学級・進路

【特別支援学級の担任】はずれが多いって本当?3つの対策を紹介します

投稿日:2021年2月16日 更新日:

特別支援学級の担任に不安がある方「特別支援級の担任にはずれが多いって本当?はずれの担任の場合、どうすればいい?」

このようなお悩みに、お応えします。

本記事の内容



✅特別支援学級の
 はずれの「担任の特徴」

特別支援学級の
 はずれの「担任が増える背景」

特別支援学級の
 はずれの担任の対策」


お子さんが支援学級に在籍中、もしくは、これから通うことを検討されている方にとって、

「支援学級の担任」の存在は、重要ですよね。色んな噂話もあるので、実際に不安を感じる方も多いかと思います。

私は、発達支援の相談/指導員を10年以上しており、特別支援学級についての相談を、多く受けてきました。

その支援経験を元に、本記事は、「特別支援学級のはずれの担任の特徴、背景、3つの対策」について、まとめてみました。

親御さんがされている対策の中には、実は逆効果なものもあったりするので、本記事で、正しい情報を把握して頂ければ、幸いです。

特別支援学級の はずれの「担任の特徴」

どの学校にも、残念ながら一定数の「はずれ」担任は、存在します..。

「はずれ」担任の特徴をまとめてみました。

 ・子どもを頭ごなしに怒る
 ・子どもの気持ちに寄り添わない
 ・子どもや親を否定する
 ・話を聞かない/協力しない
 ・子どもに変化することを求める

このような担任教師に当たってしまうと、お子さんや親御さんは、本当に苦労をします。

実際に、私も支援する中で、苦労してきた方を多く見てきました。

【合わせて読みたい記事】

【支援学級にいじめはある?】100名以上の子から見える”現状”とは

特別支援学級の はずれの「担任が増える背景」

特別支援学級の先生の特徴は、2つあります。

①特別支援をやりたい人
②特別支援をやらざる得なかった人


当然ながら、②の場合が問題に繋がりやすいです。

その背景は大きく2つあります。

✍普通学級を満足に持てない先生が配置されやすい

なぜ特別支援学級に、このような先生が配置されるのか。それは、学校を運営するための人事(+先生の技術)事情があります。

普通学級の担任は、30~40名の集団をまとめるスキルが、必要になります。

教員の専門技術の一つの「集団統率力」になります。

数十人の子ども達の集団に対し、信頼関係をベースに、自分の指示を通し、集団を牽引しつつ、同時にクラス内の最低限の秩序を作り上げる技術のことです。

日本の学校教育の基本は、一斉指導のため、教員にとって必須の技術になります。

これができない先生が、よく言われる「はずれ担任」となり、特別支援学級に配置されることがあります。

少人数のため、普通学級よりも見やすいと思われている学校が、多いのかもしれません。

また特別支援学級は、数名のクラスになるため、年度の途中で普通学級に移ったり、転校することもあります。

クラスが年度途中で、なくなることもある為、途中で教員を退職することをしやすいなどの事情もあります。

詳しく知りたい方は、【特別支援学級の担任】専門性がない人もいるって本当?実情を解説 をご覧ください。

実際は、指導技術が乏しい先生に、特別支援学級を運営することはできないのですが..。

特別支援学級のお子さんは、人の言動に敏感な子が多く、より繊細で丁寧な関わりが必要になります。そういった技術は、高い指導力を元に発揮されるものです。

✍全国学力学習状況調査の平均点を維持するため

もう一つの背景は、学校の評価です。「はずれ担任」は、効果的な授業を成立させることが難しいです。そのため、その学級の学力は落ちることが多いです。

現在、教育委員会/学校の管理職の方達が最も恐れているのが、「全国学力学習状況調査」の点数です。

普通学級のお子さんは、6年生になればその調査を受けます。そしてこの調査は、過去の全ての学年で学んだ力が試されるため、どこかの学年での学習内容の学びが浅いと、調査の点数に大きく影響します。

今の小学校は、全国学力学習状況調査を軸に回っています。これが学校の評判や運営に大きな影響を与えるためです。

そのため、指導力のない先生は、調査の対象外である特別支援学級に配置されることが多いです。

特別支援学級の はずれの「担任の対策」

「はずれ」担任に当たってしまったときの、対策は4つになります。



①:担任と「話をする機会」を作る

②:「管理職の先生」に相談する

③:子どもに「不安を伝えない」

④:「学習のフォロー」をする


①:担任と「話をする機会」を作る

担任と直接話をして、上手くいくことが一番良いです。相手も大人ですので、こちらの言い分は聞いてくれるとは思います。

3つのポイントを1つずつ見ていきましょう。

✍あくまで「相談」のスタンス

親御さんが一方的に要望を言ったり、先生の指導の指摘などをしないことです。先生がネガティブに捉えられたら、協力してもらうことは難しくなるためです。

✍子どもの気持ち、困りの事実を伝える

「○○と思う」という、親御さんの主観ではなく、事実として「子どもが○○と言っている」など、事実ベースで伝えることが大切です。

主観ですと、先生としても「本当にそうなのかな?」と疑問が生まれ、協力を得られづらくなるためです。

✍担任の考えと合わないと思った時は、すぐに引く

③は、話をしても、合わない場合は、時間を掛けても意味がありません。逆に関係性が悪化し、逆効果になることもあります。

その場合は、この後ご紹介する対策をお勧めします。

②:「管理職の先生」に相談する

学校の管理職(校長、教頭or副校長)に、担任教師の不安な点を伝えます。

担任がその学級を担当することは、校長の権限で決定されます。そのため、校長に相談することは、筋が通っています。

よほどでない限り、校長も、それぞれの担任の特性は、把握しています。何か解決策が出てくるかもしれません。

学校側でも、先生の指導力は、おおよそ把握しています。指導力が乏しい先生の何らかのトラブルは、管理職からすれば想定の範囲内です。

例えば、対策の1つとして、ベテラン教師と一緒に組ませる、サポートの教員を付けるなど、できる範囲内で対策をしているものです。

このような「担任以外の望み」を親御さんが把握し、頼ることが大切になります。

また、校長からすると「自分が命じた」責任がありますので、その事に何かご意見が出れば、真剣に対応します。

管理職から担任への指導も期待出来ますので、まずは管理職に相談する機会をもつことが良いでしょう。

「クレーム」ではなく、「相談」というスタンスは変えず、その責任感に期待して、不安な点は全て伝えた方が良いです。

③:子どもに「不安を伝えない」

親御さんが担任に不安を感じていることを、言葉に出してお子さんに伝えるのは、避けた方が良いです。

お子さんとしては、固定観念が入り、先生の全てを悪く見る可能性があり、担任との関係性の悪化に繋がる恐れがあるためです。

もし、お子さんが担任に不安/不満を感じている場合は、「○○って思ったんだね」とお子さんの気持ちを代弁し、受け止めましょう。

ここで注意が必要なのは、同調しすぎないことです。お子さんの中で、「やっぱり先生は悪いんだ!」いう、先生への嫌悪感が増すことになるので・・。

年度の途中で先生は変えられないので、不必要にネガティブな感情を助長し、関係悪化は避けられる方が良いです。

⚠注意点

校長(教頭or副校長先生)に、相談する前に教育委員会に相談することは、避けたい所です。理由は、校長先生との関係性を悪化させる可能性があるためです。

教育委員会とは、「学校の人事責任がある校長」に指導できる立場にありますが、校長としては、自分に相談される前に、教育委員会に相談され、指導を受けたら、良い気持ちはしません。

まずは校長に相談し、どうしても難しい場合は、教育委員会に相談が良いでしょう。

④:「学習のフォロー」をする

担任の先生とのやりとりは、時間やエネルギーを使います。とても大変なことです。

そして、理解のない担任の元であれば、お子さんの学びにも影響が出ます。その代表的なものの1つに “学習の遅れ” があります。

支援級に在籍してる子は、何かしら特性があり、学び方・取り組み方にも工夫が必要になります。

ただ担任の理解がないと、お子さんに合った配慮は得にくいのが現状でもあります。

相談を進める中で、担任とのやりとりが上手くいくのが1番ですが、話を進めてる間にも、お子さんの学習は進んでいきます。

一度大きく遅れてしまうと、取り戻すのに時間がかかったり、お子さん自身が勉強を嫌になったり、自己肯定感が下がるキッカケにもなります。

そんな学習の困りが出始めている(出そう)という子に、学習フォローが必要だと思っています。

対策として私がお勧めしているは、タブレット学習になります。

ただ「子どもが興味を持ちそう。取り組むのは嫌じゃない」、というのが前提のお話になります。

タブレット学習には、家庭内で気軽に取り組めるのはもちろん、

お子さんの課題の自動抽出・アニメーション解説など、学習サポートが充実した機能が、多いです。

タブレット学習については、下の記事にまとめています。

お子さんの学習フォローを、早めに丁寧にされたい方は、ご覧ください。

【療育支援員がおすすめ】発達障害の子に良いタブレット学習

「【特別支援学級の担任】はずれが多いって本当?3つの対策を紹介します」のまとめ

記事のポイントをまとめます。



はずれの「担任の特徴」
・子どもを頭ごなしに怒る
・子どもの気持ちに寄り添わない
・子どもや親を否定する
・話を聞かない/協力しない
・子どもに変化することを求める

はずれの「担任が増える背景」
・学校の体制/仕組み
・学校の評判/運営のため

はずれの「担任の対策」
・担任と話をする機会を作る
・管理職の先生に相談する
・子どもに不安を伝えない
・学習のフォローをする


以上になります。

特別支援級の先生は味方です。学校内で頼れる味方を、早く見つけ、関係性を作ることが大切になります。

本記事が、お役に立てれば幸いです。


【関連記事】

【支援学級に偏見はある?】教育・療育の現場から見られる”実態”とは

【どんな子が判定される?】特別支援学級を徹底解説!指導内容~卒業後の進路まで

-学級・進路

執筆者:


  1. […] 【特別支援学級の担任】はずれが多いって本当?3つの対策を紹介します […]

comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

関連記事

【簡単にわかる!】特別支援学級と通級の違いとは。図で徹底解説!

特別支援学級と通級の違いが知りたい方「特別支援学級と通級って何が違うの?それぞれの特徴やメリット/デメリットが知りたい」 このような疑問にお応えします。 ☑本記事の内容 ✅ …

【ADHD/グレーゾーンの子供】幼稚園選びの4つのポイント※注意点あり

発達が気になる子の幼稚園選びで、悩まれている方「うちの子に合う幼稚園ってあるの?どう選べばいいの?子どもに合う幼稚園の選び方が知りたい」 このような疑問にお答えします。 ☑本記事の内容 …

【特別支援学級の担任】専門性がない人もいるって本当?実情を徹底解説!

特別支援学級の担任について知りたい方「特別支援級の担任ってどんな人?今、普通学級か支援学級に行くべきかで迷ってる。通っている支援学級の担任とのやりとりで不安を感じてる」 このようなお悩みにお応えします …

【発達障害だけど普通学級で貫き通します】事例の紹介~学級選びのポイント~

学級選びで悩まれてる方「発達障害の子は、普通学級でも平気?通級や支援級じゃないとダメ?他の人がどうしてるのか、事例が知りたい」 このようなお悩みに、お応えします。 ☑本記事の内容 &#x …

【一斉指示が通らない】普通級でできる6つの対策~指示通りを良くするポイント~

普通級の子の学校生活が心配な方「うちの子、一斉指示が分かってなさそう。周りより何テンポか遅れていて、この先ついていけるか心配。指示通りが良くなる方法が知りたい」 このようなお悩みに、お応えします。 & …

サイト作成者プロフィール

Image

発達障害/グレーゾーン/場面緘黙/不登校のお子さんとご家族の支援を、日々行っております。◇療育指導員◇相談支援員◇発達支援10年◇ブログ【週2回更新】◇twitter【毎日発信】◇長男が療育通所中◇

2023/10/03

【口に物を入れる】発達障害の子向けの対策~関わる上で大切な3つの視点~

2023/09/16

【発達障害の子におすすめ】感覚遊び19選~遊ぶ時に大切な3つのポイント~

2023/09/01

【発達ゆっくりな子のその後は?】療育の現場の事例紹介~今、家族に出来ること~

2023/08/04

【よく寝るのは問題?】不登校の回復期のサイン・関わり方・注意点とは

2023/08/01

【療育のデメリット】3つの注意点・メリット・心構え・療育の選び方とは

2023/07/13

【欠席理由はどう伝える?】不登校の欠席連絡・電話が辛い時の対策とは

2023/07/04

【不登校】学校とのやりとりで大切な3つのポイント・2つの注意点とは

2023/06/24

【療育支援員が紹介】家庭療育グッズ30選!使う時の2つのポイントとは

2023/05/16

【療育支援員が紹介】ADHDの子におすすめクッション5選!効果的な使い方も解説

2023/05/11

【療育支援員が紹介】不登校の子にオススメな習い事。4つの選ぶポイント・注意点とは

2023/03/23

【発達障害の子と担任が合わない時】3つの大切なポイント・対処法とは

2023/02/22

【通級は恥ずかしい?】通級のメリット・デメリット・通う基準について

2023/02/16

【不登校の中学生】一日のスケジュールとは?時間管理で大切な4つのポイント

2023/01/30

【別室登校は、いつまでするもの?】大切な7つのポイントを解説します

2023/01/26

【支援員が解説】不登校の中学生の4つの自宅学習・始め方の4つのポイント

2022/10/12

【発達障害の子向け】噛み癖に役立つグッズ5選!支援員が使う時のポイントを解説

2022/06/16

【療育支援員が紹介】自閉症の子が落ち着くグッズ20選!落ち着かせるポイントも解説

2022/04/06

【宿題でいつも癇癪…】発達障害の子がスムーズにできる6つの対処法

2022/03/16

【療育支援員が解説】発達障害の子におすすめな習い事。ジャンル別に選び方~注意点まで

2022/01/27

【不登校の子は勉強追いつくの?】学習支援でも実践してる6つの勉強法

2022/01/12

【2023年 支援員がおすすめ】発達障害の子向けタブレット学習とは?4つの条件・理由・注意点

2021/10/21

【支援級勧められたけど普通級に行った!】学級選びで大切な3つのポイント

2021/10/18

【支援学級に偏見はある?】教育・療育の現場から見られる”実態”とは

2021/07/16

【支援学級】担任と合わない時はどうする?2つの対策と注意点について

2021/06/30

【保育園に療育を勧められたら】やるべきこと・注意点・事例を元に解説

2021/06/18

【療育支援員が紹介】発達障害の子におすすめな椅子5選!補助グッズも解説

2021/06/16

【療育の後悔】受けないと、子どもの将来にどんな可能性が?事例を元に解説

2021/05/10

【不登校】元気なのに学校に行かない?3つの理由と接し方を説明します

2021/02/24

【子どもに「特別支援学級」って何?と聞かれたら】説明の仕方と注意点を紹介します

2021/01/15

【療育辞めてよかった!】辞めるタイミングは4つ!事例・注意点も解説します

2021/01/12

【療育のやめどきは、いつ?】4つのタイミングとは。事例/注意点あり

2020/12/07

【場面緘黙の子供】なんで挨拶が苦手なの?3つの理由・5つの接し方とは

2020/11/25

【発達障害の子の家庭学習】天神がおすすめ!内容・料金・効果・口コミ・退会について

2020/07/27

【発達障害】逆さバイバイはいつまであるの?原因と接し方について解説します

2020/06/24

【自閉スペクトラム症】いつから?くるくる回る原因と対応方法を説明します

2020/06/03

【療育支援員がおすすめ】自閉症の子が遊べるおもちゃ26選~遊ぶ時の3つのポイント~

2020/05/21

【子どもの癇癪】3つの原因から考える!クールダウンの方法とは

2020/05/01

【発達相談員がおすすめ】発達障害の子が楽しめる絵本~厳選10冊の紹介~

2020/04/06

【ADHD/グレーゾーンの子供】幼稚園選びの4つのポイント※注意点あり

2020/03/31

【療育支援員がおすすめ】ADHDの子の子育てに役立つ本を紹介~厳選5冊~

2022/06/10

【発達相談員が紹介】言葉が遅い子におすすめ!おもちゃ7選!遊び方の4つのコツ

2023/09/05

【発達相談員が紹介】言葉の発達を促す遊び21選!言葉を増やす3つのポイント

2022/06/02

【療育支援員が紹介】発語を促すおもちゃ12選!遊び方の4つのコツも解説

2023/05/25

【発達障害の子にプレゼント】おすすめ28選!支援員が紹介する自閉症・ADHDの子が好きなオモチャ

2022/11/14

【自閉症の子向け】人と楽しめる!おすすめゲーム7選!療育指導員が紹介