自閉症の子の育児で悩まれてる方「うちの子は絵本をめくるだけ…。何で絵本を読まないの?読ませる様に促したほうがいいのかな…」
このようなお悩みに、お応えします。
☑本記事の内容
✅自閉症の子が
「絵本をめくる理由」
✅自閉症の子に
「おすすめな絵本」
✅自閉症の子の遊びで
「大切なこと」
✅自閉症の子に
「おすすめな遊び」
✅子どもへの関わり方が
「分からない時の対策」~家での関わり~
「絵本をめくるだけで、読み聞かせをしても、聞いてくれない…」
「絵本の内容に興味がなさそうで、理解もしてなさそう…」
特に、自閉症など特性がある子ですと、発達の成長のために、絵本を促した方が良いのか…
どう関わったらいいのか…悩まれる方もいらっしゃると思います。
本記事では、そんなお悩みにお応えする為、自閉症の子の「絵本をめくる原因・関わり方」をまとめました。
この記事の執筆者の私は、発達相談/療育支援を10年以上しています。その支援経験を元に、内容をまとめています。
自閉症はあくまで、お子さんの1つの側面に過ぎません。
「これは良いかも」など、お子さんに合いそうな部分を、取り入れていただけますと幸いです。
※現在は、自閉症は「自閉スペクトラム症(ASD)」と総称されています。本記事では、説明の都合上「自閉症」と表現しています
目次
自閉症の子が「絵本をめくる理由」
自閉症の子が「絵本をめくる理由」は、4つあります。
該当しそうな理由があるか、ご覧ください。
①:「感覚遊び」をしてる
②:「絵を見ること」を楽しんでる
③:「特定の好きなページ」がある
④:「読み手(大人)のマネ」をしたい
①:「感覚遊び」をしてる
絵本は、イラスト(2Dの情報)を見ながら、ストーリー展開・登場人物の気持ちなどを想像しながら、楽しむものです。
つまり、平面上の情報(イラスト)から、ある程度想像する力が必要になります。
お子さんの発達によっては、「想像する」より、「感覚遊び(光、音、感触、体を動かし楽しむ)」を好んでる場合があります。
お子さんの発達と同じで「遊び」には、段階があります。表現は人によって変わりますが、大きくは下のような段階になります。
「感覚遊び」⇨「模倣遊び」⇨
「見立て遊び」⇨「ごっこ遊び」⇨
「ルールのある遊び」
・感覚遊び:光、音、感触、体を動かす等
・模倣遊び:相手のマネをして遊ぶ
・見立て遊び:ブロックを車に見立て遊ぶ等
・ごっこ遊び:ヒーロごっこ、学校ごっこ等
・ルールのある遊び:鬼ごっこ、隠れんぼ等
感覚遊びは、平均台、ロデオなどの揺れや回転を体で感じたり(平衡感覚)、
トンネルくぐり、ジャンプなど、力の入れ具合・手足の位置を感じる(固有受容覚)などがあります。
普段の遊びが、感覚遊び中心の場合は、絵本を楽しむのは、今のタイミングではないかもしれません(遊びが発達するまで)。
②:「絵を見ること」を楽しんでる
こちらも感覚遊びの1つに近いです。目から入ってくる絵(視覚情報)を楽しんでる場合になります。
絵本そのものじゃなくても、興味が持てていますので、お子さんが嫌がらなければ「りんごだね」など、絵に指を差して、言葉を伝えていくのも1つです。
お子さんが絵本を見にくくならない様に、大人が “独り言のように言葉を発する” のがお勧めになります。
③:「特定の好きなページ」がある
「特定の好きなページ」を見るために、絵本をめくってる子もいます。
療育の現場ですと、1日1回お気に入りのページを見て満足したり、少し時間を置いて繰り返し見る子もいます。
④:「読み手(大人)のマネ」をしたい
大人の動きに興味をもち、マネ(模倣)をしている子もいます。
電話で話すマネ、リモコンを使うマネをするのと同じで、大人の動きをマネしています。
絵本をめくる自閉症の子に「おすすめな絵本」
絵本をめくる自閉症の子に「おすすめな絵本」を5冊紹介します。
下の特徴がある絵本が、楽しめる子が多いです。
・目で楽しめる絵本
・耳で楽しめる絵本
・仕掛け絵本
(目・触って楽しむ)
1冊ずつ見ていきたいと思います。
①:ふわふわどっち?
- 手触りを楽しめる
(触覚) - 2択で選ぶ練習ができる
②:ふわふわだあれ?
- 手触りを楽しめる
(触覚) - 選ぶ練習ができる
③:ぐるぐるうごく しましまぐるぐる
- 仕掛け絵本
- 指で動かして楽しめる
④:ぴったん・こ!
- 仕掛け絵本
- 動かして楽しめる
⑤:タッチペンで音が聞ける!はじめてずかん1000 英語つき
- 目、耳、ペンを使って楽しめる
(視覚/聴覚/固有受容覚) - 音に合わせ、発語の練習がしやすい
【合わせて読みたい記事】
自閉症の子の遊びで「大切なこと」
自閉症の子の遊びで「大切なこと」は、2つあります。
①:「発達に合った遊び」をする
②:「興味・関心に合う遊び」をする
①:「発達に合った遊び」をする
お子さんの発達に合った “今楽しめてる遊び” を沢山します。
遊びは、楽しめるからこそ繰り返し遊び、その結果、成長へ繋がっていきます。
興味のない遊びをしても、続かないですし、むしろお子さんのストレスになりかねません。
今楽しめる遊びの中で経験を積み、沢山の刺激を受ける中で、成長し、興味の幅が広がっていきます。
例えば「ボタンを押す」が好きな子が、
・音絵本のボタンを押す
(違う感覚も使う)
・自動販売機のオモチャのボタンを押す
(色んなオモチャに触れる)
・プットインのオモチャで遊ぶ
(指先の微細運動ができる)
このように「ボタンを押す」でも、色んな遊び(経験)の広げ方があります。
広げ方を考えるのは簡単ではありませんが、思いついた遊びは試しにやってみて、
お子さんの反応が良ければ続けてく形が、オススメになります。
逆に、反応がイマイチなら「今じゃなかったんだな」「これは違ったんだな」と思って、今楽しめる遊びを続けていくことが良いと思います。
②:「興味・関心に合う遊び」をする
お子さんが楽しめる遊び(興味・関心に合ってる)をすることです。
生活の中で、よく触っている物、よくしてる行動、遊びなどを見つけ、その機会を作り、広げてくイメージになります。
自閉症の子の中には、興味の偏りがある子がいます。
本人特有のオモチャの遊び方をしたり、1つ1つのオモチャで遊べる時間が短いこともあります。
色んなオモチャ・場所・活動など、お子さんが興味を示すものを見つける為、触れる機会を作ることが大切だと思います。
日々の育児で、とっても大変かと思いますが、無理のない範囲で、その機会が作れると良いと思っています。
絵本をめくる自閉症の子に「おすすめな遊び」
絵本をめくる自閉症の子に「おすすめな遊び」は、2つあります。
①:「感覚を満たす」遊びをする
②:「全身を使う」運動をする
①:「感覚を満たす」遊びをする
お子さんが “今楽しめる感覚遊び” をしていきます。
6つの感覚の中で、お子さんが好む感覚を満たせるのが理想的になります。
・視覚
・聴覚
・触覚
・味覚
・固有受容覚
(力加減・手足等の動きを感じる)
・平衡感覚
(回転・揺れなどを感じる)
とはいっても、お子さんの好む感覚を見つけるのを難しく感じる方も多いかと思います。
そんな方は色んな遊びを沢山して、お気に入りがあるのか、確認する形でも十分です。
具体的な感覚遊びは、こちらの記事をご覧ください。
遊びのレパートリーを増やすのに、参考になれば幸いです。
②:「全身を使う」運動をする
お子さんが楽しめる範囲の中で、全身運動を楽しみます。
公園で走っても、ボール遊びをしても、トランポリンで繰り返しジャンプでも、楽しめるなら何でも大丈夫です。
まずは、お子さんが楽しめる体を使った遊びを見つけられると良いと思います。
【関連記事】
子どもへの関わり方が「分からない時の対策」~家での関わり~
ここでは、“家で子どもにどう関わっていいか分からない方” に向けてお伝えしたいと思います。
家でお子さんの関わり方で悩まれてる方は、
「人に興味を示さない」
「言葉がなかなか出てこない」
「意思疎通がはかりづらい」
「癇癪の対応が分からない」
「こだわりが強くて困ってる」
など、日常生活の中で、様々なお困り事を抱えていると思います。
そんなご家庭に共通して必要性が高いものは、3つあります。
・子どもの特性を知る
・親の関わり方を学ぶ
・支援の必要性の有無
お子さんの特性を把握することで、必要な関わり方、環境が見えてきます。
逆にいうと、お子さんの特性が分からない状態では、必要な関わりをすることは、支援者でも出来ません。
例えば、マネ(模倣)ができない子に、言葉(発語)をマネさせようとするのは、難しいです。
言葉をマネする為には、
・他者意識
(人に注意を向ける)
・アイコンタクト
(目を合わせる)
・粗大模倣
(大きな動きのマネ)
などが、少なくとも必要になります。
模倣をする為には、人の言動に注意を向ける必要がありますし、人に注意を向ける為には、人に関心を持つ必要があります。
人に関心を持つ為には、人と関わって楽しかった経験(本人のメリット)が必要になります。
つまり、人への関心が低かったり、目が合わない子には、言葉の促しよりも、まず「他者と関わって楽しかった経験(本人がメリットを感じる)」が必要になります。
そして、”言葉での意思疎通ができる様になる” に重きを置く場合は、人の関心がなかったり、マネをする様子がない子を集団生活に入れて見守るより、
大人が関われる個別の環境の中で、まず人と関わって楽しかった経験を積む所から始める方が良いです。
このようにお子さんの特性、発達段階などが把握できて、初めてその子に必要な関わり、環境が見えてきます。
専門の先生にお子さんの様子を見てもらい、必要な関わり、環境のアドバイスがもらえることで、困り事/心配事が減らせると思います。
✅お子さんの特性/関わり方の把握は「リタリコジュニア」
リタリコジュニア とは、発達/療育支援の教室になります。
発達支援の先生がお子さんの様子を見て、お子さんの発達/特性・必要な関わり方・支援の必要性の有無について、分かりやすく説明してくれます。
リタリコジュニアが良い理由は、大きく5つあります。
・療育の最大手
(信頼/実績/豊富な知見)
・応用行動分析
(エビデンスに基づく指導)
・自己肯定感を高める指導
(子どもの楽しい/成功体験)
・成果が具体的(書面で受け取れる)
(成果:子どものできた行動を数値化)
(効果的だった具体的な関わり方)
・家での関わりサポート
(ペアレントトレーニング)
(親の具体的な関わり方)
1回限りの指導で、お子さんの特性/関わり方のアドバイスを聞いて終えることもできますし、必要性に応じて、継続的な支援を受けることもできます。
低年齢のお子さんは、親御さんと過ごす時間が長いです。同じ過ごす時間の長さでも、親御さんの関わり方次第で、その子の成長は大きく変わってきます。
個人的には「やっておけば良かった」よりも「やらなくても良かった」の方が良いと思っています。
後悔のないよう、無理のない範囲でできることをお勧めします。
その他、メリット・デメリットなど詳しい情報は、こちらの記事をご覧ください。
グレーゾーン・発達が気になる子など、どのお子さんにも、参考になる内容になっています。
私自身の息子が療育に通っていた経験、私自身の支援経験を元にしています。
今後の1つの選択肢として、参考になれば幸いです。
「【自閉症の子は絵本をめくる?】めくる理由、おすすめ絵本・遊び」のまとめ
記事のポイントになります。
✅自閉症の子が
「絵本をめくる理由」
・感覚遊びをしてる
・絵を見ることを楽しんでる
・特定の好きなページがある
・読み手(大人)のマネをしたい
✅自閉症の子に
「おすすめな絵本」
・ふわふわどっち?
・ふわふわだあれ?
・ぐるぐるうごく しましまぐるぐる
・ぴったん・こ!
・タッチペンで音が聞ける!はじめてずかん1000 英語つき
✅自閉症の子の遊びで
「大切なこと」
・発達に合った遊びをする
・興味/関心に合う遊びをする
✅自閉症の子に
「おすすめな遊び」
・感覚を満たす遊びをする
・全身運動をする
✅子どもへの関わり方が
「分からない時の対策」~家での関わり~
・子どもの特性を知る
・親の関わり方を学ぶ
・支援の必要性の有無の確認
・リタリコに相談する
以上になります。
本記事が参考になれば幸いです。
【関連記事】