学級・進路

【現場でよくある事例】支援級(情緒級)を選んで後悔する3つのパターン・対策とは

投稿日:2023年4月12日 更新日:

子どもの学級で悩まれてる方「支援級を選ぶと後悔するって本当?どういう所で後悔するの?支援級を選ぶ時のポイントや注意点が知りたい」

このようなお悩みに、お応えします。

本記事の内容



✅支援級を選んで
 「後悔する3パターン」

支援級を選ぶ前に
 「押さえたいこと

支援級によくある
 「学習の問題」(対策も)

学級選びで悩まれてる子
 「必要なもの」



発達障害や近い特性がある子の学級選びは、多くの親御さんが悩まれる難しい問題です。

一方で、お子さんの自己肯定感、その後の生活にも大きな影響を与える大切な判断にもなります。

私は、発達支援の相談/支援員を10年以上しており、これまで学級選びの相談も数多く受けてきました。

この支援経験を元に、私が現場で感じたこと・大事だと思う点について、お伝えしていきます。

参考になれば幸いです。

支援級(情緒級)を選んで「後悔する3パターン」

支援級を選んで「後悔する3パターン」を紹介します。

私が支援する中で、特に多かった事例になります。



①:学級の実態が本人に「合ってない」

②:「担任」に理解がない

③:「学習の内容」が本人に簡単すぎる


①:学級の実態が本人に「合ってない」

学級の状態とお子さんの特性が合ってないパターンになります。

例えば、在籍校の支援級が、多動・衝動性が高く行動面に課題がある子が多かった場合、

大人しい子(授業に支障を出す行動が出ないタイプ)ですと、

先生が行動に出る子に手を取られ、あまり関わってもらえない状態になることがあります。

親御さんによっては「放置されてるかも…」と感じられる方もいます。

②:「担任」に理解がない

支援級といっても、必ずしも先生に専門的な知識やスキルがあるわけではありません。

中には、発達障害や特性への理解がなく、叱責や指摘ばかりをする先生もいます。


支援級に入ったのに、担任の理解が得られず、苦しんでるお子さんや親御さんは、一定数いらっしゃいます。

【合わせて読みたい記事】

【支援学級】担任と合わない時はどうする?2つの対策と注意点

③:「学習の内容」が本人に簡単すぎる

環境として本人に合っていても、学習内容が簡単過ぎて、本人に合ってないパターンもあります。

クラスで過ごす分には、少人数で落ち着いて過ごせるのは安心なのですが、

学習が本人に合っていなくて..と、普通級と支援級の狭間で、悩まれる親御さんも少なくありません。

支援級(情緒級)を選ぶ前に「押さえたいこと

支援級を選ぶ前に「押さえたいこと」は、3つあります。



①:子ども本人の「気持ち」の確認

②:支援級の「情報」を集める

③:家庭・学校・療育先との「連携」


①:子ども本人の「気持ち」の確認

子ども本人が、今の学校生活を “どう思ってるのか” を確認をします。

先生から見て困ってる様に見えても、本人は全く困っていない場合があります(その逆もあります)。

中には、友達が沢山いて、楽しんでる子もいます。

学級選びは、本人の気持ちがないと、話を進めることは難しいです。

気持ちは変わるものですが、事前に確認しておけると、今後の学級選びの方向性の参考になります。

②:支援級の「情報」を集める

学校によって、学級の状況はかなり変わる為、事前情報はとても重要になります。

支援級といっても、先生の質や学級内の状況(落ち着いてるor慌ただしい)は様々です。

また、前年度までは評判が良くても校長先生が変わることで、

ガラッと学校の雰囲気が変わることはある為、注意が必要になります。

個人的な理想の情報収集は、在籍校の支援級を経験した先輩ママに聞くことです(繋がりがないと難しいのですが…)。

把握しておきたい情報は、以下の情報になります。

・クラス編成
・先生/子どもの雰囲気
・普通級との交流
(交流があるか、頻度など)
・先生の人員体制
(先生の変更は多いか)
・転籍の有無

(支援級⇄普通級)

事前に把握しておけると、学級選びの参考になります。

【関連記事】

【普通級 or 支援級】内容・選ぶ基準・メリット/デメリット

③:家庭・学校・療育先との「連携」

家庭・学校・療育先との連携ができると、心強いです。

例えば、療育先で上手くいった関わりを学校に伝え、本人の学校の過ごしやすさに繋げる方法などがあります。

療育で上手くいった大人の関わり・環境作りが学校に活かせれば、学級選びの目安も見えてきます。

療育で上手くいった関わりや環境作りは、普通級の方で作れるのか…

もしくは、支援級の方が作りやすいのか…など、判断するポイントが見えてきます。

支援級(情緒級)によくある「学習の問題」

ここでは、支援級によくある「学習の問題」に触れていきます。

その前に支援級について、簡単に説明をさせていただきますね。

学校や地域によりますが、基本的には、支援級は2つに分かれています。

・身体/知的クラス
・情緒クラス

身体/知的クラスとは、身体的、知的に障害がある子が在籍するクラスになります。

情緒クラスは、身体・知的な障害はないものの、感情コントロールが難しかったり、集団適応が難しいなど、情緒面に課題を抱えてる子が在籍するクラスになります。

ただ、学校によっては、そもそも分けられていない場合もあります。

この身体・知的な障害がある子と情緒面で課題を抱えてる子が、同じクラスになる時に、今回お話する「学習の問題」が出やすくなります。

クラスが分かれた方が、それぞれが学びやすい子達が、同じクラスになることで、

特に情緒クラスに在籍するタイプの子にとっては、皆同じクラスでの学習問題が “本人に合わない(問題が易しすぎる)” という問題に繋がりやすくなります。

丁寧でスキルのある先生でしたら、個々に合わせてくれますが、

そうでない先生ですと、学習内容が合わないこともあります(学校や先生、クラス状況によって様々になります)。

私が知ってる事例ですと、プリントだけ渡されて終わり、ということもありました。

失敗体験にならないことは、とっても素晴らしいことなのですが、

お子さんが「何でこんな簡単な問題ばかりなの?」と傷ついてしまったり、学びの機会損失になります。

そういった可能性を考えると、本記事でお伝えした「支援級を選ぶ前に押さえたいこと」がとても大事になってきます。

イメージされやすい様、今回は支援級のクラスが皆一緒のパターンで説明しましたが、

身体・知的クラスと情緒クラスが分かれている場合でも、

情緒クラスの子にとって、”学習問題が易しすぎる” という問題はあります。

繰り返しになりますが、検討される学級がお子さんに合った環境か、事前情報の把握はとても大切になります。

✅学習対策は「タブレット学習」

支援級に行っても、行かなくても、支援級を検討される子の中には、学習で困りを抱えてる(抱える可能性がある)子は少なくありません。

そんな子に、学ぶ方法の1つとして、私がお勧めしているのがタブレット学習になります。

理由としては、

・自分のペースでできる
(在籍校の進度にも合わせられる)

・個人の学習課題の分析
(AIの自動分析)

・人に教わらない
(人に教わるのが嫌な子向け)

・特性に合わせた学び
(ex.アニメーション/音声解説)

・ゲーム感覚でできる
(拒否感がある子も始めやすい)

など、お子さんの特性を考慮した学習のサポート機能が充実しています。

家庭で教えるのが難しかったり、通える範囲でお子さんに合う塾などが見つからない方にとって、とても心強いツールになります。

その他のメリット・デメリットなど、詳しい情報は、下の記事をご覧ください。

【療育支援員がおすすめ】発達障害の子に良いタブレット学習

“グレーゾーン” や “発達がゆっくりな子” にも、共通する内容になっています。

学級選びで悩まれてる子に「必要なもの」

ここでは、学級選びで悩まれてる方に「必要なもの」をお伝えしたいと思います。

学級で悩まれてるということは、

・今の環境(学級)が合ってないかも
・本人により合った環境で過ごしてほしい

など、本人の成長や過ごしやすさを考えた上で、検討されているのだと思います。

そんな学級選びを検討する時に、大切な点が3つあります。

①:本人の特性の把握
②:必要な配慮/環境の把握
③:①②を学校側への相談

本人に合う学級を選ぶには、まず最初に、本人の特性、特性に対して必要になる配慮/環境を把握する必要があります。

本人にとって、必要な配慮/環境が、より得られる学級(環境)を選ぶことが、大切になります。

そして、学校によって、どこまで配慮が得られるか、環境を作ってもらえるかは、大きく変わってきます。

そのため、お子さんの特性、必要な配慮/環境が把握できた後に、学校に相談をします。

得られる配慮や環境について、学校としてどこまで実現可能なのかを、確認していきます。

その結果、普通級の範囲内で、配慮や環境作りができる場合もありますし、支援級を選択しないと難しい場合もあります。

基本的には「本人の特性・必要な配慮/環境の把握⇒学校に相談⇒学級を検討」の流れで進めるのが良いです。

既に療育に通われてる方でしたら、まず療育先への相談が良いと思います。

もし療育先に通われていなかったり、相談が難しい場合は、次の項でお伝えする相談先を、選択肢の1つとして、ご確認ください。

✅お子さんの特性・必要な配慮/環境の把握は「リタリコジュニア

リタリコジュニア とは、発達/療育支援の教室になります。

専門の先生が、お子さんの行動を分析した上で「本人の特性/必要な配慮/過ごしやすい環境(学級)」について、丁寧に教えてくれます。

リタリコジュニアが良い理由は、大きく5つあります。

・療育の最大手
(実績と信頼がある)

・応用行動分析
(エビデンスに基づく指導)

・自己肯定感を高める指導
(子どもの楽しさ/成功体験を大切に)

・学級/学校生活の相談
(学級選び/学校で必要な配慮)
(学校への相談の仕方)

・家での関わりサポート
(ペアレントトレーニング)
(具体的な親の関わり方)

例えば、全体指示が苦手な子でしたら、

・そもそも聞いてない
・聞いてるけど、理解してない
・聞いてるし、理解してるけど、やりたくない
(やらないことを選択してる)

など、原因を分析し、根本的なアプローチ方法を教えてくれます(本人の特性、必要な配慮)

お子さんの特性や必要な配慮などが、普通級の範囲内なのか、支援級でないと難しいのか、判断材料を得ることができます。

専門的な視点で助言がもらえると、学級選びの参考になります。

このように、学級を検討する上で、必要な情報を把握できる所が、リタリコジュニア になります。

その他、メリット・デメリットなど詳しい情報は、下の記事をご覧ください。

特性ある子にとって、参考になる内容になっています。

【リタリコジュニア】療育支援員がおすすめする理由

「【現場でよくある事例】支援級(情緒級)を選んで後悔する4つのパターン・対策」のまとめ

記事のポイントになります。



支援級を選んで「後悔する3パターン」
・学級の実態が本人に合ってない
・担任に理解がない
・学習内容が本人に簡単すぎる

支援級を選ぶ前に「押さえたいこと
・子ども本人の気持ちの確認
・支援級の情報を集める
・家庭/学校/療育先との連携

支援級によくある「学習問題」(対策)
・学習レベルのミスマッチ
・学習フォロー
・タブレット学習

学級選びで悩まれてる子に
 「必要なもの」

・子どもの特性の把握
・必要な配慮/環境の把握
・学校側への相談
 (本人の特性を把握した上で)


以上になります。

本記事がお役に立てば、幸いです。

【関連記事】

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発達障害/グレーゾーン/場面緘黙/不登校のお子さんとご家族の支援を、日々行っております。◇療育指導員◇相談支援員◇発達支援10年◇ブログ【週2回更新】◇twitter【毎日発信】◇長男が療育通所中◇

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