

療育を辞めるべきか迷っている方「療育辞めてよかった人の事例が知りたい。療育を辞める目安が知りたい」
こういったご要望にお答えします。
☑本記事の内容
- 療育を辞めてよかったお子さんの事例
- 療育を辞めるタイミング
- 療育を続けた方がいいケース
療育を続けていくと、お子さんのできることが増え、園や学校、友達と遊ぶ時間、子どもの好きな習い事など、優先させるべきもの、悩んでしまうことありますよね。
この記事の執筆者の私は、療育指導を10年以上していまして、1,200名以上の発達障害のお子さん、その親御さんの支援をしてきました。
その支援経験、私の息子の療育経験を元に、療育を辞めてよかった事例/やめる目安/続けるべきポイントを、まとめてみました。
本記事がお役に立てれば、嬉しいです!
療育を辞めてよかったお子さんの事例

療育を辞めてよかった事例、そうでなかった事例を、それぞれ紹介したいと思います。
私が実際に支援した事例になります・・!
うまくいった事例
言語発達遅滞の年中さん👦
療育に1年半通い、課題だった3語文での要求、言葉での説明ができるようになった年中さん。
低年齢から通われていたこともあり、当初心配されていた言葉も、先生/友達と会話をするのに困らないほどに。
園であった出来事をママ・パパに話せたり、前日に遊びに行った話を、友達に話すこともでき、日常生活の中で身につけたスキルが活かせるようになりました。
日常生活で困りが解消されていたので、ママ・パパ、療育の先生の相談の結果、卒業ということで療育を辞めることになりました。
ADHDの小学2年生👩
学習への拒否感が強くあり、苦手な課題が出ると机の下に潜ったり、暴言を吐く小学2年生のお子さん。
1年間の療育で「課題に取り組んだ成功体験」をたくさん積むことで、課題への拒否感を減らしてきました。また苦手な算数は、解き方を手順化したものを早見表としていつでも見れるようにし、学校の宿題も取り組めるようになりました。
自分に合った取り組み方も分かったので、あとはそれを、家族や学校の先生との間で作っていく段階になりました。
お子さんが対処法が実践でき、家族の理解とサポートもある状態だったので、療育を辞めることになりました。
自閉症スペクトラムの小学5年生👦
2年間の療育では、「相手の気持ちを考える、相手の気持ちに合わせた伝え方、会話のキャッチボール」に取り組んできました。
今では、大人の介入がなくても、友達に合わせて伝え方を変えたり、一方的に話すのではなく、「○○の話してもいい?」と、相手の気持ちに合わせた会話のキャッチボールが、できるようになりました。
家族、学校の先生から見ても、生活に支障が出る困りがなく、お子さんからも「プログラミングがやりたい!」と希望があり、療育→プログラミング教室に通うことになりました。
生活の困りが解消され、お子さんの好きなことに専念できるようになった事例になります。
うまくいかなかった事例
ADHDの小学1年生👩
集中力が限られていて、課題量の調節/自分に合った学習への取り組み方を頑張ってきた小学1年生のお子さん。
課題の量を調節、解き方の手順化、事前に見通しを説明、3つの工夫をすることで、家庭でも学校の宿題もできていました。
その様子を見て、親御さんが安心され療育をやめ、一般の学習塾へ。ただ一般的な教え方では、お子さんが理解することが難しく、3年生の文章題や計算の応用問題についていけませんでした。
結果的に、授業や学習そのものを拒否するようになり、取り組むことが難しい状態になってしまいました。
失敗体験も多かったため、自信も失い、「もうやりたくない。何やってもできないんだよ」の発言が増え、療育に戻ってきたケースになります。
療育を辞めるタイミング

ここでは「療育をやめるタイミング」について、説明していきます。
療育を辞めるタイミングは重要で、ここを誤ると、あとからお子さんが困ってしまうことになるためです。
「療育を辞める」とは・・
・療育先を変える
・療育先を辞める
のどちらかになります。
1つずつ見ていきましょう。
療育先を「変える」タイミング
①療育への行き渋りがある

お子さんの「療育への行き渋り」がある場合になります。
例えば、「○○先生ヤダ、○○は行かない」などの発言などです。
療育先/ご家族が、療育を楽しめる工夫を最大限しても、お子さんが心底嫌がっている場合は、辞めるタイミングといえるでしょう。
✍何が嫌なのか、探ってみる
お子さんが話ができる場合は、嫌な理由を聞いてみるのも1つです。もし、ご家族や療育の先生が工夫できる範囲のことであれば、不安を取り除いてあげましょう。
お子さんが話をすることが難しい場合は・・
・指導が楽しめているか
・先生や友達との相性はどうか
・先生や指導内容が変わったか
・ここ最近で嫌なことがあったか
・体調(睡眠、空腹、疲れ、風邪気味)
など、家族で振り返ってみることを、お勧めします。
②子どもに変化がない

3ヶ月以上続けても、成長を感じない場合は、1つのタイミングになります。
もしお子さんの成長をあまり感じない場合は、先生に、今の指導の進捗を詳しく聞いてみるのが良いでしょう。
お子さんの具体的な行動での説明、療育先によっては、指導記録を使った説明などもあります。そこで納得ができる場合なら問題ありません。
⚠先生との関係作りの時間は別
最初は先生との関係性作り、場や人に慣れる時間が必要になります。お子さんによっては1ヶ月以上必要な子もいます。
慣れるまでの時間は、成長というより、「成長するための土台作り」と捉えましょう。お子さんが慣れてから、3ヶ月の期間で成長を見てみましょう。
療育先を「やめる」タイミング
①療育先に「辞めても大丈夫」と言われた

療育の専門家(療育指導員、児童発達管理責任者、心理士など)が「療育辞めても大丈夫ですよ」などの発言があれば、辞めてもいい目安になります。
療育の専門の先生は、多くの発達障害のお子さんを見ています。そして、お子さんが今後送る生活の状況も把握しています。
その先生からの発言は大きな意味を持ちます。理想は、2名以上の専門家から聞けると良いです。理由は客観性が高まるためになります。
懸念があれば「必要ない」と明言されることは、ほとんどないです。
②困りの解消/対処法が実践できる状態

・「困りごと」が解消されている
・お子さん自身で対処法が実践できる
この状態なら、辞める1つの目安になります。ただここは、専門的な領域ですので、療育先に相談することをお勧めます。
⚠第3者の意見をきく
第3者とは、専門家のことになります。客観的な意見を聞いた上で、判断することをお勧めます。専門家は、長期的な視点でお子さんの困りを想定できるためです。
基本的には、どの年齢のお子さんが、何で困りやすいか、など把握しています。
お子さんの特性と、今後のライフステージの間で、懸念がないのかを聞くことは、大切なことです。
療育を続けた方がいいケース

療育を続けた方が良い場合は、2パターンあります。
1つずつ見ていきましょう!
- 1:環境が変わるとき
- 2:専門家に「継続」を勧められたとき
1:環境が変わるとき

環境が変わる時は、お子さんへの負担が大きい為、慎重になる必要があります。
ここでいう「環境」とは・・
- 担任/クラス
- 学校/園
- 家庭
(引越し・家族が増える/減る)
になります。「療育をやめる」というのは、お子さんにとって大きな環境の変化です。環境の変化は、時期が重ならないようにすることで、お子さんの負担を軽くすることができます。
また、進学/進級で、生活そのものに大きな変化がある場合は、その生活に慣れるまでは、環境の変化は避けるのが良いです。お子さんにもよりますが、具体的な期間は、3ヶ月前後は必要になると思います。
また慣れてきて、お子さんの普段の様子が出てきたと同時に、困りに繋がるパターンも多いです。緊張していることで、一時的にお子さんが無理をして頑張って、困りが出づらい場合も少なくありません。
慣れた状態で生活をしても、困りがでなければ安心して卒業できる、目安になります!
✍環境の変化が大きい時期
個人的には・・
・4~6月
・9~10月
この時期は、療育をやめる時期としては、あまり勧められません。
4~6月は新年度の生活、9~10月は夏休み明けになります。お子さんが環境に頑張って慣れようとしている時期になります。
また2学期から困りが出る場合もあります。1学期は、緊張感もあり、無理して頑張れていたけど、それが2学期で困りとして出る場合もあります。
2:専門家に「継続」を勧められたとき

ここは、さきほど説明しましたね。療育先の指導員/児童発達管理責任者/心理士などの意見を聞いて、考えることが大切になります。
「【療育辞めてよかった!】辞めるタイミングは4つ!事例/注意点あり」のまとめ

記事のポイントをまとめます。
- 【療育を辞めてよかった子の事例】
・日常生活の困りが解消された
・苦手な課題への取り組み方が学べた
・友達と会話ができるようになった - 【療育先を「変える」タイミング】
・子どもの行き渋りがある
・子どもの変化がない - 【療育先を「辞める」タイミング】
・専門家に「辞めても大丈夫」と言われる
・困りの解消/対処法が実践できる状態 - 【療育を続けた方がいいケース】
・環境が変わるとき
・専門家に「継続」を勧められたとき
以上になります。
最終的な判断は、ママ・パパになります。信頼できる人へ相談し、後悔のないようにしてくださればと思います!
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