家での関わり方/その他

【字を書くのが嫌いな子】4つの理由・対策~予防しておきたい注意点~

投稿日:2024年2月16日 更新日:

字を書くのが嫌いな子で悩まれてる方「字を書くのが、何でこんなに嫌いなの?親としてどう関わればいい?今後の子どもの学習が心配」

このようなお悩みに、お応えします。

☑本記事の内容



✅字を書くのが嫌いな
 「4つの理由」

✅字を書ける様になる為の
 「4つの対策」

✅字を書くのが嫌いな子
 「予防すべき注意点/対策」

状況が進展しない時に
 「必要になること」


学校の授業でも、勉強でも「字を書く」のは、避けることができない、大切なことになります。

最近は、キーボード、音声機器など、以前より手段が増えましたが、まだまだ字を書くことは、避けられないのが現状になります。

字を書くのが嫌いだと、学習や今後の進学先にも影響が出てきます。

そこで本記事では「字を書くのが嫌いな子への対策」を4つの原因に分けて、お伝えしたいと思います。

記事の執筆者の私は、お子さんの療育/学習支援を10年以上しています。

その支援経験を元に、お伝えします。参考になれば幸いです。

字を書くのが嫌いな「4つの理由」

字を書くのが嫌いな「4つの理由」をお伝えします。



①:本人の「特性」
 (学習障害などの発達障害)

②:手先の「不器用さ」
(力加減、指先/手首/肘などの使い方)

③:目の「見え方」
 (違う見え方で映ってる)

④:「負の経験」が多い
 (叱責・指摘)


①:本人の「特性」(学習障害などの発達障害)

学習の困難さ(ex.読み・書き)がある場合になります。

著しい困難さがある場合は、学習障害(LD)の診断を受ける子もいます。

お子さんは、一生懸命取り組んでるのに、定着が難しく、本人が自信を失ってる場合が多いです。

②:手先の「不器用さ」(力加減、指先/手首/肘などの使い方)

学習への苦手意識があり、拒否してる状態になります。

完全に拒否してる子もいれば、苦手な科目の時だけ、拒否する子もいます。

個人差がありますが、共通して多いのは、学習の…

・”成功体験” が少ない
・”失敗体験” が多い

のいずれか、もしくは両方になります。

③:目の「見え方」(違う見え方で映ってる)

見える範囲が極端に狭かったり、偏りがある場合になります。

例えば、枠が空いてるのに端っこに書いたり、文字自体が小さくバランスが悪いなどになります。

枠全体を見ることが難しかったり、文字の一部分だけを見るような偏りなどがあります。

著しい困難さがある場合は、学習障害(LD)の診断を受ける子もいます。診断は受けなくても、”傾向がある” と言われる子もいます。

お子さんは、一生懸命取り組んでるのに、定着が難しく、本人が自信を失ってる場合が多いです。

④:「負の経験」が多い(叱責・指摘)

字を書くことでの失敗体験が多い場合になります。

字を書くことで怒られたり、何度も書き直しをさせられるなどです。

この負の経験が多ければ多い程、苦手意識は強まり、

「字を書きたがらない」
「適当に書いて早めに済ませる」

などの行動が増えやすくなります。

結果的に、字を書くことが難しくなっていきます。

✅板書が苦手な場合

板書に時間がかかる、疲労感が大きいなどの様子がある場合は、目と手の協調運動が苦手な場合もあります。

この場合は、次でお伝えする “療育” の必要性が高くなります。

字を書ける様になる為の「4つの対策」

字を書ける様になる為の「4つの対策」をお伝えします。



①:「療育」を受ける
 (理由①:本人の特性)

②:「手先を使う機会」を増やす
 (理由②:手先の不器用さ)

③:「医療機関」に相談する
 (理由③:目の見え方)

④:字を書いた時の「成功体験」を作る
 (理由④:負の経験が多い)



①:「療育」を受ける(理由①:本人の特性)

療育とは、本人の困りに対して、必要なスキル獲得を働きかけ、困りを軽減する指導になります。

本人の特性に合った支援を受けることができます。

本人が楽しく、負担が少なく書ける様な支援が大切になります。

注意点は、本人が嫌がっていると、ただの苦痛になってしまうので、

本人の興味関心に繋げて書く要素を組み合わせたり、本人に合わせたハードルの調整が大切になってきます。

具体的な療育は、本記事の後半にお伝えしますが「そもそも療育を受けるほど?」と感じてる方は、こちらの記事をご覧ください。

【療育に通う基準】3つのポイント~療育を始める方が多い4つの時期~

私は、本人が困りを感じていたら療育は必要だと思っていますが、その理由をもう少し詳しくお伝えしています。

②:「手先を使う機会」を増やす(理由②:手先の不器用さ)

本人が好きなコトの中で、手先を使う機会を作ります。

例えば、ポケモンが好きな子でしたら「オリジナルのポケモン図鑑を作ろう!」と言って、ポケモンの画像を切り抜き、ノートに貼り、その下に名前や必殺技を書きます。

本人としては「ポケモン図鑑を作る」が目的なので「字を書く練習をしてる」とは思ってません

ポケモン図鑑を作る過程に「字を書く」が入っています。

このように「字を書く」がお子さんの興味のある活動の一部に入っていることがポイントになります。

ただただ字を書く練習をするのは、苦手な子にとって、辛い時間になりやすいです。

③:「医療機関」に相談(理由③:目の見え方)

目の見え方に問題がある(可能性がある)場合が、最寄の医療機関に相談することをお勧めします。

検査が必要な場合は、大きな病院を紹介してもらえます。

字を書くのが苦手な子の中には、目の見え方に偏りがあり、疲れやすい子も少なくありません。

④:字を書いた時の「成功体験」を作る(理由④:負の経験が多い)

字を書くのが苦手な子の多くは、字を書きたがりません。字を書いても上手くいかないことを知っている為です。

もしくは、字を書いても、注意をされる、何度も書き直しをされると思っている為です。

そのため、字を書いた時の成功体験が必要になります。

枠からはみ出ても、字が乱れていても、

「最後まで書けたね」
「漢字5文字書けたじゃん!すごい!」

など、字を書いたことで、本人が喜ぶ関わりをします。

「次も頑張って書いてみよう!」と本人が思えるような成功体験(褒められる経験)が大切になります。

字を書くのが嫌いな子「予防すべき注意点/対策」

字を書くのが嫌いな子「予防すべき注意点/対策」をお伝えします。

本記事の内容を、ご家庭で十分に実践したにも関わらず、宿題が難しい場合は、1つの方法として、タブレット学習をお勧めします。

理由は、人に教わる形ではない為です。

本人の気持ちとして、家庭教室や塾を望む場合は、尊重して大丈夫です。

大切なのは「本人が納得してる方法・環境を用意する」ことです。

家庭教師や塾をやっても、本人が納得していなければ、形だけになります。

人に教わるのが嫌(指摘されるのが嫌・人の好みが激しい)、わざわざ移動するのが嫌など、様々な理由があります。

その理由が、モチベーションを下げて、学習の成果も落とします。

通ってるけど、成果が見えない…という子も多いです。

それなら、本人の負担感が少なく、納得しやすく、成果を適宜確認(大人が)できる方法が良いと思います。

本人の抵抗感が少ない方法として、タブレット学習があります。

塾や家庭教師は、その言葉の響きだけで「勉強させられる」と警戒する子も少なくありません。

✅学習対策は「タブレット学習」

“勉強感” が弱いタブレット学習ですと、自分で触って自分の意思で選ぶことができます。

そして、今のタブレット学習は、様々な特性を想定して、楽しい・分かりやすい・飽きさせない工夫が組み込まれています。

最初は、軽い気持ちで触っても、次第に分かってきて、進むのが実感できると、自分から取り組むようになり、

結果として、宿題するハードルが下がりやすくなります。

また、教科書・参考書などの文面での “想像理解” が難しい子にも、

アニメーション・動画など、発達障害の子が “理解・想像しやすい学び方” が豊富にあります。

宿題はもちろん、ドリル・プリント学習に苦手意識がある子にもお勧めになります。

“分かる” という実感は、学習をする行動に繋がります。小さな “分かる” を積み重ね、宿題や学習に繋げていくことが大切になります。

メリット、デメリットなど、詳細は、こちらの記事をご覧ください。

【療育支援員がおすすめ】発達障害の子に良い タブレット学習

1つの学習サポートの方法として、参考になれば幸いです。

状況が進展しない時に「必要になること」

ここでは、状況が進展しない時に「必要になること」をお伝えしたいと思います。

字を書くのが苦手だと、授業中の板書、連絡帳への記載、宿題、勉強全般、様々な場面で困り事になります。

自宅で試行錯誤されても、なかなか状況に進展が見られないご家庭には、大切になることが4つあります。

・子どもの特性/対処法の把握
・本人に合う学習方法の把握
・親の関わり方を学ぶ
・支援の必要性の有無の確認

お子さんの特性が把握できると、今の学習方法が合っているのか、そもそも本人に求めるレベルなのか…など、客観的に判断ができます。

また本人の特性に合わせた学習方法が分かると、必要な関わり方、配慮などが見えてきます。

お子さんによっては、支援の必要性が出てくることもある為、発達支援の専門の先生から、客観的な意見がもらえると、今後の参考になります。

字を書くのが苦手ですと、授業が苦痛になり、行き渋りが出てきます。お子さんによっては、不登校になったり、自己肯定感が下がったり、将来の選択肢が狭まる子もいます。

問題が大きくなる前に、できる対策は打っておきたい所です。

いずれにしても、お子さんの特性を把握する所から、全てが始まるため、

これまで検査を受けていなかったり、専門家から具体的なアドバイスをもらった経験がない方は、お子さんの現状把握を始める所からお勧めします。

お子さんの特性を把握した上で、今後について考えることが大切になります。

✅お子さんの特性/関わり方の把握は「リタリコジュニア

リタリコジュニア とは、発達/療育支援の教室になります。

専門の指導員がお子さんの様子を見て、お子さんの特性・必要な学習方法・支援の必要性の有無について、分かりやすく説明してくれます。

リタリコジュニアが良い理由は、大きく6つあります。

・療育の最大手
(信頼/実績/豊富な知見)

・応用行動分析
(エビデンスに基づく指導)

・自己肯定感を高める指導
(子どもの成功体験/楽しさ)

・成果が具体的(書面で受け取れる)
(成果:子どものできた行動の数値化)
(効果的だった学習方法)

・オンライン支援
(遠方/海外の方向け)

・家での関わりサポート
(ペアレントトレーニング)
(親の具体的な関わり方)

一回限りの指導で、本人の特性、対処法、学習方法、家での関わり方などを教えてもらうことができます。

継続的な支援の必要性があれば、続けることもできます。

思春期のお子さんですと、本人が嫌がることもあると思いますが、本人への伝え方から教室に事前に相談することができます。

その他、メリット・デメリットなど詳しい情報は、こちらの記事をご覧ください。

【リタリコジュニア】発達/療育支援教室

私の息子が療育に通っていた経験、私自身の支援経験を元にお伝えしています。

また発達障害の有無に関わらず、困りを抱えてる子にとって、参考になる内容になっています。

1つの選択肢として、参考になれば幸いです。

「【字を書くのが嫌いな子】4つの理由・対策~予防しておきたい注意点~」のまとめ

記事のポイントになります。



字を書くのが嫌いな
 「4つの理由」
・本人の特性
・手先の不器用さ
・目の見え方
・負の経験が多い

字を書ける様になる為の
 「4つの対策」
・療育を受ける
・手先を使う機会を増やす
・医療機関に相談する
・字を書いた時の成功体験を作る

字を書くのが嫌いな子
 「予防すべき注意点/対策」
・学習そのものが嫌いになることの予防
・”学力” “字を書くこと” を分けて対策
・学力は、タブレット学習

状況が進展しない時に
 「必要になること」

・子どもの特性/対処法の把握
・本人に合う学習方法の把握
・親の関わり方を学ぶ
・支援の必要性の有無の確認



以上になります。

本記事が、お役に立てば幸いです。

【関連記事】

【親も子もイライラ】発達障害の子の勉強がスムーズになる4つの対処法

-家での関わり方/その他

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