

お子さんのオモチャ選べ方で迷われている方「子供の成長に役立つオモチャが知りたい。選び方が分からない。自閉症スペクトラムの子供にオススメなおもちゃを知りたい。
こういったお困りにお答えします。
✓本記事の内容
- 自閉症スペクトラムの子供のおもちゃの選び方
- 自閉症スペクトラムの子供にオススメなおもちゃ
- 子供が成長するための、おもちゃの活用法
「子供がおもちゃに興味がなくて、どんなおもちゃを選べばいいか分からない」
「遊ぶだけじゃなくて、少しでも子供の成長(発達を促す)になるおもちゃが知りたい」
お子さんのオモチャへの興味や遊び方が気になる方、少なくないのではないでしょうか。
この記事を執筆している私は、療育を通して、発達障害のお子さんとその親御さんに10年以上支援をしてきました。
その支援経験から、本記事では、自閉症スペクトラムのお子さんに合った、「オモチャの選び方/遊び方/おすすめなオモチャ」をまとめてみました。
お子さんの楽しみ&成長に繋がる、おもちゃ選びの参考になれば幸いです!
自閉症スペクトラムの子供のおもちゃの選び方

すぐにおもちゃの紹介をしたいところなのですが、最初に選び方を解説させてください!理由は、この記事でオモチャが把握できたとしても、それは一時的なことだからです。
お子さんは成長し、必要なおもちゃも変わっていきます。そんなときにオモチャの選び方を知らないと、先々親御さんもお子さんも困ってしまうからです。
そこで私は、おもちゃの紹介の前に、必ず「選び方」を伝えています。ここ(本質)が理解できれば、今後のおもちゃで困ることはかなり減るはずです。
前置きが長くなりましたが・・・解説に入ります!
自閉症スペクトラムの子は、特性があります。この特性を理解しないとおもちゃを買っても遊んでくれない、合うおもちゃが分からない!という状態になります。
まず特性をみていきましょう!
- その①:感覚が過敏/鈍い
- その②:想像することが苦手
- その③:手先/全身運動が苦手
- その④:人への興味がうすい
1つずつ解説していきます。
その①:感覚が過敏/鈍い

自閉症スペクトラムの子は、感覚が過敏/鈍い子が多いです。専門的にいうと、感覚過敏/感覚鈍麻といわれるものです。詳しい解説は別記事でしていますが、過敏な子は、苦手な感覚(刺激)を極力避けることが大切です。
おもちゃ選びにおいては、苦手なおもちゃは買わなければ問題ありません。感覚の鈍さの方は、説明が必要なので、詳しく解説していきますね。本来満たされるはずの感覚が、鈍さゆえに満たされにくい状態なのです。
例えば、おもちゃの動く電車のタイヤをじっと見続けたり、グルグル回ったり、常にウロウロして動き回っている行動も、感覚を満たすための、典型的な行動の可能性が高いです。
この感覚が満たせるということが、自閉症スペクトラムの子の成長となり、その子の楽しみに繋がっていきます。感覚遊びが、典型的な遊び(おもちゃ)の1つになります。
その②:想像することが苦手

特性上、目に見えない物を理解したり、関連付けたりすることが難しいです。見立て/ごっこ遊びを前提にしたおもちゃ選びは避けましょう。
逆に目で理解することが得意ということなので、目で楽しめる/変化を感じられるものを選ぶのが良いでしょう。
その③:手先/全身が苦手

自閉症スペクトラムの子は、手先が不器用、全身運動が苦手なことが多いです。具体的には、スプーン/フォーク/お箸が苦手、筆圧が弱い/強すぎる、走り方がぎこちない、ジャンプが苦手、ボールをまっすぐ投げられない、などです。
全身から指先までの力加減/体の位置感覚、バランス感覚です。専門的にいうと「固有受容覚」「平衡感覚」といわれるものです。療育を受けている方なら、聞いたことがある方も多いと思います。
道具を操作する(食べる、書く)、基本的運動は、生活で非常に大切になります。手先~全身までの運動は、繰り返しすることが大切です。手先も全身の動きも、全て運動になります。運動は反復動作で訓練できます。
継続して、楽しむことができるおもちゃを探していきましょう。
その④:人への興味がうすい

自閉症スペクトラムの子は、興味の幅がせまいです。一人遊びが多いのも、そういった特性が理由の1つです。
お子さんが楽しむだけなら、一人遊びで完結してもいいのですが、その子の将来を考えると、人との交流を意図的に作っていく必要があります。その手段としておもちゃを選ぶのが良いです。
【関連記事】
自閉症スペクトラムの子供の症状とは?【4つの特徴と7つの接し方】
自閉症スペクトラムの子供にオススメなおもちゃ

お子さんが楽しめそうなおもちゃがあるか、おもちゃの特徴も含めて、みてみましょう!
その①:Spiky Sensory Ring Fidget Toys(4パック)
- 水洗いOK
- 感覚遊び(触覚)ができる
- 柔らかい素材で安全
- 握る、ねじる、投げる、踏む、さする、触るができる
その②:感覚と口腔運動のためのチューイー・チューブ CHEWY TUBES SUPER CHEW KNOBBY (RED)
- 乳幼児向け
- 目が合いづらいor言葉が遅い子にオススメ
- 口まわりの筋力、舌の運動になる
その③:Sefod グレープボール
- 感覚遊び(視覚/触覚/固有受容覚)ができる
- ストレス発散になる
- 携帯できるので、外でも落ち着きやすい
- 握る、ねじる、投げる、触るができる
※固有受容覚:筋力や力の加減を感じる感覚
その④:Konrev 噛むネックレス
- 口周りの感覚遊び(触覚/固有受容覚)ができる
- 口周りの運動(口腔運動)ができる
- 音が不明瞭な子にオススメ
- 口周りの筋力が弱くヨダレが多い子にオススメ
その⑤:Jasonwell 108pcs マグネットブロック
- 目で楽しめる
(くっつく、外れるだけ) - 微細運動になる
(つける/外すとき) - 片付けが簡単
- 組み立てるイメージを理解しやすい
(手を動かせば磁力で自然に組み立つため) - ブロック遊びは興味ないけど、作る遊びもさせたい方へオススメ
その⑥:プラスチック マジック レインボー ボール
- 感覚遊び(触覚/固有受容覚)ができる
- 持ち運びができる
- さわり心地を楽しむ遊び~10色以上の色のマッチングができる
その⑦:AISFA 積み木 ドミノ倒し
- 自閉症スペクトラムの子の好きな「並べる」が活かせる
- 並べ用道具で、「型にはめる微細運動」ができる
その⑧:MarsGeek 3Dピンアート
- 感覚遊び(視覚/触覚/聴覚)ができる
- 他のオモチャにはない、独特の感触が楽しめる
- 揺らして音を楽しむことができる
その⑨:チップひもとおし
- 微細運動ができる(つまむ、穴に通す、ひっぱる)
- 集中力がつく(穴を通せた枚数で確認できる)
- 色の概念理解が促せる(指定した色を紐通ししてもらう)
その⑩:モンテッソーリ 円柱さし
- 感覚過敏の子も使える(手触りがなめらか)
- 微細が苦手な子にオススメ(掴みやすい工夫がされている)
- 大/小の概念理解が促せる
- 数の概念理解が促せる
その⑪:強力磁石 立体パズル
- 感覚遊び(視覚/触覚/固有受容覚)ができる
- 形の概念理解を促せる
その⑫:えらんで きめて つたえるゲーム
- 自己選択が促せる(選択する)
- 自己決定が促せる(自分で決める)
- 自己表出を促せる(自分の意志を伝える)
その⑬:K’s Kids ケーズキッズ つまんでポイ! TYTT21018
- 微細運動ができる
(物の操作、指先の運動) - 箸の練習が楽しくできる
(箸に拒否感がある子にオススメ) - 色の概念理解が促せる
- 競争や数を競うなどゲームにもできる
その⑭:Aliciga クリスタル粘土
- 感覚遊び(視覚/触覚/固有受容覚)ができる
- 色の概念理解が促せる(混ぜることで)
その⑮:TOYMYTOY 子供テント トンネルテント
- 室内で全身運動ができる
- 「かがむ、くぐる、起き上がる」などの運動が楽しめる
その⑯:LUDNEEバランスストーン
- 感覚遊び(触覚/固有受容覚/平衡感覚)ができる
- ソフト素材で安全
- ジャンプ、バランスをとるなどの運動ができる
- 色の概念理解も促せる
※平衡感覚=バランス感覚、体の傾きを感じる感覚
その⑰:N700A新幹線ベーシックセット
- 男の子に大好きな子が多いおもちゃ
- 自閉症スペクトラムの子も好きな子が多く、コニュニケーションのやりとりで活かしやすい
その⑱:プラレール E5系新幹線&E6系新幹線連結セットYTOY
- 700A新幹線ベーシックセットと合わせると、一層楽しめる
その⑲:光るチャートシール(ステッカー)1300枚パック
- 感覚遊び(視覚/触覚/固有受容覚)ができる
- 種類が豊富(1,300枚)
- 微細運動ができる
(つまむ、はがす、つける) - 目だけで理解/完結する遊び
(シール貼り)
その⑳:○×ピンポンブー
- 感覚遊び(聴覚/固有受容覚)ができる
- この音が好きな自閉症スペクトラムの子が多い
- 良い/悪いを伝えるときにも活用できる
その㉑:アンパンマン おおきなよくばりボックス
- ほとんどの微細運動ができる
(つかむ、ひっぱる、押す、まわすなど) - 飛び出す、音が出るなど、目で理解/楽しめる
子供が成長するための、おもちゃの活用法

おもちゃを買うのは、お子さんが楽しめていいですが、どうせ買うならお子さんの成長にも繋げていきたいですよね。
ここでは、私が、実際に療育指導や育児で使用して、効果的だった活用法をまとめています。
- その①:感覚をたくさん使う
- その②:目で理解できる遊びを増やす
- その③:アイコンタクト→おもちゃを渡す
- その④:大人(他者)からおもちゃを渡す
その①:感覚をたくさん使う

自閉症スペクトラムの子は、一般的な成長の過程にある満たされるはずの感覚が、満たされていない状態が多いです。
本来なら、時間をとって感覚遊びの時間を毎日とれるといいのですが、仕事/家事/育児など・・大忙しのママ/パパには大きな負担になります。
家族のバランスも考えると、日常生活の中にいかに感覚遊びを入れられるかが大切になります。
- 散歩は芝生で凹凸のある所にする
- 衣類や物などおもちゃ以外にも触れる機会を作る
- 夏は水遊びを増やす、冬はお風呂で遊ぶ
- 公園の遊具で遊ぶ
(一人でできなくてOK。) - 家でボールプール、トランポリンを取り入れる
- 粘土、スライム、お絵描きを取り入れる
その②:「目で理解できる」遊びを増やす

自閉症スペクトラムの子は、「目に見えないもの」を理解することが苦手です。そのため、遊びも「目に見える形で楽しめるおもちゃ」が良いです。
例えば・・
- くるくるチャイム
- 自動販売機のおもちゃ
- プットイン型の微細アイテム
- 積み木崩し(壊すことがメイン)
※プットイン=入れる
全て、自分の行動(物を入れる→物が入ったor違う物が出てきた)によって、結果が目で確認できるおもちゃです。その子が行動したことで、「光/音/物が動く/感触を感じられるおもちゃ」を選びましょう。
その③:アイコンタクト→おもちゃを渡す

おもちゃを使って、コミュニケーションスキルを上げることができます。具体的には、アイコンタクトです。アイコンタクトは、言葉のとおり、相手と「目を合わせること」です。自閉症スペクトラムの子は、アイコンタクトをとることが苦手な子が多いです。
大きな理由は、他者意識が低い、人への関心がうすいためです。アイコンタクトは、コミュニケーションの入口になります。
よく言葉が遅れている=発語の訓練、と思われがちですが、そもそもアイコンタクトがとれていないと、言葉を覚えても、人に向けて使うことができません。つまり、コミュニケーションとして活かすことが難しいです。
そのため療育の現場では、アイコンタクトが未定着の子は、まずアイコンタクトからスタートすることが多いです。そのため、おもちゃを使って、アイコンタクトを促せると、お子さんのコミュニケーションスキルの土台を作ることができます。
大好きなおもちゃであれば、お子さんからの要求がかなり出やすいため、コミュニケーションスキルを上げるチャンスです!この機会を活かさない手はないです。
具体的な流れを説明します。親御さんがお子さんの好きなおもちゃを持って、お子さんの目の前にいる場面を作ります。
オモチャを持っている(親)
↓
オモチャを取ろうとする(子)
↓
オモチャを親の顔に近づけ、子供と目が合うようにする(親)
↓
親と目が合う(子)
↓
オモチャを渡す(親)
※一瞬でも目が合えば、オモチャを渡してOKです。
になります。イメージ湧きますでしょうか??あくまで参考例ですが、大事なことは「親御さんと目が合ったら、お子さんにおもちゃを渡す」を徹底することです。
これを普段の関わりで取り入れることです。これを1日5~10回程度、毎日続けていければ、数週間でアイコンタクトの回数が増えていくでしょう。
もし増えない場合は、関わりがズレているか、違う要因が考えられます。そこについては、別記事で解説していきたいと思います!
その④:大人(他者)からおもちゃを渡す

アイコンタクト同様に、ここでは、おもちゃを使って「他者意識」をつくための関わりを解説します。「他者意識」とは、人への興味です。
「人への興味」とは、コミュニケーションを車だとすると、ガソリンのようなものです。人に伝えたい、関わりたい、などの欲求がないと、コミュニケーション、は成り立ちません。
そのため、人と関わったことで、その子にとってのメリット(楽しかったと実感)を作っていく必要があります。メリット(人と関わったことで)が増えれば、少しずつ人への興味が湧きます。
本来、自閉症スペクトラムの子は、一人遊びが好きです。特性上、興味の幅がせまいため、オモチャがあれば、ずっと一人で過ごせることも珍しくありません。
ただ、それですと、将来的にお子さんが困ってしまいます。大好きなおもちゃを使って、強い要求を活かせれば、他者意識を上げることができます。
ここでは、お子さんが自動販売機のオモチャで遊ぶときの具体例で解説します。親御さんはお子さんが持っているコイン1枚以外を持っている状態で始めます。
自動販売機(本体+コイン1枚だけ)を渡す(親)
↓
コイン1枚入れる(子)
↓
コインを1枚手渡しする(親)
↓
コイン1枚入れる(子)
↓
繰り返す
※コインがなくなったら、すぐに親が全部回収し、1枚ずつ渡す。
※余裕がある場合は、1枚渡すときに、アイコンタクトを促す
一人で成立する遊びも、他者が入ることで、他者を意識せざすえない環境を作ります。お子さんが流れを理解してきたら、親御さんは手の上でコインを置いて待ち、お子さんに取ってもらうのも良いです。
また親御さんの手の位置をズラして、必ず1回1回親御さんの手の位置を確認する機会を作ることで、効果が高まります。
✍注意点
ここでお伝えしたいのは、お子さんに「絶対」はないということです。自閉症スペクトラムと診断されたから、○○という考え方は避けましょう。
あくまでお子さんに関わる上で参考にする情報と捉えてください。例えば、自閉症スペクトラムの特性を考えると、ママゴトなどのおもちゃは避けるべきでしょう。ただお子さんによっては、遊べることもあります。
ママゴトのおもちゃですと、食べ物に「マジックテープ」があります。あの「ザラザラ」の感触を楽しむ遊びをする子がいます。このように、結果としてお子さんが遊べている、楽しめていればOKです。
大切なことは、その子の実際の反応(行動)を見ること、そしておもちゃに関しては、特性を活かせる要素が、そのおもちゃに含まれているのか?を見ることです。
「特性を活かせる要素なんて見つけられない・・」という方は、児童館やお店のおもちゃコーナーのおもちゃで実際に遊んでもらい、実際のお子さんの反応を見てみましょう!
自閉症スペクトラムの子供にオススメなおもちゃ【厳選21選】のまとめ

記事のポイントをまとめます。
- 【自閉症スペクトラムの子供のおもちゃの選び方】
・感覚が過敏/鈍い
・想像することが苦手
・手先/全身運動が苦手
・人への興味がうすい
・4つの特徴から考える - 【自閉症スペクトラムの子供にオススメなおもちゃ】
・本記事を参照ください! - 【子供が成長するための、おもちゃの活用法】
・感覚をたくさん使う
・目で理解できる遊びを増やす
・アイコンタクト→おもちゃを渡す
・大人(他者)からおもちゃを渡す
以上になります。
おもちゃ/活用法が参考になりましたら、お子さんに合わせて、実践してみてください!お子さんの「できた!」に繋がれば嬉しいです^^
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