不登校

【母親に依存するのはなぜ?】不登校の子が依存する2つの理由と対処法

投稿日:2021年9月22日 更新日:

不登校の子で悩まれている方「不登校の子どもが母親に依存して困ってる。このままでいいのか不安。子どもにどう関わっていくべきか分からない」

お子さんが不登校ですと、「学校には行かせるべき?」「無理させないべき?」など、どうしてあげるべきか、分からなくなりますよね。

不登校のお子さんの中には、母親に依存している場合があり、接し方で悩まれる親御さんがとても多いです。

そこで本記事では、「母親に依存する不登校の2つの原因/接し方」についてお伝えします。

この記事を執筆している私は、育児/相談支援を15年以上してます。不登校のお子さんの支援も多くしてきました。

その経験を通して、必要な視点と具体的な関わり方をまとめています。

参考になれば幸いです。

不登校の子が「母親に依存する原因」

原因の前に、「母親に依存する」とは、具体的にどういうものなのか、見ていきます。

・家の中でも常に母の近くにいる
・母が外出しようとすると不安がる
・母が家族と話していても、常に話しかける


これは一例ですが、母親に接している時間/近い距離感を求める言動が、共通して見られます。

次は、母親に依存する不登校の「原因」2つについてお伝えします。



①:生活の中で「安心/楽しい」が極端に少ない

②:生活の中で「不安/ストレス」が極端に多い


生活の中で安心/楽しいが極端に少ない

日常生活の中で、お子さんが感じる『安心/楽しい』が、極端に少ない場合になります。

人は、「安心」がベースにあって、生きていけるものです。

あの有名なマズローの5大欲求でも、食事や睡眠などの次に、大事と言われています。

母親に依存してしまう不登校のお子さんは、この「安心/楽しい」が極端に少ないことが多いです。

例えば…

・家族との関係性
・家族とのコミュニケーション
・家庭環境(家にいて安心できる)


お子さんの安心になる要素が極端に少ないと、「母親に依存する」「不登校になる」など、お子さんの言動に影響が出てきます。

また「楽しい」も同じで、お子さんの原動力になるため、必須になります。

生活の中で不安/ストレスが極端に多い

日常生活の中で、お子さんが感じる『不安/ストレス』が、極端に多い場合になります。

多くの人は、「不安」を抱えながら、生きていきます。

ただその不安が「極端に多い」「極端に強い」場合は、生活に支障が出てきます。

母親に依存する不登校の子でいうと、以下の内容が「不安の元」になっていることが、多いです。

・授業についていけない
・学校の担任が嫌い
・友人関係
・行きたくない習い事


これらの不安が強いと、不安を減らすため(自分を守る)に、「常に母親にベタベタする」など、お子さんの言動に出てきます。

✅不登校の原因は「家庭環境」が最も多い

不登校の原因というと、「いじめ」などをイメージされる方が、多いかもしれません。

でも実際は “いじめ” よりも、「家庭環境」が理由で、不登校になってる子が多いです。

母親に依存する「不登校の子の接し方

母親に依存する「不登校の子の接し方」 は、2つあります。

不登校のお子さんにおいては、例外なく必要になります。



①:生活の中で「安心/楽しい」を増やす

②:生活の中で「不安/ストレス」を減らす


生活の中で安心/楽しいを増やす

お子さんの『安心/楽しい』を増やしていきます。

まず最初に、お子さんが、”何に対して”、安心を感じているのか、箇条書きしてみます。

例えば…

・家族にほめられる
・絵を描く

・公園で遊ぶ
・一緒に料理をする

・祖父母の家に行く

このように箇条書きにして、どれなら現実的に、頻度や時間を増やすことができるのか、確認をします。

お子さんをほめる回数を増やしたり、月に1回行っていた祖父母の家に行くのを、月に2回にしたりするイメージになります。

「お子さんの安心」を書き出し、増やせるものを決めていきます。

生活の中で不安/ストレスを減らす

お子さんの『不安/ストレス』を減らしていきます。

先ほどを同じ様に、お子さんが何に対して不安を感じているのか、箇条書きしてみましょう。

例えば…

・学校に行く
・宿題

・担任
・学校の行事

・親に怒られる

現実的に、量や質を調整できるか、確認をしていきます。

例えばよくあるのは、宿題の量を減らしてもらったり、学校の行事は休む、などです。

あとは、親御さんが意識をして、怒る回数を減らすことも効果的です。

学校関係は、担任の先生に相談が一番になります。

もし相談できない場合は、校長先生などの管理職か、学校のスクールカウンセラーに相談するのが、良いと思います。

また「学校にいく」がストレスになっている場合は、”学校の何が”、不安なのか、お子さんに具体的に確認できると良いでしょう。

「国語の授業」「給食」など、具体的に出れば、その時間帯だけ欠席したり、

保健室で過ごして避けるなど、工夫できることがあります。

学校に無理に行かせることは、逆効果

お子さんが「行きたくない」と行っている状態で、学校に行かせることは、逆効果になります。

学校での失敗体験から自信を失ったり、疲弊して途中から学校にいけなくなることがあります。

不登校の子は、一見元気そうに見えますが、強い不安やストレスを抱えています。

この不安やストレスを『お子さん一人で抱え込まない様に、支えていくこと』が、大切になります。

ストレスを把握する方法

ストレスを数字にして、教えてもらう方法があります。

例えば、ストレスを5段階で、1が1番低く、5が1番高い、とします。

「学校の宿題は4、給食が2」など、具体的にして、親子で一緒にストレス値を確認し、

把握・工夫できる箇所を見つけていくことが、効果的です。

言語化が難しいお子さんには、数字は共通認識が持ちやすいです。

不登校の子の将来に向けて「備えたいコト」

本記事の内容を通して、お子さんの安心要素が増やし、不安要素が減らすことで、お子さん自身が安定してきたら、将来に向けた準備をすることが大切になります。

安心や不安要素を調整するのは、”今の生活” に加えて、今後の生活の為ですが、今後の進学などを見据えると、学習対策が必要になってきます。

私は、不登校の子が他の子と同じように、全く同じ内容を同じように勉強する必要はないと思ってます。

本人が最低限必要な学力さえ身に着けられれば、それ以上は本人が望まない限り不要だと思います。

最低限必要になる学力は、2つあります。

①:生きる上で必要な学力

②:進学に必要な学力

①は、読み(書き)、計算、文章読解、時間、お金など、生きる上で使う学力になります。

便利なツールも増えてますが、ツールを使うにしても、最低限本人が学力として身につける必要があります。

②は、進学したい学校、興味のある分野に進む為に必要な科目になります。他にも、論文や面接などもあります。面接は受け答えする為にも、何を質問されてるか、5W1Hで伝えられるスキルが大切になってきます。

次からは、不登校の子が学力をつけやすい “タブレット学習” についてお伝えします。

タブレット学習

不登校の子が学習をする上で、よくある困り事が3つあります。

この3つの困り事に対して、タブレット学習は、フォローがしやすいです。

具体的にどうフォローしやすいのか、1つずつお伝えします。

成功体験を作る

不登校の子は、学習の失敗体験が多いことで、自信を失ってることがあります。

学習の苦手意識が強く、取り組むこと自体を嫌がったり、分からない問題があると癇癪を起こしたりすることもあります。

苦手意識がある子に必要なのは、他の子と同じように学習するのではなく、小さくても良いので学習の成功体験を作ることです。

本人が嫌じゃない形で勉強に取り組み「思ったより嫌じゃないかも」「自分にも解けるかも」「問題が解けた!嬉しい!」という成功体験を重ねることが必要になります。

タブレット学習では、ゲーム要素がある学習PGMがあり、勉強に抵抗感ある子にも、取り組みやすいです。

例えば、トークンシステムと言って、問題を解く毎にポイントが貯まり、タブレット上のアイテムと交換する仕組みがあります。自分だけのコレクション完成を目指し、良い意味でゲームっぽさを感じながら、勉強に取り組める学習PGMになります。

このように、本人が勉強感を感じにくい方法で成功体験を作り、勉強に対してポジティブなイメージを持ってもらうことがポイントになります。

机上課題やプリント学習、学習ドリルなど、苦手意識がある子にとっては、アレルギー反応が出そうなぐらい嫌な学習法になる為、本人の苦手意識がなくなるまでは、避けたい所です。

特性に合う学習法

一生懸命勉強しても、時間が経つと忘れたり、問題が少し変わると解けなくなる子がいます。

家族が根気強く教えても定着しない…授業や市販教材でも、難しかった..という子は、本人の特性と学習方法が合ってない可能性があります。

特性とは、得意不得意など、生まれながらに本人が持ってる気質に近いものです。

学習でいう特性とは、学びやすさ(得意)、学びにくさ(苦手)を指し、本人の得意な学び方に合わせて、学習法を選ぶことが重要になります。

タブレット学習では、様々な特性の子が学びやすい様、学び方が豊富にあります。

例えば、聞いて覚えるのが得意な子(聴覚優位)は、音声学習が活用でき、見て覚えることが得意な子(視覚優位)は、目で見て理解を促すアニメーション解説が活用できます。

他にも、文字を見て覚える際にも、色で変化をつけたり、イラストで意味と文字を紐づけたり、動画で体感的に覚えられたり、その子が覚えやすい形で学ぶことができます。

このように、その子が一番理解しやすい学習法を見つけ、繰り返し解くことで、本当の意味で定着に繋げることができます。

解答結果を分析⇨課題提示

不登校期間があると、学年を遡って学習する必要も出てきます。

ただ学年を遡るとなると、もはやどこから勉強すればいいのか、本人は勿論、家族も判断が難しくなります。

タブレット学習では、本人の解答結果を分析し、本人が “今取り組むべき課題” を選定してくれます。

そのため、単元選びで苦労することなく、本人に合った課題を解くことだけに集中することができます。

専門家でない人が判断すると、単元のズレや学習すべき内容の漏れが出ることがありますが、タブレット学習では、自動で分析してくれる仕組みもある為、心強いです。

ここまで、タブレット学習の良い点をお伝えしましたが、当然デメリットもあり、合わない子もいます。

タブレット学習のその他の情報は、こちらを記事をご覧ください。

【療育支援員がおすすめ】発達障害の子に良い タブレット学習

診断の有無に関わらず、学習に困りを抱えてる子にとって、役立つに内容になります。

1つの学習対策として、参考になれば幸いです。

【不登校の子の母親への依存】まとめ

記事のポイントになります。



✅母親に依存する
 「不登校の子の特徴」
・家の中でも常に母の近くにいる
・母が外出しようとすると不安がる
・母が家族と話していても、常に話しかける

不登校の子が
 「母親に依存する原因」

・生活の中で “安心” が極端に少ない
・生活の中で “不安” が極端に多い

母親に依存する
 不登校の子の接し方」
・生活の中での “安心” を増やす
・生活の中での “不安” を減らす
・”安心/不安” を具体的に出す
・現実的に工夫できるものをやる

不登校の子の将来に向けて
 「備えたいコト」

・取り組みやすい学習スタイル
・学習の成功体験
・特性に合う学習法
・レベルに合う学習内容
・タブレット学習


以上になります。

本記事が、参考になれば幸いです。

【関連記事】

【不登校の子は勉強追いつくの?】学習支援でも実践してる6つの勉強法

【不登校】元気なのに学校に行かない?3つの理由と接し方

-不登校

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