

子どもの不登校で悩まれてる方「不登校の子が再登校する時の注意点が知りたい。復帰する時のポイントも教えてほしい」
このようなお悩みに、お応えします。
☑本記事の内容
✅再登校する時の
「4つの注意点」
✅再登校する時の
「6つのポイント」
✅それでも
「再登校が難しい時」
✅不登校の子が
「備えたいこと」
不登校のお子さんにとって「再登校」は、不安や緊張を感じやすい場面になります。
実際に再登校が上手くいかず、辛い思いをされるお子さんは少なくありません。
ご家族として、どのようにサポートすればいいのか、とても難しい問題になります。
そこで本記事では不登校の子の「再登校の注意点・大切なポイント」に関する情報をまとめました。
この記事を執筆してる私は、不登校・療育支援を10年以上しています。
現場で支援をしてきて感じたことを、事例を通してまとめています。
本記事の後半では、不登校の子が中長期的に備えておきたいことも紹介してます。
参考になれば幸いです。
再登校する時の「4つの注意点」

不登校の子が、
再登校する時の「注意点」は4つあります。
①:「再登校=解決」と思わない
②:周りが「過剰反応」しない
③:「過度な期待/プレッシャー」をかけない
④:本人に「再登校しなきゃ」と思わせない
①:「再登校=解決」と思わない

「数日登校できた」
「1週間休まず登校できた」
お子さんが望んで出来たことであれば、喜ばしいことですが、「登校できた=不登校が解決」ということにはなりません。
不登校問題で大切なことは、本人が抱える困り(不安)の原因に対して、本人が対処できる状態(周りのサポートを受けながら)を作っていくことです。
私が知る限りでは、何の心配もなく、不登校問題が完全に解決したと言えるケースは、多くありません。
学校に登校できてる期間があっても、実際のところは、本人の一時的な頑張り(無理をして)だったり、
担任やクラスメイトの理解・協力があるなどの環境要因だったりと、長期的に保証できるものではない場合もあります(もちろん、環境との折り合いがついて、登校が安定するケースもあります)。
環境(担任やクラス)が変わったタイミングで、不登校に戻る子も珍しくありません。
目の前の環境に対して、本人が過ごしやすくなる様に、本人や学校と相談しながら進めていくことが大切になります。
②:周りが「過剰反応」しない

周囲の大人が、本人の1つ1つの言動・変化に、過剰に反応しないことになります。
例えば、下の言動などがあります。
・登校できた
・学校に行くと発言した
・学校の準備を始めた
・勉強を始めた
ご家族、担任の先生など、大人の方からしたら、本人のポジティブな言動(再登校に対する)は嬉しいですし、応援したいものです。
ただ過剰に反応することで、本人はプレッシャーを感じて「期待を裏切れない、失敗できない」と気を張って、自分を追い詰めてしまいます。
無理を続けて反動がきて、不登校に戻る場合もあります。
再登校の失敗は、本人の自己肯定感を著しく低下させる為、予防に最善を尽くしたい点になります。
③:「過度な期待/プレッシャー」をかけない

先ほどの過剰反応に似ていますが、なるべく期待・プレッシャーを感じさせない様にします。
不登校の子は、自己肯定感が下がっていて、周りの反応に敏感なことが多いです。
周りの大人の応援を期待と捉え、自分を追い込んでしまうこともあります。
「登校できたね、明日も頑張ろう」
「少しでも学校行けるといいね」
「先生が待ってるよって言ってたよ」
など、一見本人を支える言葉のようなものが、本人にとっては負担になる場合が多いです。
④:本人に「再登校しなきゃ」と思わせない

「再登校しないといけない」と本人に思われない様にします。
本人が「再登校以外許されない」という認識をもつと、精神的に追い詰められ、状況は良くない方向に進みます。
「◯◯しなきゃ」
「◯◯すべき」
これらは、不登校の子と関わる上では、特に “避けたい考え方” になります。
再登校する時の「6つのポイント」

再登校する時の「ポイント」は、
6つあります。
①:本人の「気持ち」
②:目的は「本人のポジティブな実感」
③:本人に必要な「配慮・環境」があるか
④:再登校は「1つの選択肢」と考える
⑤:「再登校以外の選択肢」も用意する
⑥:家族は「いつも通り過ごす(淡々と)」
①:本人の「気持ち」

本人の気持ちが全ての土台になります。
本人の気持ちとは、本人が感じる「納得感・必要性」になります。
・なんで学校に行くの?
・自分にとって何か意味あるの?
(登校するメリット)
この2点を本人がどこまで感じられるか、が大事になってきます。
例えば、
・友達と話したいから、午前中だけ登校する
・将来建築関係の学校に行きたいから、受験に必要な科目の授業だけ受ける
“本人が望むこと” と “登校すること” の重なる部分を見つけることが重要になります。
②:目的は「本人のポジティブな実感」

「学校に行く」を目的にするのではなく、
「学校に行って、楽しかった!」
「思ってたより嫌じゃなかった!」
と実感できることを目的にするイメージになります。
「学校に行く」は、あくまで手段になります。ここが目的になってしまうと「学校に行けたけど、本人は辛い思いをして、学校への苦手意識が強まった」になります。
不登校問題で、とても多いパターンになります。
どの時間帯に、どのような通い方で参加することで、本人が「学校に行って良かった」「学校で◯◯ができた」と実感できるのか、そこを探すことが大切になります。
③:本人に必要な「配慮・環境」があるか

本人が「学校に行って良かった(嫌じゃなかった)」と思える為の「本人への配慮・環境」はあるのか…になります。
ここがないのに学校に行っても、本人の失敗体験を重ねるだけになってしまいます。
【合わせて読みたい記事】
④:再登校は「1つの選択肢」と考える

「登校しないといけない」
「学校を休むのは良くないこと」
周囲の大人がこのような認識を持つと、
本人のストレスが溜まる⇨コンディションが悪くなる⇨学校を休む⇨自己肯定感が下がる⇨不登校が強まる
このような負のサイクルに陥ります。本人もご家族も辛い状況に追い詰められます。
それよりも、
『登校も、休むのも。同じ選択肢の1つ』
と周りの大人が、言葉や態度で示し続けることで、本人の過度なストレスが避けられる為、本来必要な自分に向き合う時間、家族で向き合う時間がとりやすくなります。
過度なストレスがあると、正常なコンディションでない為、本人や家族が本当の意味で問題解決する為のコミュニケーション・アクションをとることが難しくなります。
本人自身の気持ち、本当に望んでいること、苦手なこと(配慮や工夫が必要な)等が見えづらくなり、問題が長期化する可能性が高まります。
⑤:「再登校以外の選択肢」も用意する

再登校以外の選択肢がないと、再登校できなかった時に、本人の自己肯定感が下がる可能性が高まります。
休んだ時の過ごし方を事前に決めておけると、同じ「学校を休んだ日」でも、充実度や本人の気持ちは違ってきます。
本人と一緒にどんな過ごし方ができるのか、一緒に考えることが大切になります。
具体的な過ごし方については、こちらの記事をご覧ください。
✅「小学生の子の過ごし方」について
✅「中学生以上の子の過ごし方」について
【不登校の中学生】一日のスケジュール~時間管理で大切な4つのポイント~
⑥:家族は「いつも通り過ごす(淡々と)」

不登校の子は、気持ちの波が大きいことが多いです。
学校に行けたり、行けなかったり、イライラしてたり、落ち込んだり..お子さんによって様々になります。
お子さんがどんな状態の時にも、良い意味で変わらず見守る(本人が困っていれば助ける)スタンスが大切になります。
“過剰反応” に近い考え方ですが、周りの大人の反応次第で、
本人のネガティブな気持ちを減らすことができます(少なくとも増やすことを予防できる)。
【関連記事】
【別室登校の過ごし方】メリット・デメリット・教室へ復帰する5つのポイント
それでも「再登校が難しい時」

不登校の子が、それでも「再登校が難しい時」は、3つあります。
複数重なっていることもよくあります。
①:「休息」が足りてない
②:本人が感じる「安心要素」が少ない
③:本人が感じる「不安要素」が多い
①:「休息」が足りてない

不登校の子は、精神的に疲弊している状態のことが多いです。
取り組む気力がなかったり、心を閉ざす様子がある子は、休息が必要になります。
心と体を十分に休ますことが、不登校の子のサポートの最初の1歩になります。
休息の具体的な取り方は、こちらの記事をご覧ください。
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②:本人が感じる「安心要素」が少ない

本人が生活の中で感じる「安心感」が足りていない場合になります。
不登校問題の場合は、学校での安心感になります。信頼できる先生、友達、場所など、本人が安心できる要素が足りていない場合が多いです。
本人にとって、何があると安心できるのか、聞きながら、可能な範囲で作って行くことが大切になります。
よくある例ですと、下のような要素があります。
・信頼できる先生の存在
・好きな先生と話す時間
・友達との交流
・辛くなったら保健室に行ける
(教室以外で過ごせる場所)
③:本人が感じる「不安要素」が多い

先ほどの「安心要素」と考え方は、同じになります。
本人が感じる不安要素を聞いて、可能な範囲で減らしてくイメージになります。
よくある例は、こちらになります。
・怖い先生
・苦手なクラスメイト
・嫌いな授業
クラスメイトですと、席を離す、嫌いな授業だけは休む、などの方法があります。
現実的に難しいことも多いですが、可能な範囲で工夫していくことが大切になります。
【合わせて読みたい記事】
【不登校の再登校】失敗した時はどうすればいい?4つの原因と対処法
不登校の子が「備えたいこと」

ここでは、中長期的な視点で、不登校の子が「備えたいこと」をお伝えします。
不登校問題が完全解決ということは少なく、環境の変化に伴い、波が出やすいです。
そのため、登校が安定しないことも想定して、将来に向けて、家庭でできる準備を始めることが大切になります。
早めに始めたい準備とは、 “学習サポート” になります。
不登校期間の長さに応じて、学習の遅れは大きくなる為、進学・将来に少なからず影響が出てきます。
その学習の遅れをカバーする為に、自宅学習があります。
塾や家庭教師も選択肢になりますが、人に教わること、初めての人に対して警戒心/緊張感/不安感がある子には、自宅でできる学習が始めやすいです。
不登校の子にとって、大切なのは、
・自分のペースで進められる
(コンディションに合わせられる)
・安心できる環境
(不安が勉強を阻害しない)
・分かりやすい解説
(アニメーション・音声解説)
・成功体験が積める
(自信をつける・苦手意識の予防)
これらの要素が大切になります。
またお子さんの状況によっては、学習習慣の定着、過去の学習内容を忘れない為の復習に重点を置く方が大事な場合もあります。
✍学習の遅れは「タブレット学習」で対策
不登校の子の自宅学習の1つに、
「タブレット学習」があります。
一言でいうと「その子の今の学習課題を、丁寧に教えてくれる学習」になります。
本人の回答結果をAI分析し、次の課題を自動抽出した上で、最終的にはアニメーションによる解説があります。
本人のレベルに合った課題が出される為、問題を解くことだけに集中しやすくなります(解く問題を選ぶ段階で、やる気・集中力が切れる子がいる為)。
また学力だけでなく、本人の精神面にもポジティブな影響があります。
「◯◯の問題が解けた!」
「◯◯(単元)まで進んだ!◯点とれた!」
など、学校で積みづらかった成功体験が、自宅で積みやすくなります。
進学、新しい場所に進むための学習・自己肯定感の土台作りとして、大切な経験になります。
タブレット学習の、その他のメリット・デメリットなど、詳細は下の記事にまとめています。
勉強法の選択肢として、情報を集めたい方にも、参考になると思います。
発達障害(グレーゾーン)の子をテーマにしていますが、不登校の子にも、共通する内容になっています。
「【不登校の再登校】気をつけたい4つの注意点~復帰する時の6つのポイント~」のまとめ

記事のポイントをまとめます。
✅再登校する時の
「4つの注意点」
・”再登校=解決” と思わない
・周りが過剰反応しない
・過度な期待/プレッシャーをかけない
・本人に “再登校しなきゃ” と思わせない
✅再登校する時の
「6つのポイント」
・本人の気持ち
・目的は本人のポジティブな実感
・本人に必要な配慮・環境があるか
・再登校は1つの選択肢と考える
・再登校以外の選択肢も用意する
・家族はいつも通り過ごす(淡々と)
✅それでも
「再登校が難しい時
・休息が足りてない
・本人が感じる “安心要素” が少ない
・本人が感じる “不安要素” が多い
✅不登校の子が
「備えたいこと」
・早めの学習フォロー
・タブレット学習
以上になります。
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