療育

【療育】掛け持ちはできる?メリット・デメリット・療育の選び方を解説

投稿日:2021年6月28日 更新日:

療育通い方で悩まれている方
今の療育先では日数が足りなくて、もう少し増やしたいけど、掛け持ちはできるの?

掛け持ちは、子どもが混乱するって聞いたけど本当?

これから療育を始めたいけど、気になる療育先が2つあって、どちらかに絞らないとダメ?

このようなお悩みに、お応えします。

☑本記事の内容



療育の掛け持ちの
 「メリット」

療育の掛け持ちの
 「デメリット

✅療育の「選び方」

療育を検討する子に
 「必要なもの」



療育(放課後等デイサービス/児童発達支援)に通っているお子さんを持つ方、

もしくは今から通おうと思っている方は、2箇所以上の「掛け持ち」ができるのか、気になる所ではないでしょうか。

結論からいいますと、『療育の掛け持ち』自体は、可能になります。

この記事の執筆者の私は、療育/相談支援を10年以上していて、療育指導~療育先の地域資源の選び方・活用の仕方なども支援してきました。

また私の息子も療育を利用していました。

その支援/通所経験を元に「療育の掛け持ちのメリット・デメリット・選び方」を、まとめました。

本記事が参考になれば、幸いです。

療育の掛け持ちの「メリット」

「療育の掛け持ち」のメリットは、3つあります。



①:「療育の機会」を増やせる

②:「多角的な療育」が受けられる

③:「相談先」が増やせる


①:「療育の機会」を増やせる

今は療育先は、かなり混み合っており、支援の必要性があるにも関わらず、月に1~2回しか機会がないお子さんが、多くいらっしゃいます。

発達障害のお子さんの成長は、支援者からのアプローチの回数が、そのまま成果に繋がります。

「頻度を増やす」のは、シンプルですが、とても大切なことです。

お子さんの困りと療育の目的にもよりますが、個人的には週1回の頻度は、ほしい所です。

理由は、お子さんのスキルの定着には、一定の頻度(覚える⇨アウトプット)が、必要になるためです。

②:「多角的な療育」が受けられる

様々な療育先のアプローチが、受けられるのも、メリットになります。

療育先によって「言語」、「SST」、「運動面」など、強みが違ってきます。

『お子さんに必要な支援』に合わせて、療育先が選べると、一番効果的に療育を受けることができます。

③:「相談先」が増やせる

親御さんの相談先が増えるのも、メリットになります。理由は2つあります。

1つ目は、親御さんの心身の負担が減らせることです。

気持ちを吐き出す
話を聴いてもらう
共感してもらう

このような機会は、とても大切な機会になります。

今の療育は、親御さんへの支援が足りていません。ただ、繋がっている相談先が増えることで、多少補うことができます。

2つ目は、親と子が、離れられる時間が作れることです(母子分離型の療育)。

育児には、親が一人になる時間も必要になります。こういった時間を活用できるのも、親の心身の健康のために、大切になります。

【合わせて読みたい記事】

【療育の後悔】受けないと、子どもの将来はどんな可能性が?事例を元に解説

療育の掛け持ちの「デメリット」

「療育の掛け持ち」のデメリットは、2つあります。

あくまで「デメリットの可能性がある」という視点に、基づいています。



①:子どもが混乱する

②:子どもに負担がかかる


①:子どもが混乱する

それぞれの『療育先の方針』が違う場合に、お子さんが混乱する場合があります。

少し極端な例になりますが、下記のような「療育の方針の違い」があります。

【Aの療育先】
できたら褒める

【Bの療育先】
できなかったら叱る

お子さんの言動に対する、大人の反応の違いが出てきます。

もう1つ見ていきましょう。

【Aの療育先】
子どもに必要なスキルを積極的に働きかける
(能動的)

【Bの療育先】
子どもを最大限、尊重する
(受動的)

どちらが良い悪いというお話ではなく、お子さんへの支援の一貫性が、大切というお話になります。

私が関わってきたケースでも、実際にいくつもありました。

✅目指すスキルが同じでも、「方法が違う」場合もある

よくある事例で、「要求の方法」があります。

発語が出ない子に対して、

・ジェスチャーで要求?
・単音などの音で要求?


このように、療育先によって、違う場合があります。

療育先の内容のすり合わせは、とても重要になります。

親御さんを通して、支援計画書を共有するなど、情報の共有が必要になってきます。

②:子どもに負担がかかる

距離・時間・他の習い事の数によっては、お子さんに「大きな負担」が、かかる場合があります。

負担になっている例は、下のような状態です。

・疲れ/眠気
・機嫌が悪い
・行き渋りがある


個人的には、「2ヶ月以上続いているか」を目安にしています。

1ヶ月ですと、「行事のある月、進級・長期休みなどの影響」を受けていて、一時的な場合もあるためです。

⚠「療育の掛け持ち」を止める自治体もある

残念なことではありますが『療育の掛け持ちを断る自治体』があります。

私が知る限り、療育の掛け持ちを禁止する規定はないと思うのですが…

療育先から「子どもが混乱するので、掛け持ちは控えて下さい」と言われている方が、実際に何名もいらっしゃいました。

個人的には、方針や負担の部分がクリアされていて、お子さんが楽しめたり成長できるなら良いと思うのですが…。

たまに、秘密で掛け持ち(民間の療育と)をされている方も、いらっしゃいます。

お子さんにとって必要な機会なら、私は良いことだと思います。

療育の「選び方

療育先の選び方を、2つのパターンに分けてみました。

該当する内容をご覧ください。

✅今の療育先だけでは、物足りない方

まず『今通われている療育先』に相談されることを、お勧めします。

具体的には「何がどれだけ足りていないと感じているのか」が相談できると良いと思います。

通所が始まったばかりでない限りは、療育先もお子さんのことを、理解していると思います。

どのタイミングで・どのような療育先が必要になるのか、もしくは必要ないのか、を説明してもらえると思います。

もし、その説明が納得しかねるものでしたら、気になっている療育先に相談するのが、良いと思います。

✅今の療育先に、不満がある方

今の療育先に不満があり、他の療育先で補填・療育先を変えようと、検討されている方になります。

こちらも先ほどと同じで、

具体的に『どこが不満/疑問なのか』を通われている療育先に、相談されるのが、一番良いと思います。

お子さんが今の療育先を楽しんでいる場合は、今の療育先で解決できるのが、一番だと思います。

それでも

・過去に相談したけど、結論が出なかった
・相談できる関係性ではない


ということでしたら、気になる療育先に相談するのが、良いと思います。

療育先はお子さんだけではなく、親御さんが「信頼できる」「安心して相談できる」という気持ちが持てるかも、大切になります。

お子さんを連れて行くのは、親御さんですし親御さんの心身の状態が、お子さんにとっても、大切な環境になりますので。

⚠「掛け持ちの進め方」は、丁寧にしたい

療育の掛け持ちに対して、あまり良く思わない療育先があります。この場合は少し、注意が必要になります。

療育の掛け持ちを進めることで、「それではうちで療育はできないですね」など、冷たい反応をされた方も、実際にいらっしゃいます。

個人的には、そんな対応をする療育先は、あまり信用できませんが、療育の機会は限られているので、難しいところです…。

いずれにしても、丁寧に進めていくことを、お勧めします。

✅個別と集団の「目的の違い」の理解が大切

療育が空くと「やっと空いた!とりあえず入れるだけお願いします!」という方が、いらっしゃいます。

お気持ちはよくわかります。数ヶ月待ってようやく空いたわけですから…。

ただ、空いた療育の内容が、お子さんに合っているのか、確認することは大切になります。

特に、これらの点が大切になります。

・楽しめるのか
・学びになるのか
・成功体験ができるか
・信頼/安心ができるのか


また、親御さんも同様になります。

特に「安心・信頼ができるか」は実際に通所される親御さんにとって、重要な部分になります。

【関連記事】

【療育で追いついた?】療育で成果が出るポイント、成功・失敗事例

療育を検討する子に「必要なもの」

ここでは、療育を検討する子に「必要なもの」をお伝えしたいと思います。

療育を検討されてる方には、

「療育先を探してる」
「今の療育先から、新しい療育先に変えたい」
「療育を受けるべきか迷ってる」

様々な目的やお悩みがあると思います。

療育先を探してる方、療育を受けるべきか悩まれてる方に、共通する大切な点が、3つあります。

・子どもの発達/特性を知る
・親の関わり方を学ぶ
・支援の必要性の有無


既に療育を利用されてる方は、ご存じな点になると思います。

お子さんの発達/特性を把握することで、必要な支援、家での関わり、環境などが見えてきます。

お子さんの現状を把握することで、

「どんな支援が必要?」
「家での関わりは?」
「園や学校での配慮は?」
「過ごしやすい環境は?」

これらの疑問が、解消されやすくなります。

そのため、専門の先生に、個別でじっくりお子さんの様子を見てもらい、上記の疑問を解消することが大切になります。

✅お子さんの特性/関わり方の把握は「リタリコジュニア

リタリコジュニア とは、発達/療育支援の教室になります。

専門の先生が、指導を通してお子さんの行動を分析し、お子さんの発達/特性・必要な関わり/環境・支援の必要性の有無について、教えてくれます。

リタリコジュニアが良い理由は、大きく5つあります。

・療育の最大手
(実績と信頼がある)

・応用行動分析
(エビデンスに基づく指導)

・自己肯定感を高める指導
(子どもの楽しさ・自信を大切に)

・成果が具体的(書面で受け取れる)
(成果:子どものできた行動の数値化)
(成長に繋がる具体的な関わり方)

・家での関わりサポート
(ペアレントトレーニング)

その子の “今の状態”、”今後必要になってくるもの” を把握し、お子さんの今後の過ごしやすさに繋げていけると安心です。

その他、メリット・デメリットなど詳しい情報は、下の記事をご覧ください。

発達障害の有無に関わらず、発達が気になる/ゆっくりな子など、心配事がある子の親御さんにとって、参考になる内容になっています。

【リタリコジュニア】療育支援員がおすすめする理由

「【療育】掛け持ちはできる?メリット・デメリット・療育の選び方」のまとめ

記事のポイントをまとめます。



療育掛け持ちのメリット
・療育の機会を増やせる
・多角的な療育が受けられる
・相談先が増やせる

✅療育掛け持ちのデメリット
・子どもが混乱する場合がある
・子どもに負担がかかる

今の療育先だけでは物足りない方
・物足りないと感じる部分を具体的にする
・今の療育先に相談する
・新しい療育先に相談も1つ

今の療育先に不満がある方
・不満に感じる部分を具体的にする
・今の療育先に相談する
・新しい療育先に相談も1つ

掛け持ちの注意点
・自治体によって断られる場合がある
・療育先との関係性に影響が出る場合がある

療育を勧められた子に
 「必要なもの」

・子どもの特性を知る
・家族の関わり方を学ぶ
・支援の必要性の有無の確認


以上になります。

本記事が参考になれば幸いです。

【関連記事】

【療育支援員がおすすめ】発達障害の子に良い タブレット学習

-療育

執筆者:


  1. […] 【療育】掛け持ちはできる?メリット・デメリット・療育の選び方を解説 […]

  2. […] 【療育】掛け持ちはできる?メリット・デメリット・療育の選び方を解説 […]

  3. […] 【療育】掛け持ちはできる?メリット・デメリット・療育の選び方 […]

comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

関連記事

【療育に通うまでの流れ】6つのステップ、3つの注意点~目的に合った療育を選ぶ~

療育について調べてる方「療育に通うまでの流れが知りたい。注意点があれば教えてほしい」 このようなお悩みに、お応えします。 ☑本記事の内容 ✅療育に通うまでの流れ 「6つのス …

【保育園に療育を勧められたら】やるべきこと・注意点・事例を元に解説

園に療育を勧められ悩まれてる方「保育園に療育を勧められたけど、受けるべき?うちの子は早生まれなだけだと思うけど、専門機関に相談した方がいい?やるべきことが知りたい」 このようなお悩みに、お応えします。 …

【療育のデメリット】3つの注意点・メリット・心構え・療育の選び方とは

療育について知りたい方「療育にデメリットはあるの?注意点があれば知りたい」 このようなお悩みに、お応えします。 ☑本記事の内容 ✅療育の「デメリット」 ✅療育 …

【療育に通う基準】3つのポイント~療育を始める方が多い4つの時期~

療育を検討されてる方「療育に通う基準が知りたい。療育を始める人はどの時期に始めることが多いの?」 このようなお悩みに、お応えします。 ☑本記事の内容 ✅療育に通う 「3つの …

【療育の現場で見てきたこと】早期療育せず後悔した4つのパターン~療育で大切な考え方~

子どもの療育について悩まれてる方「早期療育をしないと後悔するって本当?療育は早いほどいいの?事例も知りたい」 このようなお悩みに、お応えします。 ☑本記事の内容 ✅早期療育 …

サイト作成者プロフィール

Image

発達障害/グレーゾーン/場面緘黙/不登校のお子さんとご家族の支援を、日々行っております。◇療育指導員◇相談支援員◇発達支援10年◇ブログ【週2回更新】◇twitter【毎日発信】◇長男が療育通所中◇

2023/12/18

【不登校の平均期間は?】短くなる時、長くなる時の違い(特徴)~期間より大切な7つのコト~

2023/12/03

【療育に通うまでの流れ】6つのステップ、3つの注意点~目的に合った療育を選ぶ~

2023/10/24

【療育に通う基準】3つのポイント~療育を始める方が多い4つの時期~

2023/10/03

【口に物を入れる】発達障害の子向けの対策~関わる上で大切な3つの視点~

2023/09/16

【発達障害の子におすすめ】感覚遊び19選~遊ぶ時に大切な3つのポイント~

2023/09/12

【発達障害だけど普通学級で貫き通します】事例の紹介~学級選びのポイント~

2023/09/01

【発達ゆっくりな子のその後は?】療育の現場の事例紹介~今、家族に出来ること~

2023/08/04

【よく寝るのは問題?】不登校の回復期のサイン・関わり方・注意点とは

2023/08/01

【療育のデメリット】3つの注意点・メリット・心構え・療育の選び方とは

2023/07/04

【不登校】学校とのやりとりで大切な3つのポイント・2つの注意点とは

2023/05/16

【療育支援員が紹介】ADHDの子におすすめクッション5選!効果的な使い方も解説

2023/05/11

【療育支援員が紹介】不登校の子にオススメな習い事。4つの選ぶポイント・注意点とは

2023/03/23

【発達障害の子と担任が合わない時】3つの大切なポイント・対処法とは

2023/02/22

【通級は恥ずかしい?】通級のメリット・デメリット・通う基準について

2023/02/16

【不登校の中学生】一日のスケジュールとは?時間管理で大切な4つのポイント

2023/01/30

【別室登校は、いつまでするもの?】大切な7つのポイントを解説します

2023/01/26

【支援員が解説】不登校の中学生の4つの自宅学習・始め方の4つのポイント

2022/10/12

【発達障害の子向け】噛み癖に役立つグッズ5選!支援員が使う時のポイントを解説

2022/06/16

【療育支援員が紹介】自閉症の子が落ち着くグッズ20選!落ち着かせるポイントも解説

2022/04/06

【宿題でいつも癇癪…】発達障害の子がスムーズにできる6つの対処法

2022/03/16

【療育支援員が解説】発達障害の子におすすめな習い事。ジャンル別に選び方~注意点まで

2022/01/12

【2024年 支援員がおすすめ】発達障害の子向けタブレット学習とは?4つの条件・理由・注意点

2021/10/21

【支援級勧められたけど普通級に行った!】学級選びで大切な3つのポイント

2021/10/18

【支援学級に偏見はある?】教育・療育の現場から見られる”実態”とは

2021/07/16

【支援学級】担任と合わない時はどうする?2つの対策と注意点について

2021/06/30

【保育園に療育を勧められたら】やるべきこと・注意点・事例を元に解説

2021/06/18

【療育支援員が紹介】発達障害の子におすすめな椅子5選!補助グッズも解説

2021/06/16

【療育に行かなかったら後悔する?】よくある5つの事例~療育はどんな子にもプラスになる~

2021/02/24

【特別支援学級】子どもへの説明~2つのポイント~良い/悪い7つの具体例~

2021/01/15

【療育辞めてよかった!】辞めるタイミングは4つ!事例・注意点も解説します

2020/12/07

【場面緘黙の子供】なんで挨拶が苦手なの?3つの理由・5つの接し方とは

2020/11/25

【発達障害の子の家庭学習】天神がおすすめ!内容・料金・効果・口コミ・退会について

2020/07/27

【発達障害】逆さバイバイはいつまであるの?原因と接し方について解説します

2020/06/24

【自閉スペクトラム症】いつから?くるくる回る原因と対応方法を説明します

2020/06/03

【自閉症の子が夢中になる!】人気おもちゃ26選~療育支援員が紹介~

2020/05/21

【子どもの癇癪】3つの原因から考える!クールダウンの方法とは

2020/05/01

【発達相談員がおすすめ】発達障害の子が楽しめる絵本~厳選10冊の紹介~

2020/03/31

【療育支援員がおすすめ】ADHDの子の子育てに役立つ本を紹介~厳選5冊~

2023/09/05

【発達相談員が紹介】言葉の発達を促す遊び21選!言葉を増やす3つのポイント

2022/06/02

【発達相談員が紹介】発語を促すおもちゃ12選~言葉が遅い子の4つの遊び方のコツ~

2023/05/25

【発達障害の子にプレゼント】おすすめ28選!支援員が紹介する自閉症・ADHDの子が好きなオモチャ

2022/11/14

【発達障害の子向け】おすすめゲーム7選~自閉症、ADHDの子が楽しく学べる~

2023/09/13

【知的障害の子におすすめ】おもちゃ19選!感覚遊び~全身運動まで紹介