不登校

【不登校の再登校】失敗しない為の4つの注意点~復帰する時の6つのポイント~

投稿日:2023年10月7日 更新日:

子どもの不登校で悩まれてる方「不登校の子が再登校する時の注意点が知りたい。復帰する時のポイントも教えてほしい」

このようなお悩みに、お応えします。

☑本記事の内容



再登校する時の
 「4つの注意点」

再登校の失敗に繋がりやすい
 「4つの原因」

✅再登校する時の
 「6つのポイント」

再登校で失敗した時の
 「3つの対処法」

✅それでも
 「再登校が難しい時~その場の対応~

それでも
 「再登校が難しい時~根本解決に向けて~

不登校の子が
 「備えたいこと」


不登校のお子さんにとって「再登校」は、不安や緊張を感じやすい場面になります。

実際に再登校が上手くいかず、辛い思いをされるお子さんは少なくありません。

ご家族として、どのようにサポートすればいいのか、とても難しい問題になります。

そこで本記事では不登校の子の「再登校の注意点・大切なポイント」に関する情報をまとめました。

この記事を執筆してる私は、不登校・療育支援を10年以上しています。

現場で支援をしてきて感じたことを、事例を通してまとめています。

本記事の後半では、不登校の子が中長期的に備えておきたいことも紹介してます。

参考になれば幸いです。

再登校する時の「4つの注意点」~失敗しない為に~

不登校の子が

再登校する時の「注意点」は4つあります。



①:「再登校=解決」と思わない

②:周りが「過剰反応」しない

③:「過度な期待/プレッシャー」をかけない

④:本人に「再登校しなきゃ」と思わせない

①:「再登校=解決」と思わない

「数日登校できた」
「1週間休まず登校できた」

お子さんが望んで出来たことであれば、喜ばしいことですが、「登校できた=不登校が解決」ということにはなりません。

不登校問題で大切なことは、本人が抱える困り(不安)の原因に対して、本人が対処できる状態(周りのサポートを受けながら)を作っていくことです。

私が知る限りでは、何の心配もなく、不登校問題が完全に解決したと言えるケースは、多くありません。

学校に登校できてる期間があっても、実際のところは、本人の一時的な頑張り(無理をして)だったり、

担任やクラスメイトの理解・協力があるなどの環境要因だったりと、長期的に保証できるものではない場合もあります(もちろん、環境との折り合いがついて、登校が安定するケースもあります)。

環境(担任やクラス)が変わったタイミングで、不登校に戻る子も珍しくありません。

目の前の環境に対して、本人が過ごしやすくなる様に、本人や学校と相談しながら進めていくことが大切になります。

②:周りが「過剰反応」しない

周囲の大人が、本人の1つ1つの言動・変化に、過剰に反応しないことになります。

例えば、下の言動などがあります。

・登校できた
・学校に行くと発言した
・学校の準備を始めた
・勉強を始めた


ご家族、担任の先生など、大人の方からしたら、本人のポジティブな言動(再登校に対する)は嬉しいですし、応援したいものです。

ただ過剰に反応することで、本人はプレッシャーを感じて「期待を裏切れない、失敗できない」と気を張って、自分を追い詰めてしまいます。


無理を続けて反動がきて、不登校に戻る場合もあります。

再登校の失敗は、本人の自己肯定感を著しく低下させる為、予防に最善を尽くしたい点になります。

③:「過度な期待/プレッシャー」をかけない

先ほどの過剰反応に似ていますが、なるべく期待・プレッシャーを感じさせない様にします。

不登校の子は、自己肯定感が下がっていて、周りの反応に敏感なことが多いです。

周りの大人の応援を期待と捉え、自分を追い込んでしまうこともあります。

「登校できたね、明日も頑張ろう」
「少しでも学校行けるといいね」
「先生が待ってるよって言ってたよ」

など、一見本人を支える言葉のようなものが、本人にとっては負担になる場合が多いです。

④:本人に「再登校しなきゃ」と思わせない

「再登校しないといけない」と本人に思われない様にします。

本人が「再登校以外許されない」という認識をもつと、精神的に追い詰められ、状況は良くない方向に進みます。

「◯◯しなきゃ」
「◯◯すべき」


これらは、不登校の子と関わる上では、特に “避けたい考え方” になります。

再登校で失敗に繋がりやすい「4つの原因」

再登校の「失敗に繋がりやすい原因」は、

4つあります。



①:「休息不足」になってる

②:「本人の状態」「通い方」が合ってない

③:本人との「すり合わせ不足」

④:「学校の環境」が悪い


①:「休息不足」になってる

個人差がありますが、不登校の子には、最初は「休息」が必要な場合が多いです。

心身ともに疲弊していたり、ストレス過多になってます。

そんな状態をリセットするために、ある程度休む必要があります。

休息が足りていないと、心が折れやすくなり、再登校の失敗に繋がります。

再登校の失敗要因の1つとして、とても多いものになります。

②:「本人の状態」と「通い方」が合ってない

本人の状態と学校の通い方が、合ってない場合になります。

明らかに休息が必要な子が、週5日フルで登校していたり、苦手で嫌な授業にも無理して参加していたり…

本人が無理をしてる状態が続くと、再登校の失敗の確率は、確実に上がります。

③:本人との「すり合わせ不足」

登校することの意味、通い方、ペースなど、本人とのすり合わせが不十分な場合になります。

本人が選択できる機会が少なかったり、大人が話を進めてしまう流れが強いと、

再登校しても、途中で休むことに繋がりやすくなります。

④:「学校の環境」が悪い

明らかに、学校の環境が本人に合っていない場合になります。

本人には、個別配慮が必要にも関わらず、

・担任の理解がない
・個別対応は不可
(学校や先生のスタンス)

このような環境ですと、お子さんのコンディションが整っていても、環境的な問題で難しいことが多いです。

また嫌がらせをしてくるクラスメイトが嫌、という場合もあります。

クラスメイトの問題は、先生が介入することで、改善することもあります。

【関連記事】

【担任が何もしない】不登校の子が困らない為の3つの対策

再登校する時の「6つのポイント」

再登校する時の「ポイント」は、

6つあります。



①:本人の「気持ち」

②:目的は「本人のポジティブな実感」

③:本人に必要な「配慮・環境」があるか

④:再登校は「1つの選択肢」と考える

⑤:「再登校以外の選択肢」も用意する

⑥:家族は「いつも通り過ごす(淡々と)」


①:本人の「気持ち」

本人の気持ちが全ての土台になります。

本人の気持ちとは、本人が感じる「納得感・必要性」になります。

・なんで学校に行くの?
・自分にとって何か意味あるの?
 (登校するメリット)

この2点を本人がどこまで感じられるか、が大事になってきます。

例えば、

・友達と話したいから、午前中だけ登校する

・将来建築関係の学校に行きたいから、受験に必要な科目の授業だけ受ける

“本人が望むこと” と “登校すること” の重なる部分を見つけることが重要になります。

②:目的は「本人のポジティブな実感」

「学校に行く」を目的にするのではなく、

「学校に行って、楽しかった!」
「思ってたより嫌じゃなかった!」

と実感できることを目的にするイメージになります。

「学校に行く」は、あくまで手段になります。ここが目的になってしまうと「学校に行けたけど、本人は辛い思いをして、学校への苦手意識が強まった」になります。

不登校問題で、とても多いパターンになります。

どの時間帯に、どのような通い方で参加することで、本人が「学校に行って良かった」「学校で◯◯ができた」と実感できるのか、そこを探すことが大切になります。

③:本人に必要な「配慮・環境」があるか

本人が「学校に行って良かった(嫌じゃなかった)」と思える為の「本人への配慮・環境」はあるのか…になります。

ここがないのに学校に行っても、本人の失敗体験を重ねるだけになってしまいます。

【合わせて読みたい記事】

【不登校】学校とのやりとりで大切な3つのポイント

④:再登校は「1つの選択肢」と考える

「登校しないといけない」
「学校を休むのは良くないこと」


周囲の大人がこのような認識を持つと、

本人のストレスが溜まる⇨コンディションが悪くなる⇨学校を休む⇨自己肯定感が下がる⇨不登校が強まる

このような負のサイクルに陥ります。本人もご家族も辛い状況に追い詰められます。

それよりも、

『登校も、休むのも。同じ選択肢の1つ』

と周りの大人が、言葉や態度で示し続けることで、本人の過度なストレスが避けられる為、本来必要な自分に向き合う時間、家族で向き合う時間がとりやすくなります。

過度なストレスがあると、正常なコンディションでない為、本人や家族が本当の意味で問題解決する為のコミュニケーション・アクションをとることが難しくなります。

本人自身の気持ち、本当に望んでいること、苦手なこと(配慮や工夫が必要な)等が見えづらくなり、問題が長期化する可能性が高まります。

⑤:「再登校以外の選択肢」も用意する

再登校以外の選択肢がないと、再登校できなかった時に、本人の自己肯定感が下がる可能性が高まります。


休んだ時の過ごし方を事前に決めておけると、同じ「学校を休んだ日」でも、充実度や本人の気持ちは違ってきます。

本人と一緒にどんな過ごし方ができるのか、一緒に考えることが大切になります。

具体的な過ごし方については、こちらの記事をご覧ください。

「小学生の子の過ごし方」について

【不登校の小学生】家での過ごし方~4つのポイント・注意点~

✅「中学生以上の子の過ごし方」について

【不登校の中学生】一日のスケジュール~時間管理で大切な4つのポイント~

⑥:家族は「いつも通り過ごす(淡々と)」

不登校の子は、気持ちの波が大きいことが多いです。

学校に行けたり、行けなかったり、イライラしてたり、落ち込んだり..お子さんによって様々になります。

お子さんがどんな状態の時にも、良い意味で変わらず見守る(本人が困っていれば助ける)スタンスが大切になります。

“過剰反応” に近い考え方ですが、周りの大人の反応次第で、

本人のネガティブな気持ちを減らすことができます(少なくとも増やすことを予防できる)。

【関連記事】

【別室登校の過ごし方】メリット・デメリット・教室へ復帰する5つのポイント

再登校で失敗した時の「3つの対処法」

再登校で失敗した時の「対処法」は、

3つあります。



①:「十分な休息」をとる

②:「学校の通い方」を見直す

③:「学校以外の選択肢」を考える


①:「十分な休息」をとる

足りてない休息を、しっかりとります。

好きなことをして過ごしてもらい、心身ともに休んでもらいます。

休息をとってる時の注意点は、2つあります。

・本人が頑張りすぎてないか
(休息になっていない)

・周りが登校の促しをしてる
(本人が無理してしまう)

お子さんの様子を見ながら休息できているか、見守っていきます。

特に、下の特徴がある子は、注意が必要になります。

完璧主義(0or100思考)
真面目で力を抜くのが苦手
妥協ができない

本人の表情、声のトーン、家族とのやりとりの様子など、変化を見ていきます。

【関連記事】

【よく寝るのは問題?】不登校の回復期のサイン・関わり方・注意点

②:「学校の通い方」を見直す

本人の状態に合わせるため、通い方を見直していきます。

例えば、通い方なら、

・授業の部分参加
・保健室登校
・辛くなったら別室に移動

など様々な方法があります。

お子さんの状態に合わせて、通い方のハードルを下げることが大切になります。

通うペースも同様になります。

・週3日に減らす
・好きな授業だけ参加

(1日に受ける授業数の調整)

通い方やペースは、学校や担任の理解・協力が必要なため、連携は必須になります。

具体的な “学校とのやりとり” に関しては、こちらの記事をご覧下さい。

【不登校】学校とのやりとりで大切な3つのポイント

③:「学校以外の選択肢」を考える

「本人の状態」と「学校の環境」の組み合わせ次第では、環境を変える方が良い場合もあります。

特に、学校の理解が得られず、本人が辛い思いをしてる場合は、検討する余地はあると思います。

こちらは、選択肢の例になります。

・フリースクール
・通信
・習い事
・転校
・自宅学習

(担任が変わるまでの期間)

習い事に関しては、下の記事をご覧下さい。

【不登校の子の習い事】選ぶ時の4つのポイント

それでも「再登校が難しい時」~その場の対応~

本記事の内容を実践されても「再登校が難しい時の原因/対応」を、3つお伝えします。

あくまで、その場での対応になります(根本的な対応は、後述します)。

原因は、複数重なっていることもよくあります。



①:「休息」が足りてない

②:本人が感じる「安心要素」が少ない

③:本人が感じる「不安要素」が多い


①:「休息」が足りてない

不登校の子は、精神的に疲弊している状態のことが多いです。

取り組む気力がなかったり、心を閉ざす様子がある子は、休息が必要になります。

心と体を十分に休ますことが、不登校の子のサポートの最初の1歩になります。

休息の具体的な取り方は、こちらの記事をご覧ください。

【関連記事】

【よく寝るのは問題?】不登校の回復期のサイン・関わり方

②:本人が感じる「安心要素」が少ない

本人が生活の中で感じる「安心感」が足りていない場合になります。

不登校問題の場合は、学校での安心感になります。信頼できる先生、友達、場所など、本人が安心できる要素が足りていない場合が多いです。

本人にとって、何があると安心できるのか、聞きながら、可能な範囲で作って行くことが大切になります。

よくある例ですと、下のような要素があります。

・信頼できる先生の存在
・好きな先生と話す時間
・友達との交流
・辛くなったら保健室に行ける

(教室以外で過ごせる場所)

③:本人が感じる「不安要素」が多い

先ほどの「安心要素」と考え方は、同じになります。

本人が感じる不安要素を聞いて、可能な範囲で減らしてくイメージになります。

よくある例は、こちらになります。

・怖い先生
・苦手なクラスメイト
・嫌いな授業


クラスメイトですと、席を離す、嫌いな授業だけは休む、などの方法があります。

現実的に難しいことも多いですが、可能な範囲で工夫していくことが大切になります。

「【不登校の再登校】気をつけたい4つの注意点~復帰する時の6つのポイント~」のまとめ

記事のポイントになります。


✅再登校する時の
 「4つの注意点」
・”再登校=解決” と思わない
・周りが過剰反応しない
・過度な期待/プレッシャーをかけない
・本人に “再登校しなきゃ” と思わせない

✅再登校の失敗に繋がりやすい
 「4つの原因」
・休息不足になってる
・”本人の状態” と “通い方” が合ってない
・本人とのすり合わせ不足
・学校の環境が悪い

✅再登校する時の
 「6つのポイント」
・本人の気持ち
・目的は本人のポジティブな実感
・本人に必要な配慮・環境があるか
・再登校は1つの選択肢と考える
・再登校以外の選択肢も用意する
・家族はいつも通り過ごす(淡々と)

再登校で失敗した時の
 「3つの対処法」

・十分な休息をとる
・学校の通い方を見直す
・学校以外の選択肢を考える

それでも
 「再登校が難しい時
」~その場の対応~
・十分な休息をとる
・本人が感じる “安心要素” を増やす
・本人が感じる “不安要素” を減らす


以上になります。

本記事が参考になれば幸いです。

【関連記事】

【担任が何もしない】不登校の子が困らない為の3つの対策

-不登校

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