

療育通い方で悩まれている方
「今の療育先では日数が足りなくて、もう少し増やしたいけど、掛け持ちはできるの?」
「掛け持ちは、子どもが混乱するって聞いたけど本当?」
「これから療育を始めたいけど、気になる療育先が2つあって、どちらかに絞らないとダメ?」
療育(放課後等デイサービス/児童発達支援)に通っているお子さんを持つ方、
もしくは今から通おうと思っている方は、2箇所以上の「掛け持ち」ができるのか、気になる所ではないでしょうか。
結論からいいますと、『療育の掛け持ち』自体は、可能になります。
この記事の執筆者の私は、療育/相談支援を15年以上していて、療育指導~療育先の地域資源の選び方・活用の仕方なども支援してきました。
また私の息子も療育を利用していました。
その支援/通所経験を元に「療育の掛け持ちのメリット・デメリット・選び方」を、まとめました。
本記事が参考になれば、幸いです。
目次
療育の掛け持ちの「メリット」

「療育の掛け持ち」のメリットは、3つあります。
①:「療育の機会」を増やせる
②:「多角的な療育」が受けられる
③:「相談先」が増やせる
①:「療育の機会」を増やせる

今は療育先は、かなり混み合っており、支援の必要性があるにも関わらず、月に1~2回しか機会がないお子さんが、多くいらっしゃいます。
発達障害のお子さんの成長は、支援者からのアプローチの回数が、そのまま成果に繋がります。
「頻度を増やす」のは、シンプルですが、とても大切なことです。
お子さんの困りと療育の目的にもよりますが、個人的には週1回の頻度は、ほしい所です。
理由は、お子さんのスキルの定着には、一定の頻度(覚える⇨アウトプット)が、必要になるためです。
②:「多角的な療育」が受けられる

様々な療育先のアプローチが、受けられるのも、メリットになります。
療育先によって「言語」、「SST」、「運動面」など、強みが違ってきます。
『お子さんに必要な支援』に合わせて、療育先が選べると、一番効果的に療育を受けることができます。
③:「相談先」が増やせる

親御さんの相談先が増えるのも、メリットになります。理由は2つあります。
1つ目は、親御さんの心身の負担が減らせることです。
・気持ちを吐き出す
・話を聴いてもらう
・共感してもらう
このような機会は、とても大切な機会になります。
今の療育は、親御さんへの支援が足りていません。ただ、繋がっている相談先が増えることで、多少補うことができます。
2つ目は、親と子が、離れられる時間が作れることです(母子分離型の療育)。
育児には、親が一人になる時間も必要になります。こういった時間を活用できるのも、親の心身の健康のために、大切になります。
【合わせて読みたい記事】
【療育の後悔】受けないと、子どもの将来はどんな可能性が?事例を元に解説
療育の掛け持ちの「デメリット」

「療育の掛け持ち」のデメリットは、2つあります。
あくまで「デメリットの可能性がある」という視点に、基づいています。
①:子どもが混乱する
②:子どもに負担がかかる
①:子どもが混乱する

それぞれの『療育先の方針』が違う場合に、お子さんが混乱する場合があります。
少し極端な例になりますが、下記のような「療育の方針の違い」があります。
【Aの療育先】
できたら褒める
【Bの療育先】
できなかったら叱る
お子さんの言動に対する、大人の反応の違いが出てきます。
もう1つ見ていきましょう。
【Aの療育先】
子どもに必要なスキルを積極的に働きかける
(能動的)
【Bの療育先】
子どもを最大限、尊重する
(受動的)
どちらが良い悪いというお話ではなく、お子さんへの支援の一貫性が、大切というお話になります。
私が関わってきたケースでも、実際にいくつもありました。
✅目指すスキルが同じでも、「方法が違う」場合もある
よくある事例で、「要求の方法」があります。
発語が出ない子に対して、
・ジェスチャーで要求?
・単音などの音で要求?
このように、療育先によって、違う場合があります。
療育先の内容のすり合わせは、とても重要になります。
親御さんを通して、支援計画書を共有するなど、情報の共有が必要になってきます。
②:子どもに負担がかかる

距離・時間・他の習い事の数によっては、お子さんに「大きな負担」が、かかる場合があります。
負担になっている例は、下のような状態です。
・疲れ/眠気
・機嫌が悪い
・行き渋りがある
個人的には、「2ヶ月以上続いているか」を目安にしています。
1ヶ月ですと、「行事のある月、進級・長期休みなどの影響」を受けていて、一時的な場合もあるためです。
⚠「療育の掛け持ち」を止める自治体もある
残念なことではありますが『療育の掛け持ちを断る自治体』があります。
私が知る限り、療育の掛け持ちを禁止する規定はないと思うのですが…
療育先から「子どもが混乱するので、掛け持ちは控えて下さい」と言われている方が、実際に何名もいらっしゃいました。
個人的には、方針や負担の部分がクリアされていて、お子さんが楽しめたり成長できるなら良いと思うのですが…。
たまに、秘密で掛け持ち(民間の療育と)をされている方も、いらっしゃいます。
お子さんにとって必要な機会なら、私は良いことだと思います。
療育の「選び方」

療育先の選び方を、2つのパターンに分けてみました。
該当する内容をご覧ください。
✅今の療育先だけでは、物足りない方

まず『今通われている療育先』に相談されることを、お勧めします。
具体的には「何がどれだけ足りていないと感じているのか」が相談できると良いと思います。
通所が始まったばかりでない限りは、療育先もお子さんのことを、理解していると思います。
どのタイミングで・どのような療育先が必要になるのか、もしくは必要ないのか、を説明してもらえると思います。
もし、その説明が納得しかねるものでしたら、気になっている療育先に相談するのが、良いと思います。
✅今の療育先に、不満がある方

今の療育先に不満があり、他の療育先で補填・療育先を変えようと、検討されている方になります。
こちらも先ほどと同じで、
具体的に『どこが不満/疑問なのか』を通われている療育先に、相談されるのが、一番良いと思います。
お子さんが今の療育先を楽しんでいる場合は、今の療育先で解決できるのが、一番だと思います。
それでも
・過去に相談したけど、結論が出なかった
・相談できる関係性ではない
ということでしたら、気になる療育先に相談するのが、良いと思います。
療育先はお子さんだけではなく、親御さんが「信頼できる」「安心して相談できる」という気持ちが持てるかも、大切になります。
お子さんを連れて行くのは、親御さんですし親御さんの心身の状態が、お子さんにとっても、大切な環境になりますので。
⚠「掛け持ちの進め方」は、丁寧にしたい
療育の掛け持ちに対して、あまり良く思わない療育先があります。この場合は少し、注意が必要になります。
療育の掛け持ちを進めることで、「それではうちで療育はできないですね」など、冷たい反応をされた方も、実際にいらっしゃいます。
個人的には、そんな対応をする療育先は、あまり信用できませんが、療育の機会は限られているので、難しいところです…。
いずれにしても、丁寧に進めていくことを、お勧めします。
✅個別と集団の「目的の違い」の理解が大切
療育が空くと「やっと空いた!とりあえず入れるだけお願いします!」という方が、いらっしゃいます。
お気持ちはよくわかります。数ヶ月待ってようやく空いたわけですから…。
ただ、空いた療育の内容が、お子さんに合っているのか、確認することは大切になります。
特に、これらの点が大切になります。
・楽しめるのか
・学びになるのか
・成功体験ができるか
・信頼/安心ができるのか
また、親御さんも同様になります。
特に「安心・信頼ができるか」は実際に通所される親御さんにとって、重要な部分になります。
【関連記事】
【療育で追いついた?】療育で成果が出るポイント、成功・失敗事例
療育の掛け持ち以外の「学習対策」

療育の掛け持ちを検討される方の中には、お子さんの学習支援を手厚くしたいという方もいらっしゃいます。
今の療育だけだと、集団生活/コミュニケーション面の成長、居場所的な意味としては良いけれど、学習面に心配があるという場合です。
もし学習支援の療育先が見つからなくても、焦る必要はありません。
今は家庭でできる対策もありますので、お子さんに合ってるのか確認さえできれば、方法はあります。
ここでは、家庭でできる学習対策として「タブレット学習」をお伝えします。
✅タブレット学習
学校授業や市販教材、家庭で親御さんが教える家庭学習でも、定着に時間がかかったり、テストの点数が平均よりも大きく下回ってる状態の場合は、お子さんの特性と学び方が合ってない可能性が高いです。
タブレット学習は、様々な特性の子が学べるよう、豊富な学び方があります。
漢字1文字覚えるのでも、形やイラスト(視覚情報)で学べる学習法もあれば、音声学習(聴覚情報)で覚えることもできます。
他にも、書きながら効果音や線がキラキラ光るなど、聴覚、視覚、体感など、複数の感覚を使って学べる方法もあります。
このように、お子さんの特性(学びやすさ/学びにくさ)に合わせた学び方が、タブレット学習には豊富にあります。
タブレット学習のその他の情報は、こちらの記事をご覧ください。
診断名の有無にか関わらず、学習面が心配な子には参考になる内容になります。
今の学習方法でなかなか成果が出ない子には、1つの学習方法としてご覧ください。
「【療育】掛け持ちはできる?メリット・デメリット・療育の選び方」のまとめ

記事のポイントになります。
✅療育掛け持ちのメリット
・療育の機会を増やせる
・多角的な療育が受けられる
・相談先が増やせる
✅療育掛け持ちのデメリット
・子どもが混乱する場合がある
・子どもに負担がかかる
✅今の療育先だけでは物足りない方
・物足りないと感じる部分を具体的にする
・今の療育先に相談する
・新しい療育先に相談も1つ
✅今の療育先に不満がある方
・不満に感じる部分を具体的にする
・今の療育先に相談する
・新しい療育先に相談も1つ
✅掛け持ちの注意点
・自治体によって断られる場合がある
・療育先との関係性に影響が出る場合がある
✅療育の掛け持ち以外の
「学習対策」
・特性に合う学習方法
・タブレット学習
以上になります。
本記事が参考になれば幸いです。
【関連記事】
[…] 【療育】掛け持ちはできる?メリット・デメリット・療育の選び方を解説 […]
[…] 【療育】掛け持ちはできる?メリット・デメリット・療育の選び方を解説 […]
[…] 【療育】掛け持ちはできる?メリット・デメリット・療育の選び方 […]
[…] 【療育】掛け持ちはできる?メリット・デメリット・療育の選び方 […]