

子どもの学級について悩まれてる方「特別支援学級から普通学級に移籍はできるの?デメリットはあるの?移籍する時の判断基準が知りたい」
このようなお悩みに、お応えします。
☑本記事の内容
✅支援学級⇨普通学級へ移る「メリット」
✅支援学級⇨普通学級へ移る「デメリット」
✅支援学級⇨普通学級への「判断ポイント」
✅支援学級⇨普通学級へ移る時に
「やれたら良いこと」
結論からいうと、「特別支援学級から普通学級へ」移ることは、制度上は可能になります。
ただ、お子さんの学級の移籍は、悩まれる方がとても多いです。
特に、お子さんが特別支援学級で過ごす場合…
・学習が物足りない
・多くの子と交流する機会を作って上げたい
・子どもの将来の選択肢を広げてあげたい
など、普通学級に移ることを検討される方も、多いと思います。
そこで、本記事では、「特別支援学級⇨普通学級へ移る時の判断ポイント/メリット/デメリット」をまとめてみました。
私は、発達支援の相談/指導員を10年以上しており、これまで学級選びの相談も多く受けてきました。
この経験を元に、私が実際に関わってきたお子さんの事例に出しながら、解説しています。
本記事が参考になれば、幸いです。
支援学級⇨普通学級へ移る「メリット」

支援学級⇨普通学級へ移る「メリット」は、2つあります。
1つずつ、見ていきましょう。
①:「学習の進度」が一般的

普通学級へ移籍することで、「学習指導要領」に沿った教育が、受けられる様になります。
学習指導要領とは、文部科学省が出している学校教育の基準になります。
全国のどの地域で教育を受けても、一定の水準の教育を受けられるようにするため、文部科学省では、学校教育法等に基づき、各学校で教育課程(カリキュラム)を編成する際の基準を定めています。これを「学習指導要領」といいます。
引用元:文部科学省
一言でいうと、『社会の一般的な教育が受けられる』ということです。
②:「より多くの友達」と関わる機会が増える

1クラス8名以下の支援学級と比べて、普通学級は、1クラス35~40名程度になります。
クラスの在籍人数が多い分、多くのお友達と関わる機会があります。
社会的交流を経験し、学ぶ機会を増やすことができます。
✍中学生は「高校受験」の選択肢が広げられる
お子さんが中学生の場合、普通学級に在籍することで、受験できる高校の選択肢が増えます。
残念ながら、現在のほとんどの特別支援学級では、内申点が「つかないor低評価(5段階で1など)」になります。
つまり、内申点の影響が高い『公立の高校受験』が、かなり厳しくなります。
ただ、普通学級に移籍をして内申点が得られれば、公立の高校受験も選択肢に入ることになります。
ここの詳しい説明は、【特別支援学級だと内申点は出ない?】普通学級との違いとはをご覧ください。
支援学級⇨普通学級へ移る「デメリット」

支援学級から普通学級へ移る「デメリット」 は3つあります。
あくまで、可能性というお話になります。
お子さんによって可能性の高さは、大きく変わっていきます。
①:二次障害になる
②:いじめにあう
③:地域・学校により移籍のハードルが高い
1つずつ、見ていきましょう。
①:二次障害になる

二次障害とは、お子さんの障害(ADHDや自閉スペクトラム症など)がキッカケで、叱責や失敗体験を重ね続け、
不登校や引きこもり、鬱などになることをいいます。
お子さんが普通学級という環境で「○○ができなかった」「○○が嫌だ」など、
ネガティブな経験が増え続ければ、二次障害のリスクになり得ます。
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②:いじめにあう

クラスメイトによっては、「支援学級から来た」ということを、バカにしてきたり、いじわるをするケースがあります。
いじわるをする子は、些細な理由でいじめをします。
ただ、「支援学級から来た」ということが、いじめをする子の、キッカケ作りになる場合があります。
事前に、支援学級と普通学級の先生で情報共有をしてもらい、『普通学級のクラスメイトへの伝え方』を、すり合わせすることをお勧めします。
支援学級の先生に相談をすれば、お話を進めてもらえると思います。
もし、支援学級の先生が「相談に乗ってくれない、頼りにならない」という場合は、対策があります。
担任とのやりとりで困っている方は、【支援学級】担任と合わない時はどうする?2つの対策と注意点をご覧ください。
③:地域・学校により「支援学級から普通学級」のハードルが高い

地域によっては、「学級の移籍」が難しい場合があります。
私の経験上、特に多い理由は、下記になります。
①在籍校に特別支援学級がない
(もしくは空きがない)
②支援学級の生徒数の先生のバランス
③発達検査や知能検査の結果が必要
(且つ、知的な遅れ等、支援の必要性が記されていること)
①の場合は、近隣の学校まで通う形になります。
送迎は、親御さんがしなければいけない場合もあります。
②は、表には出ない学校側の事情になります。学級運営をする為の生徒数のバランス・先生の人員体制の事情があります。
支援学級⇨普通学級へ移る「判断ポイント」

支援学級⇨普通学級へ移る時の「判断ポイント」 は、3つあります。
①:支援学級の環境と子どもが「ミスマッチ」
②:子どもが「普通学級」を望んでいる
③:第3者から「普通学級」を勧められている
※特に学校
①:支援学級の環境と子どもが「ミスマッチ」

支援学級の生活で大きな問題がなく、授業も本人にとって簡単で、時間を持て余す場合は移籍を考える1つのタイミングだと思います。
②:子どもが「普通学級」を望んでいる

お子さん自身が、「普通学級を望んでいる」場合になります。
その場合は、理由も具体的に確認しましょう。
「もっと友達と話したい」、「もっと難しい勉強がしたい」など、
お子さんなりの理由が聞けると、先生などに相談するときに、大切な判断材料の1つとなります。
⚠下の様子がある子は、慎重に見ていきましょう
お子さんの意思があっても、移籍して辛い思いをすることが想定される場合は、慎重になる必要があります。
特に、下の様子があるお子さんは、家族や先生に相談しながら慎重に進めていきましょう。
・大人数が疲れやすい
・常に2~3テンポ集団行動に遅れがある
・困っても誰にも助けを求められない
「大人数で疲れやすい」の目安は、帰宅してすぐに寝てしまい、
お風呂や食事の時間が不規則になったり、宿題をする時間もない、などになります。
③:第3者から「普通学級」を勧められている

第3者から、普通学級を勧められた場合も、目安になります。
特に、学校側から提案があった場合は、実際の学校の様子を見て判断しているので、前向きに検討していけると、良いと思います。
支援学級⇨普通学級へ移る時に「やれたら良いこと」

支援学級⇨普通学級へ移る時に「やれたら良いこと」 が2つあります。
①:先輩ママから情報を集める
『同じ境遇のママ友にお話を聞く』ことです。
学級の移籍は、学校側とのやりとりもあります。
学校側のリアルなスタンスが事前に分かっていると、今後の移籍を検討する上で、スムーズになります。
時々あるのは、学校側が曖昧な返事をし続け、親御さんが療育もせず半年以上も待つ…
結果、今も入れないまま時間だけが過ぎた…という、勿体ないケースです。
その学校や学級に移籍したママ友と繋がることができる場合は、とても有効な方法になります。
もし、難しければ、違う学校でも結構ですので、学級の移籍を経験されたママ友に聞くのも1つです。
ただ、経験しているママ友を見つけるのは難しいですし、
こういった相談をするのも勇気がいると思うので、ハードルが高い方もいらっしゃると思います。
ただ、「お子さんのため」という観点でいくと、一番リアルな情報を集められると思い、ここで紹介させていただきました。
②:通級を利用する
普通学級と支援学級の間に、「通級」という学級があります。
普段は普通学級で過ごすのですが、特定の科目だけ、別室で個別指導(少人数指導)を受けられる制度になります。
特別支援学級と通級の違いについては、【簡単にわかる!】特別支援学級と通級の違いを、ご覧ください。
「普通学級に移りたいけど、不安もある」という方の、力になる可能性のある制度になっています。
✍学習に不安がある場合は
学習に不安がある方は、1つの選択肢としてタブレット学習があります。
授業の予習・復習ができ、発達特性に配慮された学習PGMもあります。
お子さんが興味を持ちそうなら、1つの方法として試すのも良いと思います。
興味のある方は、下の記事をご覧下さい。
【療育支援員がおすすめ】発達障害の子に良いタブレット学習とは?4つの条件・理由・注意点
「【特別支援学級から普通学級】デメリットはある?判断する基準」のまとめ

記事のポイントをまとめます。
✅支援学級⇨普通学級のメリット
・学習の進度が一般的
・多くのクラスメイトと交流が持てる
✅支援学級⇨普通学級のデメリット
・二次障害になる
・いじめにあう
・地域/学校によって学級の移籍が難しい
✅支援級⇨普通級へ移る時の判断ポイント
・支援学級の環境と子どもが合ってない
・子どもが普通級を望んでいる
・第3者から普通級を勧められている
✅支援級⇨普通級の時にやれたら良いこと
・先輩ママから聞けること
・通級を利用する
✅慎重に検討した方が良い子の特徴
・集団が非常に疲弊しやすい
・集団行動に常に遅れがある
・困っても誰にも助けを求められない
以上になります。
本記事がお役に立てれば、幸いです。
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