療育

【発達支援員が解説】週何回?療育の頻度と期間とは。目的と通い方で変わる

投稿日:2022年4月12日 更新日:

療育の頻度について知りたい方「療育は、週何回通うもの?実際に通ってる子は、どのぐらいの頻度が多いの?効果が出る頻度・期間が知りたい」

このようなお悩みに、お応えします。

☑本記事の内容



一般的な療育の
 「頻度・期間」

✅効果が出やすい実際の
 「頻度・期間」

療育の頻度・期間の
 「決定までの流れ」

療育を検討されるご家庭に
 「必要なもの」



お子さんの発達が心配な場合、「療育」という支援を利用できることは、ご存知の方も多いと思います。

ただ、「療育」といっても、どのぐらいの頻度で通えば、効果が出るものなのでしょうか…?

個人差があるとはいえ、目安が知れると、療育の回数を検討する上で、参考になりますよね。

そこで本記事では、下記の内容をまとめました。

「療育で成果(お子さんの成長)が出やすい頻度・期間・事例」

この記事の執筆者の私は、療育・発達支援を10年以上しており、発達障害・グレーゾーンと言われる子の支援をしてきました。

また、私自身の息子(言語発達遅滞・運動協調性障害)も、2年以上療育に通っていました。

その支援・育児経験を元に、情報をまとめています。

本記事が参考になれば、幸いです。

※本記事の「療育」は児童発達支援・放課後デイの福祉サービスを想定しています

一般的な療育の「頻度・期間

一般的な療育の「頻度・期間」は、大きく2つの通い方により、変わります。

①:”幼/保育園に通いながら” の療育
②:”幼/保育園の代わり” の療育

あくまで、私の地域での情報が中心ですので、参考程度にご覧ください。

では、1つずつ見ていきましょう。

①:”幼/保育園に通いながら” の療育

1番多い頻度(期間)は、週1~2回(2~3年)になります。

週1回~始める通い方が、一番多いです。

2番目に多い頻度(期間)は、月2~3回(1~2年)になります。

3番目に多い頻度(期間)は、週3回(2~3年)になります。

【合わせて読みたい記事】

【保育園に療育を勧められたら】やるべきこと・注意点・事例を元に解説

②:”幼/保育園の代わり” の療育

週4~5日通われる子が、ほとんどになります。

よく「療育センター・療育園」と呼ばれるものです。

幼/保育園の代わりに通われる為、身辺自立・集団活動など、生活のベースとなるスキルを身につける意味合いになります。

また、園に断られてしまったり、園で集団生活についていけない場合、

週4日以上通われることが多いです(その分お子さんへの支援の必要性が高いことが多い)。

幼・保育園の代わりに、通っている場所になりますので、頻度が多く、過ごす時間も午前~夕方までと、長時間になります。

生活に近いイメージになるので、集団活動が多く、下記の活動が多いです。

・身辺自立
・運動
・リトミック
・工作
・友達との関わり


通われてる子は、集団生活のスキル(集団に合わせて動く・指示を聞いて動く・友達と関わる)が伸びる子が多いです。

逆に、発語・癇癪・離席・課題に取り組まない、などの困りがある子には、集団療育では、足りないです。

もし、お子さん本人・周囲が日常的に困っている場合は、個別の療育が必要な可能性があるので、

福祉サービスで空きの確認、空きがないなら民間の療育を検討されるのが、良いと思います。

【合わせて読みたい記事】

【療育のデメリット】3つの注意点・メリット・心構え・療育の選び方

効果が出やすい実際の「頻度・期間」

効果が出やすい実際の「頻度・期間」を紹介します。

ここもあくまで、私が現場を見てきた情報になりますので、参考程度にご覧ください。

✍週1回以上は、欲しい(1年以上)

まず最初に言えることは、週1回の頻度は欲しいという点です。

療育に通うということは、何かしらスキルを身に付けたい方が、ほとんどだと思います。

ただ、スキルを身につけるということは、それだけ練習する回数が必要になります。

そして、お子さんが楽しめたり、自分から取り組みたくなることが大事です。

私たち大人も、英会話を学ぶ時に、定着させるには、ある程度学ぶ頻度が必要になると思います。

そして楽しめないと、なかなか続かず成果も出づらいと思います。

お子さんも一緒になります。

特に支援が必要なお子さんは、特性によって物事に取り組みに強い拒否感が出たり、

興味の幅が限られていて、楽しみながら学ぶ方法が限られることもあります。

「スキルの獲得(定着)」を目的にするなら、週1回の療育は、必要になると思います。

私が見てきた現場でも、週1回以上通っている子は成長は著しく、生活の過ごしやすさにも繋がっていきました。

逆に週1回以下の子は、成果が出るのに時間が掛かったり、親御さんが期待する成果が出ないこともありました。

お子さんの特性や困りによって、療育の頻度・期間は変わります。

療育機関の先生に相談して、アドバイスをもらえると安心です。

【合わせて読みたい記事】

【療育で追いついた?】療育で成果が出るポイント、成功・失敗事例

✍「時間・費用・労力」に無理がないなら、多い方が効果的

支援をしていると、ときどき「どれぐらい通うと良いですか?多い方が良いですか?」と、親御さんから質問をいただきます。

私は、「お子さん・ご家族が日常生活に支障が出ない範囲で、なるべく多い方がいい」とお伝えしています。

何かで無理をすると、あとから生活のどこかに影響が出ます。

例えば、親御さんがイライラすることが多くなり、お子さんもストレスが溜まりやすくなるなどです。

「時間・労力・費用」の3つで、無理をしてないか?の視点が、大切になります。

もし、迷われる場合は、その迷っている理由を含めて、家族や先生など信頼できる方に相談するのをお勧めします。

✍「家庭での関わりの工夫」は、最も効果的

療育で得た “お子さんへの関わり方” を家庭で実践することは、療育の効果的を高めます。

先ほども触れましたが、療育は頻度(練習する)が大切になります。

家庭で実践できる分だけ、練習の頻度は増えますので、基本的に効果は高くなります。

ただ注意点は、訓練にならない様にすることです。 “お子さんが楽しめていたり、ストレスになっていない” が前提になります。

そうでないと、拒否感が出たり、ストレス過多で癇癪が増えるなど、違う困り事に繋がりやすい為です。

⚠療育機関での診察は「療育的効果は期待できない」

よく診察で、数ヶ月に1回親御さんが話を聞いてもらったり、軽くお子さんと遊ぶ形があります。

支援の1部には変わりありませんが、基本的には、お子さんの困りを解消したり、具体的な成長を作るものではありません。

数ヶ月に1回では、どんな専門家でも困りを解消することは、不可能です。

実際に療育の効果を期待される親御さんで、

「話を聞いてもらってるだけで、イマイチ効果は感じなくて..モヤモヤするんです」という方が多くいらっしゃいます。

基本的には、診察の目的は『経過観察(現状確認)』になります。

ここの違いを認識しておくことが、大切になります。

【合わせて読みたい記事】

【療育の後悔】受けないと、子どもの将来にどんな可能性が?事例を元に解説

療育の頻度・期間が「決まる流れ」

療育の頻度・期間が「決まる流れ」を見ていきましょう。

まず療育が決まる流れは、下記の通りになります。

自治体にもよりますが、③のステップで、お子さんの障害特性の評価(専門家の見立て)が入ります。

療育が必要になるのか・必要ならどの程度の療育が必要なのか、お医者さんが判断することになります。

そして、④の受給者証が交付されると、「契約支給量(月間で療育が利用できる日数)が記載されます。

お子さんよって、「月4日」もあれば、「月20日」出る子もいます。

詳しい療育の流れは、【通所受給者証のデメリット】3つの注意点・メリット・申請方法 をご覧ください。

⚠契約支給量は、あくまで「上限」

受給者証に記載されている契約支給量の日数分が、必ず療育として全て利用できるわけではありません。

あくまで、利用できる最大の日数になります。

利用する療育施設で空きがなければ、契約支給量が20日あっても、半分の10日しか使えないこともあります。

⚠契約支給量は、複数の療育施設で使える

療育先を併用し、契約支給量を分散して使うことができます。

例えば、契約支給量20日の方の場合…


A施設:10日間/月
B施設:10日間/月

このように掛け持ちして、利用することができます。

ただ療育の掛け持ちは、メリット・デメリットがあります。

詳しくは、【療育】掛け持ちはできる?メリット・デメリット・療育の選び方 をご覧ください。

療育を検討されるご家庭に「必要なもの」

ここでは、療育を検討されるご家庭に「必要なもの」をお伝えしたいと思います。

療育を検討されるということは、少なからず、お子さんの様子、生活(家・園・学校)、家族の関わり方など、心配事があると思います。

そんな心配事を抱えているご家庭にとって、必要なものは3つあります。

・子どもの特性を知る
・親の関わり方を学ぶ
・支援の必要性の有無


これらは、療育を始めても始めなくても、子育てで悩まれてる方全員に共通する大切な点になります。

お子さんについて、何かしら心配事があるということは、大なり小なり、お子さんの特性が一因になっている可能性が高いです。

お子さんの特性を把握することが、お子さん、ご家族の心配事を減らす最初の一歩になります。

お子さんの得意、不得意、発達の凸凹、必要な環境・配慮などを把握することで、困り事への対処法(ex.家での関わり、継続的支援)が見えてきます。

お子さんの特性によっては、家での関わり方を工夫することで、解消できることもあります。逆に、継続的な支援が必要な場合もあります。

いずれにしても、お子さんの特性を把握することで、今の心配事に対する解決手段が見えてきます。

そのような背景から、お子さんの特性を把握する、特性に対する家族の関わり方を学ぶことが、まず必要になります。

✅お子さんの特性・関わり方の把握は「リタリコジュニア

リタリコジュニア とは、発達/療育支援の教室になります。

専門の先生の指導を通して、お子さんの特性・関わり方を把握することができます。

リタリコジュニアが良い理由は、大きく5つほどあります。

・療育の最大手
(実績と信頼がある)

・応用行動分析
(エビデンスに基づく指導)

・興味、関心を活かすスタンス
(その子に合わせた支援)

・具体性の高さ(書面で受け取れる)
(お子さんの成長:できた行動をカウント)
(指導員の効果的だった具体的な関わり方)

・家での関わりサポート
(ペアレントトレーニング)

心配事や困り事がある親御さんにとって、必要なものが全て含まれてます。

その他、メリット・デメリットなど詳しい情報は、こちらの記事をご覧ください。

【リタリコジュニア】発達/療育支援教室

発達障害の有無に関わらず、グレーゾーン、発達が気になる子にも、共通する内容になっています。

「【発達支援員が解説】週何回?療育の頻度と期間とは。目的と通い方で変わる」のまとめ

記事のポイントをまとめます。



一般的な療育の
 「頻度・期間」

・1番多い:週1~2回(2~3年)
・2番目に多い:月2~3回(1~2年)
・3番目に多い:週3回(2~3年)
・療育機関での診察はあくまで “経過観察”


効果が出やすい実際の
 「頻度・期間」

・週1回以上は欲しい(1年以上)
・家庭での実践は、最も効果的
・”時間・費用・労力” に無理がない範囲で多い方がいい

療育の頻度・期間の
 「決定までの流れ」
・医師の診断書・意見書で決まることが多い
・自治体によって変わる
・契約支給量は、あくまで “上限”
・契約支給量は、複数の施設で利用可

療育を検討されるご家庭に
 「必要なもの」

・子どもの特性を知る
・家族の関わり方を学ぶ
・支援の必要性の有無


以上になります。

本記事が参考になれば幸いです。

【関連記事】

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発達障害/グレーゾーン/場面緘黙/不登校のお子さんとご家族の支援を、日々行っております。◇療育指導員◇相談支援員◇発達支援10年◇ブログ【週2回更新】◇twitter【毎日発信】◇長男が療育通所中◇

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