療育

【リタリコジュニアの評判】スタンダード/パーソナルコースについて~療育を選ぶ4つの基準~

投稿日:2023年8月15日 更新日:

療育を探してる方「療育で有名なリタリコジュニアの評判ってどうなの?療育はリタリコで大丈夫なのかな..」

このようなお悩みに、お応えします。

☑本記事の内容



リタリコジュニアの
 「良い評判」

✅リタリコジュニアの
 「悪い評判」

✅リタリコジュニアの
 「サービス」

療育を選ぶ時の
 「4つのポイント」


✅療育に通えない場合~学習面の困り~
 「療育以外の学習法」


療育の情報を調べてると、インターネット上によく出てくる「リタリコ」。

最近では、学校やクリニック、ママ友などの口コミで、ご存知の方も多いです。

療育探しは、多くの方にとっては、始めてのこと。我が子にどんな療育が合ってるのか、判断をすることは、簡単なことではありません。

そこで本記事では、療育で有名な「リタリコの評判・サービス」に関する情報を紹介したいと思います。

この記事の執筆者の私は、療育・発達支援を10年以上しており、発達障害のお子さん・親御さんの支援に携わってきました。

また私の息子は “言語発達遅滞・発達性協調運動障害”の診断を受け、2年ほど療育に通っていました。

その支援/育児経験を元に、本記事をまとめています。参考になれば幸いです。

リタリコジュニアの「良い評判」

リタリコジュニアの「良い評判」は、

4つあります。

“リタリコの強み” とも言えます。



①:「子どもと家族に合わせた」指導
 (応用行動分析)

②:「成果が具体的」で分かりやすい

③:「先生の人柄」の良さ

④:「幼少期~就労」までの支援



1つずつ、見ていきましょう。

①:「子どもと家族に合わせた」指導(応用行動分析)

リタリコの指導は、応用行動分析をベースにしてます。

応用行動分析とは、お子さんの行動と前後の状況(事実)を分析し、アプローチする手法になります。

体系立てられた理論をもとに、お子さんの特性を分析し、

直接的なアプローチ(本人へ)、間接的なアプローチ(家庭・園・学校)をしていきます。

例えば、下のような指導になります。

・視覚的に見通しを示す
(カードで何をするか事前に伝える)

・気になるモノを隠しておく
(視覚刺激に過敏な子に)

・家での具体的な関わりの助言
(子どもへの声掛け・対応など)

見通しがないことで、不安になる子に対して、事前に分かりやすく伝えます。

また刺激に引っ張られ、課題の参加が難しい子には、集中できる環境を作り、成功体験を作っていきます。

お子さんへの関わり方なども、具体的に教えてもらえる為、そこに価値を感じてる方も多いです。

癇癪の対応や発語の促し方など、様々な場面での関わり方が相談できます。

このように、一人ひとりのお子さんの特性・ご家庭に合わせた働きかけをしていきます。

②:「成果が具体的」で分かりやすい

療育では、支援計画や毎回の指導記録(子どもの指導の様子)を書面で渡します。

その指標・表現が具体的で、親御さんにも分かりやすいです。

例えば、発語の訓練をしてる子の場合、

目標が、

「欲しい物があった時に、大人に上手に要求する」ではなく、

「欲しい物があった時に『◯◯ かして』と大人に要求する」になります。

指導記録は、

「欲しいオモチャがあった時に、上手に伝えられてました」ではなく、

「欲しいオモチャがあった時に、『◯◯ かして』と6回言えてました」になります。

このように、どんな行動をどのぐらい出来ていたのか、成長・成果が具体的に表現されています。

また指導員のどんな関わりが効果的だったのか、指導員の関わり方も把握できるので、家庭での関わり方の参考になります。

③:「先生の人柄」の良さ

リタリコの先生は、基本的に優しく明るい先生が多いです。

バックグラウンドは様々ですが、対人援助職と言われる支援において、

共感力、傾聴力、丁寧さ、人当たりの良さ、ホスピタリティなど、多くの先生が高い水準でスキルを持っています。

子どもを叱責したり、怖がらせたり、失敗を子どものせいにする様なことはありません。

④:「幼少期~就労」までの支援

リタリコの強みの1つに、

「ワンストップサービス」があります。

2歳頃~就労まで持続できる支援になります。

ただし、支援を受けるには条件(福祉サービス)がある為、そこが合わないと難しいのですが、

リタリコの支援スタンスとしては、長期的な目線で考え、設計されています。

お子さんのライフステージに合わせて、下のような支援が受けられます。

・幼稚園での集団生活
・小学校の学習
・中学校の友達関係
・高校の自己管理(時間・物・お金)
・進学の資金
・就職


長期的な視点で、ここまでの規模で支援が用意されているのは、親としても大変心強いです。

リタリコジュニアの「悪い評判」

リタリコジュニアの「悪い評判」は、

2つあります。

リタリコジュニアには、2つのコースがあり、各コースで1つずつ紹介します。

コース自体の説明は、次の項で詳しく説明させていただきます。



①:空き枠が「少ない」
 ~スタンダードコース(公費)~

②:料金が「高い」
 ~パーソナルコース(私費)~


①:空き枠が「少ない」~スタンダードコース(公費)~

“通所受給者証” を使った福祉サービスになります。

1割の負担で利用できるメリットがある反面、希望される方がとても多く、空き枠が少ないです。

現状、希望される方に対して受け皿が足りていない為、数ヶ月~数年待ちされる方が多いです。

②:料金が「高い」~パーソナルコース(私費)~

私費の実費負担となるため、料金の負担が大きいです。

月額1万円~10万円以下と、療育先によってかなり違います。

専門家の訪問などですと、20~30万かかる場合もあります。

【合わせて読みたい記事】

【療育のデメリット】3つの注意点・メリット・心構え・療育の選び方

リタリコジュニアの「サービス」

リタリコジュニアの「サービス」は、

2種類あります。



①:スタンダードコース
 ~児童発達支援/放課後デイ~

②:パーソナルコース
 ~実費負担~


①:スタンダードコース~児童発達支援/放課後デイ~

国の助成金を受けられる福祉サービスになります。

支援を受ける年齢によって、2種類に分かれます。

・児童発達支援
(就学前まで)


・放課後等デイサービス
(小学生~高校生)

費用の負担が軽い分、混み合っているのが特徴になります。

また福祉サービスの為、お子さんの状態に合わせて、“月単位で利用できる日数” が予め決まっています。

②:パーソナルコース~実費負担~

民間の療育になります。

福祉サービスと違って制約はないですが、費用が100%実費負担です。

支援を早く受けたい方向けになります。

【関連記事】

【療育】掛け持ちはできる?メリット・デメリット・療育の選び方

療育を「選ぶポイント」

療育を「選ぶポイント」は4つあります。



①:本人が「楽しめる」

②:親が「信頼・相談できる」

③:「目的」と「療育のタイプ」の合致

④「無理なく」通える


①:本人が「楽しめる」

お子さんが「楽しい!また来たい!」と思えることが大切になります。

どんなに素晴らしいプログラムでも、お子さんの気持ちが入ってなければ、成果には繋がりづらいです。

支援の内容以前に、まずお子さんが楽しめるかを確認していきたいです。

②:親が「信頼・相談できる」

ご家族が、“療育先の支援者” を信頼できるか、相談しやすいか、の観点になります。

お子さんにとって療育の時間は、生活の中の一部に過ぎません。

過ごす時間が長いご家族の方が、お子さんに与える影響が大きいです。

話を聞いてもらったり、悩みをしっかり相談できることができ、

ご家族が安定して、お子さんに必要な関わりをできる方が、長期的に見て大切になります。

③:「目的」と「療育のタイプ」の合致

「療育の目的」と「療育のタイプ」が合っているか、になります。

例えば、発語(意思疎通)がなく、人に全く関心がない(ex.目を合わせない・指差しなし)子に、

集団の療育だけでは「意思疎通」のスキルの獲得には、繋がりづらいです。

発語などの意思疎通では、人に伝えることのメリット(意味)を理解することが、まず必要な為、

集団療育だけでは、不十分になります。

このように、“その子に必要なスキル” と “療育のタイプ” が合ってるかは、とても重要なポイントになります。

「近くの療育先の枠が空いたから、とりあえず集団でも療育に通ってみよう」は、注意が必要です。

お子さんに必要なスキルと、療育の目的が合っているかは、療育先に事前確認することをお勧めします。

④:「無理なく」通える

療育は、中長期的になるため、無理のない範囲で通えることも、大切な要素になります。

お子さん・お住まいの地域の状況によって難しいこともありますが、

個人的には半年~1年以上通えるイメージがある療育先が選べると良いと思います。

【関連記事】

【目的で変わる】療育の頻度と期間について

療育に通えない場合~学習面の困り~「療育以外の学習法」

療育を検討される方の中には、料金、距離、家族の意向の違いなど、

様々な事情があって、療育に通えない子がいらっしゃいます。

中には、今の生活で大きな困りはないけど、早めにフォローしてあげたい、という場合もあります。

そういった様々な理由で、療育に通えない場合(学習面の困りがある子)について、触れていきます。

学習面の困りは、お子さんの様子、過ごす環境によっては見過ごされたり、サポートが遅れることが少なくありません。

コミュニケーションは問題なく、友達もいて、楽しく過ごせている場合、先生や親御さんも問題視しません。

多少、テストの点数が悪くても、「療育(支援)」とまでは、考えない方が多いです。

ただ、学習面の心配があり、既に躓いていたり、このままでは遅れることが予想される(可能性がある)場合は、サポートはあった方が良いです。

特に、本人が自信を失っていたり、学習の拒否感が出始めてる頃は、注意が必要になります。

私が支援してきた中ですと、小学3~4年生頃から、学習面で困りが出る子が多いです。

学習の遅れ、失敗体験が増えると、後から取り返すハードルが上がりますし、同じ頑張りでも、効果の出やすさが違ってきます。

早めにサポートしていきたい所です。

✍学習フォローには「タブレット学習」

本人に特性があったり、授業の中での学習・一般的な取り組み方では、学びづらい場合は、

1つの学習方法として、”タブレット学習” がお勧めになります。

タブレット学習には、下の特徴があります。

・アニメーション/音声解説
・個人に合わせた課題の自動抽出
・ゲーム感覚で楽しめる

発達障害・特性がある子、グレーゾーンと言われる子にとって、必要な機能が豊富です。

メリット・デメリットなど、詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

“グレーゾーン・発達ゆっくりな子” にも、共通する内容になっています。

【療育支援員がおすすめ】発達障害の子に良いタブレット学習とは?4つの条件・理由・注意点

「【リタリコジュニアの評判】スタンダード/パーソナルコース」のまとめ

記事のポイントをまとめます。



リタリコジュニアの
 「良い評判」
・成果が具体的で分かりやすい
・先生の人柄の良さ
・幼少期~就労までの支援
・子どもと家族に合わせた指導
 (応用行動分析)

リタリコジュニアの
 「悪い評判」
・空き枠が少ない
 (福祉サービス)

・料金が高い
 (私費)

リタリコジュニアの
 「サービス」
・スタンダードコース(福祉)
 ~児童発達支援/放課後デイ~

・パーソナルコース(私費)
 ~実費負担~

療育を選ぶ時の
 「4つのポイント」

・本人が楽しめる
・親が信頼・相談できる
・”目的” と “療育のタイプ” の合致
・無理なく通える


療育に通えない場合
 「療育以外の学習方法」
・タブレット学習


以上になります。

本記事がお役に立てば、幸いです。


【関連記事】

【療育の後悔】受けないと、子どもの将来にどんな可能性が?事例を元に解説

【リタリコジュニアを辞めたい】療育を辞める4つのポイント・注意点

-療育

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発達障害/グレーゾーン/場面緘黙/不登校のお子さんとご家族の支援を、日々行っております。◇療育指導員◇相談支援員◇発達支援10年◇ブログ【週2回更新】◇twitter【毎日発信】◇長男が療育通所中◇

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