

ADHDの子の作文で悩まれてる方「子どもが作文が苦手で困ってる。作文が書ける様になる方法を教えてほしい」
このようなお悩みに、お応えします。
☑本記事の内容
✅ADHDの子の
「作文が書けない理由」
✅ADHDの子の
「作文が書ける様になる方法~短期的~」
✅ADHDの子の
「作文が書ける様になる方法~長期的~」
✅それでも
「作文が書けない」場合
「子どもの作文が文章にならない…一言で終わっちゃう……」
「どう教えればいいのか分からない…」
作文が苦手なADHDの子は、少なくありません。
ただ、家庭で教える様としても、なかなかうまく行かないことも多いかと思います。
そこで本記事では、「ADHDの子が書ける様になる6つの作文対策」をまとめました。
この記事を執筆してる私は、お子さんの療育/学習支援を10年以上しています。
その支援経験を元に、実際に上手くいった方法を “短期的・長期的視点” で解説してます。
本記事が参考になれば、幸いです。
ADHDの子の「作文が書けない理由」

ADHDの子の「作文が書けない理由」は、大きく2つあります。
1つずつ、見ていきましょう。
①:「何を書いていいか」分からない
②:出来事を「忘れてる」
①:「何を書いていいか」分からない

私の経験上では、この理由が一番多いです。
そもそも何を書いていいか分からない、どう書いていいか分からない状態になります。
その為、「今日の楽しかったことを書いて」と言っても、書くことが難しいのです。
②:出来事を「忘れてる」

ADHDの特性の1つに、忘れやすい特性があります。
特に、多動・衝動性の高い子に多く、過ぎた出来事をあまり覚えてなかったり、
思い出したがらない場合もあります。
✍「苦手意識の強さ」も関係してる
ADHDの特性上、作文の苦手に繋がりやすい上に、失敗体験を重ね続けることで、
作文への拒否感に、繋がることもあります。
もし拒否感が出てる場合、下のサイクルの練習が必要になります。
「本人に合った作文を書く方法を実践」⇨「上手く書けた(成功体験)⇨「本人の喜び(ex.ほめられる・達成感)」⇨「苦手意識が減る」⇨「作文に取り組める(自分から)」
数をこなすだけの「作文の練習」は、お子さんの苦手意識に繋がりやすいです。
ADHDの子の「作文が書ける様になる方法~短期的~」

ADHDの子の「作文が書ける様になる方法」は、3つあります。
ここでは、短期的な方法に絞って見ていきます(長期的な方法は後述します)。
1つずつ、見ていきましょう。
①:作文の「基本的な型」を覚える
②:「基本的な型」を見ながら、自分で書く
③:「何も見ず」に自分で書く
①:作文の「基本的な型」を覚える

まず、作文は具体的にどう書くのか、フォーマット(型)を伝えます。
具体的には、5W1Hになります。
お子さんのレベルに合わせて、「誰が・何をした」など、最初は、答えられる情報量に留めます。
出来る様になってきたら「いつ・誰が・何をした」と、1つずつ情報量を増やしていきます。
最初に例文を見せて、それを真似してもらう形でも大丈夫です。
フォーマットを書いた紙を渡し、それを見ながら、○○を埋めてくイメージになります。
フォーマット(基本的な型)は、下の様なイメージになります。
「○○(誰)は、○○(何)しました」
「○○(いつ)、○○(誰)は、○○(何)しました」
もし、これでも難しい場合は、○○に実際に入れた例文を用意して、マーカーで〇〇に色を付けます。
マーカーがついてる箇所だけ、1つずつ考えてもらうのも、1つの方法になります。
✍”最初に” 書きやすいもの
お子さんによりますが、多くの子が最初に書きやすいのは、
・誰が
・どこで
・何した
になります。
答えが明確に決まってることが、多いからです。
逆に難しいのが…
・いつ
・なぜ
・どのように
です。時制(いつ)の理解が曖昧だったり、
文章で説明が必要なもの(なぜ・どのように)は、難しく感じる子が多いです。
②:「基本的な型」を見ながら、自分で書く

“フォーマット” を見ながら、○○が埋められる様になったら、
次はお手本を見ながら、一から文章を書いていきます。
最初は、1文ずつで大丈夫です。
これまでは、○○の部分だけ入れてましたが、ここでは、一から考えてもらいます。
お手本を見ながら、一から文が書けるようになりましたら、次のステップに進みます。
③:「何も見ず」に自分で書く

最後は、何も見ずに書きます。
覚えたフォーマットを思い出しながら、書いていきます。
もし、途中で難しい場面があれば、①で使った紙(フォーマット)を見て書いて大丈夫です。
また、1つの方法として、最初に自分で作文用紙の端っこに、
「いつ・誰が・どこで…」の5W1Hを書いて、始めるのもあります。
✍「作文が書けたこと」をほめる
作文が書けたら、ほめることも大切になります。
その時のポイントは「書けたこと」だけに焦点を当てて、ほめることです。
下の細かい部分は、一旦触れない方が良いです。
・字のきれいさ
・枠からはみ出ない
・細かい言葉の表現(語尾など)
先ほども触れましたが、作文が苦手なADHDの子には、
「作文が書けて嬉しかった」などのポジティブな経験が必要になります。
その為、最初から細かい箇所に触れてしまうと、作文へのモチベーションが下がってしまいます。
まずは、『作文が書けたら』ほめてみましょう。
ADHDの子の「作文が書ける様になる方法~長期的~」

ここでは、ADHDの子が “作文を書くベースの力” を身につける方法を見ていきます。
3つの方法になります。
①:「語彙力」を増やす
②:「よく使うフレーズ」を覚える
③:「1日感想」でアウトプットする
①:「語彙力」を増やす

当たり前ですが、文章のほとんどは、単語で構成されてます。
語彙力が増えれば増えるほど、作文が書きやすくなります。
逆に語彙力が少なければ、作文を書くにも、その材料が限られた状態になってしまいます。
料理を作るにも材料がなければ、難しいのと同じですね。
まずは、作文の材料となる “語彙力を増やす” が大切になります。
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②:「よく使うフレーズ」を覚える

先ほどの “語彙力” と、考え方は、同じになります。
作文でよく使うフレーズも、増やせると心強いです。
「楽しかった」
「嬉しかった」
「疲れた」
あくまで一例になりますが、お子さんが普段話すときに使ってるフレーズの中で、
作文で使えそうなものがあれば、教えていきましょう。
ある程度、語彙力がある子でしたら、使えるフレーズを増やす所から始めても大丈夫です。
③:「1日感想」でアウトプットする

①・②で、語彙力やフレーズが増えてきたら、「1日感想」がお勧めです。
1日の終わりに大人から、今日の感想を一言聞いてみます。
「今日楽しかったこと1つ教えて」
「今日の○○はどうだった?」
など、お子さんが答えやすい質問だと、良いです。
ADHDなど、発達障害の子の中には、抽象的な質問が答えづらい場合があります。
具体的な質問ほど、答えてもらえる確率が上がります。
「今日どうだった?⇨今日の体育どうだった?」など、少し絞るイメージです。
必要があれば、お子さんに合わせて、”具体的な問いかけ” をしてみましょう。
それでも「作文が書けない」場合

ここまでの内容を実践しても、作文がどうしても難しい場合もあります。
その場合は、“専門家・専門的なツール” に頼ることをお勧めします。
具体的な方法は、5つになります。
①:療育
②:学習塾
③:家庭教師
④:タブレット学習
⑤:通信講座
①:療育

療育とは、発達障害の専門家が、お子様に直接指導をするものが、中心になります。
“福祉サービス・民間” の2種類に分かれます。
多くの方は、費用の負担が軽い(1割負担)福祉サービスから探されます。
お住いの区役所など、障害福祉課に連絡をすると、相談ができます。
ただ、どこも混み合っていて、すぐに利用ができなかったり、
利用できても月数回など、支援の量として足りない場合もあります。
その場合は、民間療育も併行して、探すことをお勧めします。
支援の種類・特徴などは、別記事でまとめています。
ご存知ない方は、【受給者証のデメリット】3つの注意点・メリット・申請方法 をご覧ください。
※福祉サービスについては、通所受給者証(受給者証)の申請が必要です。受給者証のデメリットを心配される方が多いですので、前半はデメリット中心にまとめてます。
②:学習塾

お子さんの特性に配慮して指導してくれる “個別の学習塾” になります。
・1つ1つ段階を踏んで説明する
・手本を見せながら教えてくれる
など、お子さんに合わせた指導をしてくれる塾になります。
もしお住まいの近くに、柔軟に対応してくれそうな塾があれば、試しに体験だけ行くだけでも、良いと思います。
もちろん、お子さんの意思があるのを確認した上になります(本人が嫌がっていたら、避けた方が良いです)。
③:家庭教師

“発達障害を専門とした家庭教師” になります。
まだまだ数は少ないですが、ここ最近増えてます。
専門的な知識がある先生なら、お子様の特性に合わせて、教え方も工夫してくれます。
専門家の見極めポイントは、お子さんの特性に配慮した教え方・教材の工夫があるか、です。
一番避けた方が良いのは、決まった教材を、ただ問いてもらうだけの指導です。
もちろん、それを使う意図・妥当性があれば良いですが、それもなく、
ただ決まった問題を解くだけの先生でしたら、慎重に判断された方が良いと思います。
私が知ってる家庭教師(発達障害の専門コース)を紹介しますね。
オンラインもありますので、ネット環境があれば、どこからでも受講可能になります。
実際に先生による無料体験もしていますので、お子さんが嫌がる様子がなければ、試してみるのも、1つだと思います。
④:タブレット学習

すぐに始められて、費用も抑えたいという方には、タブレット学習をお勧めします。
作文も、国語の他の問題と関連がありますので、学習全般を網羅できるタブレット学習は、効果的です。
教科書・参考書では、想像するのが難しい問題でも、
アニメーション・動画など、”発達障害の子が理解しやすい教え方” がいくつもあります。
学びの1つの選択肢として興味のある方は、下の記事をご覧ください。
【2023年】ADHDの子に合うタブレット学習とは?子どものタイプ別に選び方を解説
⑤:通信講座(小学生向け)

添削をしてもらい、学んでいくスタイルになります。一番気軽に取り組める方法になります。
詳しくは、ブンブンどりむ(小学生向け)をご覧ください。
「【作文が苦手】ADHDの子が書ける様になる!作文の6つの方法」のまとめ

記事のポイントをまとめます 。
✅ADHDの子の「作文が書けない理由」
・何を書いていいか、分からない
・出来事を忘れてる
✅作文が書ける様になる方法~短期~
・基本的な型を覚える
・お手本を見ながら、自分で書く
・何も見ずに、自分で書く
✅作文が書ける様になる方法~長期~
・語彙力を増やす
・よく使うフレーズを覚える
・”1日感想” でアウトプットする
✅それでも「作文が書けない」場合
・療育
・学習塾
・家庭教師
・タブレット学習
・通信講座
以上になります。
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