家での関わり方/その他

【不安が強い子供】今日から始められる!2つの原因と8つの対処法とは

投稿日:2021年7月27日 更新日:

不安が強い子に悩まれてる方「子どもの不安が強くて、将来が心配。どう関わればいい?子どもの不安を減らせる方法が知りたい」

このようなお悩みに、お応えします。

☑本記事の内容



✅子どもの不安が強い「原因」

✅子どもの不安を減らす「対処法」

子どもの不安を増やす「NGな接し方」


常に母親の近くにいたがる、一人でトイレに行くことを怖がる、夜に翌日のことを何度も確認してくる、など

不安が強い子の親御さんは、お子さんの将来が不安なってしまうものです。

この記事を執筆している私は、療育/相談支援を10年以上しており、色んなタイプのお子さんの支援をしてきました。

その中には、不安感が強いお子さんもいました。

その支援経験を元に、本記事では、下記の内容をまとめました。

「不安が強い子の原因・接し方・NGな関わり」

本記事が参考になれば、幸いです。

子どもの不安が強い「原因」

子どもの不安が強くなる「原因」は、2つあります。

1つずつ見ていきましょう。



①:子ども自身の「特性」

②:子どもが過ごす「環境」


①:子ども自身の「特性」

お子さんが生まれ持った『気質に近いもの』になります。

性格に近いもので、本人の意思で変えようと思っても、変えられないものになります。

特性は、それ自体が良い悪いではなく、「活かし方」を考えることが、大切になってきます。

【合わせて読みたい記事】

【場面緘黙の子】緊張が強くて話さないのは甘え?5つの特徴と4つの接し方

②:子どもが過ごす「環境」

お子さんが過ごす「環境」で、

失敗体験を重ねたり、トラウマになる場合になります。

例えば…

・周囲が優等生ばかり
・失敗体験を重ねてきた
・親に叱責ばかりされてきた
・過去の出来事でトラウマを抱えてる


このように、育ってきた環境・経験が原因になることも、少なくありません。

✍鬱になると、「栄養素の欠如」が原因の場合も

不安が強まり、精神的に追い詰められると、鬱になる人がいます。

人は栄養素が足りないことで、不安を感じやすくなる場合があります。

鬱(不安)と栄養素についての記事も、載せておきます。

興味のある方は、鬱(不安)と栄養素の関係をご覧ください。

✍「不安が強い子」は女の子に多い傾向

これは、あくまで私の経験上ですが、生活に支障が出るぐらい不安が強い子は、女の子に多いです。

特に、思春期で自分を俯瞰してみれる年齢になると、

・友達関係
・自分と周りとの違い
・今後の生活


など、不安を感じやすい子が、増える傾向にあります。

子どもの不安を減らす「対処法」

子どもの不安を減らす「対処法」 は、8つあります。

たくさんありますが、1つずつ見ていきましょう。



①:子どもの特性を「受け入れる」

②:不安を一旦「受け止める」

③:不安を「視覚化」する

④:不安に「名前」をつける

⑤:不安なモノの「仕組み」を知る

⑥:「親子の時間」を作る

⑦:「大丈夫だった」気付きを与える

⑧:親の「助け」を減らしてく


①:子どもの特性を「受け入れる」

「特性=ありのままの子ども」と、受け止める視点になります。

特性は、気質に近いものです。変えるものではなく、付き合っていくものです。つまり、「活かし方」を考えることが、大切になります。

例えば、集中力が短い子の場合は…

・細かく褒める
・ゴールを決めておく
・TODOチェック表を使う
・1つずつの課題を短くする
・興味のあるものに結びつける

このように、『お子さんの特性を活かす方法』を考えていくことが、大切になります。

②:不安を一旦「受け止める」

お子さんが不安を口にしたら、『○○なのが心配なんだね』と、一度受け止めます。

それが親からみて、「それの何が不安なの?」と思うことでも、一旦受け止めることが大切になります。

お子さんは一度受け止めてもらえると、安心します。

安心までいかない子でも、不安が更に強まることに、ブレーキをかけられます。

お子さんが “不安だと伝えてくれたら” 受容してあげましょう

③:不安を「視覚化」する

これは、心理学でもよくある方法ですが、不安に思っていることを、紙に書き出してみる方法です。

例えば、「明日の給食が不安」、「明日の習い事の先生が、どんな人か分からない」のように書き出します。

すると、気持ちが整理されたり、対策も考えやすくなります。

・明日の給食
⇨給食メニューで確認

・習い事の先生

⇨ホームページで顔を確認

このように、1つずつ整理をしていくことが、不安を減らす効果的に繋がります。

ちなみに大人の方にも、効果がある方法になります。

④:不安に「名前」をつける

お子さんに、「不安に名前をつけてもらう」ことも、方法の1つになります。

少しクスッとなるような名前をつけることで、いざ不安を感じる時でも、名前を呼んでみると、リラックスできる場合もあります。

⑤:不安なモノの「仕組み」を知る

不安に感じているモノの構造を理解すると、不安が減る場合があります。

例えば、初めていく場所に、不安を感じている場合です。

その場所の「室内の様子・中にいる人・どんなことをしてるのか」、などを画像や動画で確認する方法になります。

また…

・映画を怖がる
⇨撮影映像を見る

・初めての場所
⇨室内/人/内容を画像・動画で見る

・人を怖がってる
⇨その人が笑ってる所を見る

・着ぐるみを怖がる
⇨着てる人の休憩場面をみる

このように、怖がっているモノを別の角度で見ることで、不安が和らぐこともあります。

✍「日常生活に組み込む」のも1つ

日常生活の中で、不安なモノを見聞きする時間を作ることで、

心理的に接触する頻度を増やし、不安を減らしていきます。

人は、接触する機会が多いほど、安心します。

例えば、小学校に不安がある就学前の子でしたら、年長さんの間に…

・散歩ルートを登校ルートと同じにする

・ユーチューブで小学校の動画を見る


などがあります。

お子さんが嫌がったら避けた方が良いですが、日常生活に自然に馴染んでいると、警戒心が解きやすくなります。

⑥:「親子の時間」を作る

ボストン大学の研究によると、不安感の強い8歳以下の子の親に玩具を集め、

指示・質問・否定することを全くせず、100%子どもに向き合う指導をしました。

すると1日5分続けるだけでも、子どものが不安が軽減されたといいます。

このような「子どもの為の時間(子どもが自分の為の時間と思える)」が、大切になっていきます。

試しに1日5分から時間を作ってみるのは、いいかもしれません。

⑦:「大丈夫だった」気付きを与える

不安を根本的に減らしてく為には、

お子さんの「結果的に大丈夫だった(不安だったけど)」という経験が、必要になります。

・試しにやってみたらできた
・不安を感じてたけど、やってみたら大丈夫だった


このような機会があったら、「○○をしたけど、大丈夫だったね」、「○○楽しかったね」など、

『不安だったけど、大丈夫だった』ということに、気づかせる声掛けをしましょう。

繰り返し声を掛けていくと、「ちょっと不安だけど、この前大丈夫だったからやってみようかな」

のように、次第にお子さんの行動に変化が出てきます。

⑧:親の「助け」を減らしてく

お子さんの自立を考えると、親の手助けを減らしていく必要があります。

少しずつ、親のフォローを減らしていきましょう。

減らすタイミングは、非常に難しいのですが、

例えば、「1ヶ月不安な言動がなく、チャレンジできたこと」は、フォローを減らすなど、

お子さんの不安感に合わせると、良いと思います。

子どもの不安を増やす「NGな接し方」

子どもの不安を増やす「NGな接し方」 を、2つ紹介します。

意外に無意識にされている方が、多いと思います。



①:不安を「否定」する

②:「罰」を与える・脅かす


1つずつ一緒に、見ていきましょう。

①:不安を「否定」する

本記事の前半部分で、触れましたが、不安は受け止めることが、大切になります。

否定されれば、「誰も自分の気持ちを分かってくれない」など、ネガティブな気持ちが、強まってきてしまいます。

②:「罰」を与える・脅かす

罰や恐怖で押さえつけても、解決にはなりません。

むしろ、不安を抑え込むことで、感情が爆発したり、うつ傾向になったりと、逆効果になります。

この状態がひどくなると、二次障害になる場合があります。

詳しく知りたい方は、【発達障害の子の二次障害は治らない?】原因・予防/対処法をご覧ください。

発達障害の子でない子にも、参考になる内容になります。

「【不安が強い子供】今日から始められる!3つの原因と8つの対処法」のまとめ

記事のポイントをまとめます。



子どもの不安が強い原因
・特性
・環境
(失敗体験・トラウマ)

子どもの不安を減らす対処法
・子どもの特性を理解する
・不安を一旦受け止める
・不安を視覚化する
・不安に名前をつける
・不安なモノの仕組みを知る
・親子の時間を作る
・大丈夫だった後に気付きを与える
・親の助けを減らしてく


✅子どもの不安を増やすNGな接し方
・不安を否定する
・罰を与える/脅かす


以上になります。

本記事が参考になれば、幸いです。


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