療育の効果について知りたい方「療育で、周りの子に追いつくことは出来るの?実際に療育を経験した人の事例が知りたい」
このようなお悩みに、お応えします。
☑本記事の内容
✅療育で成果が出る
「大切な視点」
✅療育で成果が出る
「押さえたい点」
✅療育の
「成功事例」
✅療育の
「失敗事例」
✅療育を検討されるご家庭に
「必要なもの」
お子さんの発達が心配な場合、「療育」が利用できることは、ご存知の方も多いと思います。
ただ、「療育」に通ったからといって、効果は出るものなのでしょうか…?
なかなか人には相談しづらい内容ですし、誰に聞けばいいかも、分からないですよね。
「療育にいけば、周りの子に追いつけるの…?」という疑問は残ったまま、モヤモヤする方も、多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、「療育で成果(お子さんの成長)が出る視点・押さえておきたいこと・成功/失敗事例・療育の卒業後」をまとめてみました。
この記事の執筆者の私は、療育指導を10年以上していて、発達障害・グレーゾーン・発達ゆっくりな子の支援をしてきました。
また、私自身の息子(言語発達遅滞・運動協調性障害)も、2年以上療育に通っていました。
その経験を通じて、情報をまとめてみました。
本記事が参考になれば、幸いです。
療育で成果が出る「大切な視点」
正しい療育の考え方・良い療育先と繋がることができれば、成果(お子さんの成長)は出ます。
ただ、そのためには、親御さんの「療育」への目的や捉え方が、とても大切になります。
ここがズレてしまうと、お子さんの成長が遅くなったり、親御さんが期待していたものと違った…ということになってしまいます。
✍療育≠周りの子に追いつく為のもの
療育の目的は、「定型発達の子に追いつく」、「周りの子と同じことができる様になる」為のものでは、ありません。
その子が、“日常生活を安心して過ごせる為の方法・対処できるスキル”を、学んでもらう為のもの。
そして、「こうやれば、できるんだ!楽しい!」と、子どもが心から思える経験を、積み重ねていく為のもの、になります。
お子さんが自身の特性を知ったり、活かしたり、親がそれをサポートできる状態を作ることも、大切な目的になります。
子どもの特性自体は、治すものではなく、活かしていくものです。私たち大人も、どうしても苦手なことがあると思います。
でも私たちは、工夫してなるべく回避したり、最小限のストレスになるよう対処しています。
性格を変えることができないことと同じで、どう活かす(対処)か、の視点が重要になります。
療育で成果が出る「押さえておきたいこと」
療育で成果が出る「押さえておきたいこと」は、2つあります。
一緒に見ていきましょう。
①:困りごと(心配)を「具体的にする」
②:家庭でも療育の1部を「取り入れる」
①:困りごと(心配)を「具体的にする」
親御さんが感じている困った(or今後が心配)場面を、具体的にしていくことが、大切です。
例えば、未就学のお子さんの例ですと…
①絵本の時間に
『離席して好きなオモチャで遊んじゃう』
②自由遊びの時間に
『友達のオモチャが欲しくて叩く』
②の場合ですと、「物の貸し借りのときに、言葉で貸してほしいことが言える」が必要になります。
この困りごと(困る場面)が曖昧だと、都度の心配事に振り回され、
「結局療育で何をしてたんだっけ?」、「何となく通ってるけど、あんまり成長してないかな」と、不安になったり、療育の成果が感じづらくなってしまいます。
親御さんが時間を作って、一生懸命連れてきて下さっているのに、とても勿体ないです…。
良い療育先なら、向こうから具体的に聞いてくれると思いますが、全ての療育先が十分にできる…というわけではないので…
ここで紹介させていただきました。
②:家庭でも療育の1部を「取り入れる」
ここの視点をもつ療育先は多くないですが、「家庭での関わり」は、とても重要です。
特にお子さんの年齢が低いほど、家族と一緒に過ごす時間が長いため、その分影響が大きいです。
ただ、親御さんも育児に、家事に、仕事に…とても忙しいですよね。
生活の中で、確保できる時間や体力は、限られていると思います。
そこで私がお勧めしているのは、「日々の関わりに一工夫入れる」です。
例えば、言葉での要求を練習してる子でしたら
おやつを出す時に、「○○ちょうだい」と言うように促し、言えたら、おやつをあげるイメージです。
『日常生活の中のやりとりに一工夫入れる』方法なら、親御さんも負担も少なく、継続できると思います。
親御さんが「これなら無理なくできる」というペースで進めていくことが、ポイントになります。
✍療育の必要性は、『発達障害の有無』ではない
支援をしていると、ときどき「子どもは障害ですか?治せますか?」と聞かれます。
我が子に障害があるのかどうか、親として子を想う、自然な気持ちだと思います。
ただ支援の必要性は、その子自身や周囲の人が困っているか、が大切になります。
発達障害でも、生活に困っていなかったり、困る場面があっても、ある程度対処できてれば、良いと思います。
逆に診断名はついていないけど、日常生活で困っていれば、支援は必要になります。
私が支援してきたお子さん・親御さんで、療育について後悔された方の事例を、
【療育の後悔】受けないと、子どもの将来にどんな可能性が?事例を元に解説にまとめています。
特に共通点が多かった部分を、お子さんのタイプ別に絞っています。具体的に知りたい方はご覧ください。
療育の「成功事例」
ここでは、療育の「成功事例」を紹介したいと思います。
成功は人によって、尺度が様々ですが、ここでは
「子どもの困りが解消された/対処できるようになった」の基準で、まとめています。
喃語だけ出る2歳児さん👦
当初母親は、気付いていませんでした。1歳半児健診では、
言葉がゆっくりであったものの、「これから言葉も伸びしていくので、様子を見ましょう」ということで、過ごされてきました。
ただ2歳を過ぎても、意味のある言葉が出ることもなく、喃語が中心でした。
同じ園のクラスの子は2語文で話し出す子も出てきて、他の子との言葉の発達の違いが、はっきり見えてきました。
そこから区の相談窓口で、子どもの言葉の発達について相談。
低年齢ということで、診断名はでず、区の療育はすぐに利用はできなかったのですが、
民間の個別療育に繋がることができ、週1回の支援に繋がることができました。
3ヶ月後には、やや不明瞭ながらも、単語で「ジューシュ(ジュース)」と、要求することができるようになりました。
母親がジュースを出す場面で、促しをしていた効果が高かったためです。
きりかえが苦手な3歳児さん👧
好奇心旺盛で、興味のあるものだったら1時間以上遊べてしまう、3歳の女の子。
ただ保育園では、園庭遊びから室内に移動するタイミングで、遊具での遊びがやめられず、切り替えが難しいことが、毎日ありました。
安全面から、園の先生が一人付きっきりになる必要もあった為、集団生活にも影響が出ていました。
園の先生から話を受け、療育機関へ相談。療育に繋がりました。
半年、個別療育を受けた結果、園生活では、先生が常に付きっきりじゃくても、きりかえが出来るようになりました。
他の子より時間は多少かかるものの、集団の動きに大きな影響が出る程では、なくなりました。
先生が付きっきりの状態から、声掛けだけできりかえができるようになったのは、とても大きな成長といえます。
手が出る年少さん👦
自由遊びのときに、自分が使いたいオモチャをお友達が使っていると、突き飛ばしてオモチャをとろうとする、年少男の子。
1日に何回もあり、時にはケガにも繋がりかねない、危ない場面も見られました。
ある日お友達で、痣ができてしまった子がいて、先生から「うちは専門知識はないので、どうしてあげたらいいのか分かりません。
一度専門の方に相談に行っていただけますか?方法が分かれば、園でもできる範囲でやりたいので教えてください」と、お話がありました。
療育を進める為に窓口へ相談し、週1回の個別指導/ペアレントトレーニングを受けることが決まりました。
「突き飛ばし」を止める方法より、言葉で伝える方法を身につける為、
お子さんへの指導・親御さんへのペアレントトレーニングで、一時期より、「突き飛ばし」が減り、その分言葉で言えるようになりました。
園が協力的だったため、親御さんはもちろん、療育先も連携をすることで、療育を勧められて9ヶ月ほどで、落ち着くことができました。
【合わせて読みたい記事】
【保育園に療育を勧められたら】やるべきこと・注意点・事例を元に解説
集団参加が苦手な年中さん👧
集団活動で興味のない内容だと、離席をしたり、自分の好きなことをしようとする、年中女の子。
作ることが大好きで、ものすごい集中力を発揮する反面、大好きな工作以外の活動は、参加することが、難しい状態でした。
園の先生から、就学に向けたサポートが、必要かもしれないと、お話を受けました。
利用するのに半年かかったものの、区の集団療育に繋がることができました。
療育では、なるべくお子さんの興味の強いPGMから、少しずつ興味の薄いものにシフトしていき、
無理なく、参加することができるようになりました。
個別の声掛けは時々必要なものの、最終的には、興味の薄い集団活動にも、最後まで参加することが、できるようになりました。
親御さんは、家で寝る前に、1日のできたことを褒める様、工夫をされていました。
療育の「失敗事例」
次は、療育の「失敗事例」を見ていきたいと思います。
大人に促されるのが嫌になった2歳児さん👦
もともと言葉がゆっくりで、3歳児健診で、指摘をされました。
それをキッカケに、区の療育に繋がることとなりました。
ただ熱心な母親は、家でも言葉を教えようと「絵本の読み聞かせ」「言葉での言い直し」を、たくさんしてきました。
お子さんは楽しんでいる様子はなく、むしろ少しずつ嫌がるようになりました。
それから、数ヶ月が経ち、大人の促しを拒否するようになりました。
家庭だけではなく、これまでできていた療育先でも、言葉で言うよう促しをされることを、嫌がるようになりました。
成長どころか、必要な支援が届けづらい状態になってしまいました。
怒られ続けた4歳年少さん👧
もともと、多動傾向があった、4歳年少男の子さん。親御さんが「ダメなことは怒って教える」というスタンス。
療育に繋がっても、「悪いことをしたら、怒って理解させる」というスタンスは、そのままでした。
お子さんは、頭の良い子で、親御さんの前では問題行動をせず、落ち着いてきたように見えました。
ところが、親御さんがいない場面で、他の子にちょっかいを出すようになりました。
もともと、興味のあるものがあると、立ち歩きがあったのですが、
それを怒られ続けた結果、ストレスの発散をお友達にするようになりました。
療育でも、優しい先生には、つねったりと、見えづらい困った言動が増えてきました。
療育と親御さんのスタンスがあまりに違い、成果が作れなかった事例になります。
机上課題が嫌いになった年長さん👦
就学準備で療育に通っていた、年長の男の子。
運筆、指示を行動に移す練習をしていました。
ただ、療育に加えて、家でたくさんのプリント学習をあった為、日々の生活で疲労が溜まるようになりました。
園から帰ってきて、療育に行く前に寝てしまったり、療育の時間中も集中力に欠け、コンディションが良くありませんでした。
結果的には、療育の回数を減らし、家庭でのプリント学習をお子さんと決め、調整することで落ち着きましたが、
机上課題への拒否感はあり、就学してから苦労されることとなりました。
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【療育辞めてよかった!】辞めるタイミングは4つ!事例/注意点
「【療育で追いついた?】療育で成果が出るポイント、成功・失敗事例を紹介」のまとめ
記事のポイントをまとめます。
✅療育で成果が出る大切な視点
・子どもの「発達がゆっくり」なとき
・園の集団生活に「支障が出ている」とき
✅療育で成果が出る押さえたい点
・どの「子どもの言動」が気になるのか聞く
・実際に療育先に相談する
✅療育の成功事例
・喃語だけ出る2歳児さん
・きりかえが苦手な3歳児さん
・手が出る年少さん
・集団参加が苦手な年中さん
✅療育の失敗事例
・ 大人に促されるのが嫌になった2歳児さん
・ 怒られ続けた4歳年少さん
・ 机上課題が嫌いになった年長さん
以上になります。
本記事が参考なれば、幸いです。
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