な時の伝え方として、参考になると思います。

【関連記事】

【子どもに「特別支援学級」って何?と聞かれたら】説明の仕方と注意点

客観的な本人の過ごしやすさ

客観的に見た “本人の過ごしやすさ” も、大事になってきます。

例えば、繊細で周囲の様子に敏感なHSP気質の子が、怒鳴る指導をする担任のクラスにいることは、辛い経験にしかなりません。

本人が怒られてなくても、他の子が怒られてる場面を見ることで、自分が怒られてるように感じて、苦しくなってしまいます。

「本人の特性」と「学校の環境」が明らかに合ってない場合は、客観的に見て “過ごしにくさ” があると言えます。

このように、本人の特性/過ごす環境の相性も見ていく必要があります。

学校側(担任/SC)の考え

担任やSC(スクールカウンセラー)の考えを聞いておくことも、大切になります。

通級・支援学級/特別な配慮などの必要性があるのか、学校生活の様子を把握してる先生の意見になります。

学校の状況を踏まえ、客観的な意見がもらえるため、参考になることが多いです。

【関連記事】

【通級を勧められた時】利用すべき?3つの判断基準とは~事例も紹介~

✅診断の有無は、1つの目安として考えたい

学校によっては、診断がないと、通級や支援学級で過ごすことが、難しいことがあります。

ただ、本質的に大切なのは、診断の有無ではなく、上記の3つ(本人の気持ち・客観的な過ごしやすさ・学校の意見)になります。

診断は、その子の1つの側面に過ぎません。

本人の気持ち、捉え方、過ごす学校の環境などにより、必要な選択肢を検討することが重要になってきます。

【発達障害だけど普通学級で貫き通します】まとめ

記事のポイントになります。



発達障害の子
 「普通学級で貫き通した事例」

・周囲の理解がある
 ⇨乗り越えられた

・本人は気にしてない
 ⇨困りに繋がらなかった

・本人の自己肯定感が下がる
 ⇨二次障害

学級選び
 「大切なポイント

・本人の気持ち(必要性/納得感)
・客観的な本人の過ごしやすさ
・学校側(担任・SC)の考え

発達障害の子が
 「普通学級で困った時」~学習面~

・学校が嫌になるキッカケになる
・将来の選択肢が狭まる
・家庭でできる学習対策
・タブレット学習


以上になります。

本記事が、お役に立てば幸いです。

【関連記事】

【普通学級or支援学級】内容/選ぶ基準/メリット/デメリット

【現場でよくある事例】支援級を選んで後悔する3パターン

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