家での関わり方/その他

【勉強できない高校生】ADHDの特性を押さえた7つの勉強法を紹介!

投稿日:2022年6月29日 更新日:

ADHDの子の勉強で悩まれてる方「うちの子、もう高校生なんだけど、勉強ができない。ADHDの子の勉強方法が知りたい」

このようなお悩みに、お応えします。

☑本記事の内容



✅ADHDの高校生
「勉強できない理由」

✅ADHDの高校生
「3つの特性に合わせた勉強法」

✅それでも
「勉強できない」場合


「うちの子は、もう高校生なのに勉強ができない…将来が心配…」

「ADHDだから勉強ができないの?うちの子に合った勉強法が知りたい」

お子さんの勉強で悩まれる方は多いですが、特にADHDの特性を持つお子さんの場合、

良い勉強法が見つからず、困ってしまうことも多いと思います。

そこで本記事では、ADHDの3つの特性に分けて、

「ADHDの子(高校生)が勉強できる方法」をまとめました。

この記事を執筆してる私は、療育/学習支援を10年以上しています。

その支援経験を元に、実際に上手くいった方法をまとめています。

本記事が参考になれば、幸いです。

ADHDの高校生「勉強できない理由」

ADHDの高校生が「勉強できない理由」は、3つの特性からきます。

1つずつ、見ていきましょう。



①:「多動性」がある

②:「衝動性」が高い

③:「不注意性」がある


①:「多動性」がある

落ち着きがなく、座っていても体を揺らしたり、席を何度も立ったりします。

動きたくなる欲求(感覚探究)が強い為、勉強に支障が出るケースが多いです。

②:「衝動性」が高い

衝動性が高いため、勉強中に他のことが気になると、そっちに気が移ります。

興味の向いたことに、瞬間的に注意が向く為、勉強に向かっていても、

実際の勉強時間は少なかった…ということがあります。

③:「不注意性」がある

勉強に支障が出やすい「不注意性」は、2種類あります。

1つずつ、見ていきましょう。

✅注意が “散りやすい”(転動性)

注意の転動性が高いと、他のコトに注意が散りやすいです。

お子さんにもよりますが、下のような例が多いです。

・音(聴覚)
(ex.テレビ・スマホ・人の話し声・外の音)

・視界に入るモノ(視覚)
(ex.手先でイジれる物・好きな物・スマホ)

注意が引っ張られる刺激が、多くあります。

✅注意が「続かない」(持続性)

人より、”物事に集中できる時間” が限られています。

取り組める時間自体が、人より短くなります。

✍授業に支障が出やすい “不注意性” がある

優先順位の高いものに、注意を向けにくい特性(選択性)があります。

よくあるのは、授業中の先生の説明ではなく、周りの話し声・音などが気になってしまい、

大事な情報(先生の説明など)を聞き逃してしまうことです。

授業に参加していても、聞いてない場合があり、結果として勉強が難しくなりやすいです。

この場合は、なるべく静かに(余計な刺激がない)学べる環境が必要になってきます。

ADHDの高校生「3つの特性に合わせた勉強法」

ADHDの「3つの特性に合わせた勉強法」は、7つあります。

数が多いですが、該当する箇所をご覧ください。

✍「多動性がある子」の勉強法

“多動性がある子” の勉強法は、3つあります。


①:「ゴール」を決める

勉強を始める前に、その日のゴール(終わり)を決めます。

例えば、「今日は、数学の計算問題、30問解いたら終わり」というイメージです。

多動の子は、ゴールが具体的ですと、集中力が高まりやすい(早く終えたいので)です。

事前に。具体的に。その日のゴールを。

本人に決めてもらいましょう。

②:「短く」区切る

“1回の勉強時間” を細かく区切る方法になります。

ゴールが遠いと、早く終えようと適当に終えたり、モチベーションが下がり、進まないことがあります。

そうならない為に、ご本人の集中力できる時間に合わせて、勉強時間を細かく分けると良いです。

例えば、20分が集中できる時間でしたら、

「最初の20分は国語の文章題3P、1回休憩して、次の20分は宿題のプリント2枚」

の様に、具体的に区切ってくイメージになります。

③:「サポートツール」を使う

“座る負担を軽くする” サポートツールを使います。

ADHDなどの発達障害の子は、姿勢の保持が難しかったり、疲れやすかったりします。

姿勢が保ちづらい⇨集中が落ちる⇨勉強ができない

に、繋がることも多いです。

参考例として、私が支援で実際に使ってる”サポートツール” の1つを紹介します。

✅ピントスクール

✍「衝動性が高い子」の勉強法

“衝動性が高い子” の勉強法は、2つあります。

①:「余計なモノ」をなくす

勉強から気が逸れる “本人が気になるモノ” を片付けます。

ご家庭によっては、難しいこともあると思いますが、極力本人の視界に入らない様工夫をします。

物が動かせない場合は、下の工夫方法もあります。

・布をかぶせる
・パーテーションを立てる
・本人の座る向きを壁にする

今のご家庭の状況でできる方法があれば、試してみるのも1つです。

【合わせて読みたい記事】

【療育指導員が紹介】ADHDの子が過ごしやすくなるグッズ8選


②:やることを「1つに絞る」

先ほどの「余計なモノをなくす」に似ていますが、今やることを “1つに絞って” 勉強します。

例えば、「まず英単語を10個暗記しよう」と決めてもらい、

それが終わるまでは、他の科目などは机にも出しません。

他の科目など、目につくモノがあると、咄嗟に手に取ってしまい、

気づいたら時間だけが過ぎ、勉強が進んでなかった…ということもあります。

✍「不注意性がある子」の勉強法

“不注意性がある子” の勉強法は、2つあります。

①:「集中しやすい環境」を作る

「集中しやすい」とは、注意が散るモノがない環境を言います。

ADHDの子が、勉強する時に注意が散るキッカケになるものは、視界に入る物・音などです。

外からの刺激が少ないと、注意が散りづらくなり、

勉強できる時間が増え、成果に繋がりやすくなります。

よくある “集中しやすい環境” とは、下の様なイメージです。

・音が響きづらい部屋
・机は壁に向けて設置
・勉強時間は家族も静かに過ごす
・窓から遠い位置
(外の音の刺激を減らす)

お子さんに合いそうな方法があれば、取り入れてみましょう。

②:問題は「1問ずつ」出す

勉強で使う問題集・プリントは、1ページに複数の問題が載っています。

これをそのまま解かずに、例えば、

・1問以外は、紙で隠す
・解く問題以外は折って隠す

など、“1問だけに集中できる工夫” が効果的になります。

不注意性がある子は、他の問題に気を取られたり、

どこから解けばいいか混乱したり、体力・時間を消耗しやすいです。

そのため、解くべき1問以外は、視界に入らない様にする方が、集中力が高まります。

【関連記事】

【作文が苦手】ADHDの子が書ける様になる!作文の6つの方法

それでも「勉強できない」場合

ここまで読まれた内容を、既に試したことがある方もいるかもしれません。

試行錯誤したけど、結果として勉強できない状態が続いてる場合は、

発達障害に対する “専門家・専門的なツール” を活用することをお勧めします。

具体的な方法は、3つになります。



①:学習塾

②:家庭教師

③:タブレット学習


①:学習塾

ここで言う塾は、個別塾になります。

発達障害の子を受け入れた、実績のある塾だとベストです。

事前に、お子さんの勉強状況をお伝えし、サポートが可能なのか、事前に確認ができると安心です。

②:家庭教師

“発達障害を専門とした家庭教師” も選択肢の1つになります。

専門的な知識がある先生なら、お子様の特性に合わせて、教え方も工夫してくれます。

ただ注意点としては、”ただ教材を渡して問いてもらうだけ” の指導でしたら、

他の家庭教師も検討し、比較した方が良いです。

ADHDなどの発達障害の子の学習は、決まった内容(プリント等)だけで、成果が出る子は少ないです。

むしろそれが難しいから、読者のみなさんも本記事にたどり着いたのだと思います。

「お子さんの特性に合わせた教材・指導が受けられるのか」が見られると良いです。


参考程度に、発達障害の専門の家庭教師を1つ紹介しますね。

オンラインも実施していて、先生の数も豊富です。

・お子さんが先生を気に入るか
・特性に合わせた指導か


この2点を軸に、見極めるのが良いと思います。

実際の先生による無料体験もありますので、お子さんが嫌でなければ、試してみるのも1つです。

家庭教師ファースト HP

③:タブレット学習

「費用が押さえられ、家でできることから始めたい」という方には、タブレット学習がお勧めします。

教科書・参考書など、”文字中心” の学習が難しい子でも、

アニメーション・動画など、”発達障害の子が理解しやすい教え方” がいくつもあります。

タブレット学習の詳細については、下の記事をご覧ください。

各種類・各メリット・デメリット・料金など、まとめています。

【2023年】ADHDの子に合うタブレット学習とは?子どものタイプ別に選び方を解説

「【勉強できない高校生】ADHDの特性を押さえた7つの勉強法」のまとめ

記事のポイントをまとめます 。



ADHDの高校生「勉強できない理由」
・多動性がある
・衝動性が高い
・不注意性がある


「多動性がある子の勉強法」
・ゴールを決める
・短く区切る
・サポートツールを使う

「衝動性が高い子の勉強法」
・余計なモノをなくす
・やることを1つに絞る

「不注意性がある子の勉強法」
・集中しやすい環境を作る
・問題は1問ずつ出す


それでも「勉強できない」場合
・学習塾
・家庭教師
・タブレット学習


以上になります。

【関連記事】

【療育支援員が解説】すららの発達障害の子の評判は?オススメな子の特徴・理由・注意点

-家での関わり方/その他

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