療育

【療育の後悔】受けないと、子どもの将来にどんな可能性が?事例を元に解説

投稿日:2021年6月16日 更新日:

療育を受けるべきか迷ってる方「療育しないで後悔することはあるの?療育受けないと、子どもの将来どうなる可能性があるの?療育を受けるべき目安が知りたい」

このようなお悩みに、お応えします。

☑本記事の内容



療育受けず、後悔された方の「事例」


療育を受ける「目安」


お子さんの発達が気になると「療育を受けるべきか」、「もう少し様子を見るべきか」など、迷われる方も少なくないと思います。

特に、お子さんに診断がつく程でなかったり、家で困っていない場合は、判断に迷われますよね。

この記事の執筆者の私は、療育指導を10年以上しており、発達障害・グレーゾーンのお子さん、その親御さんの支援をしてきました。

その支援経験を元に、「療育を受けず後悔された方の事例・療育が必要になる目安」をまとめました。

事例は、”特に共通点が多かったもの” をまとめています。

本記事がお役に立てば、幸いです。

療育受けず、後悔された方の「事例」

私が支援してきた中で、療育を受けずに後悔される方が、一定数いらっしゃいました。

実際に私が関わった事例を元に、“よくある事例” を紹介したいと思います。

療育受けず「後悔した」事例

“言葉がゆっくり” な年長さん👦


3才児健診では、言葉の遅れがあったものの「今困ってないから、しばらく様子を見よう」と、過ごされてきた年長さん。


3語文以上での表現が難しく「状況の説明・自分の経験したことを伝える」ことが、難しい状態でした。


年中までは大きな困りもなく、過ごせていたのですが、

年長になり周りの子が、

5W1H(いつ・どこで・だれが・何を・なぜ・どのように)に沿った説明をしたり、

ルールがある遊びをすることが増え、

言いたいことが伝えられず、困る場面が増えてきました。


友達と特定の話題の話をする時、帰園して親御さんに園で何をしたか話をする時、

友達とトラブルがあって、先生に状況の説明をする時など。

文章で伝える場面が増え、次第に相手に伝えることを避けるようになり、

園で孤立し、一時期は、登園拒否までいきました。


“多動傾向” の小学1年生👦


保育園時代から、活発で集団行動が苦手だった小学1年生の男の子。


ただ “保育園が自由保育” で、園の方針として、お子さんに無理させず、本人のペースを守るというものでした。

そのため、園での生活に大きな困りはなく、家でも自由にさせていたので、親御さんが心配することはありませんでした。


ただ小学校入学すると、授業中椅子に座っていることができず、

立ち歩きが増え、その度に先生に叱責をされるようになりました。


そんな状態が3ヶ月以上続き、学校から「授業中の親の付き添い」を頼まれてしまいました。

授業中は、後ろで母親が様子を見守り、お子さんが立ち歩いたら、個別で声を掛けながら、授業参加のサポートをする状態でした。

お子さんの自己肯定感は下がり、親御さんも疲弊していました。そんな状態になり、療育をスタートすることになりました。


“完璧主義” な小学2年生👦


家の外では、「良い子だね」「何でもできるね」と言われる女の子。


外で困ったことは一度もなく、家でときどき癇癪がある程度で、家族が融通をきかせれば、大きな問題はありませんでした。


ただ小学2年生になり、家で毎日癇癪を起こすようになり、常にイライラしていて、

些細なキッカケで、怒りが爆発するようになってきました。


一方、学校の面談では「何の問題もありませんよ。よく頑張ってますよ」と、

理解を得ることはできず、サポートが受けられない状態でした。

お子さん自身が “完璧な自分” を意識するあまり、外の頑張り(ストレス)の反動が、家で癇癪になって爆発していました。


幼少期に一度、区の窓口に相談したとき、療育を勧められたそうですが、

「今の生活」では、親御さんが対処できる範囲だった為、療育を見送っていました。


“学習が苦手” な小学4年生👩


“学習の困難さ” がある小学4年生の子。

「文章題の理解が難しい」、「複数の計算が混ざると、分からなくなる」、

「定着難しい(時間が経つと忘れる)」、などの困りを抱えていました。


小学4年生で、文章読解・複雑な計算問題・単位など応用問題が増えてきたタイミングで、授業についていくことが、難しくなりました。


課題の拒否も出るようになり、毎日の宿題は “癇癪の連続” 。

母親も熱心に勉強を教えるも難しく、怒ることが増え、親子関係も悪化していきました。

当初は、学習の遅れの問題だったのが、”学校への行き渋り・親子関係の悪化” など、困りが大きくなってしまいました。


“自閉スペクトラム症” の小学5年生👩


知的な遅れなく、勉強・言葉自体の遅れもない女の子。


ただ思春期になり、女の子同士のグループができてきて、孤立するようになりました。


理由は、コミュニケーション。伝えている内容は合っているものの、思ったことをそのまま言葉にしてしまう為、

相手が不快になる伝え方をしてしまい、友達から距離を置かれるようになりました。

ただ本人は悪気はないので、友達が離れる理由が分かりませんでした。

これまでも、言われたことを言葉通りに受け取ったり、具体的に言わないと解釈がズレることがありましたが、

家族だからこそ、分かってしまうこともあり、問題として認識されづらかったです。

学校に何か言われるわけではないので、本人が実際に困るまで、見過ごされてしまいました。


⚠「二次障害になる」ケースも

よく「早期療育が大事」と言われますが、その理由の1つが、二次障害を防ぐためになります。

二次障害とは、”1つの困りごとが原因で、新たな困りが生まれる障害” をいいます。

例えば、学習障害の子が “学校での失敗体験” を重ね続け、不登校になる場合です。

二次障害は、発達障害とは違い “防ぐことができる” ものです。

詳しくは 【発達障害の子の二次障害】原因・予防/対処法 をご覧ください。

療育を受ける「目安」

ここまでの内容は、ネガティブな内容が多かったですよね。

ただ気づいた段階で、お子さんに合った療育のサポートが受けられれば、

今の状況が更に悪化することは、防げる場合が多いです。

ここでは、「療育が必要になる目安」を2つ見ていきたいと思います。



①:子ども・家族が「困ってる」


②:第3者(園/学校)から「勧められてる」


①:子ども・家族が「困ってる」

お子さんや家族が、”今の生活で困っているか” が大切になります。

個人的には、困っている状態が2ヶ月以上続いてる場合は、療育を検討される目安になると思います。

理由としては、2ヶ月以内ですと、環境の変化など一時的な影響による場合もあるため、

本当に困りになっているのか、判断しづらい為になります。

②:第3者(園・学校)から「勧められてる」

“第3者から支援を勧められた” 場合も、目安になります。

特に、園・学校側から勧められた場合は、実際の集団生活を見て判断されているので、”お子さんに必要な場合が多い” です。

【合わせて読みたい記事】

【保育園に療育を勧められたら】やるべきこと・注意点・事例

✍療育の必要性は、「発達障害かどうか」は関係ない

療育の目的は、

・定型発達の子に追いつく
・欠点を克服する

ではありません。

療育には、主に3つの目的があります。

・子ども/家族の困りの「解消・軽減」する
・お子さんが「対処法」を身につける
・子どものサポートを「家族ができる」


極端な例かもしれませんが、個人的には、発達障害でも本人が対処できてれば、支援は必要ないと思っています。

逆に発達障害でなくても、お子さんが困っていれば、支援は必要になると思います。

ちなみに最近では、医師の診断書がなくても利用ができる “民間の療育” も増えています。

【合わせて読みたい記事】

【療育で追いついた?】療育で成果が出るポイント、成功・失敗事例

✍学習面は、「家庭でできること」 から始めるのも1つ

人とのコミュニケーションとは違い、学習は “家庭でできること” が多いです。

もしお子さんの困り事が、家庭でのサポートでも対処できる範囲なら、まずは家庭内での工夫をするのも良いと思います。

一番手軽に始められるのは、“タブレット学習” になります。

ご興味のある方は 、下記をご覧ください。

【療育支援員がおすすめ】発達障害の子に良いタブレット学習とは?4つの条件・理由・注意点

「【療育の後悔】受けないままだと、子どもの将来にどんな可能性が?事例を元に解説」のまとめ

記事のポイントをまとめます。



療育を受けず後悔した「事例」
・”説明が難しい” 年長さん
・”集団参加が苦手” な小学1年生
・”完璧主義” な子
・”文章題や複雑な計算が難しい” 子
・”思春期特有の会話が難しい” 子

療育を受ける「目安」
・子ども/家族が困ってる
・第3者(園・学校)から勧められてる
・発達障害かどうかは関係ない


以上になります。

お一人で抱え込まず、信頼できる人に相談しながら、焦らずじっくり考えることをお勧めします。

もし、「専門的で客観的な意見がほしいけど、気軽に相談できる人がいない」という方は、

私(発達マップ)の方でZOOM相談をしております。

有料になりますが、頼る先がなくお困りの方には、選択肢の1つになると思います。

ご興味のある方は【個別相談について】 をご覧ください。


【関連記事】

【通所受給者証の3つのデメリット】メリット/申請方法

-療育

執筆者:


  1. […] 【療育の後悔】受けないと、子どもの将来はどんな可能性が?事例を元に解説 […]

  2. […] 【療育の後悔】受けないと、子どもの将来にどんな可能性が?事例を元に解説 […]

  3. […] 【療育の後悔】受けないと、子どもの将来はどんな可能性が?事例を元に解説 […]

  4. […] 【療育の後悔】受けないと、子どもの将来にどんな可能性が?事例を元に解説 […]

  5. […] こちらに関しては、【療育の後悔】受けないと、子どもの将来にどんな可能性が?事例を元に解説で詳しくまとめています。 […]

  6. […] 【療育の後悔】受けないと、子どもの将来にどんな可能性が?事例を元に解説にまとめています。 […]

  7. […] 【療育の後悔】受けないと、子どもの将来にどんな可能性が?事例を元に解説 […]

  8. […] 【療育の後悔】受けないと、子どもの将来にどんな可能性が?事例を元に解説 […]

  9. […] 【療育の後悔】受けないと、子どもの将来にどんな可能性が?事例を元に解説 […]

comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

関連記事

【リタリコジュニアを辞めたい】療育を辞める4つのポイント・注意点とは

療育を辞めたいと思ってる方「今通ってるリタリコジュニアを辞めたいけど、本当に辞めていいのか悩んでる」 このようなお悩みに、お応えします。 ☑本記事の内容 ✅療育(リタリコジ …

【発達障害】幼稚園から指摘された時、親はどうするべき?2つの考え方とやるべきこと

幼稚園に子どもの発達障害を指摘された方「幼稚園に専門機関を勧められた。親として、どうすべきか教えてほしい」 このようなお悩みにお答えします。 ☑本記事の内容 ✅発達障害とは …

【療育手帳のデメリットは2つ】メリット・申請方法・他の手帳との違いも解説

療育手帳について知りたい方「療育手帳のデメリットが知りたい。療育手帳使うことで、子どもの将来が不利になるか心配」 このようなご要望/お悩みに、お応えします。 ☑本記事の内容 &#x270 …

【療育のやめどきは、いつ?】4つのタイミングとは。事例/注意点あり

療育を辞めるべきか迷ってる方「療育をやめた方がいいか迷ってる。療育やめたら、子どもが将来困らないか不安。療育をやめても良い目安が知りたい」 このようなお悩みに、お応えします。 ☑本記事の …

【療育で追いついた?】療育で成果が出るポイント、成功・失敗事例を紹介

療育の効果について知りたい方「療育で、周りの子に追いつくことは出来るの?実際に療育を経験した人の事例が知りたい」 このようなお悩みに、お応えします。 ☑本記事の内容 ✅療育 …

サイト作成者プロフィール

Image

発達障害/グレーゾーン/場面緘黙/不登校のお子さんとご家族の支援を、日々行っております。◇療育指導員◇相談支援員◇発達支援10年◇ブログ【週2回更新】◇twitter【毎日発信】◇長男が療育通所中◇

2023/05/20

【発達障害の子向け】ビーズクッション4選!使用時の5つのポイントも紹介

2023/05/16

【療育支援員が紹介】ADHDの子におすすめクッション5選!効果的な使い方も解説

2023/05/11

【療育支援員が紹介】不登校の子にオススメな習い事。4つの選ぶポイント・注意点とは

2023/03/23

【発達障害の子と担任が合わない時】3つの大切なポイント・対処法とは

2023/03/06

【小学校で支援学級を勧められた時】学級選びの3つのポイント・事例紹介

2023/02/22

【通級は恥ずかしい?】通級のメリット・デメリット・通う基準について

2023/02/16

【不登校の中学生】一日のスケジュールとは?時間管理で大切な4つのポイント

2023/01/30

【別室登校は、いつまでするもの?】大切な7つのポイントを解説します

2023/01/26

【支援員が解説】不登校の中学生の4つの自宅学習・始め方の4つのポイント

2022/10/18

【自閉症の子におすすめ】感覚刺激グッズ13選!療育支援員が紹介します

2022/10/12

【発達障害の子向け】噛み癖に役立つグッズ5選!支援員が使う時のポイントを解説

2022/06/16

【療育支援員が紹介】自閉症の子が落ち着くグッズ20選!落ち着かせるポイントも解説

2022/04/12

【発達支援員が解説】週何回?療育の頻度と期間とは。目的と通い方で変わる

2022/04/06

【宿題でいつも癇癪…】発達障害の子がスムーズにできる6つの対処法

2022/03/16

【療育支援員が解説】発達障害の子におすすめな習い事。ジャンル別に選び方~注意点まで

2022/01/27

【不登校の子は勉強追いつくの?】学習支援でも実践してる6つの勉強法

2022/01/12

【2023年 支援員がおすすめ】発達障害の子向けタブレット学習とは?4つの条件・理由・注意点

2021/12/16

【療育支援員が解説】すららの発達障害の子の評判は?オススメな子の特徴・理由・注意点

2021/10/22

【療育で追いついた?】療育で成果が出るポイント、成功・失敗事例を紹介

2021/10/21

【支援級勧められたけど普通級に行った!】学級選びで大切な3つのポイント

2021/10/18

【支援学級に偏見はある?】教育・療育の現場から見られる”実態”とは

2021/10/15

【支援学級にいじめはある?】100名以上の子から見える”現状”とは

2021/10/12

【特別支援学級から普通学級】デメリットはある?判断する基準を説明します

2021/07/27

【不安が強い子供】今日から始められる!2つの原因と8つの対処法とは

2021/07/16

【支援学級】担任と合わない時はどうする?2つの対策と注意点について

2021/06/30

【保育園に療育を勧められたら】やるべきこと・注意点・事例を元に解説

2021/06/23

【物の管理】子供が物をなくすのにイライラ!3つの原因と対処法について

2021/06/18

【療育支援員が紹介】発達障害の子におすすめな椅子5選!補助グッズも解説

2021/06/16

【療育の後悔】受けないと、子どもの将来にどんな可能性が?事例を元に解説

2021/06/09

【子供の心理】しつこい原因は何?「3つの原因」の対処法を説明します

2021/05/11

【障害児の学級選び】普通学級は親のエゴ?子どもに合った学級選びとは

2021/05/10

【不登校】元気なのに学校に行かない?3つの理由と接し方を説明します

2021/04/13

【発達障害】幼稚園から指摘された時、親はどうするべき?2つの考え方とやるべきこと

2021/03/19

【普通学級か支援学級か】内容、選ぶ基準、メリット/デメリットを説明します

2021/03/11

【通級は効果がない?】通級指導教室を徹底解説!内容から判定基準まで

2021/03/03

【どんな子が判定される?】特別支援学級を徹底解説!指導内容~卒業後の進路まで

2021/02/24

【子どもに「特別支援学級」って何?と聞かれたら】説明の仕方と注意点を紹介します

2021/02/14

【通級って何?】通級指導教室の支援内容・メリット・デメリット・選ぶ基準とは

2021/01/15

【療育辞めてよかった!】辞めるタイミングは4つ!事例・注意点も解説します

2021/01/12

【療育のやめどきは、いつ?】4つのタイミングとは。事例/注意点あり

2020/12/07

【場面緘黙の子供】なんで挨拶が苦手なの?3つの理由・5つの接し方とは

2020/11/25

【発達障害の子の家庭学習】天神がおすすめ!内容・料金・効果・口コミ・退会について

2020/11/20

【リベルタサッカースクール】入会~退会/料金/内容について解説します!

2020/07/27

【発達障害】逆さバイバイはいつまであるの?原因と接し方について解説します

2020/07/02

【落ちた人も多い?】特別児童扶養手当とは。金額/条件/申込方法を解説

2020/06/24

【自閉スペクトラム症】いつから?くるくる回る原因と対応方法を説明します

2020/06/17

【発達障害】クレーン現象はいつから?定型発達の子にもある?原因、接し方、相談先を解説します

2020/06/15

【健常児にもある?】子どものオウム返しとは。言葉を増やす2つの関わりを説明します

2020/06/03

【療育支援員がおすすめ】自閉症の子が遊べるおもちゃ【厳選26選】

2020/05/21

【子どもの癇癪】3つの原因から考える!クールダウンの方法とは

2020/05/01

【発達相談員がおすすめ】発達障害の子が楽しめる絵本~厳選10冊の紹介~

2020/04/06

【ADHD/グレーゾーンの子供】幼稚園選びの4つのポイント※注意点あり

2020/03/31

【療育支援員がおすすめ】ADHDの子の子育てに役立つ本を紹介~厳選5冊~

2020/03/27

【通所受給者証のデメリット】3つの注意点・メリット・申請方法を解説

2022/06/10

【発達相談員が紹介】言葉が遅い子におすすめ!おもちゃ7選!遊び方の4つのコツ

2022/06/02

【療育支援員が紹介】発語を促すおもちゃ12選!遊び方の4つのコツも解説

2023/05/25

【発達障害の子にプレゼント】おすすめ28選!支援員が紹介する自閉症・ADHDの子が好きなオモチャ

2022/11/14

【自閉症の子向け】人と楽しめる!おすすめゲーム7選!療育指導員が紹介

2022/11/16

【発達障害の子におすすめ】遊び9選!楽しい!成長する!~療育支援員が紹介~